朝日 厚生年金基金―代行廃止は政治の仕事 : 朝日新聞デジタル:社説

 ただ、今は健全な基金も、これからはどうか。全体的に基金の運用状況は悪化している。過去10年間、厚生年金本体の平均運用利回りを上回った基金は、595基金中4基金だけだ。
 下回った分を、穴埋めする体力が企業にあればよい。だが、基金の約8割は同業の中小企業が集まった「総合型」である。穴埋めしようとすれば経営が傾く企業が少なくない。
 1社つぶれたら、その債務を他の加入企業が肩代わりする連帯責任について、報告書は廃止を求めた。これは裏を返せば、国が負うリスクが高まったということだ。
 一方、代行部分を含む運用によって、基金が厚生年金に上乗せできている額は1人あたり月平均7600円ほど。退職後の支えとは言えない。
 そんな制度を、公的年金をリスクにさらしてまで維持する意義は乏しい。まさか、基金天下り役員や運用を受託する金融機関のためではあるまい。
 代行の廃止に向けた制度設計に入るべきだ。民主、自民、公明の3党合意で設置される社会保障改革の国民会議で議論するのも一案だ。

 で、どう解決するのか、社説からは読み取れず。というか、これ現下の政府で対応できそうにないが。