アルファ・ロメオ 100年の栄光と衰退 その19 1920年代のアルファ・ロメオ

“Museo Alfa Romeo”を見学したのは、100周年イベントの直後だったので、正直なところ展示はメチャクチャな状態であった。P3など数台の重要なモデルは戻ってきておらず、それよりも困ったことに帰国して撮影した写真を調べてみると、展示車と説明版がチグハグであったりする。一部の展示車はテキトーな場所にただ置いてある、という誠に残念な状況だったのだ。

最近、“AUTOMOBILIA”社による“MUSEO ALFA ROMEO CATALOGO”を手に入れたので、有名な“6C 1750 Gran Sport”以外に紹介の漏れたクルマを年代順に紹介する。
20年代の他の重要なモデルは、過去の記事をご覧ください。
http://d.hatena.ne.jp/gianni-agnelli/20100731/1280588208#seemore



“1920 20/30 HP ES Sport”
直列4気筒 SV 4750cc 67ps/2600rpm 最高速130㎞/h

20/30HP のレーシングモデル。アルファ・ロメオのエンブレムが付いた最初のモデル。市販モデルよりもショートホイールベースになり、エンジンもパワーアップされた。スターターとヘッドライトが電気化された。1921年と1922年の“Garda Cup”に連続優勝。1921〜22年の2年間で124台が生産されている。



“1924 RM Sport”
直列4気筒 OHV 1996cc 44ps/3200rpm 最高速100㎞/h

1923年パリ・サロンで発表。それまでのチェーン駆動ではなく、ギアによるダイレクトドライブとなった。1924〜25年の2年間で129台を製造。



“1924 RL Targa Florio”
直列6気筒 OHV 3620cc 125ps/3800rpm 最高速180㎞/h

純粋なレーサーで市販されていない。全部で4台が製作され、初期の2台は旧型の3リッターエンジンを搭載していた。1924年のタルガ・フローリオでは前年の優勝を逃し、惜しくも2位、3位、5位、10位となった。幸運の4葉のクローバー“QUADORIFOGLIO”のマークにも注意。


“1925 RL Super Sport”
直列6気筒 OHV 2994cc 83ps/3600rpm 最高速130㎞/h

RLシリーズ6番目のモデルで、シリーズ中最も成功した。最もパワフルなエンジンを搭載し、イタリア国内はもちろんのこと海外でのレースでも活躍した。ボディ製作はカスターニャ。このモデルでアルファ・ロメオは市販車にも4輪にブレーキを備えるようになった。それまでは他のメーカー同様に、前輪にはブレーキは装備されていなかったのである。



“1926 RL Super Sport”
直列6気筒 OHV 2994cc 88ps/3600rpm 最高速150㎞/h

RLスポーツカー・シリーズ7番目の最終モデル。ボディはザガート製。1926年のドイツGPの3リッタークラスで優勝。1926〜27年までに88台が製造された。



“1927 RL Super Sport Mille Miglia ”
直列6気筒 OHV 2994cc 88ps/3600rpm 最高速150㎞/h

第1回“Mille Miglia”に投入した純レーサー、結果は4位でゴール。ボディはザガート製。



“1928 6C 1500 Super Sport”
直列6気筒 OHV スーパーチャージャー 1487cc 76ps/4800rpm 最高速140㎞/h

“6C 1500 Sport”のエンジンをパワーアップして搭載。1929年度に於いて数々のレースに勝利。31台が製造され、その内15台にスーパーチャージャーが装備されている。