最近思う、一番怖い事。
「がるぐる!」の次の巻が、下巻ではなく中巻だったら…。
「日本 沈没中」じゃないんだから。<注>「日本 沈没中」とは小松 左京「日本 沈没」がブームだった頃、「日本 沈没」が上下巻なのに目をつけ、わざと「中」を語尾につけた本。 上中下巻だと勘違いして買った人が多数いた、と昔誰かが言ってた。
内容を要約すると、「馬鹿にも程が有る」
バカだ! あいつバカだ!(ゲラゲラ)
素晴らしく駄目です、この小説。 それがいい。
もう、出てくるキャラが大概に痛んでいるのが堪らなくよろしいです、私には。 特にヒロインの静刃の傷んだ人間っぷりは素薔薇しく、ここまで感情移入を阻害されるキャラも珍しいですよ、はい。 個人的傷んだキャラランキングトップのキース・“真顔の変質者”・ロイヤル(魔術師オーフェン・無謀編)に匹敵する位でした。 長生きはしてみるものだ、とこういうのでは余りしたくありませんでしたけれど、そう思いました。
それから、素晴らしくバカです、この小説。 それがいい。
特に、山田風太郎基本メソッド「忍術って言えばなんでも許される」と石川賢基本メソッド「死ぬまで殴れば人は死ぬ」の変形、「記憶をなくすまで殴れば記憶をなくす」は素薔薇しい。 その内でも「忍術」なんかはさらに格別。 ほとんど超能力なのに、あとがきで「一部、正しい忍術描写ではない」とか、しれっと言い抜ける嘘吐きっぷりはたまりません。 超ツボ。「・・・変なツボ」
それに、気を抜くと全く話が進まないのもまたいい。 一冊の内で3回も「話が進まない」っておのずから言う小説ってのも、これは珍しいんじゃないでしょうか。
それからそれから、「転校生と社会の裏側」という方法が既にギャグにしかならない事の証明としても興味深い。 現代ファンタジーあるいは現代学園異能がもうメタな使い方が出来るまでになっている*1、というのはなかなか面白いことであるなあ、とかなんとかわけもなく思ったり。
とにかく気に入りました。
*1:「フルメタル・パニック!」とか先例はあるにしても
内容を要約すると、「馬鹿にも程が有る2,0」
バカだ! あいつらバカだ!(ゲラゲラ)
バカにバカっていう方がバカなくらい相変わらずバカなんですけど、これが「02」以降、音沙汰が無い事がよくわかりました。
一応の原因を立てる。*1
危険球投げ過ぎ。 カク・レンジャー*2とかその後の危険な発言とか川崎さんとかドリルとか、とにかく行き過ぎ。 まあ、前巻もネクロとかありましたが。
全体の感じは「話しが進むようになったなぁ」というのと「貧乳テコ入れ」という按配ですけれど、忍者ネタが少なくなったのが少し残念と言うか。 計算尽くで書かれた駄目会話は相変わらずで良かったんです。 疑問が一周して戻ったりとか。 それがメイン3人が出番の少なくなる後半ではあんまり見れないのがまた、残念と言う。
むー、バカ小説を持続させると言うのは難しいんだな、とかつくづく思いました。 つうか「撲殺天使ドクロちゃん」はやっぱりすごいんだな、とも。
内容を要約すると、「どうすればこんな駄目女が出来あがるのか、上」
直接の続きから2年ぶりの本編です。 まあ、去年一昨年は共に脚本原作仕事が詰まってたから(特に去年)、そういうこともあるって事でお咎めは出来ません。 まー、今年もあるっちゃあ、あるんですが。
さておき。
そのせいかどうか知りませんが(そのせいだけど)話の展開は風雲急を告げると言うか告げなきゃ終わらない状態で進行。 自分でもどうするつもりだったのかわからない伏線を仕方が無いので無理くり処理しているのがとても印象に残りました。 とりあえず、英国王室とヒマラヤ山脈はありえないんだぜ。 次の巻で本当に終わるのかこれ。
読子さん過去話編は割りと奇麗と言うか、こうであって欲しいと言う流れでうれしい限り。 ジョーカーほんと腹黒いやつな。
そしてあとがき。 そののテンパリぶりは軽やかにスルーしたい。 とりあえず駄目悟りを開き過ぎ、とだけ。