さぁ、スタートだ!

23日からの飛び石連休で四国横断ツーリングを企画していたが、週間天気予報では秋雨前線南下のため降水確率が高く急遽18日出発に変更する。 9.5Lのビッグタンクは塗装が完全に乾いていなういえ、バッテリー搭載も使えないことはないが未完成。 無線のヘッドセットも使用できるかどうか未確認だ。 何もかもが準備不足だが天気には代えられない。幸い、義父の体調不良の件も収まってくれたため日程変更を行う事にした。
7時脇町インターのガード下集合。 昨夜、深夜までパッキングやタンク交換、バッテリー搭載などの出発準備を行い、今朝は早起きをする必要はなかったのだが、久しぶりのツーリングに興奮して5時過ぎに目が覚めてしまう。 早めの6時に自宅を出発する。 エイプの距離計は一周したばかりで46kmだ。 この夏の猛暑のせいで、9月中旬の早朝というのに全然寒くはない。 途中、中島田のローソンで半額のおにぎりを4個買って国道を脇町に向けて走る。
6時30分脇町インター着。 思った通り到着は少し早すぎた。 カントクも15分も早く6時45分に到着する。 ここで早速おにぎりを食べてこれからのツーリングに夢を膨らませながら今後の行程に付いて話をする。

バイク用のヘッドセットを取りつけて7時15分出発。 走り始めて200m。 最初の曲がり角を間違えていきなりダートに突っ込む。 とはいってもほんの2〜300mだけだが。 ここまでは無線も絶好調! 思ったよりもバイクの騒音はパラモーターに比べて小さく、非常に良好だ。 喜んで通話を行っていたがその直後、通話が途切れ始める。 一応PTTの配線は全てシールド線にしてあるが、2m近くと長いうえに細身の配線ため、イングニッションのノイズと無線機の出す電波がマイクに干渉して音声が途切れるようだ。残念・・・。 (T_T) テストする暇がなかったのが失敗だ。(帰宅後、確認したところPTTスイッチからノイズが混入していた。 PTTスイッチの回路を信号線を延ばすのではなくGNDを延ばすように変更を行って修復した。)
まずは、脇町から山川まで戻り、神山まで抜ける国道193号線に入る。 大きな荷物にも負けずに坂道をグングン登ってくれる。 コーナリングも安定している。 ゴリラとは全く違う。 少々ブレーキは甘いが、これなら安心して走れそうだ。 軽く一山越えて次は土須峠だ。 ここは渓流釣りでいつも走っている道なのでバイクのリハビリにはもってこいだ。

高知県に突入

軽快に山道を走りぬけて雲早隧道手前で休憩にする。 ここはいつ来ても素晴らしい眺めだ。 まるでパラで飛んでいるような風景を見せてくれる。 隧道を抜けて剣山スパー林道を横切り大釜の滝の上で写真撮影をし、そのまま大轟の滝まで進む。 この3段滝はいつ見ても見事だ。 ここからは道が広くなり美しい山と川の景色を見ながら軽快にバイクを飛ばす。 あっという間に距離を稼ぎ四ッ足トンネルに到着。 トンネル内でフルスロットルに挑戦し90kmのスピードメーターを振り切ってしまう。 カントクの話では110kmは出ていたそうだ。 すごいぞ、エイプくん!


トンネルを出たところで小休止してからさらにバイクを進める。 高知に入っても道が広いうえに景色も変わらず美しく走っているだけで楽しい。 途中、ロードバイクが軽く気持ちの良いエンジン音とともに我々二人を追い抜いて行った。 ちらっと追撃モードに入ったが、風景を楽しめなくなるので追撃を中止。 フラリーマンも少々大人になったようだ?? 永瀬ダムのすぐ上流の大栃で見事なアーチ型の橋が目に入った。 カントクと特に意味はないが橋の上までバイクを進めて記念写真♪ 無名の橋だがこれはすごい!


ここから約30分で土佐山田まで出てきたが山並みの道と違ってとにかく暑い。 この下界の暑さには本当に参ってしまった。 根曳峠に入って峠を駆け登っていくが、さすがにこの坂はきつく大きな荷物も負荷となってエイプでは6〜70kmが限界だ。 それでも何台かの車を追い抜きながら峠を越える。 峠を越えると下界がうそのような涼しさとなる。

大杉と早明浦ダム

山道を気持ちよく走っているとあっという間に大豊に到着する。 ここでは何度も前を通りながら一度も見たことのなかった大杉を初めて見学することにする。 これは大きい!! さすがに大杉と名前が付くだけのことはある。 縄文杉を見る前に一見するのが四国に住んでいる者の礼儀だろう。 ここではK腹さんが石仏になっていたので写真撮影♪ そのままひばり食堂に向かう。 このひばり食堂は小笠原精肉店が経営する食堂で、とにかく何もかもが大盛りだそうだ。 敗戦直後に9歳でデビューした美空和枝が地方巡業をしている途中で、大豊町でバス事故に遭遇し九死に一生を得た。 そして、一ヶ月半の療養後、この大杉に「日本一の歌手になれるように」と願をかけたそうだ。 その美空和枝がその後、美空ひばりとなる。 その逸話から「ひばり食堂」と名前を付けたそうだ。

店は満席で待つこと約45分。 やっとお目当てのカツ丼がやってくる。 なんと大きなトンカツが2枚! これはでかい!! めちゃくちゃお腹が空いてはいたが、もう満腹満腹! 45分の待ち時間の価値は十分。 700円は安すぎる。 途中他のお客さんに配膳されるオムライスもカレーも2〜3人前はあろうかというサイズ。 恐るべしひばり食堂。

そのまま、隣にある小笠原精肉店へ入り牛肉のランプをズバッと切ってもらう。 厚さは5cmと指定したが、お店の奥さんの思いっきりが悪く2〜3cmに縮小・・・。 それでも面積がB4サイズぐらいもあったので1kg弱のビッグサイズだ。 保冷剤をもらって新聞に包み次の目的地の早明浦ダムに向かう。 早明浦ダムの手前の本山町でビールに氷、ガーリックとナッツ類など今晩の食料を買い込むことにする。 この先にはすーぱーがあるような街がないからだ。買い物が終わって数分で早明浦ダムに入る。


早明浦ダムは貯水量80%ほどでさすがにでかい。 何枚か写真を撮ってから寒風山に向かってダムサイトの南岸を走る。 途中工事中でエスケープルートとして橋を渡って北岸に入るが、支流に入った事に気が付かず、再び橋を渡った際に南岸に戻ったと勘違いをして逆向きに道を曲がってしまった。 1〜2km走ったところで県道名がおかしい事に気が付き地図を見直して間違いに気が付く。 早目に気が付いたので本当に助かった。(^_^;

温泉と寒風山

新寒風山トンネル手前の道の駅「ゆずの香」に到着したのが3時過ぎ。 ここで温泉に入ることにする。 バイクの上で固まった体が温泉のお湯で解れていく。 これは最高だ! お湯の中で今日走った行程についてカントクと話すのは本当に楽しい。 ツーリングでは温泉は欠かせないアイテムだろう♪
 
ここから約30分で旧寒風山トンネルに到着。 ここには駐車場とトイレ、湧き水、屋根付きの休憩所がある。 この屋根付きの休憩所が気に入ってここで野宿することにする。 ただ残念なことに、飲み捨てられた空き缶やお弁当の入れ物など散乱している。 山にくる人間は来た時よりも美しくが基本なのに困ったものだ。 散乱したゴミを簡単に片付けてからバーベキューのスタートだ。 まず網を2枚に分けて炭に火を付ける。 肉を保冷で巻いていた広告を着火材代わりにするが大失敗! 灰が出るだけで全く炭に火が付かない。 再度メタノールを補充して直接炭をあぶって着火に成功する。 慣れないことはするものではない。 いつものやり方が一番だ。
炭に火が着くまでに既に2本のビールがフラリーマンの胃袋で蒸発してしまった。 (x_x)☆\(ーー; ビシ!! ここからは食堂もやった経験があるカントクに任せてステーキを4分割して焼くことにする・・・が! カントクぅ〜〜〜!! ええかげんすぎ! 塩コショウを低い位置で降りかけるものだからムラムラで全く駄目!! え〜〜い、フラリーマンに任せんかぁ〜い! という事でフラリーマンが肉を焼くことにする。 火バサミを忘れたので割り箸で肉を焼いたが、炭が熱い熱い!! 次回はちゃんと火バサミを用意しよう。
焼け上がった肉は最高!! 焼け具合も塩加減もガーリックも文句なしの出来上がりだ。 ビールも肉もバーボンもどんどん進んで夜が更けてゆく。 今日のツーリングの話、エリアの話、パラモーターの話、色々な話をしたが全部忘れてしまい、ただ「楽しかったなぁ」だけが残った。 何時かわからないが、食べるものもなくなって宴会も終了となり寝袋に入って爆睡となる。 夜中の3時ごろふと目が覚めて空を見上げると満天の星だ! 寒風山の北側には町はなく炭のように真っ暗なので星の見え方が素晴らしい。 月がないのに歩けるほど星が明るい。 1Lほど水を飲んで再び爆睡。(^_^; 本当に密度の濃い一日だった。