gayuu_fujinaの愚草記 (別館→本館)

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グーグル検索で逮捕歴の削除認めず…高裁 : 社会 : 読売新聞(YOMIURI ONLINE)

インターネット検索サイト「グーグル」で検索すると、自分の逮捕歴に関する記事が表示されるのは人格権などの侵害だとして、埼玉県内の男性が米グーグルに検索結果の削除を求めた仮処分申請について、東京高裁は12日、削除を命じたさいたま地裁の仮処分決定を取り消し、男性の申し立てを却下する決定をした。
杉原則彦裁判長は「事件から5年が経過しても逮捕歴の情報の公共性は失われておらず、検索結果を削除すると表現の自由や知る権利が侵害される」と述べた。
男性は2011年、児童買春・児童ポルノ禁止法違反で罰金50万円の略式命令を受けた。さいたま地裁は昨年6月、グーグルの検索結果に表示される49件の削除を命令。さらに同地裁は同年12月、グーグル側の異議申し立てに対し、「犯罪者といえども更生を妨げられないよう、過去の犯罪を社会から『忘れられる権利』がある」と判断して削除決定を維持した。
この日の決定は、削除の当否を判断するための考慮要素として、〈1〉対象の記述を公表した目的や社会的意義〈2〉削除請求した人の社会的地位や影響力〈3〉公表による損害の重大性――などを挙げた。その上で今回のケースについては「児童買春の防止は親にとって重大な関心事だ」と指摘。削除した場合は「看過できない多数の人の『知る権利』などを侵害する」と結論付けた。
グーグル広報部は「人々の知る権利と情報へのアクセスを尊重した判断と考える」としている。

http://www.yomiuri.co.jp/national/20160713-OYT1T50024.html

ニュースの引用記事から、氏名や住所(一部)、大学名といった情報を削除するように元犯罪者から要求された事があるので、全く無関係でもないのだが、元犯罪者の「忘れられる権利」について、無制限に濫用を許さないという立場を明確に打ち出したのは、良い判決だと思う。
特定の犯罪の場合、再犯率が非常に高いという現実もあり、犯罪者の権利を守りたいばかりに、罪なき一般市民の安全を脅かすのは、本末転倒だという当たり前の感覚を理解した司法には、「珍しくよくやった」という評価を与えたい。
日本で、弁護士と日弁連は「上客である犯罪者の権利を守ることばかりに腐心するゴミクズ(集団)」って印象だからなぁ。