終風日報編集後記 慈善団体か税か

 トップニュースが微妙だった。率直なところこれがトップニュースという新聞はまずいのでさらに出力調整したい。▼苫米地英人博士は言う、「日本で著名な慈善団体でさえ、会計報告を見れば実際に利用されているお金が非常に少ない団体があって、寄付金の多くは職員の給料や設備に使われている。つまり彼らはビジネスをしているだけなの」▼これはとても微妙な問題だ。震災前の話題になるが、タイガーマスク現象のおり、なぜ既存の寄付団体が機能していないかに見えるか少し調べてみた。だいたい傾向はわかった。問題といえば問題だが非難しづらいものがあった。▼苫米地博士は言う、「自分のお金を他人のために役立てたい人は、寄付する以前に、税金を納めるべきだよね」▼ここも微妙な問題だ。基本的に税を小さくすることが国家の肥大化を抑える。国家の肥大化は管理機構を巨大化させ社会に国家寄生の権力階層を生み出す。しかし、税を一律に小さくすればよいわけでもない。▼こうした問題は基本と実態がなければ議論できない。苫米地博士のように例と概論では混乱した話になる。

昨日のお金の話の補足だけど

 現実は、30代以降の大人の男と大人の女のカネを巻き込んだどろどろした世界があるばかり。だから、意外と、恋愛とかしっかり考えることにカネの問題が従属したりする世界になると思うよ。

 ちょっと補足しておきますよ。簡単なことなんだけど。
 僕の知人に東大出て一流会社に入って美人の奥さんもろって家建てて子どもが生まれてと順風満帆なやつがいて、長く疎遠だったけど、再開したら離婚していた。なんで離婚したのと聞くと、君もいずれわかるよと答えた。家と子どもは引き取ったらしい。ローンについても解決したそうだ。賢いやつだったからなとは思った。
 どういうことがあったか、お金の流れを見るとだいたい想像は付くので書くまでもないし、その後、彼は幸福な再婚をしている。
 で、と。ここから一般論だが、家を建てて子どもができてからの離婚は、お金にすごい影響をもたらす。あたりまえだけど。20年くらいは続く。億単位の借金くらいのインパクトはある。
 ここから導かれる教訓は、先の引用のとおりということだが、逆もある。
 きちんとカネを稼ぐかみさんとか、貧乏でも幸せにやりくりできるかみさんというのがいる。これはけっこういる。当然だが、これは夫の側にもいえる。
 世の中の人というのは、大手企業の労組とか公務員でもなければ、カネというのは世間様からいただいているという倫理がしっかりしてないとやっていけないし、そこがしっかりしていれば、生きていける。相応のカネが回って生きていくもの。そしていずれ死ぬ。
 とかいうと、20代の人をスポイルしているみたいだから、説教も足しておくと。
 「菜根譚」という本がある。
 中国4000年のヴェジタリアンフード・レシピの本だ。英訳すると、"Vegetable Roots Full-course"
 な、わけない。
 私のようなしょぼい凡人がいかに生きるべきかを書いた最高の古典である。
 で、なぜこれが「菜根譚」なのか。
 朱子「小学」善行第六に言う、「汪信民、嘗って人は常に菜根を咬み得ば、則ち百事做すべし、と言う。」
 大根のしっぽを囓って生活できる人間になれば、なにごともなしうる、というのである。
 私の解釈はちょっと違って、繊維質やミネラルの多いゴボウとかきちんと食べなさいである。
 ゴボウ、大根、蕪、こうしたものが20代のころからきちんと食卓に上るというのがカネより大切だと。