『シュルレアリスム宣言・溶ける魚』  アンドレ・ブルトン著 巌谷國士訳 岩波文庫

シュルレアリスム宣言・溶ける魚 (岩波文庫)

シュルレアリスム宣言・溶ける魚 (岩波文庫)

吾妻ひでおに「溶ける魚」というシュールな作品があったが、

シュルレアリスムの手法のみならず、ギャグもブルトンの影響を受けていると気付いた。

シュルレアリスム宣言」は、既存のリアリズム文学や絵画を、ギャグティストで毒舌批評した大傑作である。

ブルトンはフランス人だから気取った評論だと思い込んでいたが、そうではなくて、

巌谷國士が弁士のような名調子でギャグを展開する、どえりゃあ面白い評論である。

2ちゃんのあのギャグの元ネタがブルトンだったとは、感動した!(藁

「溶ける魚」の方は自動書記手法のシュルレアリスム小説の短編集であり、イメージは豊潤だが、

ストーリーやキャラ立ては計算してないので、

普通の小説として読むと、面白くはありません。

シュルレアリスム絵画を描きたいが、ネタが無い人は、ブルトンの文を絵にすればそれなりにヨサゲ(爆