かくれみの

前回エントリのコボカタさんは、オボカタさんのマチガイでした。世紀の発見に失礼極まりないね。慎んでお詫び申し上げます。さて、立春寒波の到来で今冬一番の冷え込みである。春は名のみのなんとやらだが、月初の土日で仕事の山は越えた。これから少しずつプライベートな時間を取り戻していきたいと思う。
▼下の子はこの寒空の下、毎日夜遅くまで練習している。暗くてボールも見えないだろうと思ったら、ナイター設備の整った強豪校なのだった。町内のソフトボールでは、四番キャッチャーで隣町の助っ人までしていた下の子も、クラブチームから大挙入部してくる強豪中学の野球部では、ライパチでレギュラー入りできるかどうかの瀬戸際だ。それでも腐らずひたむきに練習しているのだから、同じく柔道の強豪校でキャプテン、レギュラー、公式戦負けなしの僕よりずっと立派だと思う。
▼帰ってきてお風呂に入ってゴハン食べてるなと思ったらいつのまにか気配が消えている。この子の寝つきのよさはギネスものだ。大げさでなく、布団に入って三秒である。だいたい一時間後くらいに割とハッキリした寝言を言う。そして朝6時に飛び起きて宿題をした後、チョコレートやアイスを食べている。いわゆるオメザというやつだ。とにかく子供らしい子供である。
▼万引きで謹慎中の上の子は、ひとり学校に通っている。他の三年生は今月から自宅学習で、もう卒業式まで学校に行かなくてもいい。処分保留で先月まで自宅待機だった長男は、みんなが学校に行ってる時に行けず、みんなが学校に行かなくてもいい時に行かなければならない。計画していたバイトもできないし免許もとりにいけない。それもこれも全て身から出たサビである。
▼毎日反省文を書いて持参するのだが、これが「さすが三回目」と先生も唸るほど非の打ちどころがないものらしい。完全に謹慎慣れしている。「もう書くことない」と全然悪びれていないのも彼らしい。ケロッとしている。普段感情の起伏がないのに泣くほど後悔したのだ。いつまで深刻ぶっていても仕方ないだろう。それとも僕はちょっとおかしいのだろうか。息子をドロボーに育てたのは自分だと嘆き悲しむところなのだろうか。みのもんたみたいに有名だったらみんなから袋叩きにあったに違いない。
▼仕事でもプライベートでも子供の話題になることは多い。パソコンやスマホの待ち受けに子供の写真を使っている人も多い。子供をクラブチームに入れて応援に熱心な親御さんも多い。総じてみな例外なく子煩悩だ。僕は自分から子供の話をすることはないが、何かの折にきかれれば「子供のことで悩んだことはないですね」と答える。するとみな一様にうらやましそうな顔をする。小さいうちはいいが、年頃になるといろいろたいへんなこともあるのだろう。
▼うちの子たちは、小さい頃はとにかく可愛かった。そして健康で病気をしなかった。性格的には真逆だが、二人とも素直でやさしい子に育った。それだけで十分。人生でとりたてて成功したと言えるものはないが、子育てだけはうまくいったと思う。何をしたわけではない。むしろ何もしなかった。その方がむしろいいのではないか。親はなくとも子は育つ。ただ親がいるといないとでは安心感がちがうだろう。だから子育ての極意は、夫婦円満でいることだと思う。

水曜はヨガカレーに菜の花とモヤシのサラダ三連続。