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富柏村香港日剰 日記 ブログ 網誌 博客

2016-12-07

2016年12月07日の呟板

2016-12-06

2016年12月06日の呟板

2016-12-05

2016年12月05日の呟板

2016-12-04

fookpaktsuen2016-12-04

農暦十一月初六日。十一月は何かと忙殺され週末は東京、マカオ、青島と外遊もあり、その皺寄せで日曜日本日は終日残務処理。帰宅しても家事NHKで〈真田丸〉眺めるが途中の話がわからない。

平川克美「成長望めぬ社会」(日経3日夕刊、こちら)より。

国民国家、デモクラシーインターナショナリズムといった世界秩序の根幹が揺らぎ始め、代わってグローバル市場、強権的指導者による迅速な意思決定システム排外的競争主義としてのナショナリズムという新秩序がつくられようとしています。おおまかに言ってこのように今の世界をみています

旧来の価値観が揺らいでいる大きな原因は、先進国では経済成長が難しくなったということでしょう。株式会社は経済成長を前提としたシステム。成長するから投資家は出資する。金利にしても年金にしても我々を取り巻く全てのシステムが成長を前提に形作られている。成長が止まってしまうと、システムの基盤が揺らいでいく。

そりゃ、できれば成長した方がいい。しない方がいいとは思っていません。ただ、もう、難しくなっているんです。日本は向こう50年は人口減少フェーズが続く。人口減少はマーケットの減少につながる。いまは総需要は頭打ちで、物価が下がってバランスしている定常化経済の段階にあります

成長論者は希望を言っているだけなんですね。成長すればすべてがうまく回る。成長してくれたらいいなと。だが、現実をよく見て下さい。日銀の物価上昇目標はいつまでたっても実現しない。所得格差は広がる一方です。定常化に即した経済運営がなされてない。

若い人たちは気づいていますよ。私の大学の教え子は1990年代の生まれ。ものごころ付いた時から経済は定常化した状態にあります。我々の世代年収500万円は見込めた。しかし今の若い人は大会社にでも入らないと300万円確保も難しい。だったら300万円でやっていく方向を探るしかない。実際にシェアハウスに住んだり、地方に移住して農業従事したりと、定常化に合わせた生き方を選んでいる。それを悲観的にみる人もいますが、私はまったく悲観していません。

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顔本:引用するには内容の深い記事等はこちらの顔本に無断転用で掲載しております。

富柏村の呟板

富柏村サイト(2004年以前の日記、過去の雑誌出稿記事)

富柏村写真 at Flickr

2016-12-03 坪洲から大嶼山梅窩に遊ぶ

fookpaktsuen2016-12-03

農暦十一月初五。狸穴N嬢とご亭主K氏来港で家人も一緒に午前九時すぎに中環の埠頭で待ち合はせ坪洲島へ。街中から南湾新村、坂を南山路に上がり小高い丘の上の海一望の高級住宅眺める。大嶼山は梅窩への横水渡(Inter Islands)の船の時間までに波止場近くのスーパーでワイン調達するが冷えてないので勝手にワインを購入前にアイスクリームの冷凍庫に入れる荒技。横水渡で20分ほど揺られ梅窩に着く。埠頭横の海鮮料理屋で昼餉。ワインは白はOyster BayのSauv BlとChardで赤はLe Coq Rougeのはず。香港島に戻り一旦解散で按摩。早晩に仕切り直しで鵝頸橋の越華會海鮮に飰す。給仕たちの実に気のきいたサービスマナーの良さに敬服。料理も上手く鶏のスープは絶品で然も銅羅湾だと思へば値段もリーズナブル家人は昼の食事と酒に胃が疲れ晩は一旦来たが挨拶だけして早退。お二方と湾仔まで歩きお別れして六國ホテル。今週末来港中のA氏とホテル裡の北京水餃皇に飰す。我ながらなんて胃袋。場所外人客も多いが店主と女将の客遇ひが良い。タクシーFCCに行きバーで飲む。イングランドと豪州のラグビー試合中継の始まる頃にバーを辞しA氏を蘭桂坊抜けませうと誘へば、もう年末なのかまぁ大騒ぎの酔客が路上に溢れてゐる。A氏のお土産の調味料等調達に中環のスーパーマーケットに寄り真面目にMTR帰宅

f:id:fookpaktsuen:20161203100535j:image:h180 f:id:fookpaktsuen:20161203102557j:image:h180 f:id:fookpaktsuen:20161203105412j:image:h180 f:id:fookpaktsuen:20161203123804j:image:h180 f:id:fookpaktsuen:20161203132621j:image:h180f:id:fookpaktsuen:20161204225738j:image:w200:right f:id:fookpaktsuen:20161203192329j:image:h180 f:id:fookpaktsuen:20161203201617j:image:h180 f:id:fookpaktsuen:20161203211306j:image:h180

▼フランス政府法制局のトップたるジャンマルク=ソヴェ氏のインタビュー朝日新聞)で(憲法を考える)「憲法の価値を守るもの」(こちら)。官僚のM嬢曰くインテリとはかういふもの、を見せるつける「揺るがず品格あって成熟」。「観念を語ってるのに地に足が付いている」のは実務家だからで信念持つてゐるから。御意。日本になぜかういふ政府のインテリが育まれないのか。

2016-12-02

fookpaktsuen2016-12-02

農暦十一月初四。終日会議あり末席汚し晩に銅羅湾のエクセルシオールホテルの怡東軒に飰す。見る限り常連で上客多し。恐れ入る。客を北角まで送り銅羅湾に戻りバーSに独酌。

▼NHK会長籾井某再選困難の由。

▼自民党がカジノ法案採決強行。なぜ晋三の政権がこゝまでなりふり構はず好き放題が出来てしまふのか。The Economistの“Abe ascendant - Shinzo Abe has accumulated unprecedented power”(こちら)より。

In short, Mr Abe is in a uniquely powerful position for a Japanese prime minister. How he intends to use that power remains a bit of a mystery, however. He has been much bolder, politically, about pushing his ideas on security and international relations than he has about more urgent challenges such as Japan’s shrinking population and idling economy. His labour- market and immigration reforms have been timid. He recently abandoned a plan to remove a tax credit that discourages married women from working full-time, which pushes them into insecure part-time work. It would be a shame to accumulate so much authority, only to squander it on less-than-pressing causes.

▼香港立法會で就任宣誓時に「香港独立」叫び議員資格剥奪の2議員(まだ最終審に提訴できなくもないが)に加へ事もあろうに香港政府は宣誓時に不良な言動のあつた反政府派の4議員についても議員資格剥奪を高等裁に提訴。北京の保護下でのやりたい放題があまりにナイーヴ©江沢民で稚拙そのもの。

Many people in Hong Kong say the two behaved offensively. But many are also upset by the response both of their own government and of the central one in Beijing. Legislators critical of the Communist Party’s influence in Hong Kong often use gestures or statements to undermine the impact of their mandatory oaths when being sworn in. Sometimes such antics are ignored; at other times legislators are allowed to try again. The local government gave Mr Leung and Ms Yau no second chance, turning to the High Court to get them disbarred. The central authorities, fearful that the pair’s admission to Legco might encourage the spread of pro-independence views, issued a directive through the national parliament that was clearly aimed at persuading the court to rule against them. The judge denied he had taken the instruction into account, but many lawyers saw it as a blow to the territory’s judicial independence.

The Economist記事“Nipped in the bud - Trouble could loom for more”(こちら)より。

2016-12-01

fookpaktsuen2016-12-01

農暦十一月初三。天皇退位に関する(自称他称)有識者会議が(いろいろな意味での)専門家から聴取終へ、さて具体的にどうするか年明けに発表ださうだが既に「特別立法法で集約へ」といふ流れといふ(毎日新聞)。今回この専門家らのコメントで興味深いのは、これまで親皇派だと思はれてきた学者らが実は<天皇擁護ではなく<天皇制>こそが國體で、それに確執すること。聖上の真意など二の次。まさにこれぞ天皇機関説美濃部達吉は見事に天皇制本質を見抜いてゐたのかも。今日このタイミングで陛下の学友が陛下お気持ちについて発表といふ記事新聞各氏に。何たるタイミング。聖上は退位につき「自分だけの問題ではない、将来にわたって象徴天皇制のあり方がどうあるべきかが大切」と述べたさうで(直接的な表現避けながらも)特例法での対応に異を唱へた唱えてゐる(朝日こちら)。朝日は学友の素性書いてゐないが東京新聞にはこのご学友が明石さんといふ方で貴族院議員で男爵長男として生まれ陛下とは四歳の時から竹馬の友、と紹介。明石といへば、この方の祖父が日露戦争前の「明石機関」の明石元二郎(第七代台湾総督)。かういふ記事なら毎日新聞が得意。前述の、退位は「特別立法で集約へ」を一面トップに置いた横で、この学友による陛下コメントは実は今年七月に麻生漫画太郎の紹介で官邸で退位問題担当の副官房長官杉田某)に会ひ伝へられてゐたといふ。七月にこの面会の一週間前に陛下から晩十時にこの明石氏に突然の電話があつたさう。それにしても、この陛下コメントのことが有識者会議のこのタイミングで新聞に一斉に発表とは夏前の晋三もビックリの「生前退位」がNHKで、あのやうな形で報じられた時のやうにとんでもない計画的、用意周到なマスコミ世論への影響考慮した動き。電通も真っ青か(まさか、これに絡んではゐないと思ふが)。新聞新聞で、これをどこかがスッパ抜いたならまだしも一斉に記事に、では大本営発表。日本の報道の自由度が世界でも高くないのはこれでも明らかなり。

2016-11-30

fookpaktsuen2016-11-30

農暦十一月初二。快晴。夜、返家。今日の朝刊に競馬欄あり今晩は跑馬地の競馬かとテレビをつけ第1レースから競馬始める。ハッピーヴァレイらしいクラス5の冴へない馬のレースだがハンディキャップで20戦未勝なんて馬が7歳馬で初勝利なんてあるから面白い。おでんと日本酒でほろ酔ひ気分で途中、買つた馬が寝てしまつた間に1着だつたりで第8レースまで単勝複勝でやるが結果的に3レース単勝、2レースも複勝で取りなかなかの成績。

▼韓国の朴槿恵大統領について。大統領として瑕疵があるにせよ、どこか同情するところもあり(だからといつて免罪にはならぬが)。たゞそれをどう表現すればいゝのか言葉が見当たらずにゐたが伊藤亜人先生が言ひ当てゝゐる(朝日新聞、こちら)。

朴大統領は、なぜ、チェ被告のとりこになってしまったのでしょうか。私は韓国社会で女性が置かれる精神的な側面が大きいと思います。かつて儒教社会にみられた、公的世界での男性優位の伝統は今も根強いようです。男性の意識特にそうです。初の女性大統領は、ストレスを抱えていたのでしょう。そのうえ両親を不幸な形で亡くし、政治家に対する不信感が強く、弟妹との関係も疎遠です。

親しい相談相手が、霊的な力を持つとも伝えられるチェ被告で、大統領のことをオンニ(お姉さん)と呼び、実の姉妹のような関係だったようです。男性優位社会のストレス孤独を癒やしていたのではないでしょうか。

かなり婉曲な表現だが伊藤先生の更に言はむとするところは明らか。

▼早いもので歳末、で正月正月といへば初詣だが「古来の習慣」「伝統行事」か、といふとさもあらず。朝日新聞の興味深い記事(樋口大二記者こちら)。歳時記を見ても江戸時代に「初詣」を詠んだ句は載つてをらず歌舞伎の外題でも「初詣」が使はれるのは明治三十年初演の「初詣寿曽我」が最初。江戸時代の人々は「初詣」をしてゐない。1872年に品川〜横浜の鉄道が開通し川崎驛が出来、川崎といへば川崎大師だが1981年元旦新聞記事朝日)に「又東京全市よりの方角にハ川崎大師がちよツと汽車にも乗れぶらぶら歩きも出来のん気にして至極妙なりと参詣に出向きたるも多く…」あり、この頃には初詣が定着してゐたといふ。

初詣はまず、鉄道の発展とともに郊外への散策を兼ねたレジャーとして普及した。都心で例外になったのは1920年創建された明治神宮だ。気軽な娯楽を求めた庶民ニーズに加え、ナショナリズムの高揚とも結びついた初詣は「単なる娯楽ではない正しさ」をも獲得し更に広く深く普及した。

伝統的に見える場所で行われるだけで伝統的と思へてしまふ、伝統といふものが意外とインスタントに定着すること。記事は「初詣明治以降に「創られた伝統」ではあるが、すでに百年以上の歴史がある。現代人にとっては、もう十分に「伝統行事であるのかもしれない」と結ぶが百年程度のことを伝統としてしまふと本質が見えなくなるのが怖い。英国の歴史家Eric Hobsbawmらの指摘と初めて知つたが「創られた伝統」とは「長く受け継がれてきたと考えられてきた伝統の多くが実際には近代に「国民文化」を創出するために発明されたもの」で、さらに民俗学的には「素朴に見えるものは古くから連綿と続いてきたという錯覚をもたらす」もので日本では明治に始まつたもの大正昭和には伝統として定着が多い。それにしてもキーワードは「鉄道」で原武史ワールド庶民にとつての旅行なるものが倫敦からブライトンへの鉄道の開通で日帰りからまりトーマス=クックの旅行業もそれは有名な話で鉄道が敷設されることで近代がいかに体系づけられたか。天皇行幸も船の時代もあつたが民草が天皇の乗つた列車を正確な時刻で拝見することで視覚的に天皇制なるものが下々に浸透したのだから

2016-11-29

農暦十一月初一。快晴。早晩にO嬢(と書くとどこか「O嬢の物語」みたいだが)と銅羅湾の秋光で天丼。バーMに飲む。

2016-11-28

農暦十月晦日。快晴。今日の蘋果日報のいくつかの記事が傑作。久々に倪匡健在で「HK is not China」小題大造:我都講過と題して語る(こちら)。

倪匡自言「唔係幾識英文」,但同意「白馬非馬,香港一定唔係中國㗎嘛」,反問那標語「有問題?」直言梁游二人的宣誓被小題大做,標語字句被曲解,「話係香港不是中國『的』,你點能夠加個『的』字?」

倪匡大老が香港が中国で一国両制も名目と痛感したのは旅居の米国から香港に還る際にエロDVD荷物に忍ばせてゐたら米国から出発の際に中国がエロDVDの持ち込み禁じてゐるとされ香港は中国ではないと主張しても認められなかつたといふ。もう一本の記事は同紙社主黎智英の“Trump”(こちら)。

Trump沒有救世理想,只憑直覺做事。當我看到 Trump選勝了,在台上謙卑地說:「我知道有些人反對我,我在這裏伸出我的手,希望得到你的忠告和友誼。」我突然悟出,我對 Trump樂觀的原因。

常無常人常無常人 2016/12/03 19:40 きのう2日、日本時間朝8時過ぎの公共放送で管理職アナ有働が笠 智衆をかさ何とやらと読み始めてネットで半分笑い話になっています。この時間にあの番組を見ている層(私も聞いてビックリ)がそれをネットで笑うほどの知能があるとして、だったら映画を見ているのか、それが同時にあのアニメを映画館に見に行って涙してしまったりするんだろうか。この世はこんな「気分」でできています、理屈の入り込む余地などないポピュリズムの行方。

2016-11-27 青島その

fookpaktsuen2016-11-27

農暦十月廿八日。快晴。ラウンジで朝食。日曜朝で七時半でも静か。こゝからの海岸の眺望が見事と聞いてはゐたが靄がかつて視界芳しからず。海岸の砂浜に遊歩道ありジョギングする人も少なからず。今回の青島で初めてアウトドアを走る。天気は良いがやはり煤塵は海岸線でも如何ともし難く1kmほどで降参しホテルのジムに還る。途中、あまりに可愛い野良の仔犬に甘えられる。昼まで机に倚り書類整理。退房。タクシーで空港に向かふ。郊外の工業地帯に入ると霧霾はさらにひどい。空港で通関後に「ファーストクラスラウンジ」なるものありFではないので使へるのかと思つたら驚くなかれキャセイドラゴンから全日空、ワンワールドからスタアラ、さらにPriority Passまでごった煮のラウンジで而も1980年代の中国民航か?といふくらいダサい。不味いチャーハンを麻婆豆腐と味気のない卵スープで胃に流し込む。麻婆豆腐といふ料理だけは「不味くて食べられない」がないだけ貴重な料理。今回の啤酒漬けの青島最後の青島啤酒。KA951便。Cは客が数人で閑散。定刻前に搭乗済み搭乗橋も下がるが動かない。機長が視野不良で待機と伝へる。小一時間の待機もCだとありがたい。飲み物が供されドライマティーニを二杯。雲海が見事。香港空港に着きCXの到着客ラウンジで雲呑麺注文すると伸びてしまつて汁もすつかり吸つたもの供され食べられぬ。空港からタクシー帰宅

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2016-11-26 青島その

fookpaktsuen2016-11-26

農暦十月廿七日。快晴。昨晩の何をするでもなく夜の散歩に疲れ今朝は珍しく八時前まで寝てゐた。ラウンジで遅めの朝食。ジムのトレッドミルで半時間だけ走る。部屋で机に倚りあれこれしてゐる内に昼前となり慌てゝ旅荷片付けラウンジで退房してゐると経理のG氏来られロビーに降りるまで、降りてからCXマルコポーロクラブ見直しSQシャングリラ協定につき同趣の話題で盛り上がり、いくつか貴重な情報いたゞく。氏も青島から日本に還る際にCXで香港経由してゐたが昨年の見直しで「もはやこれまで」だといふ。ホテルで小銭両替してもらひ26番の路線バスで旧市街へと向かふ。その沿線には海岸線沿ひ旧ドイツ建築を真似た、かなり豪邸に近いリゾート型分譲住宅が並び、そのうち元々ドイツが建造した古い建物が目立つやうになれば旧市街。狭い市街なので歩いてゐれば丘の上に天主堂が聳えるのが見える。建物こそ残してはゐるがファザードなど悪趣味商店風に化粧してしまつてゐたりは残念。天主堂の丘の裏手は古い住宅が並び商店も並んでゐたやうだが「再開発」ですつかり空き家ばかり。その開発も経済成長停滞で頓挫か、するとゴーストタウンだらう。辛うじて海産物扱ふ商店の並ぶ通りは飲食店なども並び角の「水餃」も看板にある一軒の食堂に入り三日目でやつと餃子にあり着くところ食譜に餃子で○魚水餃とあり何かと思へば鰆(サワラ)の魚肉を飴にしたもので値段も少し高く当地名物だといふ。啤酒は一昨日からもう飲み過ぎに青島啤酒飲んでゐるが銘柄もわからぬ、食堂でタンクから供される生啤酒こそ美味いわけで生啤酒注文すると汚い食堂なのにジョッキへの注ぎ方慎重で勢いよく注ぎ泡が収まるの待ちて亦た注ぎと、じっくりと時間かけ四度目くらいで出来上がり。大した技量。これを飲みながら随分と待つて出てきた餃子は注文があつてから鰆を割いて魚肉解し練つて飴のしたやうで蒸された餃子の皮を滲みて迄その銀魚の旨味が蒸気となつて鼻をつく。想像より魚臭い。これが好きな輩にはたまらないが煮魚系の臭ひ苦手だと臭いと飴の旨味が一寸辛い。アタシも個人的にはどちらかといふと後者。一つ二つは美味いが半斤なのか二打も供されると、さすがにつらい。むしろ少し冷めてからの方が旨味は減るのだらうが食べやすい。慣れぬ食材の蒸し物といふ調理法に何となく肌に痒感あり。旧市街の中山路目指して歩く。青島の銀座通りで戦前からの老舗商店が並ぶ中に春和樓あり。19世紀後半からの青島に春和楼ありと謳はれた名料理屋。先ほど餃子頬張り啤酒飲んだばかりだが、この食指は青島の魯菜全般人口膾炙すなかでも春和樓蒸餃と銘打つた飴各種の餃子あり食べぬわけにもいかぬ。先ほどの○魚餃子は遅めの昼、こちらは早めの夕餉といふことにして三鮮蒸餃を頬張る。こちらは各種香料混ぜた飴がこれまた見事で、やはり作るのは簡単な餃子のやうだが供されるまで20分ほど。昼餉の時間もすぎ客は疎らで蒸すのにある程度の注文が入るまで待ち一気に高圧の蒸気で蒸し上げるのだらう。この待ちがあるから啤酒でも飲んでゐないと時間が潰せない。路線バスで青島站へ。高速鉄道の開通で站舎は中国のどこの大都市にでもある巨大な「高鉄建築」になつてゐるのかと思つたが、さすがに青島だけあつてドイツ風の旧驛舎の建築様式損なわず旧舎の隣に新しく建造とはお見事。やはり鉄道驛の風情は終着駅に限る。

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26番の路線バス火車站が始発で、たゞ始発のバス停がどこかわからぬが驛に終着のバスが客を降ろして走り出すのを追ひかけバス番号の表示もない始発のバス停にたどり着きバスに乗る。時間はまだ午後3時すぎだが冬で陽はだいぶ西に傾き沿海には多くの旅遊客が鳩まり西陽に映える海岸と青島の旧市街を愛でてゐる。これだけで本当に大した観光資源。路線バスからの車窓の光景も美しい。ホテルに隣接した万象城といふ商場に入る。豪華な空間。香港にもこんな規模の商場はない。外を歩く人など少ないのに商場の中にはかなりの人出。これで地下鉄が開通したら、どんなことになるのかしら。シャングリラに還るとValley WingフロントにG氏をられ昼の話の続きも絶へず。タクシーで今晩の宿となるハイアットリージェンシーに向かふ。シャングリラでも旧市街から随分と離れた開発区と思つてゐたが北京五輪のヨット会場跡地の開発区や日本人居住者も多い香港花園界隈を抜け更に東に東にと豪邸が並ぶ分譲地や香港では考へられぬ広さのリゾート風高層マンション立ち並ぶ。郊外に行けば行くほど売れ残りや開発途中で放棄された分譲地もちらほら。真っ暗な中に突然、またメッセ会場のやうな建物が現れ、その隣がハイアットリージェンシー青島。こんなところに、と思ふが自家用車で週末の夕食や酒飲みに(代行はないだろ、運転して帰るのか?)来客少なからず。21階のラウンジチェックインして22階の市街ビューの部屋に下榻。海を眺めるにも夜は真っ暗、昼間は霧霾なら開発区を見下ろすほうが勉強になるか、と。予想通り、で眼下には開発失敗の高級分譲豪邸の半廃墟、その向かふに巨大な商場がこれでもかとネオン光らせる。闇は何かと思へば開発区にありがちな外省人の出稼ぎ村らしい。部屋はシャングリラのあの豪華重厚さに比べるとハイアット、それもリージェンシーらしい洗練された使ひ勝手良ささうな部屋で中国家具も嫌味がなく快適な空間。

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ラウンジハッピーアワーの、今日3本目の啤酒を飲む。夜の散歩ホテルを出て開発に失敗した豪華分譲住宅地区の横を抜け外省人村と派手はネオンが眩しい商場の方へ。出稼ぎ村の舗装もされてゐない路地に入る。街灯もない。路上の屋台や粗末な商店が点在する真っ暗な中を行き交ふ住人たち。1960年代東京はもう少し明るく活気があつたか。中上健次の好きさうな路地世界迷宮のやうな村のなか人が多く流れてくる方向を逆光すると眩しいネオンに近づき眩しさで暗い人影も消えるほど。商場側からだと路地とも思へぬ細い空間から商場が接した広い道路に出る。両側で8車線の道路の向かふにも同じやうな商場。交差点は地下鉄の工事現場。何年後かにこれが早くと開通するのを待つデベロッパー。商場に入る気もしないが無印に寄つて手袋等贖ふ。青島でタクシーバス、餃子と啤酒以外に初めてカネを使つた。ホテルに還る途中、また出稼ぎ村に今度は違ふ方向から入る。商店もなく真っ暗な中に小さな粗末な家が並ぶ。その中にぼんやりと灯があり近くと「推拿」とあり按摩屋。こんな暗がりで紅いネオンサインなら按摩どころかチョンの間か、と思ふ。中を覗くと畳三畳にも満たぬ広さに按摩台が置かれただけで三方が路地に面して中は丸見え。そこに按摩師らしき若者がゐるだけ。これぢゃ衆道風俗業でもあるまい。実はこの青年客引きで奥から淫賣婦が出てくるには、その部屋もない造り。掘っ立て小屋のやうな建物で一般的にはかなり二の足を踏むところだらうがアタシはさういふ点では躊躇しないので扉を開け「今、按摩できるの?」と聞くと「どうぞ」といふので当然こんな場所カーテンすらなく外から見えるのだから着衣のまゝ按摩台に伏せる。さすがの寒さで按摩台の電気毛布と部屋に置かれた小さな炭火が赤々と燃える暖房の、電気の暖かさではない何とも温みが心地よい。按摩の腕は大したものでぽつぽつといろいろ四方山話。実家は山東省の田舎で青島で以前は大きな健康中心で按摩師をしてゐたが気功など自分で学ぶうちに静かにその施術をしたい、と自分でこの村で開業して2年だといふ。気功中医の話、座禅や呼吸のことから文明論まで話が尽きぬ。それでも香港のBeyondが好きだとか(若いのでこのバンドの現役のことは知らないといふ)、アタシが失礼だけど此処をスケベ系按摩だと勘違ひする客はゐないのか?と尋ねると近くに数件さういふ按摩もあるので時々あるが扉を開けて、この開放的な空間と自分しかゐないことを知ると慌てゝ出てゆく客もときどき、と笑ふ。肩が毎日電脳生活でがちがちだが、とくに右肩の腕元あたりの凝りは尋常じゃない、といはれ揉み解せないから、とbá guànを勧められる。がこれが抜罐とすぐに聞きとれず。吸ひ玉(カッピング)治療なんて十数年やつてゐないかしら。按摩師の勧めに従ひ抜罐。さすがにこれは着衣は無理で上半身裸になるが、これは自分路地から眺めてみたい。1時間の按摩と抜罐で75元也。青島に来る機会など次にいつあるかわからぬが、この按摩は機会があれば再来したくWeChatで連絡先をもらふ。按摩をしたら腹が減り、考へてみたら午後3時すぎに餃子を食べてから時間。集落の入り口にある蘭州牛肉麺に入り麺を啜る。ホテルに戻り地下のバーへ。土曜晩でも三更に、この辺鄙な場所では広いバーで三、四人の泥酔の客が、どうやつて帰るのか、おそらく自動車運転しさうだがべろんべろんになつてゐるだけ。グレンフィディックをダブルで1杯だけ飲んで半夜三更に部屋に還る。

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学者の対談で朝日新聞杉田敦がツッコミ役で長谷部恭男に話させる「考論」が面白い毎日新聞北田暁大ホストの対談が面白く今回は小森陽一先生

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2016-11-25 青島その

fookpaktsuen2016-11-25

農暦十月廾六日。快晴。終日某所に連行されセミナーあり末席を汚す。晩にシャングリラホテルに戻り夕食会。同じ卓で数名の日本人1980年代前半の中共をよく識る謂はゞ同志で、まだ貧しくも開放政策で人々が明るく元気に生活し始めた当時のこと物語する。終はつて昨晩のバーは賑やかすぎたのでロビーラウンジで同行の方々と飲む。昨日このホテルチェックインの際に今年末で切れる点数がUS$100分だかあると聞かされ宿泊への転用は叶はず飲食のみといふので昨晩の飲み代はその点数で相殺したが、まだ半分もあり今晩もそれで。部屋に戻るが夜中の市中視察とタクシーで(といふか、それしか手段がない)威海路に向かひタクシー降りて夜中の町を漫ろ歩き何をするでもなく亦たタクシーで香港中路。このあたり日本人多く日本人相手の卡拉OKバー密集なのを知る。だが店内から微かに騒ぎは聞こえるが人影もほとんどなく、在留邦人数千名で出張客入れも青島で日本人男性相手にこんなに何軒もの飲み屋がやつてゐけるのか。当然のやうに入るはずもなくタクシーホテルに戻る。

今日ご一緒した三人の中国人関係者。そのうちお二人は既知であつたが一人は貴州省出身の苗族で大学を出て日本に技術留学する前は国家事業系の航空開発会社勤務でミサイル設計をしてゐたといふ。もう一人の女性天津出身だが母が右派知識分子として文革新疆下放され現地で知り合つた男性との間に生まれたといふ。今日初めて会つた若い女性は青島生まれで青島育ちだが小学校から大学まで家の近くで、ここで一生が終はるのか?と思つたら当時は留学ブームで友だちが米国などに留学するのに触発され自分タイのバンコクに行き大学で学び日系の経理会社に働いたといふ。人それぞれ数奇な人生あり。

2016-11-24 青島その

fookpaktsuen2016-11-24

農暦十月廿五日。五時間半ほど眠れて珈琲一杯のみ空港に向かふがタクシーで香港站に行くつもりで通勤ラッシュより早く出たがタクシー見つける前にミニバスが空いてゐて太古のバス停で空港行きのバスもすぐに来て久々にバスでのんびりと空港行き。ドラゴン航空が「キャセイドラゴン」となつて初めてのフライトで青島へ。27番ゲートだつたがCX新装なつた評判のラウンジ“The Pier”視察で遠出。想像以上の広さにキッチン、ダイニング、カフェ、バー、ラウンジ睡眠等さまざまな環境にさまざまな椅子が適度な距離に配置され65番ゲートといふ僻地ゆゑ利用者も少なく快適。Cは40席以上だが乗客は5名ほどのA330の機中でふと映画で「シン・ゴジラ」の本ゴジラ登場までを見る。仔ゴジラ出現あたりの組織論や意思決定、米国との関係など霞ヶ関ストーリーのところが社会学的にやはり面白い。本ゴジラ出現から食傷気味で見たいと思はず。青島は摂氏5度の快晴。上海から到着のT氏と丁度時間が合ひ待ち合はせ。市内に向かふ空港から道路沿線は中途半端な開発区と市の手前に国営時代からの大工場並び煙突から煙がもくもく。殺伐たる光景。新市街に入りシャングリラホテル90年代の本館に8年だか前にValley Wingといふ新館開設で後者に部屋宛はれ20階のラウンジチェックインしてゐると日本人の経理G氏挨拶に来られ日本客担当か、と思つたら、この新館全体の経理で19階の部屋宛はれ下榻。夕方ジムに下りると東京からのN氏と邂逅。飲む前に泳ぐ、とN氏。御意。良いホテルだと部屋の清掃で洗面用具などきちんと並べてくれるがアタシはそれを倣ひ自分で一通りやつてしまふ。小一時間トレッドミルで走る。外の気温は走るには快適だがPM2.5が90だとか。ランジのハッピーアワーで当然、青島啤酒飲む。このホテルが青島啤酒と提携したプレミアムはさすがに有料で15元(ロビーラウンジでは25元)。晩は上海T氏、東京N氏とご一緒でホテルスタッフに近くで安くて美味い餃子屋はないか?と尋ねてホテル隣の万象城といふ青島唯一の鳴物入りのショッピングセンターの向かふにある餃子屋狙つたが地元の方に「もっといゝ店にお連れしますよ」といはれ行つた先が青島奥林匹克帆船中心(北京五輪の際のヨット競技会場跡)にある商業区域で何軒も飲食店開いてゐるが夜は戒厳令下のごとき閑散ぶり。開発過剰。鼎泰豐。まさか青島で台北の鼎泰豐とは予想もしなかつたが鼎泰豐の創業者(楊秉彝)は山西省出身外省人だし。ホテルに戻りバーでお二方と飲む。フィリピンバンドが賑やかだが客の連れてきた5、6歳の娘の陶酔しきつた見事なダンスを拝む。自分で初めてホテルの外に出る。摂氏0度くらゐ。ホテルの角には地下鉄「五四広場站」の出入り口も出来上がり12月初旬だかに既に開業してゐる3号線の南段も開通の由。ホテルのWi-Fiからは顔本や呟板、Google関連ばかりか、この日記も読めるが更新はできず。

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2016-11-23

農暦十月廿四日。昨日朝からの小雨は降り止まず夜中に目覚めると本降り。毎日、三時間も眠れぬやうでは困つたもの仕事の合間に太古城の養和診療所に寄ると医者は睡眠導入剤飲んでも4時間でぴたりと目覚めては休養にもならぬからと抗鬱系の弱い精神安定剤の服用勧められる。晩に服薬すると半時間ほどで何とも心地よき懈さで寝入る。

大澤真幸先生日本史上での革命家は?とすれば後醍醐帝や信長一見革命実現のやうだが志半ばで倒れ秀吉家康朝廷といふ権威依存で寧ろ反革命的、とすると朝廷対峙朝廷の力を奪ひ新しい体制を作つたといふ点で革命家合致するのは鎌倉の三代執権北条泰時とする論証発表(朝日)。成る程。後鳥羽上皇対立し京に攻め入り後鳥羽ら三上皇流罪にした上で仲恭天皇廃す荒業。日本史上初の体系的な固有法としての御成敗式目制定し天皇の裁可経ずに一方的公布施行。実はこの泰時といふ見方オリジナル山本七平ださう。大澤先生はその着目に加へ次のやうにいふ。既存権力や秩序を壊す革命私利私欲でないこと示すためには大義必要。それが西欧なら唯一神、中国では天。日本にそれは天皇しかなく天皇を倒せば革命大義なく民衆の支持得られぬから天皇を流罪等に罰して自ら新しい法による体制を構しても天皇制は廃せず維持といふ「天皇制否定的活用」により革命実現といふ。これが現在象徴天皇制に繋がる天皇機関説的な見方といふわけだが果たしてさうかしら。少なくても鎌倉時代の当時に「天皇倒すことで民衆の支持を得られぬ」なんて発想が権力者にあつたか。天皇を倒すべきかどうか、は考へても少なくとも「民衆の支持」なんてものはどうでもいゝはずだし、それより当時の民草のどれだけが朝廷なんて認識してゐたか。

fookpaktsuenfookpaktsuen 2016/11/29 00:18 (投稿代行w)日本に(も)民衆史がないので言い難いのですが、天皇を担いで幕藩を壊滅させた明治維新が民衆を巻き込んだ天皇制利用の初めて。利用を気づいたのは誰か、多分背景には天狗党の広がりの衝撃など水戸藩寄りの尊王思想、資料は寡聞にして知りません。秩父困民党井上伝蔵が「おそれながら天朝さまにたてつくぞ。」と言ったのが民衆に天朝様が権力の頂点と意識された(ことに成功した)嚆矢ではないか。日本には天皇制を意識した民衆視点の革命はなかったと思います。もうこんなこと研究しても見向きもされないことになってしまいました。

2016-11-22

fookpaktsuen2016-11-22

農暦十月廿三日。小雪フライト荷物飛行機に乗らなかつた、違ふ場所に逝つてしまうたといふ話は聞くが自分はほとんどさうしたことを経験してゐない。一度だけ東京から戻つた際に或る客に全く同じ形状のケースを持つていかれ、その客のが残つてゐたことがあつたが、この時はそいつがYなのに優先タッグやスタッフといつたシールなどいくつもつけて、どうにか優先で荷物受け取らうといふ非常に浅ましい仕業に努め、最初にCで出てきたアタシのを「来た〜っ!」と勘違ひして持ち帰つてしまつたといふ情けない話で、それの被害。それを除けばいつも荷物は出てくる。ビジネスとラベーラーズ誌を読んでゐたら昨年のフライトによる手荷物の誤送は世界23百万件あり、その79%は遅延で6%が本人に手荷物が戻らなかつた由。

社会学者ヴォルフガング=シュトレーク「グローバル化への反乱」朝日新聞こちら)。f:id:fookpaktsuen:20161123044224j:image:w300:left

私たちが目にしてきた形のグローバル化が終わりを迎えようとしているのかもしれない。自由貿易協定も開かれすぎた国境も過去のものとなるでしょう。米大統領選はグローバル化の敗者による反乱で。国を開くことが特定エリートだけでなく全体の利益になるというイデオロギーへの反乱。そのような敗者たちは「蔑まれさげすまれ政治からいずれ離れる」というエリートたちの楽観は一気に萎んだ。格差の広がりは自由市場の拡大がもたらした当然の結果。国際競争で生き残るという旗印のもと、それぞれの国家は市場従属するように。政府が労働者産業を守ることが難しくなった。(40年前に遡れば石油危機を契機に先進国の経済成長が滞り、世界が抱へる問題の根はそこにあつたといふ分析は)低成長を放置すれば「分配をめぐる衝突」に発展しかねない。それを回避し人々を黙らせておくために様々なマネー魔法によって「時間かせぎ」をしてきた。分水嶺が70年代。まずはインフレで見かけの所得を増やし、80年ごろに行き詰まると政府債務を膨らませて凌ぎ、財政再建が求められた90年代以降は家計借金を負わせた。その末路が2008年の金融危機。今は中央銀行によるマネー供給に頼りきり。いずれも、先駆けたのは米国。「時間かせぎ」の間に危機は深刻さを増している。停滞を真っ先に経験したのが日本で。日本では長期雇用と年功賃金制が社会の安定の源。80年代以降、企業が競争力を失っても政府の支えのもと銀行融資を続けたのは長期雇用に手をつけて「内戦」になるのを避けるためだったが、その結果が不良債権問題であり長期停滞。結果、賃金は上がらず非正規雇用へのシフトが進んだ。金融緩和に頼ったアベノミクスは目標を全く達成できずに失敗した。他の国も含め「時間かせぎ」はそろそろ限界です。いつかの時点で、借金取りが回収にやってくる。いま成長を阻んでいるのは格差。おカネはそれを使わないお金持ちのポケットにたまっているだけ。人々の不満が高まり政治が不安定化したことで投資もしづらくなり人を雇うよりも金融市場投機的に利益を上げようという考え方が幅をきかせた。現金の山の上に富裕層が座ったまま雇用が増えなければ需要など生まれない。(欧米のナショナリズムの高まり懸念されるが)さほど問題だとは思わない。むしろ「国家が機能していないこと」が問題市場経済がもたらす不確実性に生身の人間が曝されるとき守ってくれるのは政府であり国家。しかし既成政党は何もできず「いやならもっと働け、もっと努力しろ」という。いま直面しているのは国境のコントロールを失って国が形骸化する現代国家そのもの危機だ。

分析するシュトレーク先生はトッド先生と同じでポピュリズムに悲観しない。

先進国の投票率70年代から低下し続けたのは「政治への満足感」ではなく「あきらめの表れ」。それが、この数年間で上昇したのはポピュリズム政党などが支持を集めたせい。こうした「民意の反乱」はエリートが当てにならない場合に出てくる、先々に望みのある反応。ときに醜い形をとりますが「墓地のような静けさを保ったまま」では何も変わらない。反グローバル化デモに繰り出す人やポピュリズム政党を支持する人たちを「政策ダメなのに」などと批判するのはお門違い。「真っ当な政策」など、政治家官僚エコノミスト国際機関だってない。トランプの愚かな発言ですら真剣に受け取られたのは「ほかのだれもまともな解答を持ち合わせていない」から。そういう世界では政治がエンターテインメント化し、トランプのように刺激的なことを話す人物がもて囃される。

2016-11-21 安倍は翔んで逝く@ペルー

農暦十月廿二日。早晩に仕事を強制終了してO氏とハッピーレイのパブでビール3品脫ずつ飲み四方山話帰宅して夕餉。早寝。

▼ペルーを訪れている安倍首相はAPECで「自由貿易が格差を広げているという誤解を解き経済政策を通じて格差を解消すべきだ」と述べ自由貿易体制を重視する日本の姿勢アピールしました。安倍総理大臣は世界的に保護主義的な風潮が広まっていることについて「確かに自由貿易に対する非難はあるが自由貿易世界経済の発展の源である自由貿易が貧富の格差を広げているという誤解を解き経済政策を通じて格差を解消すべきだ」と述べ「開かれた市場包摂的な経済成長を実現することが不可欠であり最近調査で日本では貧富の格差は縮小している」と述べ自由貿易体制を重視する日本の姿勢アピールしました。(以上、NHK)。こゝまで逝くと、もはや神かゝり。バカとかいふレベルに非らず。

▼自民党の「人生100年時代への社会保障」といふ提案。この提案十月記者会見したのが自民党「2020年以降の經濟財政構想小委員会委員長代行の小泉ジュニア。この記者会見の翌日に早大東大慶応院生も集めた特別講座で小泉ジュニアに「100年も生きたくない人間はどうすればいいのでせうか」と慶応院生が質したといふ。毎日新聞山田孝男(風知草)より。

誰もが人生100歳を望むという前提は正しいでしょうか。世界グローバリゼーション疲れが広がったように長寿社会疲れが広がる可能性がある。もっぱら長寿経済的安定を求めるとき人生の真の豊かさはどこへ行ってしまふのでせう。

この発言小泉ジュニアもさすがに「深いねぇ」と唸つて終はつたといふ。

幸福とは100歳まで生きることなのか。我々は本当は別の何かを求めているのではないか。古代中世の人々より現代人の方が真の自分理解しているという証拠はない。

山田孝男。御意。

D

I'd rather be a slave than a PM

Yes, I would

If I could

I surely would

Away, I'd rather sail away

Like an 英霊 that's here and gone

A man gets tied up to the ground

He gives the world its saddest sound

It's saddest sound

2016-11-20 マカオその

fookpaktsuen2016-11-20

農暦十月二十一日。昨晩遅くの記憶がないまゝ朝六時すぎに寤める。家人に昨晩のアタシの酔ひぶりを尋ねるのも厭ひ何となく呆然とよく歩いて戻つてきたものだと思つてゐたがアトになつて須磨帆を見たら飲んだあとの写真が何枚もあり泥酔のわりにしつかりとした構図の写真(下)で更に六記に寄り雲呑麺まで啜つてゐるとは。全く記憶がない。今日はマカオグランプリ千穐楽ホテル宿泊客が多くグランプリ関係者は朝食早く済ませ出かけるさうでクラブラウンジでの食事も朝1時間早く午前6時から。朝の早いアタシらには有難いが6時半すぎにラウンジに行くと食事してゐるのは一人の客のみ。さすがに今朝は「朝シャン」せずで客室に戻り朝寝でごろごろ家人は食材調達に出かける間、新聞読みジャグジーで旧市街見下ろしながら風呂に浸かり昼すぎまで。荷物片付け部屋を引き払ひラウンジで午後1時過ぎまで香港から到着のE氏待ち。マカオで素敵な酒飲みの午後を、と提案して来られ二人で路線バスで媽閣廟近くのRestaurante Litoralへ。啤酒と前菜で家人来るの待つが現れず。生憎家人携帯を香港に忘れ連絡とれず。約束時間から40分後に「どこにゐるの?」と電話あり尋ねると市街でも荷蘭園の方、Calcada da Igreja de São LazaroにあるAlbergue 1601といふ食肆でアタシらを待つてゐるといふ。ウェイターが気軽に電話を貸してくれ香港(の電話番号)への通話もOKしてくれた、と。さういへばこのレストランもいゝよね、と話してゐたが、そのあと二人の間できちんと確認もしてをらず家人は此処、アタシはLitoralだと思つたまゝでの誤解。家人には遅いお一人様ランチしてもうふことに。アタシはE氏と昼餉済ませ散歩好きだといふ彼を下湾街に誘ひ鄭家大屋からいくつか世界遺産の教会など巡り何東図書館へ。陸軍倶楽部ラウンジで一飲。マカオは前回、仕事関係で数時間の視察しただけといふE氏なのでやはり大三巴にお連れしてマカオ周遊証拠写真を一枚取り昨晩に続きマカオソウルへ。家人と合流で名前失念の白(緑)とJose Bento Dos SantosのQuinta do Monte D'Oiro Selecção Syrah 2006年を飲み美味なる英国チーズをむしゃむしゃ。最後にご亭主D氏から昨晩これで泥酔したヘンリーマッケンナをストレートで供される「フェリーは極寒だから凍死しないやうに」と。ホテルに戻り荷物引き上げシャトルバスでフェリー波止場へ。我々は21時のジェットフォイルでE氏は15分後のだつたから同じのに乗れるやうに、とE氏にジェットフォイルカードで優先ウェイティングに並んでもらつたが搭乗券に私の名前がなく断られ(そりゃさうだ)此処でお別れ。爆睡のうちに香港に還る。

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2016-11-19 マカオその

fookpaktsuen2016-11-19

農暦十月二十日。朝、雨。タクシー家人と上環のフェリーピアへ。九時のジェットフォイルで一路、澳門。ホテルのシャトルバスでソフィテルポンテ16へ。クラブラウンジチェックイン。今回も3回連続でPrestate Suitesへの格上げ。ありがたい。部屋の準備にはもう少しお時間を、といはれ路線バスで氹仔へ。いつも立ち寄るスーパーで塩とオリーブオイル贖ふ。路地の、ある料理屋の厨房の裏口に繋がれた犬に挨拶。Xiolas O Castiçoで昼餉。たつぷりと注がれた葡萄酒に酔ひ路線バスホテルに還る私と午後も町歩きの家人バスに揺られ眠りに落ち慌てゝホテルの前で下車。客室で午睡。暗くなる頃にMacau Soulに出向き葡萄酒を飲み……と数ヶ月に一度の、何も変哲もなき澳門の週末。だが今日は一つ予定通りでないのは第63回の澳門グランプリ。フェリーが満席とかホテルがばか高いとか何の支障もなくグランプリレース今日開催だといふことを知らぬまゝ。フェリー乗り場隣接のホテルカジノのシャトルバス乗り場はグランプリのピットインでバス乗り場は長い歩道橋の先(かつての八百半の方)に臨時の乗り場。歩道橋グランプリコースを跨ぐが見事に目張りされてレースが一切覗けないやうになつてゐる。大したもの。晩の葡萄酒はQuinta do Monte d'OiroのTêmpera Tinta Roriz 2005年。これを飲んだあとにヘンリーマッケンナを2杯もたつぷり飲んでしまひマカオソウルを出たところから後の記憶はさつぱり。晩にホテル屋上ホワイトパーティなるものヰキ)開催され宿泊客の参加は免費といはれてゐたが家人の話では低音が階下の客室まで響いてゐたといふ。

▼晋三のトランプ謁見がトランプ私邸で取り巻き親族らに囲まれ晋三側は単身、通訳一人で臨み内容は非公開と呆れるばかり。これにつき元外務事務次官の竹内行夫他国に先がけての会談は日本が米国にとつて重要同盟国といふことに加へ在米日本大使館がきちんと準備してゐたことを挙げてみせる。果たして、さうか。外務省はクリントン女房当選判断し九月の訪米でもクリントン女房会談してゐるではないか。これについて日経に興味深い記事あり(トランプ大統領と米国5)。今回のペルーで開催されるAPEC首脳会議の前に紐育立ち寄りで次期大統領との会談を狙つてゐたのは事実。だが大きな誤算は相手クリントン女房と想定してゐたこと。9日夕も晋三に外務省は「クリントン勝利」と報告し続けトランプ勝利に晋三は「話が違うじゃないか」と怒り、すぐに電話会談セットするやう指示。このやうな動きのなか「もしも」でトランプ当選場合プランBも主張してゐたのが駐米大使・佐々江賢一郎だといふ。投票日の数日前にはトランプ側近に外務省側から勝利場合電話会談打診しトランプ側は「祝いたいと電話してきた国は初めてだ」と喜んだといふ。あまりに隷属外交ではあるが、少なくともトランプ当選対応を駐米大使がしてゐたことは確かに上述の竹内コメント合致する。

トランプで先行き見えぬ米国の政治経済だが浜矩子先生クリントンの経済政策をざっくりと「節度完全忘却レーガノミクス」と呼んでみせた。レーガンのやうな無節操男でさへ出来ぬレベルの。財政大盤振る舞ひで金融政策はゼロ金利からの出口を見つけ金利上昇となりドル高。これはレーガノミクスの時と同じ。ドル高で物価はあまり上がらず大盤振る舞ひの財政策で経済成長率も上がる。恰もインフレなき高成長実現のやう。だが現実には米国の貿易赤字は拡大しトランプを支持した男性の白人労働者層はメリットもなく苦境に陥るはずで。

1963年の「アラビアのロレンス」の視覚効果。色彩を三原色に分解するプリズム内蔵した1台の撮影機の中で同時に回転する65mmの白黒フィルム3本を現像のときに其々赤、青、黄に染色し最後に1本の70mmフィルムに合成するといふテクカラー方式での撮影とは。

2016-11-18

fookpaktsuen2016-11-18

農暦十月十九日。PageOne書店倒産。新加坡の大型書店チェーンで90年代に香港進出。当時或る仕事で糊口凌いでゐたアタシは新加坡から香港進出の準備に来たPageOne書店経営者の面識得たがオシャレなのだが何か本屋としての拘りが見えず。英文書だけで始め徐々に中文書も揃へたが誠品書店(こちらも苦戦は同じだらうが)のほうが「これぞ誠品」のブランド力ありか。夕方から小雨。自宅の鍵の入つた小銭入れ自宅に忘れ晩に家人還るまでホームレス、太古の岡田屋にある意太利カフェで啤酒飲みながら待つ。

今日都新聞社説で香港議員失職につき「民意を踏みにじるのか」(こちら)は読んでゐて恥ずかしいほど。

都新聞は憤りを見せるが香港市民民意といつても市民に何か期待されて当選した議員が就任宣誓で中国を怒らせ議員としての自らの首を〆たのだから香港に干渉する中共中共だが中共誤謬か議員本人の稚拙さによる判断ミスかと問はれれば私は後者だと思ふ。

▼アベノミクスでの黒田日銀のイカサマぶりなど最初からわかつてゐたことだが今になつてやつと正々堂々と批判が出てくるやうになつた。朝日新聞こちら)で上野泰也・みずほ証券チーフマーケットエコノミストがこの日銀の動きを太平洋戦争の泥沼に合はせて見せる。

いま日本銀行と黒田東彦総裁が置かれた立場太平洋戦争旧日本海軍短期決戦による勝利を目指して開戦に踏み切ったものの目的を達することができないまま連合国軍に長期戦に引きずり込まれた姿とダブります

黒田総裁2013年春の就任時に「物価上昇率2%を2年で達成する」とデフレ脱却の目標を掲げ異次元緩和に踏み切りました。しかし物価は上がらず達成時期は何度も後ずれし今月初めには「18年度ごろになる可能性が高い」と見通しを修正しました。2年という短期決戦のはずが5年以上におよぶ長期戦・持久戦に様相を変えています

もともと2%のインフレ目標は欧米にとっても高いのでは、という議論がありました。潜在成長力が欧米より低い日本では明らかに高すぎます。出来ないことを目指し出口を考えずに無理やり金融緩和の洞穴に突っ込む姿勢戦時中日本軍のようです。

日本軍は負けを認めず「転進」と言い繕いました。「モメンタム(勢い)は維持されている」と強弁する黒田総裁も同様です。9月の会合で緩和策の「総括的な検証」を行い量的緩和長期金利の操作などを加え長期戦・持久戦対応にカジを切りました。勢いがないから長期戦になっているのであり総裁言葉矛盾しています

よくないのは長期戦になっている原因を原油安など外部環境のせいにし失敗の責任を認めないことです。ミッドウェー海戦で大敗したのに連合艦隊司令長官も実行部隊司令官責任を取らなかったのと同じ構図です。

9月の段階で「無条件降伏」しインフレ目標を実現可能なレベルへ下げるべきでした。副作用が大きいマイナス金利も早めに撤回しておくべきでした。(略)

長期金利操作など4種類の追加緩和策も用意した日銀は持久戦の構えです。太平洋戦争でいえば短期決戦で勝てなかったが上手く戦力を配置して時間稼ぎできる態勢は構築した。あえていえばガダルカナルでまだ負けていない状態でしょうか。ただ目標が間違っているから何れにしろ勝ち目はない。外部要因に責任転嫁せず負けを認めて目標を再設定する。そこにしか勝機はありません。勝つ見込みのない持久戦を続ければ何れは兵糧が尽きる。歴史が教える教訓です。

これは非常に常識的見方。それに対して元日銀行員現在は舞台の脚本と演出をする松枝佳紀の黒田観が興味深い。

ある意味では確信犯なのかもしれません。異次元緩和もマイナス金利も、やらないうちは「まだ金融政策でやれることがある」という変な期待が残ってしまう。すべてやってみて、それでも目標は達成できないとなったときに初めて先へ進める。それを最初から狙っていたんじゃないでしょうか。

……そんな。その、まるで祇園で遊ぶ内蔵助で敵の目を欺くような芝居を黒田がしてゐるといふ。そのために将来の国庫破綻につながるやうな金融政策かよ。しかも具体的に、その「先へ進める」具体的な政策が(この松枝コメントでも)全く見えてこないのだから

2016-11-17

fookpaktsuen2016-11-17

農暦十月十八日。昨晩は珍しく三更まで起きてゐたが夜中の三時に目覚めてしまふ不幸。周恩来が毎日睡眠を4、5時間に削つて国家の大事に働いたといふが「年寄りで眠りが浅い」のではなかつたかしら、と思ふ。2時間ほど書き物と読書で5時から時間余の二度寝。散髪。年をとつたら身体が萎んでしまひサイズの合はないジャケットを改衣に出してゐたので、その受け取り。太古城。ズボンウエストが緩くなりすぎて兄のお下がり穿く子どものやうでユニクロに寄るがビジネスカジュアルな洋品は殆ど姿を消してのカジュアル路線無印中途半端ものしかなく初めてH&Mに入りズボンお買ひ上げ。H&Mは裾上げ等のサービスもなし。さすがに睡眠不足で晩九時すぎに寝入る。

▼香港の状況に絶望的な言説が少なくない。香港の「民主の父」といはれるマーチン李柱銘師の<醉翁之意不在酒 人大釋法不在「獨」>(蘋果日報)。

是次釋法絕對是後患無窮,除了一下子就把特區的行政管理權、立法權及獨立的司法權,一併架空,更是把一國兩制及高度自治全面摧毀了。可見釋法的目的根本不只是要褫奪兩位「港獨」議員的資格,故基本法委員會副主任梁愛詩日前也指,不相信會有大批議員會在人大釋法後,被司法覆核而失去議席。因為是次釋法根本是為了落實白皮書,實現中央對香港所擁有的「全面管治權」。

そして達智兄は蘋果日報の随筆に「香港、天國近了」(こちら)と題して嘆く。

所多瑪,那個被天火燒盡的城巿,活人被燒成鹽柱……天國近了,香港也近了:上帝要你滅亡,必先叫你瘋狂!

幾年下來,分化成幾極,曾經傲視全球的都會四分五裂。亂世出妖孽,什麼蛇蟲鼠蟻從天上地下四方八面湧現。

本應信心十足,以為一點點事故就似疾病,城巿與人沒兩樣,誰可避免?

回頭細數,這場病豈止傷風感冒肺炎?

簡直就是瘋狂!慘在瘋處未為瘋,只有更狂。

城市與人,都沒機會選擇,純粹命運。

他愛的城巿惡變所多瑪。

義無反顧,他讓意亂情迷將自己、不躲避,寧願燒成鹽柱。

この政治への期待の脱力感は香港だけではない。トランプ当選アメリカでは更に深刻。

……とクレーマン教授は話を始めるが結局、何も明確な回答はない(紐育時報コラム朝日転載こちら)。リベラル左派は終わってしまったようだ。そんな中でトランプショックに陥つてゐない論証をしてゐるのが、さすがエマニュエル=トッド教授朝日新聞こちら)で

歴史家として見るなら「起きたのは当然のこと」です。自由貿易移民が、世界中の働き手を競争に放り込み不平等と停滞をもたらした、と人々は理解し、その二つを問題にする候補を選んだ。有権者は理にかなった振る舞いをしたのです。

奇妙なのはみんなが驚いていること。本当の疑問は「上流階級メディア大学人には、なぜ現実が見えていなかったのか」です。

選挙戦では、候補個人について多くのうそ応酬がありました。しかし、社会について語る場面では、真実を口にしていたのはトランプ氏の方でした。

彼は「米国はうまくいっていない」と言いました。本当のことです。「米国はもはや世界から尊敬されていない」とも言いました。彼は同盟国がもうついてこなくなっている事実を見ています。そこでも真実を語ったのです。(略)

トランプ氏選出で米国と世界現実に立ち戻ったのです。幻想に浸っているより現実に戻った方が諸問題対処は容易です。(略)

民主主義という言葉今日、いささか奇妙です。それにこだわる人はポピュリズム非難します。でも、その人たちの方が、実は寡頭制の代表者ではないでしょうか。大衆層が自分たちの声を聞かせようとして、ある候補を押し上げる。それをポピュリズムと言ってすませるわけにはいきません。人々の不安意思の表明をポピュリズムというのはもうやめましょう。

と、この指摘に溜飲下がる思ひ。

常無常人常無常人 2016/11/19 12:55 11日ここで口開けだった「君の名は。」、「怒」じゃなくてこっちを観ました。オワコンだしここは日本じゃないから同調圧力や世間の顔色気にせず言っちゃいますけど、なーんだ、SF読みもせず観たことのない人が感涙にむせんだんだ、と。こんなものに比べたら映画「猿の惑星」の寓意だって立派なものですよ。で、結局ここに共通の言葉なんてないのでしょう、だってそんな人とお互い話したくないし、だったら選挙に敗ける人も出てくるよなあと思ったことでした。

2016-11-16

fookpaktsuen2016-11-16

農暦十月十七日。早晩に観塘。MTR站で家人と待ち合はせ。観塘旧市街の再開発は古い街並みがすっかり壊されSino Landf:id:fookpaktsuen:20161117044324j:image:w280:leftよる土木工事で掘り返されてゐる。またこゝも殺風景な面白みのない巨大な複合施設が建てられるのかと思ふとうんざり。久々に雲南風味に飰す。apm映画館李相日監督吉田修一原作映画〈怒り〉見る。一つの凶悪犯罪事件が起きて犯人指名手配中。そのニュースが流れ「あれ、この男……」と、どこからかふと現れひっそりと暮らす、少し影のある男に「もしかして、この男が……」と思ふやうなケースがいくつかある。たゞそれが、親の借金所為で取立てから逃げる男だつたり、心臓に不治の病ひをもつ男だつたり、と偶然に偶然が重なり成立するプロットといふのは何万通りも作れてしまふ。そこが創作の、殊に悲劇サスペンスだと食傷気味に感じてしまひ感動も涙もない私。それでも妻夫木聡と綾野剛が演じるゲイカップルも、渡辺謙と宮崎あおいの父娘も、沖縄の島に暮らす素朴な若者純愛も、それぞれ独立した短編になるやうな物語で、オムニバス映画でもなければかなり整理がつかなくなつてしまひさうだが見事に関連のない話が信頼と猜疑といふテーマで一つの作品に纏めたのだから大したもの千葉勝浦、東京、沖縄に話が飛ぶと朝が夜だつたり、もしかしたら3つの物語時間軸もズレてをり一人の犯人が人相や様相を変へて多重人格的に出没してまわつてゐたのではないか、f:id:fookpaktsuen:20161117043805j:image:w280:rightとまで映画見ながら妄想過去のある者が社会の角にひっそりと潜伏して、といふ物語では阪本順治監督藤山直美が好演の『顔』(2000年)が面白かつたと思ひ出す。帰宅して周末に上野で母から貰つた京都村上開進堂の菓子「ダックワーズ」いたゞく。

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2016-11-15

fookpaktsuen2016-11-15

農暦十月十六日。十六夜の月を愛でるつもりが雲多く月は姿を見せず。晩にとらや謹製の栗蒸羊羹と練棹物の「むさし野」いたゞく。とらやの菓子説明書はいつも可笑しいが「武蔵野は、その物寂しい風情から、古来、数多くの詩歌に詠まれてきました」と、とらや京からの東遷は百五十年過ぎても未だに「いかにも京都目線」。

露おかぬかたもありけり夕立の空より広き武蔵野の原(道灌)

▼香港立法会で香独派の2議員につき就任宣誓での無作法で香港の高裁が全人代常委の決定に準じて議員の資格取り消しの裁定。(翌日の蘋果日報で)マーチン李柱銘が投稿<醉翁之意不在酒 人大釋法不在「獨」>こちら

是次釋法絕對是後患無窮,除了一下子就把特區的行政管理權、立法權及獨立的司法權,一併架空,更是把一國兩制及高度自治全面摧毀了。可見釋法的目的根本不只是要褫奪兩位「港獨」議員的資格,故基本法委員會副主任梁愛詩日前也指,不相信會有大批議員會在人大釋法後,被司法覆核而失去議席。因為是次釋法根本是為了落實白皮書,實現中央對香港所擁有的「全面管治權」。

結局、若い運動家が立法会議員になり稚拙行為で香港の自治を余計に最悪なものにする結果に。香港の一国二制度と民主主義を壊すのは北京中央ではなく香港自身といふクリス=パッテン卿の憂慮が現実に。f:id:fookpaktsuen:20161116112533j:image:w300:left

▼米国総統選でメディアクリントン優勢といふ読み間違え。「都市偏重、有権者との距離」といふ分析あり(朝日新聞)。紐育、華府と羅府の3都市に米国の新聞記者の5人に1人が集中してゐるが3都市合はせても全米人口の1割程度。対照的に50州のうち21州では連邦議会担当する記者をおく地元紙がなく政府で何が行われてゐるのか報道されないと。もはや新聞メディアでの役割が小さくなつてゐるとはい記者市井の有権者との感覚のズレ。

すでにメディアの関心は次期トランプ政権政策や対日関係に移っている。だが、それは些末なことに思える。倫理より鬱憤晴らし。そんな米国民の惰情の奔流こそ凝視されるべきだ。建前レベルですら善を優先しない政治。米大統領が映した闇の深さに立ちすくむ。(田原牧)

f:id:fookpaktsuen:20161116061558j:image:right:w300▼南スーダンにつき晋三が「駆けつけ警護」閣議決定。これほど重大なことが、あのカルト内閣の閣議だけで決定してしまふ恐怖。最初から付与ありき」で思考ゼロ。TPPとて宗主国たる米国が否定に回るなかでの国会での強行採決。これも「決議ありき」。今年の夏に、これを詩にした時は、まだTPPが実現する可能性大で、この詩のニュアンス不透明だつたが今になつて読み返すと現実的になつてしまつた。さすがの晋三も、このTPPの誤算には国会答弁で表情は「悲しみの安倍マリア」。

「TPP」 詩: A.A

母さん、僕のあのTPP、どうしたんでせうね?

えゝ、夏、永田町からか霞が関へゆくみちで、

谷底へ落としたあのTPPですよ。

母さん、あれは好きなTPPでしたよ、

僕はあのときずいぶんくやしかつた、

だけど、いきなり変な風が吹いてきたもんだから

母さん、あのとき、向かふから若い学生たちが来ましたつけね、

安倍政治を許さないなんてプラカードを持つた。

そしてTPPまで拾へないやうに、ずいぶんと邪魔をされましたね。

それで、たふたふ目だつた、

なにしろアメリカまで、それに民主党まで

TPP反対なんて次の大統領が言ふんですもの

母さん、ほんとにあのTPPどうなつたでせう?

そのとき傍らに咲いてゐた増税の花も

もうとうに枯れちやつたでせうね、そして、

秋には、改憲の霧が霞が関をこめ、

あのTPPの下で毎晩ながた虫が啼いたかも知れませんよ。

母さん、そして、きっと今頃は、今夜あたりは、

あの谷間に、静かに雪がつもつてゐるでせう、

昔、つやつや光った、あのアメリカ製のTPPと、

その裏に僕が書いた

A.A といふ頭文字

埋めるように、静かに、寂しく。

f:id:fookpaktsuen:20161116113105j:image:h200:rightf:id:fookpaktsuen:20161118190822j:image:h200:right新派俳優の英太郎さん死去。八重子(初代)の芝居で「新派にも女形ってゐるんだ」と知つたが大人になつて好事家仲間と新派の話をする迄ずっと英太郎は「ひでたろう」なのだと思つてゐた私。哀悼

f:id:fookpaktsuen:20161116060324j:image 怖っ

2016-11-14 68年ぶりの巨月

fookpaktsuen2016-11-14

農暦十月十五日。今晩の満月は68年ぶりの明亮の由。晩に家人と太古城で待ち合わせ鰂魚涌公園の海峡を望む見晴し台f:id:fookpaktsuen:20161115180407j:image:w250:left(因みに中国語では鉄道驛のプラットフォームを月台といふ)で月見。最も大きな月は登り始めで、それは逸したがまだ東北にある内は確かに見事な月。でコンビニで購つた菊正宗で月見酒。周囲は月亮撮影写真屋さんばかりで、そのなかで酔客は我々のみ。Eastern Highwayの歩道橋上で高度なカメラで月を撮影の伯父さま、人混みに何かと思へばカメラモニタに映る月も見事で誰彼と須磨帆でそのモニタ撮影を「どうぞ、どうぞ」と笑顔。チョートク先生曰く「カメラの作例自慢やんけ」と。御意。

▼昨日、反香港独立の「市民集会に4万人(主催者発表)が参加(蘋果日報、こちら)。親中派のくせに文匯報を尻の下に敷いてはいけないだらう。いかに動員かけられた老人のバイトか、がありあり。しかも動員かける仲介人が手数料かなり搾取の由。

天皇生前退位に関する有識者会議、ヒアリングの第2回も俄然面白い朝日新聞)。

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天皇仕事は国民の目に見えるところであるのみならず一番大切なのは国と国民のために祈り続けて下さること。天皇陛下最後まで国民の目に見えるところで象徴天皇としてのお仕事をしたいというありがたいお心だが宮中で国と国民のためにお祈り下さればそれで十分なのだ。(渡部昇一

天皇は「いて下さるだけで有り難い」存在天皇に求められる最重要のことは、祭祀を大切にして下さるというみ心の一点に尽きる。その余のことを天皇であるための要件とする必要性理由もない。(櫻井よしこ)

陛下活動の間口を狭め、宮中で国民を思うお言葉を発するだけでも国民の心が離れることはない。被災地慰問も際限がなく、やめてもいいのではないか。(今谷明

一見、親皇派に映るこの人たちの主張で一貫してゐるのは天皇に「安寧を祈つてゐてほしい」なんてのは口実で、とにかく天皇に「出てくるな」。聖上の被災地お見舞ひを自分勝手に設けた公務とまでいふ不敬な輩もゐるが片山杜秀先生指摘の通り天皇の「国見」は古から天皇の役目。倒幕派から明治政府の流れで天皇は「ゐて下さるだけ「が」有り難い」勝手な国家観に基づく国粋派なのでしょう。渡部先生こそ見た目お労しや、マスコミから生前退位しては如何かしら。

2016-11-13 週末東京その

fookpaktsuen2016-11-13

農暦十月十四日。快晴。部屋で朝十時半までうだうだとしていろいろ済ます。若き友人のK君に橘樸など一昨晩慌てゝ旅荷に詰めた書籍等を渡す。遅めの朝食はクロワッサン1個と珈琲。円タクで上野へ。上野の山は物見遊山の客で溢れ鉄道驛も随分と賑やか。母と待ち合はせ。トランクを預けたいがコインロッカーは一つの空きもなし。トランク引きずり御徒町まで歩く。鮨の寛八。従兄Sの急逝から2年、来週、遺骨を浅草の納骨堂に入れるといふことでS兄妻のKさんと母と三人で会食。寛八のご亭主は昭和7年生まれで84歳で現役。あれこれ小言が多く、江戸言葉がこれも酒の肴。Kさんと別れ母と二人で池の端の道明。道明が売り出した組紐のネクタイ蝶ネクタイはさすがに手結びは難儀で今は結び済みのものだけになつた宜。それでもかなりレアもので数がさう出るわけでもなし。若きご亭主からそんな話を聞きながら今日は何も買ふつもりもなかつたが美しい組紐で男性だと羽織めくらゐしか使へないのも残念と話してゐるとループタイも見せられアタシもループをするほど老いてもゐないが、この太さと長さの紐なら何かに応用できないか、と価格もさう高からず一本購入。池の端を上野まで歩く。京成上野駅前で母と別れスカイライナーで成田空港。羽田の国際線がいくら盛んになつても成田はさすが成田でかなりの混雑。晩6時すぎの全日空機。もう冬で季節風の影響で復路は4時間半を要す。良くも悪くもCXばかりだつたのでANAにはまだどうも慣れず。香港に還る。自宅出てから48時間での東京往復の慌ただしさ。

2016-11-12 週末東京その

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農暦十月十三日。機中での朝食の提供も寝続け朝五時半だかに羽田着。LA便だかも到着で羽田国際線は本当にお盛んなことで。モノレールで浜松町。富士そばで「かけ」啜る。タクシーで鳥居坂の国際文化会館。朝七時前で部屋もなければ図書館も開かずロビーライティングデスクで書きもの。雲一つなき快晴。六本木ヒルズまで散歩して蔦屋書店。レスリー=キー写真集など眺める。大江戸線で新宿。西口の常圓寺。墓掃。青梅街道の大ガード潜りほてい屋。メンズ館で蝶ネクタイ一つ贖ふ。丸ノ内線で赤坂砂場。昼前でまだ空いてゐる。南蛮吸ひ、つまり鳥南蛮の「抜き」を肴に昼酒は菊正宗。あんかけうどん。昼で混んできてお椀に傾げた頭を上げて相席なつた客の顔を見ると秋元康とは。塩野で菓子贖ふ。鳥居坂に戻りスーツに着替へ大江戸線で再び新宿。西新宿の某ビルホールで開催の会合に参加。末席を汚す。晩に麻布十番に戻り某氏と天ぷらよこ田。ご亭主に「初めてでいらっしゃいましたか?」と尋ねられ、食べ方の作法指導の防御線に「いえ、数年前に。二度目です」と答へたが「それじゃ間も空いてますでせうから、また一から説明させてもらひますね」と相手の方が一前上。この相変はらず説教の元気なご亭主の芸風、これが煩いと思ふ客も少なくないが私には面白い。帰りがけにご亭主曰く「今度は間を空けずに来てくださいね」で、頻繁に来れば説教を聞かなくてもいゝといふことか(笑)。奥麻布のバーHに飲む。前回葉月に飲み損ねた奥新川のモルト原酒いたゞく。

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2016-11-11

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農暦十月十二日。1111でポッキーの日なのださな。こゝ数日の新聞トランプのことばかりで読む記事が少なくて楽か。世の中なにかに麻痺してゐることだけは確か。帰宅途中で「美しい日本」のデコトラに遭ふ。帰宅してカレーライス貪り荷物整理。旅荷は少ないがK君に差し上げる約束書籍書架から探すとなかなか見つからない。橘樸集や大陸文学物、白先勇『孽子』(和訳)など。またK君の母(つまり築地H君のパートナーなのだが)にも安い陶器もあり旅荷がやたら大きくなる。晩十時半に空港。何十年ぶり?でANA、その深夜便東京へ。成田行きだと思つてゐたら羽田。スタアラも香港から台北往復のEva Air往復だけ、で銀。でも銀なんて優先搭乗も何も特典がない現実。搭乗後すぐに睡眠薬飲んだので離陸する頃には朦朧サンキュータツオ春日太一『俺たちのBL論』(河出書房新社)は空港への移動中と搭乗待ちでさらっと読了。どうしてもアタシにはBLとやおいは理解に能はず。

俺たちのBL論

俺たちのBL論

2016-11-10

fookpaktsuen2016-11-10

農暦十月十一日。建築家K女史が西營盤に泊まられてゐるので家人と出かけ蓮香居で早茶。世の中、クリントンがいかに危ないかでもちきり。f:id:fookpaktsuen:20161112082902j:image:w280:left最も危ないのは我々自身なのに。衆議院ではTPP法案通過。米総統選でTPPなど白紙撤回もあり得るのに何を考えてゐるのか。天気不安定。早晩に帰宅して久々にジムまで走る。

トランプ危機?につき毎日新聞社説こちら)より。

共和党の指導部はトランプ氏の女性蔑視発言などに嫌気がさして大統領選の応援を控えた。だが、よき伝統を重んじる同党は、米国の力で世界を変えようとしたネオコンや「小さな政府」を求める草の根運動「ティーパーティー」などと協調するうちに方向性を失い、トランプ氏という「怪物」を出現させたようにも見える。

トランプに罪はないが共和党の状況はこのパラグラフでよくつかんでゐる。東京新聞「こち特」で失言政治家について。意図的過激発言で劇場型な盛り上げ、悪役やコミカルでもキャラ優先。これを高村薫先生

トランプ現象根本にあるのは資本主義の行き詰まりで良識理想道徳のようなこれまで本年を抑制してきた重しがとれてしまった。というより政治家が率先して取り払っている。

……御意。さらにマスコミがひどく

本来大衆から一歩引いいて冷静な観察者でいなければならないメディア大衆と一緒のラインに立っているから面白がるだろうとか視聴率が取れるだろうとかい視点で動いてしまう。そのため有権者に一番必要ものが見えなくなってしまっている。

またImmanuel Wallerstein先生・紐育州立大名誉教授社会学)の見方朝日新聞)。

トランプ大統領の誕生は決して大きな意味を持ちません。米国のヘゲモニーの衰退自体は50年前から進んできた現象ですから決して新しい出来事ではない。米国が思いのままに世界を動かせたのは1945年からせいぜい1970年ぐらいまでの間に過ぎず、その頃のような力を簡単に取り戻すことはできません。

今の米国は巨大な力を持ってはいても「胸をたたいて騒ぐことしかできないゴリラ」のような存在なのです。トランプ氏は確かにオバマ氏やブッシュ前大統領よりも危険存在だと思いますが選挙で主張していたように「米国を再び偉大にする」ほどの力があるわけではない。

2016-11-09 トランプ

fookpaktsuen2016-11-09

農暦十月初十。やつと寒く、いや涼しくなる。昼すぎ米国総統選挙トランプ勝利。アタシはクリントン女房を「リベラルf:id:fookpaktsuen:20161111092542j:image:w200:leftと支持できず、トランプ生理的嫌悪だが「かうなるのでは?」と思つてゐたので驚きもせず。それでも僅差だと思つてゐたが、こゝまでクリントン女房優勢州を奪回するとは。晩に会食の約ありFCCに赴き少し時間あつたのでメインバーに入るとW杯中継のやうにスクリーンまで降りて米国総統選後の実況中継で早晩から多くのメンバー集まり、こゝに集ふ方々は大多数がクリントン勝利に期待してゐたわけで呆れて飲むしかないのか異様なテンションでの、まさに痛飲状態。昼前からずっと開票速報見てゐたのか既に泥酔の輩少なからず。あちこちでOh my god!の声ばかり。FCC中華で、日本からお見えの建築家先生家人と会食。 Gossetの香檳酒。Killerman’s Run Shirazの2013年。K先生のご主人でやはり建築家のK先生は先月逝去思ひ出物語り。

トランプ当選意味もなく怯えている日本だが「自分たちは首相に晋三を擁している」ってのに。イギリスがEU離脱することよりトランプがアメリカ大統領になることより「安倍が次に何をするか」の方が気になる、と長野で錫器作家先生。御意。……と選挙結果見てゐるとトランプ勝利慎太郎でも都知事、晋三ですら首相なのだからトランプなんかが米国大統領に驚くまい。「トランプでも共和党に」に非ず「トランプから勝てた」この摩訶不思議。東部の良識、西海岸のリベラリズムが憂いても世の中はかうなるのは日本で立憲主義や反原発をいくら知識層やリベラルが憂ひても晋三の自民党が永遠の与党で非立憲、原発依存となるのと一緒なのだらう。クリントン女房負けたが華盛頓DC女房の得票率は93%と圧勝トランプの4%って何だ、それほど彼は華府で嫌われ者とは。

▼(毎日新聞世論調査)民進党の蓮舫代表を支持26%、小池都知事を支持70%だが蓮舫が都知事になっていたらそれなりの支持率だろう。つまり連坊如何ではなく民進党は誰が代表でも低支持ということ。

▼博多駅前大規模陥没。この事故が中国の天津で起きたら、どれだけネット罵詈雑言が盛り上がるのかしら。日本だと罵らないのはアンフェア

(香港の議員資格)広がる中国不信、一国二制度揺らぐ懸念朝日新聞

http://digital.asahi.com/articles/DA3S12647304.html

市民の間で危機感が強まっている」とか「不信感が蓄積」とか、昨日今日始まつたたことぢゃないので市井でそれほど話題にもならないのだが。

常無常人常無常人 2016/11/11 15:04 ヒラリーのConcession Speechを見てこのような外見立派な演説など聞きたくもない層がうねりなんだなと思いました。トランプのマーケティングの勝利。しかし日本にとってのクリントンリスクの方は誰も考えなかったのでしょうか? その昔「バック・トゥ・ザ・フューチャー」を3まで見てしまったのは映画に出てくる日本エレクトロニクス賞賛やトランプ予想ではなくて知的であるはずのドクの単純な優しさが見たかったから。それは自分たちエスタブリッシュメント気取りには無かったもの、自身に内在する田舎者憧憬でもありました。忘れてならないのは日本のポピュリズムうまく取り込んだかに見える現政権の危うさ。

fookpaktsuenfookpaktsuen 2016/11/11 16:41 全く。クリントン女房が敗戦の釈明で「ガラスの天井が破れなかった」ですもの。女性だから負けた、なんて全くありませんよね。トランプに勝てる女性候補はいたかもしれません。

2016-11-08

fookpaktsuen2016-11-08

農暦十月初九。晩に銅鑼湾。広島バクダンつけ麺でハイボール飲みつけ麺を啜る。広島カープの熱狂も過ぎて安心wして入れる。バーSでGlenburgieの1966年モノ、皆さんが賞味された最後の一杯いたゞく。

▼SCMPに“Slump shuts shops at Hong Kong’s Chungking Mansions”といふ記事こちら)。尖沙咀の重慶マンションがシャッター商店街とは。アフリカや南アジアから古くは繊維、家電電脳そしてケータイ個人貿易で賑わっていたが、さうした商売がもはや成り立たない時代に。重慶マンションのデベロッパー的には昔からテナントが全部出てくれれば高級モールにでもしたいところなのだらうが肝心の大陸からお客様も翳りが見えては、さうもいかないところ。1980年代バックパッカーだつた頃、あの重慶マンションのエレベーターの行列を懐かしむ。

▼外務省の海外安全情報より。

3日(木)イスラム過激派組織「ISIL」の指導者アブ・バクル・バグダーディーのものとされる音声メッセージが公開され、その中でバグダーディーはISIL戦闘員やその同調者に対してトルコ及びサウジアラビアにおけるテロを呼びかけました。

現在のところ同声明に基づいた具体的なテロ計画に関する情報には接していませんが今後ISIL戦闘員やその同調者がトルコやサウジアラビア又はそれ以外の国においても同声明呼応してテロの実行を試みる可能性がありますのでテロへの警戒を一層強化してください。また同声明に刺激を受けたローンウルフ型のテロの発生にも十分な注意が必要です。

ローンウルフ型のテロって何よ。なんだか、もはや大本営発表な感じ……のテロ情報。昨晩もNHKのNW9でIS少年メンバーによる自爆テロ報道があつたが「爆弾を積んだジープで敵地に向かい……」と確かに運転席に乗り込み走り出したのは紅顔の少年だが次のシーンは遠くでの爆破で「本当にこの少年なのか」は不確か。しかもIS謹製PRビデオなのだ。それをそのまゝ「ISの酷さ」で報道してしまつていゝのか。全てに騙されてゐるアタシたち。