電撃大王の漫画雑誌としての取り組み方


結論から言うと、多くの作品を載せることでお得感を出す、という方向性じゃないかな、と。

まず、前提となるデータを提示します。
ガオと合併したのが2008年5月号で、それから1年経った2009年4月号時点でのデータです。


連載作品(長期休載、読み切り、不定期を除く)の掲載時のページ数平均値(表紙、カラーは×2で計算)
10ページ未満の作品数:5
10ページ以上20ページ未満の作品数:7
20ページ以上25ページ未満の作品数:13
25ページ以上30ページ未満の作品数:9
30ページ以上の作品数:8


この1年以内に終了した作品数
電撃大王オリジナル作品数:4/14*1
電撃大王コミカライズ作品数:4/10*2
ガオオリジナル作品数:1/2*3
ガオコミカライズ作品数:1/5*4
合併後オリジナル作品数:0/12
合併後コミカライズ作品数:2/9*5
不定期掲載作品:3*6
(オマケ)読み切り作品数:15


隔月連載作品数:3*7
長期休載作品数:3*8


毎月の単発休載作品数の平均値:3

作品 before after
生え抜き作品 24 16
ガオ移籍作品 7 5
新連載作品 21 19
作品 before after
オリジナル 28 23
コミカライズ 24 18


大抵月刊誌っていうのは毎月60ページ前後な月マガなどの例外を除き1作品に付き30ページ前後のものが多いものですが、電撃大王では少数派です。ページ数が20ページ前後の作品が多く、週刊少年誌並みのページ数の作品が割と多いです。また、休載率も高くほぼ毎月なにかしらが休載していますし、休載が酷くて隔月化して、それでも休載する作品もあったりします。
休載が多いandページ数が少ないのには元々メディアミックス作品が約半数を占めることから判るように、単純に漫画を描くだけでなく関連グッズのイラストや特典漫画を描く機会が多いというのもその要因の一つに挙げられます。
ページ数は編集部が決めることですし、休載も単行本作業や「よつばと!」のように作中時間と現実の時間がかぶった時期に取材に行く作品とかもありますし。それと他誌で連載を持っているからページ数を抑えめにしている作家さんもいらっしゃいますね。出版不況の昨今、リスク分散として有効かな、とも思えます。
実は意外かも知れませんがページ数が30ページ前後で安定しててほぼ休載0なのは旧ガオ勢なんですよね。まぁ、中には1話当たりのページ数が比較的少なく、よりによってアニメ放映期間中なのに休載してコミケで新刊&新グッズを頒布するというプロとしての自覚を疑う行動をする作家さんも居ますけどね…


取りあえず脈絡もなくキャノン先生貼っておきますね。


ガオ合併後の新連載が多いのは「よつばと!」に頼り切りな現体制からの脱却を図る試行錯誤と暗中模索の結果と、休載率の高さを補う為(ぶっちゃけ代原確保)だと考えられます。これは不定期掲載作品と読み切りの多さからも伺えます。
とはいえ、やたらコミカライズに頼るのは如何なものかと思いますし、電撃「マ)王電撃黒「マ)王電撃萌王といった姉妹誌との立ち位置が曖昧だったりと色々と思うところは多々あるのですが。(私としてはどうせなら週マガとマガスペみたいに1軍と2軍に明確に分けた方が読む方としたら判りやすくて助かるんですが)


一読者としては電撃大王は現在迷走しているようにしか見えないのですが、ポジティブに考えると
「掲載される作品が毎回違って、その上それほど厚くないのに色々な漫画が読める新鮮且つバラエティに富んだお得な雑誌」
ではないのかな、と。


もっとも個人的には月刊誌は最低30ページはガッツリと読みたい派なんですが。月マガ最高ー

追記
アリソンのこと忘れてたので一部修正しました。

*1:シャイナ・ダルク〜黒き月の王と蒼碧の月の姫君〜、JINKI真説(移籍ですが)、となりのだんな様、はやて×ブレード(ウルジャンに移籍)

*2:乙女はお姉さまに恋してる、機神大ギガンティックフォーミュラ、ティンクル☆くるせいだーす星の海のアムリ

*3:Venus Versus Virus

*4:アリソン

*5:さいたまチェーンソー少女、鉄道むすめ〜Terminal Memory〜

*6:うさくんの脳みそやわらかい、電撃ネコミミ侍、DOLL MASTER ぱられる

*7:DARKWHISPER、アリソン、ノイジィ・ガール

*8:トリコロBLOOD ALONE図書館戦争 SPITFIRE!