4/2という日

この4月2日という日、生涯の中で特別な日となりました。大袈裟に聴こえるかもしれないけど、少なくともあの空間、あの時間を過ごした方ならば絶対にそう思っていると言い切って間違いない!くらい。本当に素晴らしい日でした。


午後イチ、NHK。『オンエアバトル熱唱編』公開収録。

ようやっとNHK公式サイトを立ち上げたばかりのオンバト。今回竹内真さんが出演する、と伺い本人からチケットを戴くことが出来ました。ちなみにメールでの案内を貰って1時間内に行きたい旨を返信したらかなりギリギリだったらしく、真さんの熱狂的なファンがめちゃめちゃ多いということを改めて実感。ちなみに男は自分のみでした(こう書くと変に怪しまれる?俺が)。
ちなみに出演者は以下の通り。公式サイトより抜粋しました↓

AJISAI、ザ・ドタンバーズ、Sea Paradise、Zig+Zag、tightrope..、Tiny sun竹内真、nifu、bucca boo、もりゆう(五十音順)

この中でソロは真さんともりゆうさん(眼鏡姿がかなりトミーフェブラリーっぽい?)のみ、しかももりゆうさんは打ち込みの音源を使用、とあってアコギ一本というまさに侍状態の真さん。その上に先陣、トップバッターとあっては不利?とちょっと心配を抱いてしまった、というのが最初の気持ち。観客が今様のトラックやかわいい系とかを推したらどうしよう?と考えてしまったのです。しかも、心なしかギターの音が小さいような?
といった自分の心配は、正直言って杞憂でした。真さんの堂に行ったステージ、伸びやかな声が観客を(無論招待客で審査権のない自分達も)魅了しました。オンバトの他アーティストの結果も含め、OAまで公表はしませんが、前述のような今様のトラックとか突飛な芸風の方は選出されず、歌の本質をきちんと見ているんだな、と審査員の方々の耳力に公平さを感じました(なんか偉そうでごめんなさい)。



というわけで、気持ち良い春風の中を、渋谷から新宿まで歩き、JRで四谷へ。そこからは冬樹さんのワンマンです。



四谷天窓では春から、JR四谷駅東側改札出て正面のところにある地図の上段にある電光掲示板で当日のライヴ情報を流しているのですが、その掲示板で"後藤冬樹 春のワンマンライヴ「後藤春樹」"の文字を発見! この段階で既に感慨にふけってしまいました(早すぎですね)。しかも開演15分前に天窓に着いたのですが、既にその段階で開場待ちの列が入口近くまで伸びている! で、またまた感激。沢山の方に愛されているのだな、と実感。最終的に百名近い満員の観客で天窓が酸欠近い状態になり、空気の薄さと反比例に膨らむ愛情の大きさが会場を包み込んでいたのだな、と感じずにはいられませんでした。
あまりのお客さんの数に、サッカー仲間のあっこさんや当日ゲストの盟友、木村至信さん等が総出で会場入りを手伝い、私達は会場でお土産を頂き中へ。ちなみに真さん@NHKからの仲間は最前列を勝ち取り勝ち取りってのもおかしいけど)、うちも最前列真ん中にいたのですが、写真に収めたかったのと会場の雰囲気を感じたい理由から、カウンターへ移動、彩さんに特等席をゆずったのでした。

さて、急遽?結成"いぼき"&アテンションプリーズな?りぃこさんによる前説(りぃこさんの壊れっぷりがまた楽しかった)を経て、オープニングアクトによるステージが開始。そこから振り返ってみましょう。


①mico
ユニットの昨年末の解散以来、ソロ活動のためギターを猛特訓したmicoさん。今回がストリート以外でのソロ二本目。これが本当に良かった!ギターのたどたどしさはほぼ見られず、逆に本当に自信溢れて堂に入ってました。彼女の声の力はそのままに、より優しさという要素が加わったような声色にほだされました。まるで彼女が大好きと公言するJewelや自分が好きなSarah McLachlanを思わせる歌声。もうひとつ特筆すべき点はメロディライン。ちょっと癖があるように見えながら、彼女の歌声を通すと実に自然になるメロディの魔法。とにかく圧巻の一言!またまた感動でした。解散後のmicoさんを温かく支え、この日のステージを用意した後藤冬樹さんへ、micoさんから最大限の賛辞が送られていました。


②いぶき
ライヴを重ねるたびに著しい成長を見せるいぶき。今回の大役にも自然体で(自然体でいながらハーモニーや間合いに見せる絶妙のハーモニーは、やはり練習を重ねた成果ですね。緻密ながら自然、ってなかなか出来るものじゃないと思います)取り組んでました。「かぜ」〜「ひよこ」の流れのスムースさ、「コブシ」で聴かせた勢い、全力で見せたいぶき"ゆったリラックス"の世界は、何より冬樹さんが一番喜んでいたんじゃないかな、と思います。いつもよりもいぶきの笑顔が魅力的で、冬樹さんワンマンへの賛辞&感謝を歌で、笑顔で示してるんだな、と感じました。


そして、ついにここから後藤冬樹さん圧巻のステージへ!


○序
映画の上映前に流れるような"近日公開!"的CDのCM。これが12時間かかってバカやりました!的な素晴らしい作品でした(誉めてます)。というか古畑さん壊れてるし、中国人は出てくるし!! 今度はステージで生でやってくれませんか?


○第1部
原宿レキオ、赤坂MOVE以来のスパイ・シーモス(後藤冬樹(アコギ)、山田潤一(Per)、塩沢たもつ(B))はアコースティック仕様。しかしアコースティックでこれだけのグルーヴは奏でられないぞ!というくらいのっけからグルーヴ全開で「あの日のアイロニー」「Black Pepper」(ひさしぶりに聴かせていただきました)を披露。アイロニーではしっかり歌わせていただきました。というか歌わずにはいられないくらい乗せる乗せる。最初から完全に持っていかれましたね。その余韻のまま「夏の終わり」等叙情的な世界を紡ぎ、前半でいきなりの「たまニャ」へ!!もはや大合唱大会でステージから降りて指揮する冬樹さんは茶目っ気たっぷりしてやったりな屈託のない笑顔。
続いて、後藤冬樹さん&ゲストの木村至信さん(Key)による「月光」。CDでのアップテンポから一転して激バラードへシフトしたこの曲で、後藤冬樹さんのソウルシンガーとしての面が全面に現れ、魂を揺さぶると言っても過言じゃない歌力にただただ圧倒。吉祥寺でのスリーマンの時に披露したような魂剥き出しの絶唱に、今の冬樹さんの歌への向き合い方、伝え方のひたむきなまでの真っ直ぐさを見ました。

冬樹さんが下がり、木村至信さんによる歌へ。もしかしたら冬樹さんの今の歌い方って、至信さんの影響が強いんじゃないかな?と思わずにはいられないくらいの力強さ、詞の伝え方や表現方法、ピアノの流麗さには驚かされるばかり。至信さんの歌うときの表情もまた、心からこのライヴを楽しみ冬樹さんを祝ってくれている感じがして実に温かかったです。ちなみに個人的には彼女のアルバムタイトル曲「Life Is Beautiful」のピアノフレーズもツボです。


○第2部
冬樹さんが一人で登場。シンプルにアコギ一本で紡がれた新曲や「窓を開けておけば」を経て、圧巻はメルヘンな?アニメコーナー! 今春スタートの新アニメのテーマソングに最終先行まで残りながらも先行から漏れた曲のオープニング&エンディングテーマであまりのメルヘンぶりを感じその十二分な違和感に爆笑し、更には実際に起用されたアニメ「トランスフォーマー」のテーマソングを熱唱!絶唱!! しかも今まで自分が見たことのないカラオケ使用で!!! あまりの熱気に圧倒&爆笑の観客。いやなにより圧倒されたのが冬樹さん本人でしょう、それが証拠にこの日初の酸素ボンベ使用ですから。その余韻で「少年」へ持ち込んだ冬樹さん(曲順違っていたらごめんなさい)。さっきまでの放出しまくりの熱さから一転し、歌の内に秘めた歌い方に、ヴォーカリストとしての巧さを感じました。


○第3部
再びスパイ・シーモス登場。「MOVE」(この曲の激ファンクぶりといったら!今度ファンクでコンピを作るときに入れようと思ってます)、「ETERNITY」「マイ・ネーム・イズ・ポチ」の"お客さんがペットの名前"バージョン等、アップナンバーで気持ちよく心を揺らし、ライヴ終了。それにしても冬樹さん、キラーチューンが何曲あるのでしょう。全てが素晴らしく、一緒に歌いたい(口ずさみたい)欲求にしてくれる…最早全ての曲がキラーチューン、ヘビーローテーション必至ですね。
そして感動のまま、アンコールへ。あまりに渇望するあまり、拍手のbpmが思いっきり早くなってしまったのはいうまでもないです。


○アンコール1
ライヴ前のカルトクイズでの全問正解者を発表。実はこの日のために用意した後藤春樹日本酒のプレゼント!というビッグなサプライズがあり、その当選者のひとりが冬樹さんの母親!というこれまたサプライズ。「たまニャ」で急に歌を振られ、その美声を披露したオペラ歌手のお母様。その感謝の早速の恩返し。実に微笑ましい瞬間でした。そして歌へ。
ライヴハウスへの恩義を歌で返す、という最高の賛辞を行う冬樹さん。披露したのは天窓の曲「天窓」。差し込む光のやわらかさが優しく背中を押してくれるような前向きなミッドを経て、「遥か」へ。
ライヴ中に木村至信さんが言っていた"後藤冬樹さんは沸点の低い男"という言葉。感激屋で情に厚い、そして熱く生きる人柄を示すのに最高の言葉でした。その熱い男、冬樹さんが詞に込める前を向いて、楽しく生きよ!というメッセージがアンコール曲「天窓」「遥か」から強く発せられ、それを全身で受け止めた感じがします。「遥か」では"黄金色に染まりますように"のフレーズを大合唱。そして、本当のラストへ。


○アンコール2
再びのbpm最速のアンコール拍手を経て、髪をタオルで包み気合十分の冬樹さんが登場。ワンマンで最後に歌う曲は「LIFE」。ただひたすらに冬樹さんの歌声、歌詞、ギターやハープの音色を観客皆が全身全霊で受け止めました。
熱く、本当に熱く、ちょっと不器用かもしれないけど、素直に、自分の思いに正直に生きることの素晴らしさを示してくれる「LIFE」。前に書いたことがあるけど、冬樹さんが自分の決意や誓いを、全ての魂を込め、そして揺ぎ無い自信を持って歌い上げるその姿は、とにかく最高の一言。いや、演奏を終えた瞬間、言葉が出なかった。聴くこちらの魂が震え上がった。そんな感覚を抱きました。本当に言葉にならなかった。



会場を包み込む百人近い満員の観客の冬樹さんへの愛情を、冬樹さんはそれ以上の愛情で応えてくれた。ただひたすらにそれが嬉しくて堪らなかった、そんなステージでした。



後藤冬樹さんに最大限の賛辞を! 本当にありがとうございました。

4/9『できるだけ長生きしようでぃ。其ノ参』@四谷天窓

中川和弥さん主催のイベント第3弾。先週2日の後藤冬樹さんワンマンの大盛況ぶりに、今回のイベントが同じくらい入るか心配してた様子の和弥さんでしたが、気付くと客席は超満員! これには和弥さん、MCで「これで次回も土曜日にイベント行えます!」と素直すぎる心境を吐露。その素直さが和弥さんの魅力なんだよな、と感じずにはいられなかった、和弥さんの温かく優しい人柄があらわれた、ほんわかあったかなライヴでした。


司会は今年初の清水キック女史。鬱憤が溜まってた?のか、かなり下ネタワールド全開。"レタス"だったり"太くて…"だったり、これ以上書くのがさすがの自分も躊躇するくらいですが、見事に緩急付けたピッチングを披露。アーティストのMCで時にアーティストとキックさんの1対1の会話もあって、アーティストの信頼を勝ち得てる人なのだな、と実感。やはり彼女がいるとライヴイベントが一層華やぎます。そんなブランクを感じさせないキックさんの進行でイベントはスタート。では登場順に振り返ってみましょう。


①男子二楽坊
卑怯(笑) というか、心配してたんだよ山嵜大路君。2月の天窓CDリリース記念レコ発イベントの直前に、2ヶ月のライヴ活動中止を余儀なくされ、心配してたのですが、久しぶりに観る山嵜君は完全にイッちゃってました。なんも考えずにすむくらい楽しい。ライヴのブランクが影響してか曲の大半は相方の渋沢力也君の曲をふたりで、なのですが曲にあわせたアレンジや一曲目の「コブタ」のなんとも形容しがたいアホさ加減がツボ。今回彼等のライヴを観るのは3度目ですが、2人がそれぞれの世界観を確立→歌い方がその世界に即したものになっている、ことからか、かなりお互いの声が違ってきていて(最初はキャラ同様に似てた。今も濃さは変わらないけど)、そのコントラストもまた面白かったですね。それにしてもアフロonハゲカツラon地毛…というオチは本当に卑怯(笑)


②春山弘臣
初めて観させていただいたのですが、完全に己の世界を確立してて一発でひかれてしまいました。山崎まさよしさんに歌い方が似ているのですがハイトーンでも枯れることのない通った声が魅力的。しかもメロディも万華鏡の如く1曲に様々なメロディが溢れながらきちんとした到達点を見据えていて(特にラストの「ひまわりの気持ち」でのサビが圧巻! 一方でシンプルに聴かせる「...言葉選び」も沁みます)、ただもう圧倒されっぱなしでした。春山さんのサイトにて昨日の曲「Azalea」が聴けますので是非!(予習&復習させていただきます)


竹内真
4/2のオンバト熱唱編本選以来ですが、1週間聴かない自分が渇望症に陥るくらいのアーティストのひとりです(変な意味はないですよ>冬樹さん)。実は真さんのときにマイクの雑音、ギターが聴こえない等のトラブルがあったのですが、真さんは気付く様子なく(そのくらいステージが心地良かったのでしょう)、アップの「シングアソング」から中盤泣きのバラード3連続、最後の「ふつうのうた」まで疾走。「ふつうのうた」でのいいとものタモさんばりの拍手の音頭取りが思った以上に空回りで、苦笑する真さんも観てて楽しかったですね。いつも以上に自然に、肩の力が降りた真さんを拝見できました。


④後藤冬樹
天窓の重鎮。1週間ぶりの参上です。4/2のワンマンで「何もかもを置いてきた」「灰になった」と言いながらも、好きな人のイベント、好きなお客さんの前に立つことがなにより幸せなんだろうな、と感じずにはいられない、そんな笑顔のステージ。アフロ被っての登場も冬樹さんらしいサービスですね。真さん同様に、肩の荷が降りたようで(と自分は感じました)「87」や「My Name Is Pochi」等ハートウォーミングな曲を連続で(しかも「87」は最近では珍しく)披露。最後はワンマン以外では珍しい「LIFE」。1週間前の圧巻のステージが甦ってきた感覚になり、思わず震えが来てしまいました。


⑤ココナッツ
スチールパンユニット。生でスチールパンを聴くのは初めてだったのですが、金属の楽器から発せられるこの温かみはなんでしょう。癒される音色です。スチールパン発祥地のトリニダード・トバコで1ヶ月間のスチールパン武者修行で、見事地元のコンテストで優勝したスチールパン担当の2人。その自信が演奏にも、演奏中の笑顔にも溢れていました。カヴァーを含む全4曲で、THE BOOM「風になりたい」の選曲がまず絶妙!歌詞の中にある"生まれてきたことを 幸せに感じる"のフレーズが、今回のコンセプトにピッタリで浸ってしまいました。そして最後の曲。120人のスチールパンユニットでのオケを使い披露した曲(タイトル未見)の圧倒的な迫力といったら! 自分も約200人のゴスペルグループの一員として活動しているのですが、大人数で演じる楽しさ、そのグルーヴがココナッツから物凄く感じることができて聴いて幸せな気分になりました。


⑥中川和弥
風邪でかなり痩せて、しかも花粉症きつくて眼鏡着用となり、誰よりも"できるだけ長生きしよう"なのは和弥さんじゃないっすか!みたいな心配(&ツッコミ)をしてたのですが、ステージに立つと本当に堂にいった、というか和弥さんの場合は安堵感に溢れたステージを展開して、ゆったりあたたかな気分で会場全体を満たしてくれてました。「51」でのギターフレーズが巧くいかなかったときのMCでの照れ隠しみたいなコメントにも素直さが溢れていましたね(そのMCや自然体な感覚が、奥田民生さんっぽくてなんか凄くいいです)。自然体であることが実に格好いいということを示してくれたような気がします。最後の「できるだけ長生きしよう」でのセッションでも、みんな笑顔がこぼれていて実に心地良く、音楽仲間と空間を共有する和弥さんの自然な笑みが特に印象深く感じました。


できるだけ長生きするには笑顔で楽しむことが大事なのだ、と悟った、というか自然と体現できた、そんなイベントでした。和弥さんお疲れ様でした!