食べ物さん、ありがとう

 さくらちゃん話法を御存知でしょうか? 鳥さん、おさかなさん、ホットケーキさん、たこ焼きさん……というように擬人化しておき、最後に「はにゃ〜ん」と言わせれば木之本桜ちゃんっぽくなるという表現手法のこと。
 ――という話はさておき。川島四郎サトウサンペイ食べ物さん、ありがとう」(朝日新聞社ISBN:4022603917)読了。フジ三太郎などで知られるマンガ家が、栄養学を学びに行くという構成。小ネタが詰まっているのですが、要点を挙げると次の5点。

  • 青野菜をどっさり食べよう
    • 赤血球は、葉緑体の中の Mg を Fe に入れ替えて作られる。白い野菜(レタス、キャベツ、はくさい)では血が造れない
  • お腹がすいたときに食べる
    • 時間を決めて食べる必要はない。野生動物を見習おう。
  • 食べたらすぐ寝る
    • 「ウシになる」というのは使用人を働かせるための方便
  • 火山国ニッポンはカルシウム不足
    • ヨーロッパでは、水にも野菜にも Ca が含まれている
  • 脂は駄目、油がいい
    • 肉の脂は人間の体温(37℃)だと固まってしまう。魚や植物のそれなら、血流に負担をかけない

 いずれも良く言われていることなのですが、話の進め方が面白いので「そうか」と思わせる魅力がある。巧みな話術が、聞く人を引き付けるのでしょう。