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旧ブログ:異色な物語その他の物語

2013-11-08

『青い薬』 フレデリック・ペータース


 主人公はジュネーブ漫画家。旧知の女性に再会し、意気投合してつき合いはじめる。それはどこにでもある男女の出来事なのだが、女性はその息子と共にHIV感染者だった。




 自伝的な作品らしい。愛する女性を支えながらも感染に怯え、連れ子への対応にとまどう主人公が等身大に描かれ、ともすると硬い内容になりがちなテーマが穏やかにほどよい情感で語られ大変身近に感じられる。観念的なパートもあり、その辺に好みは分かれると思うが素晴らしい作品である。
 惜しむらくはビビッドなテーマにも関わらず日本で訳されるのに12年経っていることで、海外コミック出版のブームが無ければ出版されることも無かったことは理解しつつも、ちょっと残念に感じてしまう。



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2013-10-20

映画『怪盗グルーのミニオン危機一発』


 

元怪盗で今は平和に3人娘を男手一人(+バナナ生物ミニオン)で育てているグルーが反悪党同盟の捜査官ルーシーと世界を揺るがす陰謀をつきとめる話。(吹き替え版、2D)
 前作は観ていないのだが、ウェルメイドなファミリーコメディでギャグのテンポが良く大変面白かった。洗練とベタのバランスが取れた音楽のセンスがなかなかよい。



 吹き替えに関しては聞いていられないとまでは思わなかったものの、あまり感心しなかった。メインの二人が声優どころか専門の俳優でもないというのはどういうことか。その点俳優がやっている役はさほど気にならず、芦田愛菜にはその対応力にまた驚かされたくらい。

2013-10-13

『アル中病棟』失踪日記2 吾妻ひでお








イースト・プレス


発売日 : 2013-10-06




 吾妻ひでおの傑作自伝漫画『失踪日記』の続篇。失踪の話中心であった前作で終盤に少し出てきたアルコール依存症治療の入院中の話の詳細が描かれている。
 基本的には管理された単調な生活ではあるが、一般的な病院の入院生活とは異なる、個性的な人物たちによる独特の社会が形成されている様子が興味深い。背景にある依存症という現実は本人や周囲に取って大変重く、一口で語れるようなものではないだろうが、本書ではギリギリのところでユーモアを持って描かれているのが素晴らしい。本書での妬み・悲哀・不安といったネガティヴな感情に襲われる人間の生き難さは、普遍的なものとして依存症ではない我々にもずしりと伝わっていくる。
 従来の三頭身ではない現実的寄りにアプローチのある絵柄については、デッサンを学校で学び直したという巻末の対談でのエピソードが泣かせるが、同時に漫画家という仕事の大変な過酷さも感じられた。

2013-10-04

『闇の宴 酒天童子異聞』 永井豪




「手天童子」の作者永井豪が、“酒天童子”説話の謎を追うという漫画。いったい“酒天童子”の正体は誰だったのか。

永井豪によりラストに明かされる正体については、解説で学者により反論が示されていることから、学術的な内容とは言えないところが多々あるのだろう。しかしさすがに長年魅せられてきたモチーフらしく多くの資料に当たり各所に赴いた実体験が、自らの漫画というフィールドでフィクションパート多めでサービス精神たっぷりに表現され、なかなか魅力的な読み物になっている。研究というより、著者の発想のプロセスが読みどころのエッセイ漫画といったところだろう。ファンの方にはオススメ。「手天童子」が楽しみになるね<まだ読んでないのかよ

2012-12-15

『海街diary5 群青』 吉田秋生


鎌倉に住むわけあり四人姉妹が主人公のシリーズ。今回も安定したクオリティだが、病や死についての話が中心。ちょっと個人的に身につまされる内容で地元民として馴染みの風景が実にヤバく・・・いやけして泣いてるわけじゃないんだからな!(笑)