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2016-07-01

2016年07月01日の呟板

2016-06-29

fookpaktsuen2016-06-29

農暦五月廿五日。天気不安定で幾度か驟雨。こゝ数日、SCMPが政府広報のやうにCY Leungのヨイショ記事特集あり。

f:id:fookpaktsuen:20160701080320j:image:w280:leftまずはその方のコメント引用

われわれ私人や企業は、債務を借り換えで無限に先送りすることはできない。債務を繰り延べ続ける民間主体はいずれ破産宣告を受け操業が困難になる。だがこの原則は政府には通用しない。日本でも米国でも、長い間政府は民間から借り続けている。それが可能なのは、民間では次の貸し手の数に限りがあるが、政治的に安定している政府は将来にわたり、貸し手としての納税者を抱えているからだ。

……と、とても真っ当なコメント。これが、あのアベノミクスの教祖、浜田宏一先生の口から、と思ふと驚く(日経こちら)。政府の債務累積についていろいろ不安定要因を挙げ、さすがの浜田御大もアベノミクス挫折で降参か、と思ひきや、それでも「アベノミクスは順調に進んでおり、経済のファンダメンタルズは悪くない」って強弁はさすが。

東京新聞「こち特」で国民投票について。櫻井よしこ先生は「国民の覚悟」を説く。「自分投票で将来が決まることを念頭に置いて全体像をつかむ努力をしなければならない」もの憲法改正でいへば「最も大事なことは国際情勢の大変化の中でなぜ憲法改正必要かを自分の頭で考えること」が大切と。仰る通り。長谷川三千子・埼玉大名誉教授は「英国の国民投票を受けて憲法改正の国民投票について考えませう」といふ「内容のない記事はやめませう」と編集部忠告w。英国のEU離脱と憲法改正は「あまりにも違ひすぎる」と指摘するのは、今回の英国の国民投票は日本で「早急な国民投票危険」といふ印象与へた点で改憲にはマイナスイメージといふことなのだらう。とてもよくわかる。

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https://www.facebook.com/Fook-Pak-Tsuen-137442623118246/ 引用するには内容の深い記事等はこちらの顔本に無断転用で掲載しております

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2016-06-28

fookpaktsuen2016-06-28

農暦五月廿四日。先週金曜日から昨日まで連日最高気温は摂氏35度。1885年の観測開始以来4日連続で35度超への酷暑は初めて。南洋でイメージ酷暑だが夏は日本に比べると最高気温は数度低いのだが。

本日、深圳で地下鉄11号線開通。5号線まで開通してゐて、いきなり11号線だが深圳空港が1号線では終点の机场东站からシャトルバス連結だつたので空港直結の地下鉄建設が急務だつたのは事実。時速120kmださう……つくばエクスプレス並みだが中国だと思ふと恐ろしや。地下鉄で一等車廂もあり。深圳といへば羅湖から開発進んだが今ではすつかり西へ、西へと開発進むことは路線図からも明らか。それにしても2030年までに、は目も眩むやうな計画

f:id:fookpaktsuen:20160701063456j:image:h200 f:id:fookpaktsuen:20160701063455j:image:h200

ヤクルトの愛知にある子会社工場トランスジェンダー社員がその旨を会社に伝へ社内での公表等望まず更衣室のみ別室希望したところ会社側は名簿など女性名に変更の上、更衣室手配の配慮認める条件として、この方が全従業員に対して「私は性同一障害です、治療のためご迷惑をおかけします」と説明させたといふ。「特別配慮をする以上、興味本位の噂が先行せぬやう」といふ会社の〈配慮〉が怖い。

2016-06-27 気をつけよう、甘い言葉と安倍晋三

fookpaktsuen2016-06-27

農暦五月廿三日。薄曇。昼の在香港総領事館で晋三への不満をこめて在外選挙投票。在外選挙人証を何処に仕舞つたのか見つからず二週間ほど前に再発行申請を総領事館にしたら先週末には日本の地元の選管からEMSで1,400円もかけて郵送あり。投票はこの在外選挙人証と本人確認に旅券や運転免許証、香港の場合は香港IDとなるのだが、在外選挙人証は名前日本語で書かれてゐて運転免許証なら名前も同じ日本語だが旅券の場合名前アルファベット表記だけ、香港ID場合も同様。日本語漢字場合漢字の読みをアルファベットに照らすだけ、となる。アタシの場合、香港IDには「富柏村」と中国語風の氏名のあるので「それは無視してアルファベット表記のみ見てください」と請ふことになる。いつも思ふが何だか辻褄の合はない話。中国でも韓国でも自分名前アルファベット表記といふのが明確にあるわけで日本語も身分証明等ではアルファベット併記を徹底すべき。旅券には名前だけ日本語併記があつてもいゝ。相変はらず静かな投票所スタッフ立会人のほうが多く説明も丁寧で長く此方は何だかペコペコと明治23年の選挙風景の如し。で参院選だがいくらアタシが晋三への不満を一票に託したところで「自民圧勝、野党低迷」。これまで何度か衆参で番狂はせの自民惨敗もあつたが今回の選挙では番狂わせは「ないだろう」と山田孝男毎日新聞の風知草)は「このまゝ推移すれば」って、そりゃ、このまゝ進むはずが進まなかつたから、の番狂はせ。このまゝ進むかどうか?を推測できてこそ、だが孝男さん曰く、政権批判の拡大・集中する流れになつてゐない、而も21世紀に入つて選挙世論調査が大筋で外れた例がない、と。確かに。この先、期待できるのは株価大幅下落くらゐとは。それでもアベノミクスはすでに国民の間では「敗北を抱きしめて」で消化されてしまつたのだから始末に負へない。大橋巨泉さんは週刊現代7月9日号)の連載「今週の遺言」で体力衰へ、これが本当に最後の遺言として遺す言葉

安倍晋三の野望は恐ろしいものです。選挙民をナメている安倍晋三に一泡吹かせてください。7月の参院選挙、野党に投票してください。最後のお願いです。

だが今の世相では晋三支持者でなくても「なにをそんなムキになって安倍さん悪口言ってるの?」でチョン。

最近ずいぶんとマシだと思つた共産党でも昨日のNHKの朝の政治討論番組で防衛費を「人を殺す予算」と宣つた議員に唖然センセーショナルな物言ひで議論けしかけたつもりなのか、逆に大きな顰蹙かひ自爆政治家言葉を選ばなければいけない。最近ではすつかり厭世派の文人のやうな風貌の与謝野馨先生曰く

私は2005年自民党新憲法起草委員会の事務総長を務め第1次改憲草案をまとめた。2012年の第2次草案には緊急事態事項が新たに盛り込まれた。だが「緊急事態」が何を指すのか不明解だ。政府が国民の生命財産を守るのは当然で、あってもなくてもいい規定だと思う。

迂生と郷里を同じくする故・梶山静六先生2000年の疑問多き急逝の2年前に

いま政治家重要は先ず日本という経済国家の実態がいかに危機的で、このまま21世紀突入すれば国際社会の中でどうなってしまうのか、という本音を余す処なく語る事。その上で時には国中に我慢を求め、こうしなければらないという全体像を示して信任を仰がなければならない。

と誠に至極な提言。さうした先達の見識に対して元首相鳩山由紀夫君の突飛な動きが興味深い。クリミア訪問したと思へば今度は中国のアジアインフラ投資銀行(AIIB諮問委)の委員(実質上の顧問)に。「私が日中友好努力している姿を(中国側が)みておられたと思う」と。どこまで「我が国方針、国益」に反することができるのか……かうなると最後まで見てみたい気が。

▼もう、話題にしなくてもいゝのかもしれぬが英国のEU離脱騒動。EU残留派が多数の倫敦が「英国から独立」なんて軽口もあるが王室はその場合、倫敦を去ることに?倫敦が独立なら香港をその極東サテライトとして是非ご一緒に。

2016-06-26

fookpaktsuen2016-06-26

農暦五月廿二日。酷暑炎天続きでジムのトレッドミルで5kmほど走る。晝酒。午睡。目覚めの龍井茶、上から覗くとピンクフロイド世界f:id:fookpaktsuen:20160627225257j:image:w240:left宝塚記念。ドゥラメンテかキタサンブラックか決めかねてゐたら武豊のキタサンブラックが順調にハナをとり最後の直線で8番人気の牝馬マリアライトが差して優勝。遅ればせながらドゥラメンテが上がつた結果2着でキタサンブラック3着。「買はねかったでよがった」だが知己ではK嬢がマリアライトの単勝2000円購入してたから凄い。馬券外れのリスク回避に祝杯?で夕方のハイボール。晩に台湾風酸っぱい白菜の鍋で豚肉をしゃぶしゃぶ。

▼晋三曰く「伊勢志摩サミットで日本は議長国として新たなリスクに陥ることを回避するため、あらゆる手段をとらなければならないことを纏めた、準備はすでにしていた」。何が起きても具体的なこと無しの「あらゆる手段」で、先週末の英国騒動に何の準備をしてゐたといふのか。偶然とはいリーマンショック級の経済パニックが実際に起きたことだけが思はぬ的中。官房長官菅某も消費増税先送りの判断は正しかった、と。だが実際には一昨日は東北遊説中に英国EU離脱の一報を知つて晋三は驚き、早晩には官房長官も官邸に戻つての緊急関係閣僚会議で「あらゆる手段をとる」と「だけ」確認の由。代々木の志位委員長が晋三の伊勢志摩でのリーマン級前夜、世界経済のリスク云々につき「首相が言っていたのは新興国経済の下ぶれリスク、(今回の英国は)先進国で起こったわけだから全く牽強付会だ」と。御意。公的年金運用で積立金130兆円のうち晋三が株式投資を1/4から半分に高めてゐることで今回の株価下落でどれだけ損益出したのか、晋三はこの発表を選挙後としており選挙への影響回避。単なる嘘つきは嫌はれて当然だが18歳からの新選挙民でも44%が自民党に投票ださう。f:id:fookpaktsuen:20160627225256j:image:w240:right

日経FTから転載記事はいへ新自由主義経済、グローバリズム懐疑的記事が載るだけでも興味深い。Philip Stephens氏の「瀬戸際自由民主主義」(こちら)より。

この10年ほどの間、グローバル化の進展によってもたらされた果実はひどく偏った形で分配される一方、大企業の間では租税回避の動きが広まった。その傾向は堅調な経済成長により覆い隠されてきた。特に世界的な金融危機以降、各国が緊縮財政に走ったことから富の配分を巡る不公平感は増幅された。最も裕福な上位1%は緊縮の影響をほとんど受けなかったからだ。

資本主義には救いが必要だったが、納税者お金で大手金融機関を救済したため、各国政府は市場が抱えていた問題を政治の場に持ち込んでしまった。経済成長を再び達成できるようになれば、一部の問題の深刻さを緩和できるだろう。特に欧州は、財政健全化の達成を絶対視するような取り組みが政治的にいかに有害であるかを理解しなければならない。

政治家資本主義の行き過ぎにも対応する必要がある。もし今、危機に直面している自由民主主義を救いたいのなら、資本主義改革しなければならない。

▼遅ればせながら先週末のFT紙でのTyler Brûléeはんの連載が素直(こちら)。

And there, in a small town in the shadow of the Dolomites in northern Italy, my friend summed up the key issue that many people are confronting with the UK referendum: it’s not just about leaving the EU, it’s also about the hundreds of thousands of talented, clever people who will leave the UK. As the referendum has taken an increasingly ugly tone there are many who will say that watching hundreds of thousands depart is exactly what’s supposed to happen and an untethered UK will be better off without them.

Who needs people who don’t want to be part of a new UK? Who wants people who are cosmopolitan, speak multiple languages and bring skills and international experience to the economy? Who wants more interesting cities with better food, interesting small businesses and good art? Who wants to walk into a business where people chatter in various tongues, reading papers with umlauts and circumflexes in the headlines?

I do. So do all of the 160 people I employ in London, and I’d say the same goes for the 200-300 freelancers and suppliers who rely on us for commissions, paper, printing, IT support and everything else we require to keep our business ticking over.

At its foundation, this referendum is about political jockeying and dangerous game playing by Boris Johnson and his clan, it’s about immigration and making the UK a more complicated place to enter (you can say goodbye to the blue lanes with their gold stars) and do business. Ultimately, it’s about making the UK a less interesting, diverse and dynamic place.

Like the lady in the castle, I prefer to be part of something bigger.

D

2016-06-25 London Pride

fookpaktsuen2016-06-25

農暦五月廿一日。酷暑。「衝撃の金曜日」明けて土曜日FTの週末版などじっくり読んでゐたら午後。家人と湾仔のHong Kong Convention and f:id:fookpaktsuen:20160626221907j:image:w270:leftExhibition Centreの香港製造品の販促売り場で「香港徵縮模型展覽」。香港の昔懐かしい市街の光景がこんな精巧ミニチュアにならうとは。FCCに寄る。メインバーで英国人がEU離脱派と残留派に分かれ緊張関係の中で飲んでゐるのかなんて思つたがラグビーの国際試合でイングランド対豪州の中継あり皆さん試合に熱中で飲んでゐる。London Prideといふ名前エールを飲む。西營盤。皇后大道西、湖南料理の書湘門第の隣に山東餃子の「京香餃」あり。今日の昼に偶然訪れたら、やっぱり「あの」京香餃だつた、と顔本でS嬢が書いてゐたので早速。中環のGutzluff街に評判の餃子供す食肆あり、と評判になつた京香樓、此処が家賃高騰でか店を閉じ、当時、ミッドレベルに住んでゐたが近くのCaine Rdに出来た京香餃といふ食肆に入つたら京香樓(この屋号の使用問題あつたはず)のご亭主と女将。数年後、愛想のいゝ肆猫とともに同じCaine Rdの近くのビルの樓上に移つたが、こゝも数年で閉業。ご亭主も以前より元気さうで何より。西營盤からは空港を出て港島東に向かふ空港リムジンバス最初にこゝだけ止まるので島東に還るには便利。料金はHK$8のみ。

f:id:fookpaktsuen:20160626221904j:image:h180 f:id:fookpaktsuen:20160626221903j:image:h180 f:id:fookpaktsuen:20160626221902j:image:h180 f:id:fookpaktsuen:20160626221901j:image:h180 f:id:fookpaktsuen:20160626221900j:image:h180 f:id:fookpaktsuen:20160626221859j:image:h180 f:id:fookpaktsuen:20160626221858j:image:h180 f:id:fookpaktsuen:20160626221857j:image:h180

▼英国EU離脱といふ国民投票の結果が出た昨日は偶然かアジア投資銀(AIIB)北京で初の年次総会。その英国EU離脱につき私が読んだ限りで一番否定的コメント野上義二・元駐英大使(90年代の香港総領事)が東京新聞f:id:fookpaktsuen:20160625092224j:image:w230:right

大変なことになった。これからEU離脱交渉が始まるが英国は不利な条件を次々と突きつけられるだろう。良いことは何一つない。交渉は難航し先行きの見えない不安が続くにつれて離脱に賛成した人たちは「なぜこんあことになったのか」と後悔するだろう。

都合の良い話を並べて離脱へと引っ張った政治家の罪は重い。笛ふきの明るい音楽に釣られ後ろをついて行った国民が最後は崖から落ちるのが目に見えている。

残留派が僅差で勝つことを最後まで希望していたが島国に暮らす英国人グローバリゼーションなどの変化に対する嫌悪感顕在化したのが今回の国民投票だ。

とまるで聖書で不徳な輩に対する断罪の書。倫敦のブックメーカー残留に賭けてゐたのかしら。FT紙でMarin Wolf氏は“Brexit will reconfigure the UK economy”(こちら)と題して“This is, for me, among the saddest of hours.”と嘆きつゝ

In the short term, however, it will be difficult to make any such decisions sensibly. Business simply does not know how politicians will end up approaching the difficult negotiations ahead. This uncertainty has always been the obvious result of a vote to leave. Only time will clear this fog. But the view that, beyond a lengthy period of transition, the UK will be poorer than it would otherwise have been is overwhelmingly probable. The UK did well inside the EU. It is unlikely to do as well outside it.

と、たゞ/\平穏祈るのみ。FT紙社説“Britain takes a leap into the dark”(こちら)も

For the UK, the vote has turned conventional wisdom on its head. A country renowned for its conservatism and political stability has taken a leap into the dark. Many will blame an inept Remain campaign lacking in passion and massively underestimating the depth of resentment toward the metropolitan elite. Fears about immigration and its impact on local communities ― more legitimate than many have admitted ― trumped national economic self-interest. The slogan of “taking back control” resonated with people who see Europe as a continent in disarray.

と、やはり動揺が隠せないなか精一杯。日経もかなりの紙面でこの英国EU離脱を語り久々に日経もかなりじっくりと読む。「震える世界 英EU離脱」といふ主力記事の初回が大林尚・欧州総局長の論説記事「開国型成長モデルに試練」(こちら)。

歴史に刻まれる英国の選択帝国再興の序章か英国病の再来か。どちらに転んでもそれは英国民が負う責任だ。だが国を開くことで発展してきた英国が、ナショナリズムを優先して欧州に背を向けた現実は、世界経済の成長の原動力となってきたグローバル化に大きな試練を突きつける。

世界に目を向ければ、同様な反グローバル化の機運は至る所に見える。フィンランドなどでは極右勢力が政権党入りし、来年に大統領選を控えるフランスも極右政党党首ルペン氏の善戦が予想される。スペインは左翼の反EU政党が躍進。米大統領選の共和党候補になるトランプ氏に至っては何をかいわんやである

モノ、カネ、ヒトが壁に遮られず行き来するグローバル化の潮流は、それでも止まりはしない。英国のEU離脱問題顕在化させた負の側面を克服し、前進を続けられるか。日本を含めた世界指導者が知恵を絞り、リーダーシップを発揮するときである

なか/\はっきりとした主張は良いが、このテの論説って何故に最後がいつも「日本を含めた世界指導者が知恵を絞りリーダーシップを発揮するときである」で〆るのかしら。これでいきなりベタになつてしまふ。これを書かなければ「英国のEU離脱問題顕在化させた負f:id:fookpaktsuen:20160626222618j:image:w300:rightの側面を克服し前進を続けられるか」で〆となり日経立場は「あ、ここね」とわかり易い。で、実はその一つ前で論説を切ると「モノ、カネ、ヒトが壁に遮られず行き来するグローバル化の潮流は、それでも止まりはしない」だ。ここで止めるとグローバル化が終末論的で俄然、危機感があって面白い神託になるのだが。そんないくつもの論説の中で「まさにズバリ」は毎日新聞での浜矩子先生の「離脱自然だった」(こちら)。国家主義に対してEUの国境を越へる共同体創造プラス思考のやうで「欧州委員会などが国々を縛り、それが各国の法律より優先することに不満が強まったことが本来の要因」とズバリ。スコットランド独立や北アイルランド問題もあり市場パニック要因にならうが「ただでさえ市場は神経質」で「過剰反応する癖がついている」と。風が吹けば桶屋が儲かるなのだ。その上で浜先生は敢へて

英国政府もシティも外資を引き留めるためにいろいろ考えるだろう。EUの統一ルールに従う必要がない英国はEUより得という姿勢を見せるだろう。日本政府も、EUや英国との通商交渉など強気に臨み、良い条件を引き出す知恵を絞るべきだ。

と前向き。こんなことを晋三や黒田日銀に教へてしまつていゝのかしら。浜先生なら「安倍には無理」の一言でせうけど。そして何といつてもこの英国EU脱退で一番読みたいのは陶傑先生で題して「是解放,不是沉淪」。「英國選民終於邁出勇敢的一步,實動人心弦」とズバリ、脱EUといふ立場で(その方が論調が俄然面白くなるから)まぁ面白く読ませる。さすが。

退出歐盟,擺脫歐洲一個中央官僚權力中心的操控。不錯,如果你是霍金,你只會看見「學術研究人才交流」這一片的損失。如果你是英國麥當勞的倫敦區域經理,只看到從此沒有了羅馬尼亞廉價勞工來做低時薪的工作。如果你是中國富豪,即刻計算英鎊大跌從此去倫敦購物和送子女去寄宿學校會更化算多少。如果你是香港人,一日恒指因跌幅千點,即大感哀傷。

但這些只是碎片的局部。一隻瓶子打碎了,不同的人,各自撿起一塊碎片盯着,呼叫惋惜。一九一一年孫中山推翻滿清,建立民國,那時北京皇城裏的剃頭匠,也很不高興,覺得從此中國人不必留辮子,定期上門的顧客生意暴跌。你告訴這些剃頭匠──他們都是漢人──現在趕跑滿洲韃子了,民國憲政了,我們可以投票了。剃頭師傅也聽不進去,一臉茫然,只喃喃問:以後我的生意呢?

英國退歐,你會聽到許多中國和香港評論人,從一個「錢」字來「分析經濟影響」。民以食為天,也難怪,只是身為世界公民,或一個喜歡歷史的人,比較有興趣於全局,而不是三兩碎片。

當然喜愛歐洲,但不喜歡一個膨脹而霸道的歐盟中央政權,正如上一代的錢穆和胡適,喜愛中國,卻厭惡中共。當然,其中的分別是歐盟沒有從冰島到希臘推行一套統一的「歐洲國民教育」,如「沒有歐盟,就沒有強大而幸福的新歐洲」,因為歐盟還是相對文明

英國退歐,按二十年來一貫的流行說法,尤其在華文傳媒流行:這個國家國勢衰微,只是一個小島國,影響力日益下降。那麼按道理英國退歐,不應該「震動全球」,香港有強大的中國後方,市場十四億人口,消費力世界第二,早已跟英國脫鈎,香港的恒指卻因英國的公投暴跌千點,好似母親病了,胎裏的嬰兒也呼吸困難的樣子。

為甚麼會這樣?我見識寡陋,不是太明白。

▼憲法9条改正は現状では厳しいと晋三。謙虚発言のやうで改憲の是非につき国民が判断するのは「選挙のときではなく正に国民投票のとき」と強調。つまり9条改正問ふ国民投票までは選挙後に着々と準備させてもらひます、だろ。

The British government will have its own problems of unity, as Scotland and Northern Ireland assess the advantages of staying in the United Kingdom against the disadvantages of losing membership in the European Union.

These immediate problems, moreover, do not begin to reflect the enormity of the fundamental questions now hanging over the presumptions and principles that have long underpinned the way Britain and Europe see their role in the world.

The British vote strikes at a time when Europe’s institutions and unity are being tested to the limit by the Greek debt crisis and the waves of refugees pouring in from the Middle East and North Africa. Even though Britain never acceded to the E.U.’s open borders or single currency, it has been a leader of Western Europe, a bastion of democratic values, economic probity and military reliability. What now happens to European unity in the face of challenges from Russia or the Middle East is one of the many open questions.

2016-06-24 英国EU離脱で世界経済混乱「ほら言った通り!」と晋三

fookpaktsuen2016-06-24

農暦五月二十日。酷暑。英国EU離脱。日経平均も大幅下落。円買ひ進み99円をつける円高で昼に手持ちの円売り。晩に銅羅湾。家人と円高差益でw五代天丼秋光。吉原の土手の伊勢屋で2004年五代目となつた方が昨年独立して浅草で下町天丼秋光を開業、それがもう香港で開業とは……と驚くばかり。「伊勢屋を行列ができる店にした伝説の……」と称される五代目だが伊勢屋で外待ちは昭和の頃からのこと。登龍街の飲食店ビルで「あれ、この店は……」と思つたら炭火焼肉の居抜きで、この天丼屋も香港のEN Group経営、なるほど。五代天丼は見るからに豪勢で「ご飯少なめ」でお願いしたいがタレもべっとりが苦手なので「少飯少汁でもいいの?」と尋ねたら「冇問題!」。まだ晩も七時半で家人初見参で湾仔のバーMへ。Black Grouseのハイボールとドライマティーニ。

▼英国のEU離脱。それにしても保守党でキャメロン党首政権とりにゆく中で約束してしまつた国民投票自分から俎上に、なのだから責任取らねばならぬのだらうが晋三のやうに「新しい約束」で国民投票延期もあり得るのに(笑)朝日新聞政治部長(国末憲人)の「バイバイ英国 出るも残るも、痛しかゆし」(こちら)が巧妙に分析

何より解せないのは、EU残留を主張する英キャメロン政権の態度である残留を望むのなら、国民投票など最初からしなければいいではないか。

勿論、反EU世論を抑えたいなど、国内事情があるのだろう。だけど、それは本来、全欧州から日本企業まで心配させる大騒ぎなどにしないで、キャメロン首相自らが国民を説得すべき筋の話だ。

国民投票は、民意を政治に反映する手段であるとともに、ヒトラーが多用した危険な制度でもある。何より、多様な世論を無理やり二つに分類してしまい、国内に亀裂を生じさせがちだ。難民問題テロなどで欧州全体が大変な時に、なぜこんなマッチポンプをしなければならないのか。

国内残留派の主張が「離脱する場合経済的リスクが大きい」「成長が維持できない」など、自国の利害に集中しているのも、鼻白む。結局、君たちはカネのことしか頭にないのか。世の中にはもっと大切なものがあるだろう。

国際法秩序を世界に定着させるうえで欧州間の協力はどうあるべきか。グローバル化の中で国家の将来像をどう描くか。そういう議論をもう少ししたらどうか。

このキャメロン誤謬についてNHKの深夜の国際報道2016がよく解説してみせてゐた(こちら)。それにしても日本は株暴落、円高で、これはアベノミクスには痛手のはずが、f:id:fookpaktsuen:20160625084022j:image:w280:rightすでにアベノミクスの「道半ばで……」は苦しみの受け入れ好きな絆つよき国民にはすでに失敗も受け入れられたやうなもの今日、晋三は青森、岩手で選挙応援に民進党の岡田君が「この英国の重要な国民投票市場の混乱など予想される日に首相、官房長官ら主要閣僚が東京を離れるのはノーテンキ」と非難してみたが、むしろ消費増税延期の理由でリーマンショック級の経済混乱「予想してゐた」のだから経済パニックさまさまでお祝ひしたいくらゐだろ。日本の経済不振もすべて英国発のこのパニック所為に。これで参院選挙も勝ちか。神様はなぜ晋三に味方するのかしら。

▼参院選につき朝日毎日公示後早々と自民過半数、で公明党ら改憲4党で2/3窺ふと。それでも公明党が衆参で易々と「晋三の」改憲に乗るとも思へない。いずれにせよ晋三の自民好調不愉快。野党共闘の一人区も宮城や沖縄など数県除けば自民党優勢。

この選挙私たちは厳しく問われている。「アベノミクスは成果を出している」のに「消費税増税は再延期」というような論理破綻をどう考えるのか。「この道を。力強く、前へ」進むと、どこにたどり着くのか。私たちは考える責任がある。責任を果たすこと抜きに自由はない。

東京新聞「こち特」のデスクメモ田原記者毎日新聞に出てゐた無党派層投票先の推移が興味深い。民主党への政権交替を実現させた彼らの投票先は、その後、みんなと維新といふ第三極に彼らの食指動きぞっとしたが、それも急激に冷めて2014年の衆院選では彼らの投票先が自民、民主、第三極にほゞ20%で収斂され、共産党への投票もそれに近づいてゐること。今回は民進党と第三極への無党派層の支持は下がり共産の支持高くなることくらゐしか期待できず、の無党派層

2016-06-23

fookpaktsuen2016-06-23

農暦五月十八日。酷暑。早夕に散髪して帰宅。日が長く陋宅からの日没も美しい。宅吧でモヒート飲んでゐたが慌てて日没に似合ふハイボールを用意。

石井妙子著『原節子真実』の毎日新聞書評こちら)。原節子=小津作品紀子といふイメージ強烈だが原節子地震は小津の描く紀子像はけして自分にとつて満足できるものではなく「一番演じたかったのは意志を貫いた細川ガラシャ」って、こりゃ見てみたい。すかさず畏友T君の挙げた配役が見事。森雅之の明智光秀、佐田啓二細川三斎、東野英次郎の豊臣秀吉、京マチ子淀君……とくれば当然、監督は溝口……と書かれただけで既視感満載。嗚呼、垂涎。横浜のI夫人が、この映画になら山田五十鈴のねねと、千秋実の徳川家康も、とこれも適役。

▼英国EU残去につきさすがの林行止も今日信報

  • 英國選民今天(二十三日;香港時間今晚)將就「留歐」或「脫歐」進行公投,留脫雙方的意見和理據,最近三四個月來,傳媒不論冷熱,已有非常全面的報道評論,本報的有關訊息,尤為出色。老實話,筆者確有不知如何落筆的躊躇。

と明確な発言に迷うところ、この文章最後

  • 如果英國成功「脫歐」,意味港人回歸前後千方百計弄到手的英國護照,日後的作用,在赴歐陸旅行上,可能比特區護照還不如──前者必須逐國簽證,後者則通行無阻!

と、英国がEUに残ればBritish Overseasの旅券有する香港市民の渡欧は便利……と書いて記事を〆てしまつた。それほど難しい選択か。最後は遺存選択か、と思つたが離脱派が予想以上に頑強。

常無常人常無常人 2016/06/25 09:51 イギリス、ゼロサム下で各種エゴと大義の調整能力ない政府が起こした悲喜劇、そのもとは衆愚政治。日本は大丈夫なんでしょう、閣議決定で何でもできる似非強権内閣に全権委任政治だから。おかげで為替も株も安泰目指すなんて思ってる別種愚民の国。イランの制裁解除なんてアメリカは進んでるのかも。

2016-06-22

fookpaktsuen2016-06-22

農暦五月十八日。中環で夕方会合あり。まぁビクトリアハーバーから九龍の山々まで絶景の好天。早晩に同行のS氏と天ぷら。f:id:fookpaktsuen:20160623232010j:image:w200:leftひとつ帰宅してエスプレッソとGodivaのオランジェで一服

▼名著『代議士の誕生から早半世紀。ジェラルド=カーティスさん(朝日新聞こちら)。

今の政治は首相官邸に権限が集中して、強すぎる。チェックとバランスの機能が果たせていない。野党も弱い。自分たち政権を取ったらどんな政治をするのか、という話がなさ過ぎる。

参院選はどうなるでしょうか。一人ひとりの政治家は、当選しないと何もできないけれど、当選することだけを目標にするのは情けない。政治を一生懸命にするパッション情熱)がないと、政治の質は落ちる。政治家として何をやりたいのか。そのことをよく考えて、訴えなければならない。そして、選挙民は投票でどういうメッセージを政党や政治家に伝えるのか。そのことをよく考えてほしい。

2016-06-21 白先勇の世界

fookpaktsuen2016-06-21

農暦五月十七日。酷暑夏至。晩三更に油麻地のCinematiqueでドキュメンタリー映画「他們在島嶼寫作二」のうち白先勇(奼紫嫣紅開遍)見る。とにかく美学の人。美ではなく、美学。改めて考へるに1971年の『臺北人』は、まだクールに台北を眺めてゐるが『寂寞的十七歲』に萌芽あり1983年の『孽子』で到達する若者世界にせよ晩年の崑曲への偏愛と崑劇〈青春版牡丹亭〉の完成と評判にせよ、とにかく白先勇にとつて彼の描くその世界世界で最も美しいものであり、だからこそそれを、その美しさを知らぬ人々に授けたいといふ情熱。『孽子』の世界などホモフォビア的には戦後の台北の汚らしい同性愛群像だが、その彼らがどれだけピュアで美しいか、をヘテロにも共有させてしまふ力量。〈牡丹亭〉とて恋愛のこんな美しさを知らずに死んでしまふのは中華民族にとつては考へられない、だから若者にこれを見せたい、と。まぁこれほどの美学にはただ/\敬服。

毎日新聞の連載(チャイナセンセーション第3部)国境を越える民「共産党幹部「子供日本国籍を」代理出産で逃避準備」(こちら)。読むに値する連載開始。共産党幹部が甥を日本に遣り日本人による代理出産日本国籍有する子を授かり20億円の隠し財産をこの子に。共産党幹部が悪どいかぎりだがリスク回避の手口はお見事。

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2016-06-20

fookpaktsuen2016-06-20

農暦五月十六日。酷暑。台湾の鵝油金葱。カリカリに揚げた台湾名産の紅葱頭をガチョウの脂に漬けてある、身体に良くない=美味しい珍味。炊きたてのご飯にちょっとのせただけでも幸せ

▼晋三の昨日の船橋での街頭演説で「帰れコール」。吉祥寺もひどかつたさうで。2012年12月自民党政権復帰となる衆院選挙の前夜、秋葉原で選挙活動締めくくる晋三への「安倍!、安倍!」の若者コールが懐かしいところ。あの若者らの晋三支持でf:id:fookpaktsuen:20160621203524j:image:w180:left選挙権18歳への引き下げで一気に改憲まで」のシナリオのはずだつたのに。それが今じゃSEALD’sのやうに反晋三のムーブメントになろうとは。今日の北海道への遊説は急きょ中止の由。メジャーマスコミは報じないやうで。

時事通信山口公明代表「政府は改憲発議できぬ、安倍首相に自制促す狙いか」といふ記事

公明党の山口那津男代表は20日、東京都内の日本外国特派員協会で記者会見し、憲法改正について「首相といえども憲法順守義務が課せられているので政府側から改正の内容の発議、意見を出すことはできない」と指摘した。憲法改正に意欲を示す安倍晋三首相に自制を促す狙いがあるとみられる。

ごく正論だが「首相といえども」は不正確、首相=最高位の公務員なのだから「首相にこそ」と言わねば。でも、どうせ晋三なら「私は、私はですね、自民党の、自民党の総裁総裁としてですね」って言ふのでせう。それにしても那津男さんも選挙前だから、で公明党が「改憲賛成」側では学会信者さんの票すら逃げる、といふ懸念もあつての、この発言か。これくらゐの正論普段から題目を毎朝毎夕唱えるように晋三に会ふたびに苦言してほしいところ。実はこの那津男さんの発言、この「首相といえども」の前段で「安倍氏は首相としてではなく自民党総裁として当たり前の発言を繰り返している。首相といえども……」で(毎日新聞)ちゃんと晋三を庇つてゐる。いやはや。短い記事でも、この前段があるとなしでは随分とニュアンスも異なる。

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「国民主権、基本的人権、平和主義……これをなくさなければ本当の自主憲法ではないんですよ。」

2016-06-19

fookpaktsuen2016-06-19

農暦五月十五日。快晴。化粧品のLancômeが中共圧力恐れスポンサー辞退のデニス何韻詩の自主コンサートに数百人の若者。銅羅湾書店事件でも中共言論弾圧に抗議で千人規模の市民デモ酷暑日傘さしてゐても肌を炒るやうな日差し。午前中一つ所用済ませ九龍城。家人と待合せ。九龍城街市のタイ料理に昼餉。เบียร์สิงห์(ビア・シンハー)。猪頸肉油飯。好物の豚の頚肉でご飯は豚のラード和へ。こんな身体に悪いものが不味いわけがない。新三陽などいつもの食材買ひ出し。家人とは黄埔にも寄る予定だつたが余りの暑さと連日の睡眠不足で軽い熱中症のやうになり啓徳のバス停で別れ独り帰宅。横臥するが眠れず。茹でたトウモロコシと揖保の白糸。このところ寝ても三時間くらゐで目が覚める日が続き、さすがに睡眠導入剤飲み寝入る。

f:id:fookpaktsuen:20160620223903j:image:h180 f:id:fookpaktsuen:20160620223902j:image:h180

▼東武鉄道で台湾鉄路の普悠瑪号デザイン塗装にした特急「りょうもう」号が登場。東武と台鐡のコラボはこの春、宜蘭火車站で東武のスカイツリーライン日光線と台鐡の平渓線の相互乗車券交流サービスのポスター見て知つてはゐたが交流大いに結構でもなぜ東武と台鐡でも「平渓線なのか」が疑問。山奥のかつての炭鉱で栄えた集落に向かふ平渓線となら東武鉄道でも日光線なら下今市から日光か、実態的には東武でもf:id:fookpaktsuen:20160620223900j:image:right:w240「会津鉄道」のテイスト。軒先を走るノリは東武鉄道で浅草なら、さしづめ花やしきのジェットコースター。この交流を知つてゐると余計に今回の普悠瑪号塗装の車両お目見えは「平渓線とは関係ない」のだが東武鉄道のHPこちら)見たら実はかなり大規模な東武と台鐡の有効協力関係で第1弾が平渓線との相互乗車券や「台鉄専用館林・足利市往復きっぷ」なんだそれはっ!の発売で、第2弾がこの普悠瑪号塗装列車の登場。それでも「なぜ東武と台鉄なのか?」は不明。台鉄とJRなら、すんなりだが。最初にアタシがポスター見たのは宜蘭火車站で次が普悠瑪号と来れば台鐡でも東部幹線で東部=東武か、と思つたが(無理やり)、太魯閣号なら東部幹線だが普悠瑪号は台北を起点に高雄、台東まで、つまり電化されてゐない高雄〜花蓮の区間除く幹線を走つてゐるので〈東部=東武〉は当たらないし、しかもこれは日本語だけでしか通じない(dōngbùとdōngwǔ)。

f:id:fookpaktsuen:20160620223859j:image:h200 f:id:fookpaktsuen:20160620223901j:image:h200

▼アベノミクスについて。

そもそも金融政策の評価を株価でするのは、おかしな話です。視点があまりに短期的です。金融政策は、もっと長い目でみた実体経済や物価に与えた影響で考える必要があります。

ではデフレ脱却できたのか。この3年間のコアの消費者物価の上昇率は、消費税引き上げ分を除くと年度平均で0.53%です。黒田総裁になって最初の日銀の物価見通しが1.33%だったのと比べると、その半分にも達しない。桁違いの超緩和を続けてきたのに、です。

それなのにいま、デフレ脱却が進まない理由として挙がるのは消費税引き上げの悪影響です。体のいい犯人隠しに使われている。これは罪深いことです。必要以上に消費税のマイナス効果を強調しすぎて、再引き上げのハードルをあげてしまうのが心配です。須田美矢子(元日銀政策委員会審議委員

安倍さんは成長施策があると言っていましたが、経済産業省が作った成長戦略のカタログを示しただけでした。あれもこれもやっていると言っただけ。経産省はカタログの中で何が一番成長の原動力になるのか、日本経済の構造を変えうるのか、という論理を突き詰めていませんでした。

いま、金融緩和の賞味期限は切れつつあります。

このまま成長施策が現れてこなければ、黒田さんはとんでもない誤りを犯したことになる。ただ、今度の参院選でもそうした分析的な評価が出てきていないのをいいことに、時限爆弾をどんどん積み上げている状態です。

その爆弾がいま時を刻んでいます。爆発し、国債価格が下がって大混乱に陥らないか、本当に心配です。柳沢伯夫(元金融担当相・元自民党税調会長

f:id:fookpaktsuen:20160621203526j:image:w240:right朝日の長谷部&杉田時事放談普段杉田先生突っ込みで長谷部先生コメントが強く感じるが控え目な杉田コメントがけっこう面白い

  • アベノミクスの果実が目に見えないのは、まだアベノミクスが足りないからだ……これが首相の論法です。しかし、これはギャンブルに勝てるまで賭け金を積み続ければいいという論理に似ている。期限を区切って「こういう数字を出す」と具体的に約束するのでなければ国民としては評価のしようがありません。
  • 安倍さんは昨年「集団的自衛権の行使限定的」だと国会で何度も断言していましたが「新しい判断」が通用するなら、これだって覆せる。
  • (民主党政権に対して、マニフェスト違反だ、嘘をついたと怒っていた人たちはどこに行ったのでしょうか、という長谷部先生の問いかけに)元々、人々はなぜか「保守の嘘には寛容でリベラルの嘘は許さない」という政治的非対称性がありますが、それにしても行き過ぎの感があります。

これだけマイナス評価あつても、まだ晋三のアクセル全開信じ、消費増税延期も良かつたで晋三の支持率も安定で参院選に臨むなら、たんに「国民がアホ」といふことか。

2016-06-18

fookpaktsuen2016-06-18

農暦五月十四日。土曜で朝、驟雨。官邸で書類整理。夕方FCCで早酒で新聞読み。久々に蘋果日報を紙で読んだら何だか薄いな、と思つたら元々は別折だつた芸能と副刊が合体してゐて紙面も少なめ。

▼昨日、英国のEU残留離脱か、を書いたがEUなるものについてしっくりわかつてゐないところ、今日毎日新聞浜矩子先生がドイツのショイブレ財務相のEUについてのパラドクス発言を引き見事に突いてゐる。英国が残留しても離脱してもEUが良い方向にいかないだろう、それをこのドイツ人のオトーサンは英国離脱でも厄介払ひできたで統合深化に前のめりになるな、返す刀で英国にも出ていくなら覚悟を決めろ、離脱した上で特別優待など期待するな、と。それを受け「天邪鬼で捻くれ者、言ふことを聞かぬ妥協知らずの一本気、この異分子を抱き留めるだけの懐の深さなければ泛欧州的共同体など絵に描いた餅」と浜先生。浜先生の思ふところは英国は離脱自然体、そもそも加盟が間違ひ、さらにいへばEUといふもの自体存在異論あるのは「統合理念はわかるが仕組みとしてはどうにも無理がある」。それは統合欧州の問題は〈深化vs進化〉で東西冷戦が始まるといふ時代に描かれた設計図を基盤に統合をどんどん深化させるが今は冷戦後グローバル化時代、その変化に伴ひ統合欧州も深化へのコダワリ捨て「これ以上、統合しないこと」で結束強め進化すべき、さもなければ英国離脱を機に統合を更に深化させると、それに怯え第二の英国で離脱が出るよ、と、なるほど。

東電福島核禍で「炉心溶融」起きてゐたのに「炉破損」としてゐたのは当時の社長(清水某)の指示だつた由。さらにそれは「官邸からの指示」とされてゐたさうだが、菅丞相、枝野君もそれを否定。いずれにせよ何が今更明らかになつても「さもありなむ」で驚きもせぬ自分が怖い。すべて「やっぱり」で済ませてはいけないのだが。

▼晋三は世界経済を「大きなリスクに直面」と宣はつたが内閣府6月の月例経済報告では海外経済は「緩やかに回復」ださう。嘘つき晋三。その晋三の日銀介入に「のりを超えてはいないか」与謝野馨元財務相がコメント。「どの国の中央銀行も政府と距離を持って金融政策を行っているが今の日銀は政権がめざす方向に進むしかなく独立性を失っている」と仰る通りだが今日朝日で「安倍政治の本質」と題して与謝野さんの見識あり(こちら)。アベノミクスにつき

私には、その中身が何なのかさっぱり分かりません。克服するというデフレとは何かも明示されておらず、そもそも物価を上げるという目標はまともな先進国の政策として聞いたことがありません。国民にとって大事なのは物価ではなく実質購買力の上昇です。打ち出されている経済政策は非常に偏ったものです。私はとりわけ日本の財政心配です。私はいまの財政状況を「偽札財政」と呼んでいます。いわば偽札が毎年大量に発行されているのです。今、日本銀行は毎年80兆円のお札を刷っています。これだけ発行しても企業活動や消費など実体経済にはほとんど良い影響が出ていません。このお札の量は国民の金融資産の約5%に当たります。この分、国民の保有するお金価値が毎年薄まっている計算になります。つまり国民のみなさんのお金は毎年5%ずつ目減りしていっているのです。

f:id:fookpaktsuen:20160619051425j:image:w220:leftと。消費増税延期も国民受け狙つての痛みを先送り。50%前後の支持率といふ政治的財産つのなら、それを日本の将来のために使はなければ意味がない。民主主義の中で「国民の声」といふものが必ずしもいつも正しいとは限らない、残念ながら国民は楽な道を喜びがち。「国民の声」といふ建前論だけで運営すると国を誤る、大切なのは国民の豊かさを長く維持することで「それが保守政治」と与謝野先生f:id:fookpaktsuen:20160619051914j:image:w320:right

「親が変われば子が変わる。子が変われば日本が変わる」という「主体変容」の意識改革を促す国民運動を展開してまいりたい。

他に責任転嫁しないで、主体変容すること、自分が変わることによって、大災害などの国家的危機を乗り越えてきた日本人精神伝統を、親学として甦らせ、危機に瀕する日本の教育再生していきたい。

〈中央専案組について〉 After President Xi Jinping’s administration launched a massive crackdown against graft in 2013, some disgraced top politicians, including Zhou and former presidential aide Ling Jihua, have been accused of forming political cliques and engaging in activities not aligned with party headquarters.

Zhang’s remarks were echoed by Lin Baohua, a Taipei-based historian specialising in the Communist Party, who also goes by the name Ling Feng.

“The central special investigation team is certainly not targeting ordinary people like Lam [and other booksellers], but using them to find out which political clique is behind the publisher of so many books undermining the party’s leaders,” Ling said.

The leadership apparently believes the clique uses publications outside the mainland “to challenge the authority and administration of the party leadership”, Ling said.

Such special investigation groups were common during the Cultural Revolution – a decade-long period of political and social turmoil, which started in 1966.

Targets were usually senior cadres who have in hindsight been considered victims of political struggles.

The investigation of former president Liu Shaoqi was handled by members of an ad-hoc investigation group that reported directly to the top leadership of the party. Liu died while in custody in 1969.

Fourteen such groups were set up between 1967 and 1971, according to the memoir of Wu Faxian, a former Politburo member, who was jailed in 1971.

2016-06-17

fookpaktsuen2016-06-17

農暦五月十三日。朝、驟雨。思ひきりの雨のなか傘がお気に入りなら気持ちは晴ればれ。

▼蓮舫議員都知事選出馬辞退……は賢明。淀橋は政治家にとつて鬼門官僚鈴木のあと「青島だぁ」も新銀行石原、『イノセの肖像』(小学館)もカッパブックス『舛添が都知事になる日』も都知事になつてロクなことなし。弄ばれて終はり。総務櫻井氏とてアホぢゃなければ誰も推挙に応じぬのは当然。田母神先生なき今、毎朝登庁しての実務もなく、タレント言論人が続いてゐること考へれば田中康夫ちゃんあたりでどうかしら……と思ひつゝ宇都宮先生三たび立候補なら美濃部以来の革新都政になるのかしら。

FT紙社説“Britain should vote to stay in the EU”(こちら)。

This newspaper has supported British membership of the EU from the outset in 1973. The Financial Times does not favour membership of the single currency. It makes no economic sense. But opting out of the euro is quite different from opting out of the EU, which would seriously damage the UK economy. Constructive engagement is vital when Europe confronts threats from Islamist extremism, migration, Russian aggrandisement and climate change. These can only be tackled collectively.

からないでもない。だが英国の屈折も英国ゆゑでいつまでもあのまゝでゐてほしいと思ふとグローバリズムから距離をとり英国は英国、蘇格蘭独立も厭はぬが蘇格蘭は蘇格蘭でゐてほしいと思ふ。いや、EUとはさういふものではない、EU中枢のドイツもフランスもEUになつてもドイツやフランスのまゝぢゃないか、といはれゝばその通りなのだが。かなり微妙選択になるのでは?と思つてゐたところでEU残留訴へてゐた野党労働党のMPが右翼偏執狂に殺される事件あり。“Lessons we should learn from the life of Jo Cox”(こちら)となり

Ms Cox’s killing should be a reminder that democracy is a fragile thing. The journey from civilisation to barbarism is far shorter than many in the west imagine. In her maiden speech as an MP last year, she declared that “we are far more united and have far more in common with each other than things that divide us”. If there is anything remotely to be gained from her death, it is that the British public should heed those words now.

もはや勝負あり。

2016-06-16

fookpaktsuen2016-06-16

農暦五月十二日。CXのMarco Polo Clubに入会は2004年。利用マイル数は1,282,000哩、香港からYで東京往復にすると21往復、無料で乗せて貰つたことになるが海外出張など続ける身でもないので有償での実際の搭乗は78回で111,771哩程度でしかない。これではMarco Polo Clubでグリーンの平会員のステータス維持がやっとだがCXがMarco Polo Clubの会員条件を大幅に見直しこちら)。年に4フライト(2往復)すればグリーン、30フライトでシルバーでは会員増えすぎ優先登場では優先客が一般客より多くCやFの上客にしてみたら不愉快まりなし。香港と台湾で雑貨小売りしてゐる若者格安フライトで何度も往復してゴールドなんてのも珍しくない。そこでCXBAを倣つて搭乗回数は却下、搭乗距離に「いくら費用をかけたか」のバイアスをかけたのが今回の見直し。グリーンの平会員でも年間100ポイント必要で香港&台北を割引チケットでは往復で10ポイントから10往復しないとグリーンも維持できず。シルバーになるには30往復。東京まではYの準正規料金でも10ポイントなので5往復、格安だと10往復してやつとグリーン。アタシの場合CXAmexエリートカード所持でMarco Polo Clubのグリーンのステータスは特典になつてゐるので、おいそれと剥奪はされないだらうがグリーン所持しても何ら特典がないのも事実。要するに高い運賃で欧米往復するやうな上客のみに厚遇を絞つたわけで、これはCXにとつてかつてのPassages(誰も覚へてゐないか)に近いが、マイレージ制度の黎明期に始まつたPassagesはポイント対象がC以上とお高かつたが当時のCは今ほど高価でもなく(割引ビジネス料金がかなりあつた)加入会社がCXSQ、日本はANAだつたか?アジアでもかなり競合するエアラインがこれに鳩まつてをりあまり多くない獲得特典ですぐに無料搭乗が出来たので今のMarco Polo見直しとは格段の差あり。で「坊主憎けりゃ袈裟まで憎い」でさういへばCXって機内食もセコくなつたわね、Cクラスの座席だつて狭くて斜め向いてゐるしf:id:fookpaktsuen:20160618133946p:image:w280:left……とマイナス面が気になり、これまで香港でCXOne Worldだつたのに突然「スタアラもいいかも?」でSQのKrisFlyerの会員に。会員登録済ませると「初回のポイントの動きがあつたらカード送ります」で新参のご挨拶かはりにクレジットカード2社から合はせて5万哩入れたらAmexは即座にでSQからもすぐに「カード送ります」の返事。KrisFlyerにしたところでシルバーになるには年間25,000哩の搭乗が必要でアタシの生活ではあり得なし、そもそも大のシンガポール嫌ひがSQとは変節を我ながら嗤ふがスタアラだとSQの実は憧れてゐた客席の良さに加へ日本へはANA、台湾はEVAタイ航空もあるので香港起点に便利は便利。気分転換でしばらくスタアラ者になることに。本日、早晩に中環。プリンスビルWise Kids自分でも欲しくなるやうなデンマーク製の工事作業車のミニカー(といふにはデカい)玩具贖ひFCCへ。上海からI君が今日来港で昨日もご一緒のY氏、家人と会食。Y君の息子二人に玩具を香港の伯父さんから、と託す。

▼銅羅湾書店経営陣の中共による拉致について。経営者の一人が突然この拉致の経緯について記者会見。今回の実行犯が「中央専案組」で、つまり公安も港澳事務の中聯辦も部外で今回の拉致は対香港の実務担当にとつては「……ったく」なコトなのだが中央が怒り千萬だつたのは習近平ら誹謗中傷揶揄するやうなゴシップ本も含めた言論出版であつて(レベルの低い話だが)、銅羅湾書店経営陣の拉致はそれへの懲らしめと国内でこの書店通じて書物入手する国内反体制人士の顧客リストといふもの。何とも……。

▼共産党の志位委員長曰く

安倍首相は最近演説の中で「気をつけよう、甘い言葉と民進党」とまで言った。いやしくも一国の首相が天下の公党に対してこのような低次元の誹謗中傷をやるべきではない。それはまともな政策論争ができない、国民に訴えるべき政策がないことを自ら告白するものではないか。

その通り。

2016-06-15

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農暦五月十一日。早晩に新界から還る途中、九龍城に宿る岸和田Y氏拾ひ銅羅湾。日本人倶楽部家人と三人で四方山話で会食。久々にY氏と二人で焼酎四合瓶をぺとり、と飲む。

東京新聞歌人岡野弘彦作家歌人思ひ出綴る連載(美しく愛(かな)しき人々)で折口信夫について。終戦後、軍から除隊され弘彦は東京大森の折口家に出入りするやうになり風呂沸かす薪つくりから原稿口述筆記、清書など言ひつかるやうになり書生は通ひから還暦すぎの「祖父のやうな」先生と同居になる。この折口の「口述」は折口が國學院卒業し大阪の旧制今宮中学教師になつた時から始まつた一子相伝のやうな折口固有の教育法で今宮中学の当時、折口が「一番深く心注いだ」生徒が伊勢清志といひ大正元年の八月に伊勢から熊野にかけて、折口の最初詩集となる「海やまのあひだ」の旅にも「感性の美しい生徒であった」清志を同行させ折口は「零時日記」を筆記させてゐる。弘彦はこの折口の若者に対する指導を「瀉瓶(しゃびょう)」といふ。瓶の水を他の瓶の口に口移しに注ぎ入れるやうに仏法の奥義を残りなく弟子に皆伝すること。素晴らしいどころか「どこかむしろおそろしく内容の濃密な、魂の田酒であつた」と語る岡野弘彦大正13年生まれで92歳。もう折口のことを語る最後の人岡野については松岡正剛の千夜千冊で『美しく愛しき日本』(こちら)が興味深い。

日本の神々はすさぶ神なのである。スサビは「荒び」であって「遊び」と綴る。すなわち「あめつちは蒼ひと色にまろがりてしづけかりしを神すさびいづ」なのだ。蒼色にすさぶ神なのだ。ぼくはこのように神をすさびのなかに詠む岡野さんを信用したい。

いや、それだけではない。そうした神々にも「凶(まが)つ神」がまじるのである。だから「村びとに追放(やら)はれくだる凶つ神ぬばたまの夜を渡る声する」ということや、「夜の峠越ゆる乞食(ほかひ)のつづらより傀儡の神のうめき沁みいづ」ということがおこる。これはたんに凶暴になった神ということではない。凶も悪も暴も、神に付託されていったのだ。そのため、神はここで偉ぶることはできない。むしろ哭いてしまうのだ。岡野さんはそこを「渾沌(くぐも)りて暗き天つち凶まがと湧きいづるなり神の哭く声」というふうに詠んだものだった。

常無常人常無常人 2016/06/18 21:39 折口は作品の屈折ぶりで非常に難解、手に負えないことがあって断片しか読むことができませんでした。鏡花や三島風文学じゃいかんのかと負け惜しみ。柳田には少なくともフォークロアを系統立てようとした(けど成功はしなかった)志のところ納得がゆくのですが、だからあまり面白くない。しかし実人生では二人とも現代人からみればかなり屈折していて作品が人生の投影物だとは思いません。人生の屈折なんて芸術に比べれば何でもない事なのだろう、読み終わっていた柳田の全集こっちへ来るとき二束三文で売り払ったことなど屁でもないことと思いたいと引きずっていてハハハです。

fookpaktsuenfookpaktsuen 2016/06/19 05:24 確かに國男は確か光村の国語の教科書だったか『山の人生』とか高校生でも数行読むと「あ、こんな感じか」と内容の憶測ができるくらいわかりやすいですかね。折口は、ねぇ。あの古代にイメージの届く独特の感性はわかりますが、それぢゃそれが何なんだ、と言われると、お書きの通り屈折ゆゑのあの世界か、と思うのが一番わかりやすいかも知れません。

2016-06-14

fookpaktsuen2016-06-14

農暦五月初十。何時に寝ようが朝三時にきっぱりと目が覚めてしまふのは老いたからはいへ、どうにかならぬものか。それでも目覚めれば頭も明晰で読書したり日記を認ためるには絶好なのだが。で数時間すると夜明け。今日は二つお気に入りを入手。一つはRiedel社製のワインタンブラー。通常のワイングラスからすると普通のタンブラーだが芳香も楽しめるデザインで今春の旧正月William達智兄の氏氏祠での盆菜宴にお招き預かつた際に同卓の方(香港の或るワイン協会の代表)が持参されたグラスがこれでワイングラスほど畏まつた場でなく気軽にワインには最適。宴会の卓で倒して溢れることもなければ手掴みでムシャムシャの食事で手が脂だらけでも握れるデザインはよく考へたもの。もう一つはパナソニックの卓上照明器具。湾仔の照明屋街に陳列してあるのを何度かバスで通りかゝり眺めてゐた。居間ラウンジチェアに寛ぐと本や新聞読むのに暗めのフロアランプではもう明るさが足りず。かといつて照度じたい高くしたくない。サイドテーブルに置く、センスの良い照明を探してゐたらこれを見つけた。晩に肉骨茶。

f:id:fookpaktsuen:20160615111016j:image:h120 f:id:fookpaktsuen:20160615111015j:image:h120

日経の連載(私の履歴書)で東宝名誉会長松岡功氏(13)で香港についての記述あり(こちら)。

バンコク、シンガポールを経て香港に行った。香港には「香港東宝」という現地法人があり、地元の映画館東宝作品を1本1本売りに行っていた。香港では怪獣もの文芸色の強い作品は喜ばれず、買ってくれるのはもっぱらアクション映画で「用心棒」とか三橋達也主演の「暗黒街」シリーズなどがスクリーンにかかった。

香港は東南アジアへの売り込み拠点でもあったから、会社も力が入っていた。地元資本との合作で、人気女優、尤敏と宝田明コンビで「香港の夜」「香港の星」「ホノルル・東京・香港」の3本を制作した。

この尤敏と宝田明で「香港の夜」と「香港の星」は10 年前に見たが(しかも宝田明氏本人が来港での記念上映、こちら「ホノルル・東京・香港」は見てゐなかつた。ネットでチョイ見してみたが三部作の中では香港の実写ロケは一番少ない。

自民党も舛添の都知事辞職要求へ。所詮どうでもいゝことなのだらうが舛添庇ふと単に参院選で不利だから。それも「共産党の出した不信任には賛成できない、参院選に影響が出ないようにするには自民が不信任案を出すしかないだろう」(官邸幹部)てな発想。参院選は自民圧倒的有利といふがアベノミクス崩壊(って最初から発想からして崩壊してゐるが)、晋三の「反共」しか叫べぬ焦り、改憲の困難……の中で、とにかくシッチャカメッチャカ。野中広務先生自民復党決定にも驚いた。5年前に全国土地改良事業団体連合会(全土連)の会長職にあつた広務さんは、この団体の長として政党色嫌ひ自民を離党してゐたさうだが今更齢九十で復党もないだらう。農協医師会生長の家などかつては有数の支持団体もつた自民党だが、この土地団体など藁にも縋るほどの背水の陣は本当は圧倒的有利じゃないのか、こゝで公明党と踏ん張れば2/3といふ衆参圧倒的多数で改憲までもつていけるといふ意欲なのか……たゞ選挙も「ソフトは電通、ハードは株式会社ムサシ」の掌上。それにしても広務先生には九旬で、このまゝ自民の党籍なしのまゝでゐてほしかつたところ。やはり骨の髄まで自民党なのかしら。

自分イスラムについて本当に知識がないと思ふ。伊朗に拠点置くISIL系の「アルバヤン」といふラジオ局がフロリダのゲイクラブ乱射事件について

神の助けによつてカリフ国家の戦士であるオマル=マティーンは預言者ルトの信奉者が集まるナイトクラブで汚れた十字軍兵士ら100人以上を死傷させた。

と報じてゐるといふ。キリスト教ならルカとかマタイとかユダといつた名前や背景を知つてゐるがイスラムになると「ルト」といはれても何も知らない。この言説では預言者ルトは同性愛者で、そのクラブで週末に遊んでゐたゲイたちは十字軍兵士とは。凄い。だが、この「アルバヤン」なるラジオ局も本当にISIL系なのか、そも/\ISILとは何なのか、も全くわからないのだから。そんな「やっぱりテロか」の言説に対してテロどころか実はこの実行犯はホモ嫌悪どころか実は本人がさうだつたといふ、つまりホモホモフォビア的が高じてゲイクラブでの乱射となつたやうな経緯が出てきてゐる(朝日新聞こちら)。これについて三橋順子先生が冷静に分析されてゐる(こちら)。

結局、アメリカ同性愛社会にも受け入れられなかった移民ゲイ青年の屈折した心情による同性愛憎悪の蓄積・暴発という個人的な事情で片づけられるようだ。宗教移民関係ない、犯人の親子関係個人的資質ゲイとして非モテ)が原因という説。犯人ゲイとしてモテていたら、こんな悲惨事件は起きなかった、のだそうだ。単に犯人がアホだったという説。

皆さん、ほんとうに矮小化が上手で、ほとほと感心してしまう。

なぜ、そうした同性愛憎悪喚起され特定の人の心に蓄積されるのか?という社会・文化構造分析こそが必要なはずなのに、そうした分析の試みは寄ってたかって無効化されてしまう。そして、同性愛憎悪構造は揺らぐことなく温存され、また「ヘイトクライム」が繰り返される。

御意。それにしてもフロリダの銃乱射事件ゲイ同性愛といふ言葉がかなり罷り通る。オネエキャラのタレントも珍しくないのは今に始まつたことではなし。それでもまだ「性的マイノリティ」なのか。LGBTだの社会的立場を認められたいといふ人はそれが性的嗜好に限らず主張して基本的事件平等を求めればいゝし、逆にゲイでも「そんなことどうでもいい」「かまはないで」といふ人も明らかに一定数あるいは半数以上?ゐるはず。陰翳禮讃。今度はむしろさういふ逆の意味での〈拒み〉が出てくるのではないかしら、けしてLGBTみたいな〈運動〉にはならないだらうが。

2016-06-13

fookpaktsuen2016-06-13

農暦五月初九。高温多湿。驟雨。マヨネーズが普及しなかつた(もともと生野菜のサラダがない)中国でキューピーの人気製品f:id:fookpaktsuen:20160614130908j:image:w240:leftなつた甘味のマヨネーズを初めて使つてみる。嫌ひぢゃない。朝の三時すぎに目覚めてしまひ、未明と午後九時過ぎの寝る前に岩波世界』六月号と文藝春秋七月号読む。

▼フロリダでの銃乱射。オバマは「テロ」と断定。この銃乱射の男がISに忠誠とか言及したにせよ日頃からホモ嫌ひのキチガヒだとしたら「気持ち悪いゲイをこの世から一掃する」も一定政治的目的を達成するために暴力を用ゐる=テロなのか。つまり何処ぞの誰彼も気軽にテロが起こせる社会。今回はフロリダのゲイナイトクラブってのが、もうそのまま華々しくも物悲しい「ラ・カージュ」の世界。この写真キャプションも要らぬ。在マイアミ日本総領事館に邦人が巻き込まれたといふ情報はないといふが、これで被害に遭ふと一世一代カミングアウトなり。記事で「ゲイ」と書いて「男性同性愛者」と( )書きする日経センスもなかなか。

文藝春秋七月号読む。大した記事なし。「ハーフがいる風景」といふ連載が母がインドネシア人だが東京イスラム教とは全く遠遠く育つた若者高校を出て突然イスラム教帰依した話など興味深い当世若者事情だが未だに「ハーフがいる」ことすら珍しいのかしら。

岩波世界』六月号で香港在住の王冠緒による「香港 脆弱一国二制度」は銅羅湾書店社主誘拐雨傘運動を中心に香港の政治制度の動きと現状をよくまとめてゐる(和訳は台北から本田善彦氏)。この中で陳建民氏(東京の四川料理の、に非ず、佔領中環の首謀者の一人)の今日の香港社会の多極化かと断片化、上の世代が提唱してきた民主回帰の失敗といふ判断による一部の青年層の急進化(港獨)を指摘。これまでの大中華主義的な情緒具へた「民主回帰」はかつて植民地主義に反駁の理論的ツールであつたが、もはや香港の若者にそれを求められず。陳先生は、穏健な民意が次第に急進派にとつてかはられ「意思疎通不能」の長期的な悪循環に陥る可能性への「憂慮を隠さない」とあるが実際に、もうこの悪循環に陥つてゐるのは確か。

本土派が勃興する以前から泛民・建制の両派は立法会の議席を巡って絶え間なく分裂を繰り返しており多くの政党が一議席しか保有していないのが現状だ。

……といふ記述は何か勘違ひしてゐないかしら。

岩波世界』六月号で樋口陽一先生が「藤田宙靖『覚え書き──集団的自衛権行使容認を巡る違憲議論について』に接して」と題して、それを「どう読み、どう考えたか」を書かれてゐる。この藤田論文は『自治研究』といふ法律の専門誌の今年2月号に掲載されたものださうで陽一先生は東北大時代の無二の親友法学者による論文に呈された意見にきちんと答へようと自身の論説をまとめ始めたが日経読売などでこの藤田論文が取り上げられネット言説でも陽一先生からすると「筋違いの読み方」を含めた反応があり、それが遺憾で今回この『世界』に慌ただしく手記を掲載させたといふ。その藤田論文じたい読む機会もなく引用だけでは今一つよくわからない。たゞ一つ明らかなことは長谷部恭男発言に始まり「多くの憲法学者」が安保法制は違憲だとして、それに異を唱へるのは自民党寄りの極少数の憲法学者のみといふ図式のなか最高裁判事まで務めた藤田宙靖が「憲法学者の大多数は違憲と判断」で「反対するのは立憲主義もわからない晋三寄りの体制派」といふステレオタイプな磁場で独自の冷静な見解を「地味に」出したらしい。読売記事(3/30)は当然ながら集団的自衛権には肯定的大石眞なる京大大学院教授が憲法解釈変更は「内閣も可能」として

といふような発言をされたさうで山元一・慶応大学院教授の「立憲主義は特定政策に反対するために使う概念でもない」といつたコメントもあり。そこで「政府が従来の憲法解釈を変更するのは立憲主義に反するという理屈は、それだけではあまりにも粗雑」で「従来の法制度の『運用』で処理できる場合には敢えて法改正を求めるのではなく、従来の法規の『解釈運用』によって済ませるという行政手法は決して珍しくない。そのすべてを『違法』と決めつけることは、ほとんど不可能」といふ主張で藤田論文があるらしい。日経3月30日こちら)では「違憲説に一石投じた行政法学重鎮の藤田氏」として

藤田は憲法学界の違憲説を、安保法制必要性への疑問や「強引に法律の早期成立にまで持って行った安倍政権の政治的姿勢に対する怒りの表現」だと受け止めて「そのほとんどを共有する」と述懐する。ただ「想定外」の安倍政権の動きに憲法学の側でも「一貫した精緻議論が展開されているようには感じられない」と指摘。学者が「政治的思い」に引きずられてはいないかと警鐘を鳴らす。

法律学としての憲法学」に徹すべきだとして論文ではまず手続きからの違憲説を検証する。安倍歴代内閣の憲法解釈を変更したのは「法的安定性」を害するといった早大教授長谷部恭男らの議論とは一線を画す。現実の状況ががらりと変わった場合など「これまでの積み重ねがあるからというだけで従来の解釈を変更することが許されないと言えるか」の論点ギリギリ残ると見るからだ。

安倍は内閣法制局長官を交代させてまで新解釈閣議決定を敢行した。藤田はこれも「法制局は内閣の補助機関であり内閣の法解釈を『助ける』にとどまるのであって内閣が法制局見解に法的に拘束されるという法理は我が国の現行法制存在しない」と否定しない。同時に解釈変更の手続きを厳しくすることや人事面で法制局長官独立性を強めるなどの改革検討する余地は認める。

「今回の事態を巡る憲法問題は結局のところ集団的自衛権行使を容認する閣議決定及び法案の内容自体が憲法の正しい解釈と言えるか否かという実体法上の問題を抜きにしては、論じ得ない」

分析したあと藤田論文分析をかなり詳しく紹介。読売記事ちょっと怪しいが、この日経のを読んだ限りでは陽一先生の焦りがピンとこない。だがこの日経記事を書いた編集委員清水真人)が4月30日に書いたエッセイ(風、こちら)では「憲法学では多数派とみられる違憲説に学界の垣根を越えて行政法や法哲学の重鎮が相次いで疑念を呈する」として藤田論文言及して

長年の政府の憲法解釈法規範として骨肉化しており、変更は法的安定性を損なうとの違憲説には「なお理論的な根拠けが不足する」と疑問を示す。集団的自衛権の発動要件となる「存立危機事態」は事例によって「非常に微妙」とし「合憲限定解釈」の余地示唆。違憲とは断定しない。

と、これは「おいおい……」な感じ。藤田論文を直接読んでゐないが藤田先生がそこまで言つたか?と怪しい。かうした流れに所謂、護憲派の憲法学者も黙ってはおらず水島朝穂早大法学学術教授が「集団的自衛権は違憲」と憲法学者が主張する理論を藤田論文の整理分析も含めかなり詳細にブログで書いてゐる(こちら)。このくらゐ読んで、やつと藤田論文の指摘や背景、経緯が少しわかつて陽一先生文章にたどり着くが正直言つて法学者でもない限り樋口手記は「よくわからない」。それでも何度も読み返すと、つまり藤田が呈した「実体法上の問題」を樋口的に分析した上で、なぜ樋口を含む多くの憲法学者が、その本来実体法上の問題以前のところで違憲主張に集中せざるを得なかったか、を述べてゐる。この「実体法上の問題」は面白いので少し頭の体操的に見ておくと憲法9条の下で集団的自衛権行使可能かどうかについて従前の政府見解=内閣法制局見解(旧解釈)が2014年7月1日の晋三クーデターの閣議決定で「変更」されたこと(新解釈)。この変更批判目標とする憲法学説(木村草太らによるもの)を藤田否定した上で、この変更の読み方を示してみせる。

 ゝ解釈否定→新解釈 

◆‐況の変化に適合するための「置き換へ」としての新解釈

 「憲法の内容についての解釈」についての新解釈。やゝこしい。旧解釈否定とか置き換へするでも憲法内容についての新解釈にも非ず。

このうち,砲弔い討藤田は自民党政府が最高裁砂川事件裁判「だけ」援用することに法的判断の初歩的誤りを指摘。樋口もこれは同意。△癲峺従下でも個別的自衛権行使で十分に対処できる」といふ反対論に政府が十分説得的な説明責任果たしてゐないといふ点。樋口はこれも同意。だが藤田はこの安全保障政策に関はる国際政治論的な問題について「法律学が」判断の適否を取り上げ得るかと疑問呈したことに樋口はその通りだが「憲法解釈の変更は実質的憲法改正匹敵するもの」で上位規定(ここでは憲法9条)の制約下で一定判断規範化(ここでは立法化)する場面で法律学には役割があるとする。はもはや禅問答分析をかなり端折るが集団的自衛権について個別的とは異なる定義づけの要因が厳しく絞られたはずが藤田もその曖昧さを指摘し「底ぬけ」だとしてゐるのだから、と藤田は集団的自衛権が「違憲」だと結論づける寸前まで論理を詰めて見せながら一歩手前で立ち止まる「寸止め」をした、とする。そして「変更」の次は藤田の説く「公理」に論点が移る。

❶ 法解釈である以上は仮に従来のそれが誤ったものであるとすれば改正するのは当然で、それが許されないといふことはあり得ない。

❷ 国家機関による法の適用には、まず省庁なりの法の内容の確定が必要で、最高裁判例でもあれば別だが、それがない場合は自らの解釈に依らざるを得ない。内閣法制局は内閣の補助機関で、内閣は法制局見解には拘束されない。

❸ 最終的は判断は最高裁で、他の国家機関による法解釈暫定的。内閣法制局も単なる内閣の補助機関で「憲法の守護神」ではにない。

これについて樋口は❶はその正誤判断じたい恣意的と指摘。晋三にとっては憲法も自衛権も教育基本法も戦後も!「誤っている」なのだから全て「改正」になつてしまふわけで、その偏向危険性を考へると法学者が❶のやうな悠長なことを言つてはゐられない……といふやうなことか。❷について前段は樋口は警官による路上駐車の取り締まりを例にする。内閣法制局については旧憲法下で最終的には天皇聖断仰ぐにしても大臣の対議会責任憲政の常道として形なりにも立憲政治を敷いたことを挙げ、晋三の判断があつても、それが聖断なら、そのやうな政治装置からこそ内閣法制局存在意義がある。❸かなり確信に迫る。ある法案を内閣が通すため憲法改正手続きをとる場合、最高裁の判決もその場合は国家の判断としては暫定的。国家として必要なことは憲法改正案として規範化されるべきだが立法といふレールを通り抜けやうとする列車を一旦停止させ憲法改正といふレールに転轍させる役割が違憲審査権だが最高裁は憲法9条につき一貫して判断避けてきたもの。かのやうに「変更」と「公理」について樋口の解釈を経たのち今回の集団的自衛権が「実体法上の問題」以前のところで新解釈批判する側が「法的安定性」を呈したのか、を語る。藤田も旧解釈一定の秩序があり、それが一政府の合理性を欠く新解釈否定されるなら法的安定性に問題があるとするが、かうした判断の積み上げによる正当化規範論理的に「最終的に限界が残ることは否定できない」とする。それでも樋口は、今回の事態が立憲主義の常道を踏み越へたもので、そこで提案され成立する法案が平和安全国際平和を求める日本のあり方を破壊するとしたら……と考へれば、と晋三的な「緊急事態」は真逆だが、さういふ追ひ込まれた状況で憲法学者の「いきすぎ」窘める藤田に樋口が文太兄さん風に「兄弟、こゝは止(と)めてくれるなっ」と言つてゐるやうに読めてならない。

世界 2016年 06 月号 [雑誌]

世界 2016年 06 月号 [雑誌]

fookpaktsuenfookpaktsuen 2016/06/14 13:50 日剩本文の香港の政治制度で「多くの政党が一議席しか保有していないのが現状だ」の部分、意味がわからず香港政治が専門のK教授にお尋ねしたところ立法会選挙で直選枠の「比例代表の名簿一位しか当選しないことを知ってこう判断した」のでは、と。ただ香港では「名簿と政党は全く別の概念」なわけなのだが。

常無常人常無常人 2016/06/15 22:13 藤田論文はおろか「世界」読まずに言うのですが、結局これらは憲法を巡る循環論になるのではありませんか? それを止める必要やそれでも改憲するかを決めるのは若い世代。無念なのは議論の場を家庭や学校からなくして感性の時代などとポピュリズム一色にしてしまったこと。周囲から身じまいのメッセージ届き音信不通になりつつある私たちの罪、老害です。

fookpaktsuenfookpaktsuen 2016/06/16 10:15 仰る通りだと思ひます<循環論。門外漢の浅学の私が読んだばかりか何をこんなに覚へ書きしてゐるのか……と思ひつゝ少なくとも昨年の憲法調査会での長谷部発言が重大な転機になつたことは事実で、学者がこゝまで政治に関与したことだけは記憶に残してゐたいところでせうか。この夏の参院選もどうなることか。

2016-06-12

fookpaktsuen2016-06-12

農暦五月初八。雨。よく降つて止まず。ジムまで行きトレッドミルで走る。昼前に北角。渣華道街市でドリアンを贖ふ。この夏初めて。午後は自宅でごろごろ。これが一番の静養か。

不破哲三共産党前議長「70年代自民党は傲慢ではなかった」と日刊ゲンダイ紙上で(こちら)。f:id:fookpaktsuen:20160613061952j:image:w230:left

共産党は1972年12月の総選挙で39議席を確保し「躍進」といわれましたが共産党の得票率が10.5%だったのに対し自民党は46.9%。投票率は72%でしたから計算すると自民党に対する有権者の支持率は33.7%ありました。昨年末の総選挙の自民党の支持率17.4%ですから今よりもはるかに力を持っていたわけです。しかし今のように「1強」と言って傲慢姿勢は決して取りませんでした。この点が40年前と今の政治情勢の一番大きな違いだと思いますね。

70年代自民党政権は強かったが好き勝手にやれば国民の信頼を失うことを理解していました。しかし今の安倍政権はそれが分からない。「丁寧に説明します」と丁寧に言うだけで何も説明しないし沖縄の辺野古の新基地建設でも全県民を敵に回しても「粛々と進める」と言っている。この鈍感さは大変なことで今の政治状況はかなり危険水域にあるとみています。

日刊ゲンダイ共産党の元議長が良識ある立場としてインタビューされる時代。それを参院選での野党統一候補に警戒する晋三は「民進党にもれなく共産党がついてくる」と今だに民草のアカ嫌い、「反共」でアッピールするが共産党に対するアレルギー反応は以前ほどではないこと。「自民党にもれなく晋三がついてくる」ことのほうが「民共」よりよっぽど「イヤな感じ」である

自民村上誠一郎議員が日弁連主催安保法制反対集会自民執行部を「あまりに傲慢」と批判。弁護士ドットコムニュース発言全文あり(こちら)。f:id:fookpaktsuen:20160613060944j:image:w260:right

特に私は、柳澤先生(※集会で講演した元内閣官房副長官補の柳澤協二氏)に申し訳なく思っているんですが、昔の政治家は、柳澤さんのようなきちっとした議論をみんな聞く耳を持っていました。ところが昨今、やはりこれもマスコミの人に反省してほしいんですが、小選挙区になって、公認と比例と、人事まで党幹部に握られてしまって、なかなか昔のように自分の考えていることが言いにくくなってしまいました。

もっと反省してほしいのは、特定秘密保護法のとき。28年前には(※1985年に国会提出されたいわゆる『スパイ防止法案』について)、大島(理森)さんや谷垣(禎一)さんまでが「おかしい」と言って廃案にしたんです。ところが(2013年の特定秘密保護法については)、いちばん被害を受けるというか、当事者であるマスコミの人たちが、最後の総務会で私が指摘するまで、誰も指摘しなくなった。

それからもう一つ、バッジを付けている先生方も反省してほしいのは、去年の公務員法の改正ですよ。私は最後まで反対した。なぜならば、600人の人事を全部官邸に持っていった。こうなれば官僚諸君は、もう正論本音も言わなくなるよ。私は最後まで総務会で抵抗したんですが、これも官邸の意向ということで通ってしまった。案の定、それから、公務員は正論本音も言わなくなりました。

もっと重要なのは、そのように外堀を埋められるために、今回の安保法制について、本来いちばんモノをいわなきゃいけない国会議員が、口を閉ざしたままになっている。

  • 米軍属による事件に抗議の県民大会に公明不参加。「オール沖縄」に対して自民党の不参加は当然として公明党もはやダメ

2016-06-11

fookpaktsuen2016-06-11

農暦五月初七。未明に寤めると下雨。かなりの雨のなか官邸へ。急ぎの仕事は一つだけだつたが雨は歇まないし午後まで机まはりのf:id:fookpaktsuen:20160612132327j:image:w250:left書類名刺などかなり片づける。午後遅く太古城で買ひ物して帰宅。雨の中、軒を伝ひジムに行きトレッドミルで走る。晩は韮と大根おろしで豚肉のしゃぶ/\。

▼「今の現象イスラム教徒過激化でなく過激派イスラム化だ」とオリビエ=ロワ欧州大学院大学教授朝日新聞こちら

2016-06-10 今夏の参議院選挙に対する生長の家の方針(生長の家)

fookpaktsuen2016-06-10

農暦五月初六。晴れてゐると思ふと驟雨、の不安定な天気。南洋のスコールほどスカッとしたものではない。晩に自宅で石班(ガルーパ)を蒸して食す。

生長の家といへば私にとつて小学生の頃から右翼宗教団体で自民党の支持母体だつたが谷口家で雅春を襲つた清超のときにエコロジー、「国際平和信仰運動提唱政治的方針の変更で日本政府による大東亜戦争の反省や戦争責任問題追及、女系女性天皇の容認など打ち出し、三代目の雅宣の御代となると民主党や2014年の都知事選での宇都宮健児候補の支持、憲法9条擁護リベラル路線。これに反発した信者離脱日本会議などに繋がってゆくが、いずれにせよ公明党が自民党の汗かき団体に陥るなか新しい「平和の党」か。その生長の家が「今夏の参議院選挙に対する生長の家方針」発表(こちら)。

来る7月の参議院選挙を目前に控え、当教団は、安倍晋三首相の政治姿勢に対して明確な「反対」の意思を表明するために、「与党とその候補者を支持しない」ことを6月8日、本部方針として決定し、全国の会員・信徒に周知することにしました。その理由は、安倍政権は民主政治の根幹をなす立憲主義を軽視し、福島第一原発事故の惨禍を省みずに原発再稼働を強行し、海外に向かっては緊張を高め、原発の技術輸出に注力するなど、私たち信仰や信念と相容れない政策や政治運営を行ってきたからです。

朝日新聞夕刊の連載(人生の贈りもの)で樋口陽一先生の10回(こちら)が終了。本来かういふ「顔売り」的なノリに与しないのが陽一先生のテイストなのだらう、が安倍政権になつてからの非立憲的な動きに先生はもはや自分を売つてでも平和、立憲主義擁護に動かねば、での半生記語りだつたのだらう。

かつての学生運動は「粉砕」「解体」を掲げた。だが今、目の前の(国会前のSEALDsの)若者たちは「守れ」「壊さないで」と叫んでいる。戦後日本が作ってきた有形無形の価値を守る。守るためのメンテナンスを怠ってはいけない……。いまこの場にいる人間こそ本来の「保守」なのだと感じた。

▼若狭の給食センターで食中毒対策で調理師らに勤務時間中の排便禁止措置毎日新聞こちら)。北朝鮮ですら「200日戦闘」期間中でもウンコくらいさせてくれるだろ。無意味なのだが偏狂的にシリアスになり滑稽通り越し悲劇となる日本社会。

2016-06-09 島嶼寫作 劉以鬯

fookpaktsuen2016-06-09

農暦五月初五。端午節。朝、小豆の粽を食す。夕方、油麻地。Cinematiqueで映画『島嶼寫作』で劉以鬯のドキュメンタリーを見る。このシリーズタイトルの通り香港と台湾、いずれも大小の差こそあれ島嶼、いずれも皆、戦後中共と台湾、香港の関係の中に生きる老作家たちの半世紀。劉以鬯(1918〜)は上海生まれでSt. John's University卒業の後、新聞業に携わり1948年に香港へ。f:id:fookpaktsuen:20160610004037j:image:w360:left新加坡、ジャカルタでも5年、新聞編集者をした後に香港に戻り定居。多くの新聞連載小説執筆1962年に星島晚報に掲載された小説『酒徒』が代表作。矍鑠とした老知識人のゐすまひの良さ。陋宅の近くにお住まひで今更だが通りすがりで拝顔してゐたのかも。尖沙咀山林道の韓国料理屋。紅磡I氏と打合せ兼ね食事。久々にバーWに寄りハイボール一杯独酌で半夜三更前に帰宅

日経曽我部真裕・京都大学教授の憲法論「普遍的原理否定、避けよ」(こちら)より。

(日本の憲法は)規律力が弱い(条文の文言が少ない)ということは、法律が憲法の壁にぶつかることが少なく、法律で定められる範囲が広いことを意味する。逆にいえば、法律により政策を進めるうえで、憲法を改正する実際上の必要性は小さいということだ。この憲法改正現実的必要性の乏しさが合理的議論を困難にし、憲法改正を巡る論議一部の人々による観念的な論争にしているように思われる。

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2016-06-08

fookpaktsuen2016-06-08

農暦五月初四。晴。晩にヴィクトリアピークの某氏邸にて夕食会ありお招き受け末席を汚す。Zoëのケーキを持参。ピークトラムf:id:fookpaktsuen:20160608235607j:image:w320:leftの山頂站より更に上のMt. Austin Rdからヴィクトリアハーバーの眺め格別だが政府の緑化政策=単に樹木伐採せず、の効果?で眼下に中環見下ろす絶景は樹木繁り全く見えず。緑化政策やりすぎでは。Bowen Rdとて格好の散歩、ジョギングコースだが此処からも市街地見下ろせぬ。

2016-06-07

fookpaktsuen2016-06-07

農暦五月初三。ほんの少し涼しくなつて気温は摂氏30度下回る。少し早く帰宅できたが夏バテでジムまで行く気すらせず早酒。

デニス何韻詩といへば香港の知性派歌手デニス2014年雨傘運動路上座り込み、今年5月には大阪で訪日中のダライラマに会つたりといふ行動が中共的には反政府、国家分裂的に映る。化粧品大手のL’Oreal参加のLancômeは彼女イメージキャラ採用してゐたが中共の環球時報がそれを揶揄したところ、中国での商売危惧感じたLancômeが自社がスポンサーになつてゐた何韻詩のコンサート安全上の理由として開催取り消し。L’OrealとLancômeに抗議で不買運動となる。それより攻撃先は中共だろうが。

朝日新聞の連載(憲法を考える)で生存権について神野直彦東京大学名誉教授こちら)。

金銭補填する型の社会保障が限界に達したのです。それは世界お金の流れが変わったからです。福祉の財源を集め、必要な人に配分するためには、まず、豊かな人に税金をかけて、貧しい人に給付しなければなりません。お金の流れを国境で管理することが不可欠です。

戦後長く、米国のドルを中心に固定相場が維持されるブレトンウッズ体制の下、お金の動きは国境の内側で統制されましたが、70年代後半に体制を支えてきた米国経済にかげりが出て、一気にお金ボーダーを越えて取引されるようになりました。この結果、税金を払って福祉の資金を支えてきたお金持ちたちが、より税金の安い国に資産を移す現象が進んだのです。

所得や消費、資産に応じて税金を負担する割合である租税負担率が高い国は経済成長しにくくなる一方、日本のような低い国が成長する時期が一時はありました。しかし、負担が低ければ、結局は財源を国債増発で賄うか、福祉の水準を切り下げるしかありません。その行き着いた先が、財政赤字にあえぐ今の日本です。

2016-06-06

fookpaktsuen2016-06-06

農暦五月初二。この「はてな」で日記を書き出して3,003日なのださうな。一日も書き洩らしなし(のはず)で我ながらまるで大峯千日回峰行の如し。6月6日に雨ざあざあ降ってきて……で大雨。夕方には快晴。端午節にはちと早いが粽をいたゞく。洗面所ラジオ時計かはりに使つてゐたiPhone4Gsが、遉がに壊れた。といつてもiOSは矍鑠としたもので液晶が逝かれただけで引退。iPhone5を後続にする。片山杜秀未完のファシズム』少し読む。

▼晋三はアベノミクスでGDP600兆円目指すと嘯くが企業の内部留保は360兆円と過去最高(昨日の毎日新聞)で従業員給与は横ばいのまゝ。明らかにアベノミクスは失敗なのに民草は晋三の消費増税延期評価が56%(朝日新聞)。晋三の説明には納得できないが(58%)それでも日本の財政破綻は先のことで南海トラフ地震リスクと同じなのか、消費税の2%アップ延期に安堵=晋三の判断を支持とは。なぜ自分たちが消費増税求められるのか、2%増税に安堵せねばならぬほど所得格差があるのか……を中3くらゐの思考力で考へてみれば当然のやうに晋三支持など出来ぬはずなのだが。その晋三動静(6月5日)だが午前は富ケ谷の自宅で休養のあと午後f:id:fookpaktsuen:20160607060926j:image:w180:left13:06にカレッタ汐留のカレッタスタジオで衆院選挙用のポスター、CM撮影木村太郎自民党広報本部長同席。これが17:02まで4時間で一旦、自宅に戻り渋谷の焼肉屋で秘書官らと食事。それにしても撮影時間、長くね? 最近、六本木のNAGOMIスパ&フィットネスに行く時間もなくスタジオで「あれ」なのかしら。焼肉もよく行かれるのは焼肉=スタミナ=胃腸も快調……のアッピールか。

朝日新聞夕刊(人生の贈り物)で連載中の樋口陽一先生の半生記、今日の第6話(こちら)でやつと聞きたい域に入つたやうな。東北大から東大に移ることになつたとき「東京の猥雑な空気に出て行ったら危ない」と言ったのが後の最高裁判事藤田宙靖氏だといふのが何とも。陽一先生が「発言するメディアは極力限定」「市民運動への関わりは可能な限り控えめにし知恵を貸すのみにする」といふ姿勢上京の際に自分を律するためのルールだつたそう(些か後付けのきらいあり?)。清宮四郎は憲法を学ぶ者は「スケベ根性出すな」つまり権力との距離を測り誤ったらお終い」と言つていたといふ。陽一先生の育てた若い世代は助平どころか仕事学問セックスアピール発散のやうな者がゐる、といふのが何人か顔が浮かぶから可笑しい。画像は陽一先生1975年に『近代立憲主義と現代国家』で学士院賞受賞、その賞金を旅費に充て清宮先生半世紀ぶりの渡欧に誘はれたときに維納のケルゼン研究所前にてださう。

2016-06-05 張暋『鉄道への夢が日本人を作った』

fookpaktsuen2016-06-05

農暦五月初一。芒種。おそらく意識しては初めてNHKの中波第1で「音楽の泉」聞く。水戸の武家の出である皆川達夫氏(1927〜)が矍鑠番組を続けてゐるが1988年から担当されてゐるので若々しい声を聞くのは初めて。さすがに初代(1949〜1959)の堀内敬三は私も聞いてをらず、中学の頃から聞きたくても日曜朝8時では起きるはずもない。貝多芬の「英雄」といふわかりやすい今朝の内容。朝から銅羅湾。散髪。理容室の主人からハバナ産の葉巻10本ほどいたゞく。極度の運動不足で理容室近くのジムに寄りトレッドミルで走らうと思つたら移転済み。同じ銅羅湾の移転先で30分だけ走り帰宅。午後は陋宅で書室に籠り、あれ、これ。安田記念のサイマルキャストモーリスだらうがベリー騎手に一抹の不安ありリアルスチールを本命にしてモーリスと香港からのコンテントメントに流す。結果、まさかでロゴタイプが3年前の皐月賞以来の勝利でモーリス2着、リアルスチールがブービーでコンテントメントがどん尻。いやはや。今年になつて初の龍井茶を服し夕方にはこれも初物の枝豆とビール。お好み焼き。琉球放送で沖縄県知事選の開票速報聞いたが、この速報番組の始まる前の番組で「このあと開票速報番組」と紹介しつつ流れてゐた音楽ビリージョエルの“Honesty”と“My Life”であつた。晩に朝日新書で張暋さんの『鉄道への夢が日本人を作った』読み、珍しく夜更かしで半夜三更に至る。

1982年ある新聞社の宴席、酔った司馬さんが突然その新聞を「ダメだ」とこき下ろし「明治漱石を雇うことでいい新聞になった。今、いい新聞にするにはキーンを雇うしかない」。歴史に残る文豪と私を同列に扱う。酔狂な発言に一同は大笑い。ほろ酔いの私も気に留めなかった。一週間ほどして私は客員編集委員になり日本の日記文学について連載した。それで複数文学賞も受賞した。

▼張暋『鉄道への夢が日本人を作った』朝日新聞出版山岡由美訳。明治の始めの鉄道建設事業鉄道建設目的に英国からの借款をとりつけるが実は借款の100万ポンドのうち多くは貨幣発行事業に費やされ、鉄道も「建設ありき」で、それに「全国の人心統一のために運輸交通の整備が必要」だとか天皇の京や歴代天皇陵参拝などに東京から西に下る鉄道必要といつた理由が後付けで据ゑられ、民間資金による鉄道整備を国は働きかけ、鉄道債券を募り、この鉄道事業により会計制度、商業法など整備が進み資本主義が育まれた、といふ。士族相手の公債を鉄道株にし、鉄道国有化投資家や企業に利潤を与へ、鉄道建設本来目的とは別にマネーの動きとしての重要性。これが第1章で、第2省では地方は地方で鉄道未敷設の地域は政党政治家が有権者に鉄道敷設の公約を掲げ投票を促し、住民が中央へ陳情繰り返すなど鉄道資本主義ばかりか「民主主義的な行動」も育んだのだといふ、政治的な部分が語られる。以上が著者の博士論文を元にした部分で、これに第3章で原武史の一連の鉄道論が紹介される。

鉄道が有する機能や、社会的ニーズの変遷だけによって鉄道の敷設を説明することは不可能だ。鉄度が敷かれ、列車が使われたのは、株への投資や票の獲得、あるいは参詣など、鉄道関係のない動機によることが多かった。ところが結果として鉄道に対する信仰が強まり、人々は鉄度を施設したそもそもの理由を忘れ、鉄道が役立つから敷いたのだと思い込むようになった。

著者は第4章の結論でかう指摘する。鉄道建設がそれほど他の意図的動機によるもので、確かにそれもある気はするが、それであつたと断定され、それが鉄道信仰となり「鉄道は役立つから敷いた」といふのは思ひ込みだ、とまで言はれてしまつては……。これを著者は社会学でマイヤーの社会現象学的な見方や制度論で、さまざまな意図が綾となつて何らかの制度(この本では鉄道建設と、それが近代国家事業として日本で民草から政府までが「必要もの」として定着させること)が出来上がるといふ認識披露するが、最後社会学理論の「おしつけ」で、だから分析の結果、鉄道、その鉄道への「信仰」が近代の日本と日本人を作つたのだ、と言はれても「はい、さうですか」とすんなり納得まではできないところ。この消化不良を感じたまゝ読了して「解説」を読み、そこでの指摘がストンと落ちる。鉄道建設近代日本に資本主義、民主主義、ナショナリズムを定着したのに大きな役割を果たしたことは事実だが、それは鉄道に限らず学校教育、植民地経営、産業誘致にも当てはまることで、社会学の制度論を用ゐても著者は「なぜ鉄道なのか」といふ疑問に答へてゐない、と。なぜ日本以外はこの鉄道に関する〈制度〉が定着しなかつたのか、なぜ日本は他に比べ鉄道がこゝまで重視されたのか……。この本を読んでゐてアタシ自身好きな分野のはずなのに何処かスカッとしなかつたのは、それ。解説がそれを見事に言ひ当てゝはゐるが著者の分析欠点辛辣に指摘するこの〈解説〉は解説どころか見事な批評で、それを本書の解説に置いたことに驚くほどだが、この解説小熊英二である、さすが。英文論文和訳山口由美)が大変良い。この本で一番面白いのは「序章」。「汽車を待つ君の横で ぼくは時計を気にしてる」と『なごり雪』の冒頭の歌詞鉄道時間について語り始め、テレビドラマ『あまちゃん』での鉄道のもつ社会的役割、『いい日旅立ち』とDiscovery Japanのあの「日本らしい」感覚。アタシのやうなへそ曲がりでも、つい好きなところだが著者は「用もないのに旅に出る、電車に乗る」で更に「列車でどこに行っても、誰も待ってはくれていない」こと、そもそも「いったい誰が、どうして「私」を待たなければならないのだろう」と……確かに言はれて見たらその通り。どれだけ自分が日本の鉄道と、その観念に慣れてゐるか、と痛感させられるところ。だが、なぜ日本の詩歌小説映画で「ホームでの送別シーン」が多いのか、鉄道舞台にした推理小説復興希望シンボルとして鉄道があるのか、地方の人々にとつて都への「上京」のあの感覚(逆に地方への都落ち)……それらが全て日本の特性として提示されるのだが、これらは「鉄道が〈近代〉の夢であつたこと」はけして日本に限つたことではなく(小熊英二解説の指摘通り)、確かに日本は他に比べ、この鉄道に関して「も」格別に意義を持たせる点はあるが、これは鉄道に限つたことではない。それを「鉄道機能への期待と信念はもともと「でっちあげ」で、偶然に誕生した、単なる作り話に近い迷信でしかなかった」と言はれた上で、それが近代の日本と日本人を作つた、となると「近代の日本はでっち上げ」といふことで個人的にはそれにはかなり納得するが、鉄道の話だけで、それを導いてしまふと、それはかなり大きな無理がある。それに一番大切なことは、その〈近代のでっちあげ〉は日本に限つたことではない。「世界のあちこちで〈近代〉が作られた」で、これはフーコーまでで已に語られてゐることでせう。

常無常人常無常人 2016/06/06 21:51 「音楽の泉」、堀内、村田両先生の方がなじみのクソじじいで。楽興の時で始まるのでしたっけ。皆川達夫先生はFMの「バロック音楽の楽しみ」の方でバッハ以外のほとんどはこの番組で知ることに、FMエアチェック全盛の時代。先生演奏会場で何度かお見掛け、押し出し立派、語り口大好きで。水戸と言えば一高出の後輩に新米もらったり子供を可愛がってもらって、彼も三人の男の子持ちになってきれいだった奥さんががらっぱちになんて思い出しました。先日ワールドプレミアムでやっと放送した秋吉敏子の番組見ていたらクラシック聴くの草臥れてきていて若いころは憎んでいた東海岸方面のジャズもいいもんだなと思いはじめたところです。

fookpaktsuenfookpaktsuen 2016/06/07 05:33 「音楽の泉」を堀内敬三で聞いていらっしゃるとは!……立派なジジイですね。浦山しい。今では朝など5時には起きていますが日本にゐた若い頃は日曜朝8時なんて起きられたものではなく、村田先生も聞き逃したことは残念でなりません。

2016-06-04 六四。

fookpaktsuen2016-06-04

農暦四月廿九日。六四。土曜日だが昼過ぎまで官邸でご公務。午後、久々に午後のFCCで泡と白ワインの杯を傾けつゝ新聞読み。2ヶ月分くらゐ溜まつてゐた週刊読書人やつと読む。かなりの驟雨家人来て一服ののちオリンピアグラエコのコーヒー豆から辣韮、香辛料と上環まで食材買ひ出し。何年ぶりかしら、で生記で粥を啜る。昼まで摂氏34度だつたが雨で26度まで下がり、これでだいぶ涼しいと思ふのだから

ビクトリア公園での支聯會による六四集会主催者側発表で12.5万人参加(警察発表は21,800人)。香港民主f:id:fookpaktsuen:20160606115612j:image:w280:left化に専念すべしの學聯は公式にこれに参加せず。私は「中国の民主化なしに香港だけの民主は無し」と思ふ。中国民主化に与せず香港の民主化のみ進めることにも一理あるが、それは中共と衝突避けられず中共の反発では香港の自治だの民主化有りえないわけで、となると中国全体の民主化必須。だが中国の民主化中共専制崩壊は中国は混乱招くわけで、となると、それはそれで香港にとつては責任もないことで香港は香港だけの民主自治に専念すべきこととなる。なんてパラドクスなのかしら。

▼自民党が参院選に向けて「改憲」はトークダウン。「改憲を訴へると票が逃げる」と自民党関係者毎日新聞)は性懲りも無く「参院で3分の2が取れたら改憲に動き出す」と。それでも2013年の参院選では憲法改正積極的に取り組むとして国防軍設置や緊急事態事項新設と宣つてゐたわけで、それが今回は憲法審査会における議論進め各党との連携図り合わせて国民の合意形成に努め改憲を目指すといふのだからトークダウン。それでも下手に出ることで結果的には改憲が前提なので侮れない。

▼週間読書人で連載の横尾忠則翁の日記より。

上野動物園の花子さんが亡くなった。花子さんが来日した時まだ若象だったが原寸大の版画を作成した。大き過ぎて画像内では垂直に立てられず斜めに展示した記憶がある。

横尾さんの記憶の中では花子は「井の頭動物園の」に非ず。

2016-06-03

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農暦四月廿八日。夜中でも摂氏30度といふ日が続く。台湾では雨もひどいが百数十年ぶりといふ暑さで摂氏38.7度を記録の由。日暮れて早晩だと思つたら夜も七時。だいぶ日が長い。家人と鰂魚涌。海景樓から益昌大厦に入りパティオといふには巨大すぎる、映画ターミネーター」にも登場した空間に面したThai Niyomといふタイ料理屋に飰す。小さな、サーヴィスのとても心地よい食堂。外で遊ぶ子らの声がビル反響してにぎやかに聞こえる。アタシの子どもの頃を彷彿する。

毎日新聞1面トップで「辺野古決定 政権本音 梶山元官房長官98年に書簡」(こちら)。政府は「沖縄の地理的優位性」や「米軍の抑止力」を理由に名護への移設理由してきたが、結局のところ「本土の基地反対運動」があり沖縄への押し付け裏付ける梶山静六先生書簡は沖縄の太田知事との間で密使役となつた国土省の下河辺淳(1923〜)宛。静六にとf:id:fookpaktsuen:20160604132004j:image:w360:left:w280つてこの人が茨城の「郷里の先輩」とあるが下河辺は東京生まれで而も祖父は上方の医師・下河辺俊斎で、その人がどう茨城に繋がるのか、と思つたら旧制水戸高校に学んでゐた(ちなみに静六さんは太田中学から最後の陸士)。

▼陸上自衛隊も晋三の気分で強くありたいのか、かつての「人を守る手のひら」のイメージ(左)から日本刀が国を守るイメージに。日本刀はマズいでせう、アジアでは。殺される。「守りたい人がいる」といふメッセージも両義性に今更気づいた。「守りたい相手がゐる」ぢゃなくて「自分が守りたい」といふこと、それは「戦ふ」ことか。

▼李怡さんが蘋果に書いてゐる「六四與香港前途」(こちら)。歴史に「もし」は難しいが「如果六四發生在中英簽訂聯合聲明之前,那麼香港的命運還有可能改變」と。中英合意で香港返還が決まつてゐたから1989年天安門事件に遭遇した香港は、あれを我がこととして考へ民主化への支援の手を差し伸べたのは当然のことであつた。

進中國民主,期盼可以改變香港命運,是八九以後相當一段時期針對中共專制政權的香港民主派主旋律。

九七後十九年的變化,特別中共國的經濟發展帶來的是政治與社會的退步,「建設民主中國」日見渺茫。當然,人們仍然可以追逐難以實現的夢想,然而中共國對香港政經社的侵凌,不顧《基本法》對香港的赤裸裸干預,而中國人的形象越見醜惡,使香港人對中國人身份認同感迅速下滑。與支聯會領導人身份重叠的人士,在守護香港人利益的種種議題上,都顯示他們或交了白卷,或傾向大陸人或新移民利益。最重要的,是支聯會漠視社會上特別是年輕人的身份認同已徹底改變,仍然標舉愛國建設民主中國等旗幟。年輕人把紀念六四與探討香港前途聯結,實際上是繼承香港人參與八九六四的初衷,重點是:我們要以中國人或香港人的身份去爭取更好將來。支聯會卻把悼念活動與探討香港前途問題切割,似乎真是跟不上形勢了。

これについて劉健威は信報で「政治自閉症」に書いてゐる。

新一代卻以否定香港人對六四屠殺的是非心、惻隱心來自我界定「香港人」身份;對他們來說,六四是中國人的事,關我們「香港人」什麼事?你要組織悼念活動,就是要給中國做「鴇母龜公」。

他們要給人的基本感情畫上標籤、塗上國族色彩;也即是對他們來說,具有普遍意義的「人」是不存在的――要做「香港人」, 首先不要做「人」。這就是新一代的荒誕邏輯。

八十後和更年長的人都知道,香港沒民主,是中國「一黨專政」的結果;不結束一黨專政,香港永遠不會有真正的民主;所以六四時期香港人很積極地支持天安門學生,希望促成中國的正面改變。但許多九十後把香港跟大陸切割開來了,他們認為,我在香港爭民主爭獨立就是了,中國關我什麼事?六四關我什麼事?

常無常人常無常人 2016/06/05 09:36 「菊と刀」中文版読んでいた仕事を一緒にした香港人の若者、二人になるとこの国の行く先を本当に心配していました。何が出来るわけでもないから運動が四分五裂するのは致し方ないでしょう。やっと入学した三流大学でろくに勉強せず本も読まず電脳さえいじれなくとも同じような服着て就活とやらに邁進できる日本の若者たち、実は世の中のほとんどは大した手間も掛けずに手中にあるなんて思うこともないのだろうと丁度27年前の6月に北京に行けなくなって香港に来てしまった爺さんは思うのです。

fookpaktsuenfookpaktsuen 2016/06/05 15:28 下河辺淳が旧制水戸高校での同級に沖縄県知事になる西銘順治がゐた、と水戸の博学J君に知らされる。

2016-06-02 ニッポン一億総活躍プラン

fookpaktsuen2016-06-02

農暦四月廿七日。連日の猛暑警報。早晩のHappy Valleyで端午節前に粽や買物済ませ家人待つ間、The Jockey Pubで独飲。

夏が来れば思ひ出す 遥かなRosè 遠い空〜♪

である帰宅してカレーライス。晩になつても気温三十度は遉がに冷房なしでは生きていけず

東証大引け続落。「財政規律蔑ろにするアベノミクスへの失望が広がった」(大和住銀投信投資顧問の経済調査部部長の弁)と言はれて仕方のない晋三の「これまでのお約束とは異なる新しい判断だ」 と宣ふ消費増税延期弁明。「現在直面しているリスクはリーマンショックのような金融不安とは全く異なる」等と晋三は嘯くが伊勢志摩サミット終了後の記者会見で15分間で7回だかリーマンショックに言及したさうで、今更その発言否定するなら、もう一度G7開いて釈明でもすれば?である。もう全てが言葉の空回り。「アベノミクスのエンジンを最大に噴かす」さうで、もはや暴走で崖から自爆で海に落ちるだけならいゝが巻き添へにされるのは御免。その上で今日は「ニッポン一億総活躍プラン」なるもの閣議決定こちら)。

世界が直面する様々な課題リスクを共有し、力を合わせて立ち向かわな ければならない。世界経済が抱えているリスク顕在化し危機に陥る、その前に、私たちは「行動」を起こさなければならない。その大きな一歩を踏み出すため、G7 伊勢志摩経済イニシアティブを打ち出した。欧州で生産年齢人口が減少し、米国でも生産年齢人口の伸び率が低下するなど、様々な面で世界が日本と同様の問題に直面するようになっているとの有識者の指摘もある。我が国リーダーシップを発揮することが、世界経済、日本経済双方にとって極めて 重要課題となっている。

と宣ふが、実は経済にとつて最大の起爆剤となる行動は言はずもがな〈戦争〉なのだ。晋三の馬鹿さ加減に言葉もなし。

2016-06-01

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農暦四月廿六日。猛暑

毎日新聞リーマン資料につき、きちんと纏めてゐる(こちら)。「緩やかな回復基調が続いている、とした月例経済報告とはかけ離れた認識」(内閣府幹部)や「共有はしているが我々が承認したものではありません」(財務省幹部)といつた声の聞かれる「リーマン前夜」の資料作成したのが経済産業省出身の首相政務秘書官と同省事務次官ら。サミット2日前にこれが示され所得増税は予定通りの財務相では麻生漫画太郎が「何がリーマン・ショック前だ。変な資料作りやがって」と唸つたといふ。サミット仕切る外務省とて蚊帳の外

毎日新聞中村秀明の水論「ギリシャを笑えない」(こちら)より。

新たな財源がない中、格差をただす政策子育て世帯子どもに手厚い政策ますます遠のきそうだ。そして現役世代は逃げ切れても今の子どもやこれから生まれる世代がいずれ重い税負担を背負わされる。

そんな将来を見通せば、今は消費や投資をなるべく控え守りに入るのが賢い選択である。結果、景気は低空飛行を続けるしかない。

▼港島の道路渋滞解消と工事の進むCentral - Wan Chai Bypass & Island Eastern Corridor Linkこちら)だが海を潜つたり出たりのバイパスは「環境にも優しい」ださうで緑化意識し公園なども造られるが、かつては蛋民、今ではヨットが停泊する銅羅湾避風塘には昔ながらの風情を復活させるのだといふ。かつては待合のやうな船があれば料理供す船、その間を縫つて歌舞音曲供す船が回り、当然のやうに淫賣もあり。これについて劉健威兄が信報に書いてゐるが

  • 一種文化現象的出現,必有其社會、市場條件,待這些條件改變了,某些文化就失去存在基礎,逐漸湮滅於歷史中。避風塘遊艇河就是例子。
  • 六七十年代社會比較樸素簡單,娛樂的選擇少,一九六八年前,連電視也沒得看;冷氣機亦未普及,出街「乘涼」也變成休寮疚棔現在不要說年輕一代連什麼叫「乘涼」也不懂,人手一部手機或電腦,「上網」成了主要節目,莫說夜街少去,連電視也不大看了;影響所及,香港人連夜生活也少了,叫他們到海邊遊艇河更是天方夜譚。
  • 遊艇河殊不便宜,運作一部小艇,起碼需要兩個人;兩個人一晚的工錢是多少?這行業又有季節性,打風下雨寒冷都沒生意,故養起二人一艇的成本絕對不少。六七十年代人工低,人們收入卑微,故經營遊艇較易;待條件改變,遊艇就被市場淘汰了。
  • 關鍵還是,遊艇河這模式是民間自發的,因應一定市場條件而出現和消失;但未來將這模式重現,卻是由官方策劃的,由上而下,能否成功?的確「靠估」。高官似乎沒吸收歷史教訓――早期大笪地由民間自發,興旺無比,待八十年代式微,即使官方規劃將之再現,亦慘淡收場。

さまざまな条件が重なり自然に出来た海上の遊楽環境なのであつて、それを今更にテーマパークの如く造つて、どうするのかしら。