『神獣聖戦』 山田正紀 徳間書店

最新のダーウィニズムM理論で天才正紀が超絶生命を創造した!

重力子で思考する重力生命!!

それは幻想を実体化させる幻想生命!!!

驚異の幻視物理学に酔いしれろ!!!!

フリードリッヒ・ニーチェ永劫回帰や、

ベルクソンの持続時間、

J・L・ボルヘスアレフなども

考察する哲学超大作でもあるが、

こんな落ちでいいのか!

ぶったまげました!!

天才にしか書けない凄い結末!!!

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『20世紀の幽霊たち』 ジョー・ヒル 小学館文庫

17作全てギリギリ水準作以上だが、

女性視点の物語が一つしかなくて、

21世紀に書かれた話にしては、

ジェンダー観が古すぎて笑う。

いまだに父性愛をマンセーされてもなぁ。

上手な無駄の無い話ばかりだが、

もう、お腹いっぱい。

作者の引き出しの限界も読み取れて、

他の作品集は読みたいとは思えなくなる。

これ一冊でも後半はまた少年の話かよ!

と飽きてきた。

描写巧いのでスラスラ読めますが、ヒルはもういいやw

解説者は恒川光太郎 さまと似ていると分析しているが、

イデアやプロットは恒川光太郎 さまの方が遥かに上。

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『京都蜂供養』 山田正紀 出版芸術社

「鮫祭礼」
「猫を憎む」
「モアイ」
「鳥のいない鳥篭」
「京都蜂供養」
「転げ落ちる」
「いけにえの空」
「獣の群れ」
「近くて遠い旅」

の9編が収録されたSF・ミステリー短編集。

痴漢冤罪事件ネタの「獣の群れ」が素晴しい!

自分の無実を晴らす執念と

悪のケダモノの美人女子高生との鬩ぎ合いが、

リーガルサスペンスの枠を越えて、

素晴しい結末に着陸!

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『第四の扉』 ポール・アルテ 早川ポケミス

ツイスト博士シリーズ1作目。

作者はフランス人だが、舞台はイギリスであり、

ジョン・ディクスン・カー を後継する作品である。

最初は主人公の名はギデオン・フェル博士だったが、

著作権の壁を突破出来ずに、

オリキャラとして微修正したそうな。

幽霊が犯人としか思えない密室殺人が連続するが、

見事に説明付けます。

実はメタフィクションだが、

そう書いてもネタばれにならない捻りが、

殺人事件のトリックと犯人を指摘した後に待ち構えてます。

ジョン・ディクスン・カー の後継というよりは、

クレイトン・ロースンではないか?

という突っ込みをしたくなる人もいるかもしれないが、

怪奇趣味はジョン・ディクスン・カー の再来ということで。

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『私を猫と呼ばないで』 山田正紀 小学館

「消えた花嫁」
「親孝行にはわけがある」
「猫と女は会議する」
津軽海峡、冬景色」
「つけあわせ」
「女はハードボイルド」
「窓の見える天窓」
「恋の筑前煮」
「カゴを抜ける女」
「スイサイド・ホテル」
「恋のコンビニ愛のチップス」
「足りないものは何ですか?」
壁の花にも耳がある」
「私を猫と呼ばないで」

かろやかな恋愛小説のような軽めのミステリ小品集。

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『失踪者』 ヒラリイ・ウォー 早川ポケミス

捜査官は鑑識官とは違う。

殺人事件の現場に第一に駆け付けても、

現場保存以外は何もせずに、

死体発見者に「何もしないの?」と糾弾されても、

平然と「鑑識がまだ来てない」と切り返す主人公が、

体裁を整える為に仕事してる振りではなくて、

本物のプロの矜持が感じられてデラかっちょええ!

例によって若い美人が被害者だが、

推理の過程で被害者が悪党だった可能性も語られるのが、

美女を無条件に良いものとしない

論理的な本格推理で素晴しい!

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『自己チュー親子』 諏訪哲二 中公新書ラクレ

本書のベストセリフ

『いろいろな人の視点を取り入れないで

「自己」がどんなに純粋に考えても無効である』


社会性や公共性という概念が理解出来ない

自己中心主義が何故生まれたか、

どうやってまともな社会人にするかを考察した本。

自己チューなキチ○イの例として、

亀田兄弟とか秋葉原通り魔の加藤とか、

時事ネタも入れてるので、

判り易くてよいだろう。

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「荒俣宏と立花隆と宮崎駿を足して3で割らない」大巨人小松左京氏死去

2011年7月26日午後4時36分、肺炎のため大阪府箕面市内の病院で死去。80歳だった。

小松氏が小説書いた動機は、

ラジオも無い貧乏暮らし時代に、

妻に娯楽を与える為、

妻に読ませる為に書いたのが第一作だというエピソードは良いよな。

人を楽しませる為に書くのが小松氏の創作の原点である。

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