筒井康隆氏についての…

筒井康隆さんについての情報を中心としたブログです

時かけ映画祭』

 ということで行ってきました、『時かけ映画祭』。新宿ピカデリーにはとても大きな『時かけ2010』垂れ幕があって吃驚。

この垂れ幕には『時かけ2010』に対するコメントが多数掲載されており、筒井さんのコメントは左最上部に。

チケットは早々に完売だったとのことで、客席も満員(若干年齢は高め?)。三時半よりそれぞれのポスターが飾られた壇上にまず谷口監督と仲さんがご登場。谷口監督は長丁場となる今回のイベントへの参加を感謝されたのちに、過去の『時かけ』を大切に思っている人たちのその宝物に傷をつけないよう、今回の撮影には大きなプレッシャーを感じたと語り、それでも過去の作品へのリスペクトとともに、新たにチャレンジするつもりで作り上げた。是非楽しんで欲しいとこの『時かけ2010』への思いを述べられました。続いて仲さんはアニメ『時をかける少女』で真琴の声を演じてから、また『時かけ』が映像化されることがあれば何らかのかたちで関わりたいと思ってきた。今回、新たにヒロインを演じることが出来て、とても嬉しいと同時に不安も感じる。でも一生懸命がむしゃらにやったので、見て下さいと話されました。ここで司会の八雲ふみねさんがスペシャルゲストをお招きしますと筒井さんと大林監督を紹介。拍手のなか筒井さんと大林監督も壇上にご登場されました。
筒井さんは「私にとっては『金を稼ぐ少女』」と客席を沸かせたあと、「今までに『時をかける少女』は四回映画化されたが、「伊豆の踊り子」は六回。まだ及びません」と今後の映像化にも期待を寄せられました。大林監督は「自分が撮った映画から27年、今でも愛してもらっているのは幸せなこと。今回の映画もまた素晴らしい。楽しんで下さい」と挨拶。
トークショーは大林監督が撮影当時の秘話(角川春樹氏が原田知世さんを気に入って、特別賞を設けて、大林監督に彼女のために映画を一本作って欲しいと頼んだことや撮影時、頭にあったのは『美藝公』のこと。また筒井さんは作家であり俳優。尾道に見学に来ていただいた時、出演交渉したが断られた。あらかじめ台本をお渡しして依頼すべきだった等)を披露。筒井さんは『時をかける少女』を執筆したときのことを振り返り、自分を含めSF作家はみな専門誌である「SFマガジン」以外には学習誌しか執筆する媒体がなかった。なんとかSFの面白さを若い読者に伝えたいと懸命に書いたと語られました。『時をかける少女』は舞台も年代もある程度自由に出来る。何度も映像化されているが、自分にとって全てが「時をかける少女」。今後変わっていくのも楽しみとも。最後には最新刊『アホの壁』は品薄になっている書店が多いが、じき重版が店頭に並ぶので原作『時かけ』ともどもお買い求め下さいとアピール。拍手拍手でした。
知世ちゃん版は劇場で観たのは随分と久しぶり。カーテンコールのようなラストは何度観ても笑みがこぼれます。上映後には大林監督が客席から感謝を述べられ、谷口監督とともに拍手で見送られ退場。細田監督版も劇場鑑賞は2006年の恵比寿以来。カラオケの場面はいつでもどこでも誰でも大爆笑なのを再確認。ラスト近くのやりとりはやっぱり泣けます。
ここでプレゼントタイム。谷口監督と仲さんがふたたびご登壇。筒井さん署名入り『時をかける少女』(角川文庫版)や大林監督サイン入り『時かけ83』プレスシート、オリジナルサントラLPや仲さん、谷口監督サイン入りポスターやプレスなど豪華景品が席番号による抽選でプレゼントされました。
時かけ映画祭』、ラストを飾るのは最新作『時をかける少女2010』。1983年版・2006年版を観た後だからこそ、時の非情さ、人の想いの切なさと強さをより感じられたひとときになりました。
時をかける少女2010』、劇場公開は3/13(土)からです!