(元)うつ病患者の独り言 for はてなブログ

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JASRACは...

  • JASRACは「放送通信融合」の敵か味方か--菅原常任理事に聞く:インタビュー - CNET Japan

はてなブックマークhttp://b.hatena.ne.jp/entry/http://japan.cnet.com/interview/biz/story/0,2000055955,20364047,00.htm
昨日取り上げた記事(http://d.hatena.ne.jp/hal_dynast/20071226#1198668324)の、はてなブックマークです。まあたくさんコメントが付いてること...皆さんの関心の高さが伺えます。
「取り敢えず話だけは聞こうじゃないか。」ということで、じっくり読み返してみました。
 
僕の結論から言います。

JASRACの『「放送通信融合」の敵か味方か』への答えは、現時点では決して味方になり得ない。
同様にCGMコンテンツにとっても、現時点では決して味方になり得ない。

CNET Japanの記事から、JASRACの主張を思い切って要約すると、

音楽著作権の管理は、Webも含めて全て我々の言うとおりにしろ。
そうすれば我々も儲かる。

 
まずこの引用。

 「JASRACの役割とは何か」と尋ねられれば、定款の第4条である「音楽の著作物の著作権者の権利を擁護し、あわせて音楽の著作物の利用の円滑を図り、もって音楽文化の普及発展に資すること」です。これは揺るぎようのない部分といえます。
CNET Japanより)

 時折、権利者の方から「分配金が届かない」といった苦情が持ち上がることがありますが、それは所属事務所との契約であるか、またはJASRACの関知しない権利であるかのどちらかと考えられます。
CNET Japanより)

この時点で言ってることが矛盾しています。二枚舌もいいところ。
 

個人的には「切り貼り」は創造にあらず、と考えます。
CNET Japanより)

このJASRACのお偉いさんは、多分ニコニコ動画のコンテンツを見たことがないのでしょう。
切り貼りから生まれたコンテンツには確かに「編集者のオリジナル」が存在して、それが何万回も再生してもらうだけの価値があることに気づいてないのですから。
 

それでもJASRAC管理楽曲を利用している以上、仕組みに当てはめる必要があります。その上でビジネスを成立させてほしいと願っており、またそれができると期待もしています。
CNET Japanより)

一昨日公開された、株式会社ドワンゴ・ミュージックパブリッシングとクリプトン・フューチャー・メディア株式会社の共同声明より引用。

5.音楽著作権の処理に関しては、現在のシステム・ルールがネット時代に即応できて いない不十分な部分が存在するという認識で一致し、

「今のやり方ではダメだ」とドワンゴとクリプトンが表明したし、多くのネットユーザーもこれに同調するでしょう。
 
個人的には、現時点及び当分の間「Web上に投稿されたCGMコンテンツは、JASRACに委ねるべきではない」と考えます。
今回のインタビュー記事で、JASRACには、Web上を中心としたコンテンツ管理の大きな変化に、対応できてないし対応する気もないことが明らかにされました。
そんなところに共有財産(と言っても良いでしょう)を預けられるわけがありません。
 
日本の旧弊が変化するには外圧が必要でした。JASRACにも多分外圧が必要です。
「Web上の優秀なコンテンツがJASRACに委託されず、著作権収入が入ってこない」という外圧が...
 
・参考リンク(12/28追記)

(月刊クラシック音楽探偵事務所:http://yoshim.cocolog-nifty.com/office/2007/08/post_7b9c.html)【8/10】
著作権がらみでWebリンクをたどって、こんなページを見つけました。
・例によって長文ですが、クラシックの作曲家を例にとって「著作権」というシステムの概要と弊害を、わかりやすく解説しています。
著作権がよく分からない方は、是非一読をおすすめします。

  • JASRACと信託契約を結ぶ場合の課題について

(栗原潔のテクノロジー時評Ver2:http://blogs.itmedia.co.jp/kurikiyo/2007/12/jasrac_e385.html)【12/20】
・現状の著作権管理がWebのCGMコンテンツに対応できない理由を、一言で表してくれてます。

おそらく、現状のスキームにおいて最もまずいのは、「着うたなどの営利事業の収益の一部はもらいたい、しかし、非営利の利用は自由にやってOK」というライセンス形態をサポートするうまい方法がないということではないでしょうか?

日経エレクトロニクスhttp://techon.nikkeibp.co.jp/article/TOPCOL/20071115/142431/)【11/15】
・こちらは今年赤丸急上昇のアイドルを例にとって、最近の著作権議論が「なんかおかしい」理由を明確化しています。

 一言で言うと「グレーゾーンは積極的に残すべき」ということだ。「権利侵害を無くす」「利益をクリエーターに還元する」という原理原則にこだわりすぎて,結局,誰も得をしないような制度やしくみを追加するほど愚かなことはない。

松浦晋也のL/D:http://smatsu.air-nifty.com/lbyd/2007/12/jasrac_bba1.html)【12/28】
・ノンフィクション作家が、またいい文章を書いてくださいました。
・元情報が古い(本人言)ですが、JASRACの内情暴露です。なるほど、これではWebに対応できないわけだ...