私たちの星で(梨木香歩、師岡カリーマ・エルサムニー/岩波書店)

 梨木ファンとして軽い気持ちで読み始めてしまったが、エジプト人の父を持つアラビア語教師との交換書簡は、日ごろ私が考えようとも思わなかった領域にぐんぐんと突き進む。
 正直に言って、正しく理解できたとは思えないのだけど、違うことも含めてありのままに受け入れ、それを前提として次に進む積み重ねを繰り返しつながっていくのは感じ取れた。