子供の水遊びと大人の課題図書

今日は連休工事も中休み。職人が暑さに参って「日曜だし一日あけたい」と言ってきたのだ。この僕が休むことに異論のあろうはずがない。なによりカラダが一番だ。何かと忙しい我が家のメンバーも、さすがにお盆の中日は全員用無しだが、マイペース派の妻と長男はもう家族いっしょに行動しようとはしない。下の子だけが朝から浮足立っている。
▼ということで下の子をつれて川遊びにやってきた。盆休み中日の日曜の川は芋洗い状態だ。

僕がベースを陣取りしてるうちに、下の子はもう高校生のお兄ちゃんたちに混じってかなり高い岩の上から深い瀬に何度も飛び込んでいる。


反復は子供の特徴。効率に目覚めた大人は同じことを繰り返すことを嫌う。早々に川から上がった僕は木陰で昼寝。

工事に使うコンパネが役に立った。シートよりよっぽど快適だ。
▼しばらくして近くの道の駅らしき施設で地物の夏野菜と赤飯を買ってきてミニミーと二人で腹ごなし。

キュウリが青臭くて特にウマイ。こういうことにかけては僕は天才だと思う。隣の家族連れがコンビニのお握りを食べながら恨めしそうにこちらを見ている。

下の子は昨日も友達親子と別の川に行ったというのに飽くことを知らない。いつまでも川に入っている。時折浮かんだまま放心している。

帰りにソフトクリームを買ってあげるのもいつものお約束。楽しかったね。

▼さて、昨日もちょっと触れたけど、ブログの更新が滞り気味なのは僕だけじゃないようだ。僕がチェックしている人気ブログも全体的に夏バテ気味。自由人さんは金曜に久しぶりに更新していたので期待して翌日も開くとまたお休み。元々彼は月から金のウイークデー更新派で土日はお休み。職場のパソコンで更新するスタイルだね。最近仕事をお辞めになった尊敬する人気ブロガー女史はフリーになって更新ペースもゆるくなった。忙しさと更新ペースは実は無関係なんだな。
▼その女史が夏休みの課題図書っぽいものをエントリーしていた。彼女の勧める本の約半分は読んでいたので、僕は半分社会派ってとこかな。下山事件については、当該本は読んでいないが、松本清張の「日本の黒い霧」で知った。清張の著作で僕が面白いと思ったのはこれと、耶麻台国の場所を推理する「古代史疑」。清張の本領はノンフィクションにあると思う。山崎豊子もそうだけど、社会派小説って僕にはリトルドものっぽく思えてダメだな。
▼今国会で首相も追求されてた、よど号犯と拉致事件の関係について書かれた「宿命」は、旅先のソウルで声をかけられ、いっしょに焼肉を食べた学生に教えてもらった。彼は留年して世界中を旅している僕の後輩だったのだが、その後無事卒業して新聞記者になった。仕事の傍ら執筆活動にも精を出し、僕の知る限り本を二冊出している。しばらく音信不通だけど久しぶりに会って話がしたいね。「宿命」についてはとても興味深く、事実もおそらくここに書かれてある通りなのだろうが、真相究明と問題解決はイコールではない。かの国では特に反比例の関係になるだろう。
▼堀井兼一郎の「若者殺しの時代」もおもしろかった。バブルが失われた20年分の成長の先食いだったって話と、今は戦後というひとつのタームのしっぽにあたるという見方が新鮮だった。堀井氏は一つのシステムの寿命をだいたい60〜70年だと言う。それはシステムの駆動装置が人間の記憶を頼りにしているからだ。一時代の草創期の熱狂の記憶を次代に伝え、モチベーションを維持するのは簡単な作業ではない。この本は震災前に書かれたものだが、早晩日本、いや世界全体としてもアメリカ中心の現行システムは崩壊するかもしれない。
▼しかし新書ってホント読み応えないよなあ。よっぽど面白そうでももう新書を買うのはやめることにする。世の中には手っ取り早く手に入れられるものとそうでないものがある。堀井氏は文春のずんずん調査も楽しく読ませてもらっているが、この長さのコラムが彼の文章に相応しいスタイルなのかもしれない。佐藤観樹氏の「さよなら中流」?も読んだ当初はおもしろかったが残るものがなかった。これもきっと統計と実証に基づく氏のスタイルがブリーフな新書向きじゃないんだろう。
▼興味深かったのは、社会派人気ブロガーが、最後に個人的に思い入れの深いものとして紹介していた幼少の頃親しんだ童話や小説の類に、僕とかぶるものが全くなかったことだ。こういうものがその人をその人たらしめる語調というか話法の基礎となる。言うまでもないことだが、彼女と僕は違う人生を生きている。まあ比較するのもおこがましいね。僕の人格形成に影響を与えた愛読書についてはまたの機会に。