インド旅行(2002年8月7日〜14日)

日程

8月7日(水) 関空14:00発(エアーインディア)−21:00デリー着 インペリアルホテル泊
  8日(木) デリー観光 インペリアルホテル泊
  9日(金) デリー(列車で)−ジャイプール ジャイマハールパレス泊
 10日(土) ジャイプール郊外観光     ジャイマハールパレス伯
 11日(日) ジャイプール(バスで)−アグラ ムガールシェラトンホテル泊
 12日(月) アグラ観光後、列車でデリーへ インペリアルホテル泊
 13日(火) デリー観光 夕食後空港へ デリー(エアーインディア)23:15−
 14日(水) 12:35関空

出発まで

 三男が来春に高校受験を控えているため、夏の旅行をあきらめていたが、7月に急遽思い立ち、前から行ってみたかったインドへ行くことにした。アジャンタやバラナシなど行きたい場所は他にもあったが個人旅行の8日間なので、あまり欲張らず、デリーを中心とした北インド3都市を巡る旅とした。航空券とホテルはHISに手配を依頼し、国内の移動は列車とバスにし、現地で自分たちで取ることにした。ホテルの選択基準は、足場のよい高級ホテルをリクエスト。トリプルルームを予約した。

8月7日(水)

 期待とやや緊張しながら暑い中、自宅を出発。香港経由のエアーインディアは満員。機内でお酒の提供がないとの情報もあったので、頼もうかどうか迷っていたが、思い切ってビールを注文するとすごい迫力のアテンダントからどーんと2本出されてびっくり。夫はそれで隣の座席の京大経済学部の先生と打ち解けて香港まで楽しくしゃべることに。先生はゼミの学生を連れて深せんの工業特区を見学に行くそうだ。これからはインドの時代になるというような話をしている。実際、どうなのかしらん。
 香港で日本人を含むほとんどの乗客が降機。空いてるのかなと思ったら、今度は彫りの深い浅黒い顔をしたいわゆるインド系の人がどっと押し寄せ、満員に。なんとなく機内がカレー臭に覆われた気がするのは気のせいか。
 夜、21:00デリー到着。荷物とタグを出口でつき合わせて確認され、インド入国。これって勝手に持っていくのを防ぐためか。問題はここからである。長男が1年半前にインドに来たときには、ここで客引きにだまされ予約していたホテルをキャンセルさせられ、安宿に連れて行かれ安いツアーに放り込まれたそうだ。これを防ぐためにプリペイドタクシーに乗りホテルの名前を告げる。真っ暗な中、土地勘もないところでどこへ連れて行かれるか不安だったが、無事インペリアルホテルに到着。ドライバーに明日のアレンジなどを誘われるが、わからないふりをして断わる。
 インペリアルホテルはコンノートプレイスに近い1933年創業の由緒正しきホテル。やや古いが天井の高いクラッシックな部屋に通される。一息つく。

8月8日(木)

 今日の仕事は明日のジャイプール行きの鉄道切符を買うことと、市内観光。
昨夜は暗い中着いたので周囲がどうなっているのかまず確認する。
インペリアルホテル

 ホテルを出てすぐの場所

ホテルの敷地を一歩出ると、道路を挟んだ向かいに屋台のようなものがあり、そこに数人が寝ているのを発見。中と外は大違いである。これから行く先々でこのことを実感することとなった。少し散歩すると街路樹にリスがいる。街中でリスとはと思ったが、これからいろいろな動物を見ることになる。朝食はパン、飲み物、卵、果物を注文する方式で、味も雰囲気も高級。団体客は見かけず個人客だけだった。
観光に際し、不慣れな場所なので安全を優先し、ホテルのツーリストの車を1日雇うことにする。高級車である。
 まず、鉄道の切符を買いにニューデリー駅へ。途中も駐車した場所も人がいっぱいである。2階の外国人専用窓口に行くがパスポートが必要と言われ、取りに帰る。並びなおし、明日の早朝のジャイプール行きとアグラからデリーに帰る夕方の列車を予約。インドの新幹線といわれる特急シャダブディエクスプレスでも3人でそれぞれ33ドルと27ドルとびっくりするぐらい安い。外人はドル払い。しかもお札の番号を1枚ずつ控えるので時間がかかる。とりあえず買えて一安心。
 ここからは、まずオールドデリーへ。ジャマーマスジッド(ここで見学料をぼったくられる)

ラールキラーなどを見学。どこも赤い色が印象的。

フマユーン廟

昼食はインド料理。午後は、郊外のクトゥブミーナール、

アラーイーの塔

トゥグラカーバード

 ニューデリーでは牛は減ったと聞いていたが、やっぱり野良牛はいた。子連れの路上生活者もいる。赤ん坊がはいはいしながら道に落ちたものを拾い食いしている。大きくなれるのだろうか。

8月9日(金)

 ジャイプール行きの列車は早朝の出発ということで、朝食はルームサービスを頼んだ。午前4時半、すばらしい朝食がテーブルごとやってきた。まるで王侯貴族の気分。ちゃんと列車に乗れるか内心どきどきしながらタクシーで駅まで。駅の案内でプラットホームを確かめる。駅の構内や通路で寝ている人がたくさんいる。薄暗いのでその人たちを踏まないように気をつけながら進む。何人かに場所を尋ねそれらしき場所に到着。シャダブディエクスプレス。

 なんと列車の入り口に乗客リストがはってあり、私たちの名前もある。すごい世界だ。乗り込むと、新幹線とは言わないが、ペットボトルも置いてあり、食事もでる。これで、1人11ドル。しかしインドでは最高級のはず、乗客の身なりもよい。すぐそばのたぶん2等の列車は押し合いへし合い人間が鈴鳴りの満員列車。
 特急と言いながら、割合ゆっくり進みジャイプール到着。突然たくさんのポーターが乗り込んできて荷物を持っていこうとするので自分で持つからと断わると不思議そうな顔をされる。1等には1等の振る舞いがあるようだ。が、やっぱり慣れない私たちは自分で荷物を持ち駅の外に出ると、大勢のリキシャ引きに取り囲まれ立ち往生。駅長さんらしき人に待合室まで連れて行かれしばし待つ。ようやく、人ごみがおさまったところで、外に出てタクシーでホテルまで。

リクエストしたマハラジャの狩猟用ロッジ、ランバーグパレスは取れなかったが、大臣の公邸だったというジャイマハールパレスへ。ここも充分豪華。途中で荷物を運ぶラクダを見る。砂漠の入り口なのでラクダがまだ使われているらしい。もちろん牛も、豚もいる。
 ここでインド定食を食べ、アンベール城へ。



ここは象に乗って城までいけるというので人気があるが私たちは車で。今度は途中で野生のクジャク発見。動物でいっぱいだ。朝早くから起きて疲れたが、ホテルのプールのぬるい水につかって泳いでいたら元気回復。夜は渋る夫を説得し、リキシャで外のレストランへ行く。

8月10日(土)

 昨夜の間にホテルの車をチャーターし郊外のアジメールとプシュカルへ行くことを思いつく。交渉がまとまり果物を買って出発。おそろしくエアコンの効いた高級車で一路アジメールへ。対向車が来ているにもかかわらず、ぎりぎりのところで追越をかけるので恐ろしいことこの上なし。トラックがほとんどだ。途中のホテルでオートリキシャに乗り換えアジメールへ。家と家の間のこんなとこ通れるのと思うような曲がりくねった細い道をすごいスピードで進む。まるでジェットコースターに乗ったような感じ。部屋の中も丸見えだ。モスクの前は人でいっぱい。靴を脱いで入る。



赤い建物ばかり見ていたので白い大理石の建物が珍しい。何がなんだかよくわからないほどめまぐるしく、貴重な体験だった。
 車に戻り昼食後はヒンドゥー教の聖地プシュカルへ。


 ここでも靴を脱ぎ、3人別々に案内される。これが曲者だった。息子はわけがわからないままに持っていたお小遣い全部を喜捨としてさしだす羽目に。
 帰りもまたおそろしい追い抜き競争。ホテルに着いたらやれやれだった。

8月11日(日)

 今日はバスでアグラへ。面倒なので手配を頼んだらバス代よりも手配代のほうが高い。エアコン付きのバスで出発。

 途中休憩一回。赤い建物があって大勢人が降りた所があった。後でファテープルスィークリーとわかる。結局翌日行くことになったが、わかっていたら降りて見学し、次のバスに乗ったのに。しかし乗れたかどうかわからないので、これでよかったか。まだまだとのんびりしていたら隣の席のおじさんがアグラだと教えてくれる。あいにく雨も降り出してきた。あわててリキシャに乗りホテルまで。雨にぬれてひどい格好でシェラトンまで行く。高級ホテルシェラトンにリキシャで乗りつける人はいないようだ。取りあえず部屋に通してもらえたが、何だか半地下のような部屋だった。あの格好では足元を見られたのだろう。仕方がないか。明日の晴れを祈る。

8月12日(月)

 いろいろツーリストにあたったが、結局ホテルのツーリストオフィスでタクシーをチャーターし夕方まで観光をすることに。
まず、タージマハルへ。
白い大理石の夢のような建物。靴を脱いで見学。あばら家が立ち並ぶ外との落差もすごい。





対岸のアグラ城も見える。ついでアグラ城へ。シャージャーハンは何を思ってここの塔にいたのだろう。
ファーティプルシークリーへ。赤い建物。




途中の道に熊遣いがいる。ロマの人たちはここから出て行ったのだとか。
大理石のみやげ物は買うのをあきらめ(重いし、買っても置くところがない)アグラ駅へ。
 夕方の列車でデリーへ。

真っ暗な中、インペリアルホテルへ到着。

8月13日(火)

 今日は国立博物館をじっくり見て、のんびり。オートリキシャで行く。あまりにも展示物が多くてあきれる。
オートリキシャでみやげ物を買いにいく。ルピーをドルと言い変えられて料金をぼったくられそうになる。こんなこともありかと、ルピー札を握りこんでいたので、さっさと置いてリキシャから離れる。日本円にするとわずかかもしれないが、悔しいし。
ホテルで夕食を食べ、空港へ。

旅行を終えて

 急に思い立ち、バタバタと準備したわりには、行程はスムーズだった。個人で行動して宿泊は高級ホテルという国内旅行ではよくあるパターンをインドでもやろうとしたわけであるが、ホテルの施設は充分使いゆっくりできた。日本では泊まれないような豪華なホテルにビジネスホテル並みの値段で泊まれたので満足感は深い。もちろんインドでは大金である。日本ではしたことがない運転手付きの専用車で自分たちの行きたいところを観光した。ホテルが高級であるため、ホテルの観光業者を利用すると割高ではあるが、変なことはしないだろうという安心感はある。ホテルの内と外の落差、列車の1等と2等の差。日本と比べると階級差と貧富の差が、はっきり見える。。日本のお金を持っていけば超一流、しかし気分は中流、振る舞いや服装は中の下、英語もあまりできないし。私たちも落差を感じたが、現地の人も私たちを見て落差を感じただろう。個人旅行をしていると、団体旅行と違い日本人同士の中で気を遣わなくてもいい分日本人としての自分の立ち位置が少しずつ見えてくる。これをどう受けとるかで、欧米好きと途上国好きとに分かれるのかも。途上国では円が遣いでがあるのは魅力的。
 この旅行では、カレーはほとんど食べず、タンドリーチキンやスープが多かった。前にネパールに行ったときに、当分カレー味のものを食べたくなかったのでやめた。夫や息子からはインドに行ったのに全然カレーを食べなかったと文句をいわれた。タンドリーチキンはおいしい。出来立てのナンも美味。ビールが飲めるレストランは高めでほとんど観光客向けのようだ。ホテル近くのマクドナルドでベジタリアンバーガーを食べてみればよかった。幸いおなかをこわすことなく帰国。