サンシャインスーパーマン

♪小学生くらいの男の子
 世界のどこまでも飛んでいけよ
 ロックンローラーになれよ
  byくるり





瞼の先を交差する斜線に思わず空を見上げるように、
年の瀬とは人を振り向かせるものだ。
たった一年ではこれっぽっちも代わり映えしないが、
然もいろんなことが起きたように思わせたいのだろう。
今日この時はサンシャインスーパーマン
迷うことを恐れるな快晴。
しとしとと降る雨のしずくも、
ざあざあと激しく降る雨の音も、
今はあっけないほど通り過ぎて、
瞼の塵と消えた。
あいつもオレも彼女も平たいテーブルに座って、
デジタルに変換された対岸の不幸を眺めている。
テーブルの端から堕ちていく同胞者は雨の柱となって、
深いのか浅いのか知らぬ夜の闇に溶けていく。
残るのはちょっとしたアイロニーに似た溜息と、
胸の芯を突き刺すビスのような鈍痛。
たよりない日常はいつまでもたよりなく、
いつか矢のような雨が降り注ぐそのときまで。
だから今年も有馬記念に賭けよう!
駆け抜ける馬がすべてを流れ去ってしまうまえに。
そいつはブエナビスタかオルフェーブルかは知らぬ。
ただ蹄の音が遠ざかり、消えうせる、
その刹那を瞼に焼きつけるがために。