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旧ブログ:異色な物語その他の物語

2010-04-30

京都へ行った2010?


 先週末所用を兼ねて京都を見て回った。今回のテーマは・・・思いつかず行き当たりばったりで(笑)。



取りあえずなかなか行く機会がなかった宇治へ。
宇治川です。
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そして平等院へ。上は入口にあった藤。
平等院は左右対称の姿が美しい。鳳凰堂というだけあって後方へ尾がのびるような作りになっていることを知った。
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伏見稲荷にも寄った。
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以前は時間がなかったので入口付近ぐらいで引き返したが、今回は結構歩いたぞ。
こんなのが延々と続いて・・・
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高いところまで出た。いやここどこなんだろ山頂なのかな(笑)。
この後、御膳谷奉拝所から清滝まで下りたと自分では思っているが。
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取りあえずこの日はこれでおしまい。

2010-04-26

『T・S・スピヴェット君 傑作集』 ライフ・ラーセン


 このようなタイトルだが、架空の主人公の傑作集に解説がつくようなメタフィクションを想像した人はハズレ。図やら註釈やらふんだんに盛り込まれ先祖の手記が間に入ったりするものの、基本はオーソドックスといってもいいくらいの小説。
 主人公T・S・スピヴェット君12歳は天才地図製作者。家族に内緒で製作を行っていたが、その仕事が高く評価されスミソニアン博物館から由緒ある賞を授賞されることになる。逡巡があった彼だが、アメリカ北西部にあるモンタナの実家を一人離れてスミソニアン博物館のあるワシントンDCへ向かうことを決心する。
 才気煥発な少年がアンバランスな内面を抱えて旅をしながら成長するという、テーマの方はさらにオーソドックスなものである。旅する彼に起こる奇妙な出来事、個性的な彼の一族の風変りな歴史などなど飽きさせないが、寧ろ強く印象付けられるのは図や手記やイラスト(その他いろいろ)を使って、この少年が住む世界そのものを描こうとする意思である。そうして描かれた世界は彼にとって過酷だったり奇妙だったり切なかったり愛おしかったりもする。そんな世界のさまざまな手触りが感じられる小説である。



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2010-04-23

『アイ・アム・レジェンド』 リチャード・マシスン


 またまたマシスン。何といってもリーダビリティの高さがいいんだよなあ。ホントに読者を楽しませてくれる。
 
 夜になると奴らがやってくる。ネヴィルはドアの表にニンニクをぶら下げ、孤独に耐えながら夜が明けるのを待つ。悶々、鬱々としてアルコールに溺れながらも変わり果ててしまった世界を理解をする糸口をつかむべく自己流の研究を続けるが・・・。

 基本的には吸血鬼もので、古典的な吸血鬼のパターンが踏襲されるもののSF的アイディアでマシスン流解釈を成立させていくとことろが時代的に非常に斬新であったんだろうと思われる。道具立ての部分はさすがに時代がかっているけれども、アプローチがしっかりしているので登場する科学技術などは古くても、いわばハイテクのない時代の古典ミステリのようにさほどひっかかりなく読み進むことが出来る。その辺マシスンはやはり理知的な人だと思う。そして犬との出会いから物語が転調して、最後にタイトルの衝撃的な意味が明らかになるラストまでグググッと盛り上がっていく。素晴らしいなあ。名作。それでいて神棚に飾られるような立派な感じじゃなくて、手近な存在でもあるところがマシスンの良さだと思う。
 
 さて先日地上波ウィル・スミス主演の映画を観たがもう一つだった。荒廃したニューヨークの映像は見応えがあったが、辻褄が合わない点がところどころあったし全体にぬるい感じ。監督が意図していたらしい別エンディングというやつもちょっと検索してはみたが、原作に近くて多少評価が上がるもののそれで大傑作に転じる程でもないと思った(まあそんなこと言ってるより原作が影響を与えたというゾンビの方を観るべきなんだろうな)。ただもうひとつだけ。レジェンドのタイトルにかこつけてボブ・マーリーを引き合いに出すのは感心しなかった。「レジェンド」がいくら名盤でもベスト盤のタイトルでしかないというのもリスペクトが中途半端だし、そもそもこの作品の偉大さとボブ・マーリーの偉大さには何の関連も無い。それを置いておいても組み合わせとしてもミスマッチとしかいえないように思う。(ただ、検索してみるとボブ・マーリーの曲が出てくるということで喜んでいる方もいらっしゃるようで人それぞれだなあとも感じた。ボブの熱心なファンは懐が大きいのかも知らん。オレと違って)。
 



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2010-04-19

『ヒー・イズ・レジェンド』 クリストファー・コンロン編


 『運命のボタン』に引き続き、マシスンものを読む。こちらはトリビュートアンソロジー。原書より収録短編が少ないらしいのは残念だが、話題性豊富な顔ぶれがずらり。(○が特に面白かったもの。<>内は元ネタとなったマシスンの作品)

「スロットル」ジョー・ヒルスティーブン・キング<激突!>○ 仲間がヤバいことをやらかしちまったバイク軍団。中心のベテラン二人は自体の収拾に頭をめぐらせるが、血気盛んな若い衆はそうはいかない。そんな中暴走トラックに襲われて。アクションに富んだ作品でノリがよく、さすがリーダビティが高い。バイカーものだが同時に父子物であるサーヴィス精神には脱帽だ。
リコール」F・ポール・ウィルソン<種をまく男> 密かに隣人の生活を混乱に陥れるシオドアの物語。いつものように用意周到に罠を仕掛ける彼だが今回は何故か邪魔が入る。うーん普通かなと思ったらcocoさんのつぶやきによるとウィルソン自身の作品との関連があるらしい。そうかあそうなるとちゃんとした評価は下せないなあ。
「伝説の誕生」ミック・ギャリス<アイ・アム・レジェンド> かの伝説の男の誕生の影には何があったのか、周囲の人物から描かれる。と、いっても読んでいないのであんまり楽しめなかったなあ。
OK牧場の真実」ジョン・シャーリーある日どこかで>○ 失った妻を取り戻したい主人公は、その発端を開拓時代の西部に求めた。特殊な方法で時代を遡る方法を知り、原因を取り除くべく行動を起こすが。元作品を読んではいないが、直接関係があるわけではないので問題ない作品。むしろOK牧場の決闘をよく知らないことの方が問題か(>自分)。いずれにしても切ないタイムトラヴェルもので、楽しめた。当然ながらロックネタも出てくる(著者はロック・アーティストでもある、知らない方のため為念)。
「ルイーズ・ケアリーの日記」トマス・F・モンテルオーニ<縮みゆく人間> 縮みゆく彼を妻はどう感じていたのか。これも元を読んでいないからなあ・・・。ありゃあ訳書は入手困難ですか。
「ヴェンチュリ」リチャード・クリスチャン・マシスン<陰謀者の群れ> 精神科医に自らの症状を訴える主人公。薬は効果を示さず、火災の妄想に襲われる。ミドルネームだけ違う息子の作品(父親リチャード・バートン・マシスンが正式な名らしい)。作品はたぶん初めて読むかな。息子の方も作家やTVの脚本家プロデューサーとして活躍しているようだ。
「追われた獲物」ジョー・R・ランズデール<狙われた獲物>○ 売れっ子作家だった主人公は仕事はスランプだは離婚の危機にあるはでくさくさしていた。そんなある日馴染みの骨董屋で奇妙な人形をすすめられる。人形ホラー。以前AXNでやっていた‘スティーブン・キング 8つの悪夢(ナイトメアズ) ’の「バトルグラウンド」を思い浮かべた(全然関係ないが、その中ではウィリアム・H・メイシーがいい味出してた「アムニー最後の事件」がよかったな。8編全部は観ていないのだが)。
「地獄の家にもう一度」ナンシー・A・コリンズ<地獄の家>○ あの忌まわしいベラスコ・ハウスの唯一の生還ベンジャミン・フィッシャーが、かの家に最初に訪れた時に襲われた恐ろしい出来事とは。とかいって映画も含めて原典にまだ当たってないんだけど、なにこれ怖ええええええ!!!いやーこんなに怖い小説久々に読んだなー。いやマジ夢に見そうだわ誰か助けてくれえ!

 一番はやっぱりナンシー・A・コリンズかな。他、原典に当たってなくても楽しめるものもあるが、基本的には十分にマシスンを読んでいる人の方がより楽しめるかな。反省して(笑)読後にマシスンの本を2冊ほどポチっと。まあ話題性十分の顔ぶれだからマシスンの名を知らしめるのには一役買ってくれそう。



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2010-04-16

映画‘第9地区’


 ツイッターの皆さんのおすすめに従い、時間をつくって観に行った。エイリアンものの新境地を開く傑作。新人監督ならではの野心的な試みがみられ、映像・ストーリー共に新鮮。これは観ておいてよかった。以下紹介と感想だが、出来るだけインプットが少ない方が楽しめると思うので、あまり細かく内容に触れてはいないがなるべく観てから読んでください。


 南アフリカヨハネスブルグ上空に突如宇宙船が現れた。船内のエビに似た宇宙人たちは弱っており、第9地区と呼ばれる地域に難民として暮らすことになる。やがて第9地区はスラム化し、宇宙人排斥運動が抑えきれないようになり、超国家機関MNUは宇宙人たちをヨハネスブルグ郊外への移住を図るが。

 難民としての宇宙人ということでシリアスな話を予想していたのだが、本筋は堂々たるエンターテインメントでオーソドックスといえる部分もある。でも、ところどころに皮肉が効いていて、特に後半の展開は予想をいい意味で裏切ってくれる。ギリギリのところで無理過ぎる展開にはなってはいなくて、破天荒だけど破綻はしていないといった感じ。決してヒーローとはいえない主人公の行動についても伏線が巧くはられていると思う。ドキュメンタリー風の映像は‘トゥモロー・ワールド’を連想したが、世界観としてはより混沌としている。また、公開時期もあって植民地SF映画としてどうしても‘アバター’と比べたくなるが、あちらが幅広い支持層を得るために描くのを避けてしまった空白の部分をキツいユーモアで埋め尽くしてしまったような印象もあって、意図してはいないのだろうが挑発的な内容になっている。もちろん個人的にはこちらを支持したい。
 グロテスクな映像、破天荒な話の転がり具合など全体としてはやはりB級っぽさがぷんぷん漂う(そこがよさでもあるけど)一方で、これが映画デビューとなるニール・ブロムカンプ監督がヨハネスブルグ出身であることを考えると、なかなかに意味深な作品だとも思う。

2010-04-14

映画‘からっ風野郎’‘お嬢さん’


 先週の土曜日少し時間が空いたので映画を観てきた。普通の新作映画とはちょっと違うものを観たかったので、外出していたところに近いシネパトス三島由紀夫特集がやっていたのでそれにした。これまた古い趣のある映画館である。去年ぐらいにも行った記憶があるが、何を観たんだっけなあ。
 かたや主演を演じたヤクザ映画でかたや原作のラヴコメ映画と随分作風は違うが、それぞれ楽しめた。
 「からっ風野郎」。監督は増村保造。有名な監督だが初めて観たかも。頼りない二代目親分三島由紀夫が刑務所内にも関わらず、対立している親分(根上淳)の組から命を狙われる話から始まる。人違いで他の囚人が殺されてしまったことから、出所をしぶるがなんとか警察に頼み込んでこっそりと出て、昔の仲間に会う。古くからの友人(船越英二)や叔父(志村喬)と一計を案じるが。といった話。もちろん台詞は上手くないし、見た目としても他の俳優さんから浮き上がって見える三島先生だが、驚くべきことに本格的な劇映画で本人出ずっぱりである。クライマックスのエスカレーターのシーンまで大した熱演ぶりでとにかく真剣に取り組んでいたことは間違いないだろう。敵の根上淳の子どもを誘拐したり、弱音は吐きまくるし、恋人(若尾文子)には暴力を振るうわで全くひどいキャラクターだけど何となく憎めないようなこともある。素人俳優を使ってのことだからやはり監督が上手いのかなあ。観ている間は飽きずに筋を追える。船越英二の役はヤクザだがインテリという設定で、学がない主人公がコンプレックスを持っているというのはかなり倒錯的で三島らしいのかもしれない。全然関係ないが主人公の元恋人でクラブ歌手を水谷良重バナナマンボ(みたいなやつようわからんが)がハスキーヴォイスの独特の歌唱でかなり強力だった(よく聞こえなかったが歌詞も変)。どこかでじっくり聴きなおしたい。そうそう先生自ら歌うテーマソングは深沢七郎作曲らしい→http://www.youtube.com/watch?v=xv5jXE0Zt48
深沢七郎のことはよく知らないんだけどね。ミュージシャンでロックも好きだったようだから興味はあるんだけど)
 さて「お嬢さん」。これも若尾文子だがこちらは主演。やや妄想癖のある女子大生が主人公の基本的にヌルめのラヴコメだが、川口浩や田宮次郎といった後のTV世代にもお馴染みの顔ぶれが揃ってちょっとしたコワいことも起こったりなんかして(もちろんヌルくですよ!為念)楽しく仕上がっている。父親の会社の部下とあまり疑問も持たずに付き合うような保守的な主人公に現代性はあまり感じられないけど、その時代の平均的なコメディだったのだろう。こうしたタイプの三島作品はあまり読んでいないが、さすがに創作範囲が広いなあ。

2010-04-12

‘Study in scarlet’ Arthur Conan Doyle


 原書。随分時間がかかったがなんとか読み終えた。少しずつで結局4か月くらいかかったかなあ。
 シャーロック・ホームズの最初の作品らしい。ホームズワトスンの出会いも書かれているから歴史的な作品だろう。伊藤計劃の「屍者の帝国」(絶筆)でも、この作品の背景が引用されている(もちろんゲイマンの「エメラルド色の習作」も本作のパスティーシュ)。
 アフガニスタン軍医として赴いたワトスンが家も無く空虚な思いで過ごしていたところ、同居者として友人から紹介された一風変わった人物がホームズ。早速殺人事件が起こり、二人は解決のために捜査を開始する。
 なんでもお見通しなホームズの推理力が今となっては少々都合が良過ぎる気もするが、これが無いと名探偵という感じがしないのも事実。まあ百年以上も目の作品だし(1887年発表)、その辺は雰囲気を楽しむところだろう。第二部になっていきなりアメリカの砂漠での話になったからびっくりしたよ。ネットでちょこっとカンニングをしたら、前半と後半がちゃんとつながっているらしいとわかったので粘って読んだ。第二部は砂漠を舞台にした冒険小説風味。最後で第一部とのつながりがようやく分かる。構成にひねりがあるわけだが、すいったことは当時の小説では珍しかったのだろうか。
PENGUIN CLASSICSはや前書きや註釈が充実しているので作品のことがよく分かる(その分時間もかかるかも)。前書きには切り裂きジャックのことが切り裂きジャックホームズというネタはよくあるようだが、年代が重なっているのだから当然だろうなあ。切り裂きジャックが登場する前にこれが書かれているのがミソで、ドイルは時代を予見していたのだろうか。



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2010-04-07

『運命のボタン』 リチャード・マシスン


 マシスンもまだまだ読んでいないので、この本はちょうどいいタイミング。文句なく楽しめる実にリーダビリティの高い一冊。前半は短めのシャープな作品が並んでそれも悪くないのだが、後半には少し長めの傑作が並んで大満足。いいですよーこれ。特に気に入ったものに○

運命のボタン」 ある日届けられたボタン装置。後からやってきた男が説明するにそのボタンを押すと「見知らぬ者が死んで、五万ドルが手に入る」というのだが。シンプルな設定だけど鮮やかにラストが決まる。しかしこの短い話、どうやって映画にするの?
「針」 テレーゼに恨みのある主人公。呪いをかけてやる!これも巧いな。
「魔女戦線」 おしゃべりに夢中な美少女たち。なぜ集まっているかというと・・・。まあこの尺じゃ話は広がらないわけだが、美少女と戦争というアニメライトノベルみたいな話が50年以上も前にもう書かれているのだからビックリだ。saveさんが書いていたが、現代的な訳がいいのかもしれない。
「わらが匂う」 妻が亡くなって数カ月。静かな生活を送っていた男の身に起こったことは。マシスンて悪夢の中に論理があるというか、その辺りがSFファンにも好感が持たれているんじゃないかな。これもそうした作品でオチの切れ味が良い。一方で解説にあるように「最後につじつま合わせや説明をするため、たまにそれまでの緊迫感や不条理感が台無しになることもある」のは表裏一体なのかもしれない。
「チャンネル・ゼロ」 事件現場に残された少年。彼の家族に起こったおぞましい事件のあらましを聞き出そうとする警官たち。録音テープに残された音や台詞のみで徐々に事件の真相が明らかになる、といういわば実験的ともいえる作品。でもきっと実験なんか考えていないよ。読者を単に驚かそうとしているだけでこうした形式になったんだと思うが、そこがマシスンの偉大さなんじゃないかなあ。
「戸口に立つ少女」○ ある日家に訪れた白いドレスの少女。母親は不吉な予感を感じながら、娘と遊ぶのを許してしまう。次第に高まるサスペンス。怖いな〜。突然訪れた不可思議な少女に大人の女性が翻弄されるという点でカポーティの「ミリアム」を連想させる作品。設定や両者のテイストの違いなど両作家の資質の差が感じられ興味深い。
「ショック・ウェーヴ」 古びた処分待ちのオルガンだが、老奏者は楽器になにかおかしなことがおこっていると感じていた。オルガンホラー。バッハカンタータ131番ってこれかな→http://bit.ly/bXeYGa
「帰還」○ 研究のため500年後の未来に旅立つ主人公。不安な新妻に軽口を叩いていたが。既視感のある設定で読み始めはあまり期待していなかったが、きちんと不気味な話に仕上がっていてストーリーテラーぶりに舌を巻いた。
「死の部屋の中で」 車で移動中に夫婦が立ち寄った田舎の喫茶店は、愛想のない店主にまずい水とさえない店だったがやむを得ず注文をする。ちょっと平凡な作品だが、アメリカらしい大都市大都市の間にある空白の部分にある独特の恐怖を描いた作品で、原作読んでいないけど「激突」と共通するかな。そういった系統のものの先駆といえそう。
「小犬」○ 夫と離婚して働きながら気の弱い息子を育てる主人公。息子の気持ちに反して、犬を飼わせたくない主人公だったが、ある日家に一匹の小犬が迷い込む。余裕がなく追い込まれた母親の心理が見事に描かれた傑作。心理サスペンスものも書けるんだなあ。心理小説としても読めるけど、あくまでも全体がエンターテインメントに仕上がっているのもまた見事。個人的には次の「四角い墓場」とツートップで。
「四角い墓場」 しがないロボット・ボクサー稼業。敵は新型、愛機はポンコツ。当て馬上等おとといきやがれ!オーナーのスティールが滅茶苦茶いい味なんだなあ。これも映画化とか。こっちは楽しい作品になりそう。
「声なき叫び」 言葉を話すことが出来ない少年。火災で亡くなった両親の代わりに保安官夫婦が育てることになるが。他の作品でもそうなのだが、設定を徐々に明らかにしていく手法が鮮やかなんだよな。その辺はミステリ的といってもいいと思う。少年の心理描写が映像的でマシスンの芸域の広さがうかがえる。
「二万フィートの悪夢」 飛行機嫌いの主人公。イライラする中、翼をみると不気味な怪物が。たまらず叫ぶ、スチュワーデス!最後はやっぱりミステリーゾーン・ホラーに戻る。多彩な作品の後だという並びもいい。

 マシスンの作品は、優れた理知的なSFアイディアがあって、ほどよいホラーテイストがリーダビリティの高さにつながり、設定などを徐々に明らかにするミステリ的な手法ストーリーテリングの巧さとして結実している、というようなエンターテインメント小説の様々な要素が絶妙にブレンドされているところが魅力で、幅広いジャンルに影響を与えてきたのも当然だと思われる。実は再録のものが多いので、古くからの熱心なファンなどには多少物足りないかもしれないが、ほとんど初読だった身には大満足。作品のバラエティや現代性といった点で「13のショック」より上。自分のようなマシスン初心者におすすめ。 



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2010-04-04

花見で散歩2010


桜を見に近所を散歩。

まず鶴岡八幡宮の段葛。あともう少しで満開かなあ。
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源平池。水面に映えるなあ。朝早くなのに割合人が出ているのも納得。
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今話題の倒れた大銀杏。左側が移植されたやつ。うまくいくのかなあ。
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次に長谷駅まで行って長谷寺には行かず御霊神社
桜も結構咲いていたが、桃も見ごろ。
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極楽寺駅の方まで歩いて、途中の星井寺(虚空蔵堂)の桜。
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極楽寺駅前の桜はまだまだだった。
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朝に急いで回ったから結構慌ただしかった。もう少しで満開といった感じのところが多い。自分としてはそれでも満足。雨が降って散ったり、あっという間にピークが過ぎたりするから、バッチリのタイミングに見るのはもっともっと熱心じゃないとなかなか難しいよ。

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