フジロック2009 7月24日(金)参戦記


 今年もこの旗がはためくのを見ると、「ああ、来たなあ、1年経ったのだなあ」と思うようになりました。天気も悪かったし、準備しながらぐずぐずしていたので、越後湯沢に着いたのは11時半。

ここから

ここまでで1時間くらいかかりました。結局シャトルバスは1時間半待ち。

今年はキノコゲート。バスを降りた瞬間は降ってなかったけど、途中でガンガン降ってくる。ああ、これはもう一日降ったりやんだりだな、と腹をくくる。バスを降りるときに、既にポンチョは被っていたけど、結局、帰りのバスに乗るまで被りっぱなしだった。

帽子を被って大きめのポンチョを羽織っていると、フジロック2009というよりフジロック999という感じの格好でした。


清志郎画伯のキャラが三次元化してお出迎えです。清志郎の歌を聖火のように絶やさず鳴らし続けるために、自転車で人力発電してました。

もう2時過ぎていたので、まずは腹ごしらえ。もちぶた丼。

1杯目のハイネケンを手にグリーンへ。



ステージ向かって左手の中腹の木の梢の下に椅子を広げて陣取ります。DOVES、最後の曲しか聴けなかったけど、思い切り盛り上がっていた。ちゃんと聴きたかったな、と後悔。


雨も降ったりやんだりなので、もう一歩も動かないことに決め、リリー・アレンを待ちました。って、ビーフ・ジャーキーでビール飲んでただけなんだけど。結局、リリーが始まるまでに2杯目に手が伸びました。
 リリー・アレンは最初お面を被って出てきました。あれ誰のお面なんだろう?よく見えなかったけど、ポール・マッカートニー?目の辺りは白くペインティングしてます。黒のミニスカドレスです。ヒールも結構高かったみたい。ふわふわした曲が、この時間帯にあっていたなあ。「Smile」とか。でも、堂々としたものです。やっぱりかわいいです。この後、夜中にもなんかやるそうで、若いってすごいなあ、と。



 この後は、トイレに行って、五平餅で小腹がすいたのをなだめ、3杯目のハイネッケンをゲットします(デジカメ写真は撮影時間見れば、いつ撮ったか分かるので、便利だね)。上の写真では、巨大な五平餅が出現したみたいですが、普通のサイズです。むしろ、今年はどのお店も若干値上げで量は少なめだったような気がします。



 今日の勝負所です。はい、次はパティ・スミスです。

モッシュビットに始めて入りました。近い!モニター無しでも表情まで見える!

リハーサルが始まりましたが、・・・。あれって?"Tom!"誰かが叫びます。やっぱり、そうです。元テレビジョンのトム・ヴァーレインです!近年は一緒にずっと活動しているみたいなので、期待していましたが、ちゃんと来てくれました!テレヴィジョンの再結成来日以来です(って、何十年昔だ・・・)!嬉しい!
 やっぱり、出てきたときには興奮しました。ジャケットに帽子被って小柄な感じでした(というか、隣のレニー・ケイがでかすぎるのかも)。本当にここが好きなようです。「世界一美しいロックフェスだわ、この美しい景色を見てみなさいよ」と後ろを指さして言っていました。振り返ってみると、確かに山に囲まれたすり鉢の底なんですね、ステージが。観客はステージしか見ないけど、ステージの上から見える景色ってここはすごいだろうなあ。本当に巨大な自然のスタジアムという感じ。"Redondo Beach","Dancing Barefoot","People have the Power", "Because the Night","Ghost Dance","Rock'n Roll Nigger",""Gloria"なんかをやりました。トム・ヴァーレインはずっと後ろの方で座ったまま弾いていました。集中して、ポエトリー・リーディングから入る"Rock'n Roll Nigger"の入り方なんか、やっぱりオーラ出てました。
 演奏は、ステージが進むにつれて暖まってきたような感じで、最後の"Gloria"は思い切り盛り上がりました。よく見えなかったんですが、ステージ降りてきて前の方のファンに応えていたみたいです。
 マイケル・ジャクソンに捧げると言っていたこの曲、何だっけ?


 さて、相変わらず、雨は降ったりやんだり。ステージ前の辺りはアスファルトが引いてありますが、その後ろは舗装も芝生もなく、泥沼になっています。くるぶしまで沈むようなところもあったみたいです。椅子を用意している人は、芝生がある辺りまで引いているのが一目で分かります。いよいよ暗くなってきました。
 また、トイレに行き、ここで鮎の塩焼きと一番搾りを手にグリーンに戻ります。今年は、ビールもハイネッケンだけではありません。ちょっと選択肢が広がりました。鮎の塩焼き、旨いです。こういうところで食べるとやっぱり最高です。ウエットティッシュが本当に役に立ちます。スーパーの袋をカラビナでウエストバックに止めていたので、そこにゴミはポイポイ入れて、トイレに行くとき道すがら分別ゴミに捨ててましたが、これは便利でした。ビーフ・ジャーキーもここに入れていつでも摘める状態。これでビールが進まない訳がない。
 この完全装備体制で、椅子に戻りポール・ウェラーを迎えました。ここで、雨がかなり激しくなってきました。梢の下なので少しは楽だったかもしれないですが、それでも、木の梢で多少は止められますが、枝の先に近い中途半端なところだと、水滴が貯まったところでボトって落ちてくるだけです。
 でも、素晴らしい演奏でした。「この天気はプレッシャーだな」と言いつつも、本当に彼自身も観客も彼の音楽を楽しんだなあ、と思います。フェスと言うこともあり、The Jamの曲も"Town called Mallice"に加えて、なんと、"Eton Rifles"までやってくれました!スタカンの"Shout to the Top"から、"22 Dreams"の曲まで、時代ごとにスタイルを変えてきたのに、それが一つのステージの中で違和感なく彼の音楽になっていた、という感じです。力入った素晴らしいステージでした。この前の単独公演とそんなに曲は変わっていませんが、あの土砂降りの雨の中、あの場で聴くのは、格別でした。
 もう、この辺から、雨なんてどうでもいいや、という開き直りに達しました(笑)。ここまで、めんどくさいのでずっと履いてきたスニーカーでしたが、これで使わなければ何しに持ってきたんだ?ということで、折りたたみ式の長靴に履き替えました。こういうときには、椅子があると本当に助かります。
 終わったところで、また、トイレ、そしてカレーを晩飯に食べました。もう、グリーン→トイレ→オアシス→グリーン→・・・の無限循環地獄です。他のステージをチラ見しに行くこともできたと思いますが、雨であちこち動き回るのが嫌になったので、もういいや、という感じです。雨も激しく、飲み物はすべて雨水割です。カレーも薄味で水っぽくなりますが、もういいよ、なんでも!という感じです。いい加減にビールも飽きたので、ここは日本酒でした。新潟の地酒、「湊屋藤助」というのを飲んでみました。フルーティーでうまかったです。さすが新潟、酒に外れはありません。

 グリーン→トイレ→オアシス→グリーン→・・・の無限循環地獄にとどめを打ったのはオアシスでした。グリーン→トイレ→オアシス→グリーンでオアシス、で無限巡回のループは一点に収束です。
 こちらも、単独来日と同じような構成でしたが、この大観客と大雨で彼らも気持ち入ってました。単独公演だと9回完投しなければいけないので全体的な流れを考えるところもあると思いますが、フェスで時間も短めなので6回か7回いけるところまで飛ばすという感じです。そういう事情もともかく、やっぱり、彼らはこういう環境だとやっぱり気合いがすごく入り、しかも、それが結果に出るタイプなんじゃないのかと思います。勝負所に強いという感じです。そこの頼もしさが、やっぱりファンの信頼感につながり、という、サッカークラブみたいなバンドなんだなあ、と思います。タンバリンを口にくわえたり、頭に乗せたり、と猿のような芸しかないのに、それを世界中の誰よりも堂々と偉そうにやってみせるリアムのあの態度がやっぱりスゲーなあ、と思います。その意味では、彼の一番の芸は世界一偉そうなデカい態度なんだと思います(本気で称えてます)。それと、気持ちを入れながらも、しっかりとギター弾くお兄ちゃんの職人っぷりもやっぱり漢という感じです。
 最後の"Don't Look Back in Anger"大合唱もやはり楽しかったです。


 セットリストは、みんな、大体ここにある最近のセットリストです。9割方は同じだと思います。