感想 とよ田みのる 『FLIP-FLAP』

FLIP-FLAP (アフタヌーンKC)

FLIP-FLAP (アフタヌーンKC)

 大体の内容。恋するピンボール
 見所。山田さん。己の目指すものに全力な人は美しく、そして可愛いです。しょぼしょぼもいいですが、EXPO会場でひたすら嬉しそうな山田さんが、素晴らしすぎる。素晴らしすぎる。素晴らしすぎる!
 それはさておき。
 ネットをくぐっている時に作品名を知った時には、「おされでしょ? おされでしょ? はっ」という侮蔑含みの視線で記事どころか題名すらを流し読んでいましたが、後になって作者がとよ田みのると書いてあったの思い出し、「ラブロマの人か。ほぅ」となって名前を覚え、今日本屋で現物をちょろっと立ち読める機会があったのを活用した瞬間に「買う!」と決めると言う流れで手元に入いりました。後のことは推して知るべし。
 お話としては、とよ田みのるだなあ、という感じなんですが、とにかく妙に躍動している熱いお話でした。端緒であるラブロマンスはむしろ脇だろうという位に血沸き肉踊りましたよ。やってることはピンボールです。が、それだから、それだからこそ熱いんですよ。BGMとして「six strings hero」を選択したので余計に熱く感じてしまいました。というか途中まで読んで、「これ以外に無い」と思い立って、速攻で曲変えたんですけれども。分かる人にはそれだけでどれくらい熱いか分かろうと言うものです。
 さておき。
 積極的に「連射王」を連想しながら読んだのも、この漫画が楽しかったことに影響しているかもしれません。なにせ、端緒は違うものの、方向性はまるで同じでしたから。自分のやってることに思い悩む様をみると、ついつい「お前はまだ、まだまだだ!」という類の言葉が自分のうちから出てしまった所とか、染まっていってそのゲーセンの住人化したのを見て「大きくなったな……」と遠い目をしてしまった所とか、もう本当にそっくり。つまり、そういう話です。「連射王」がいけた人には力強く強く強く強くお勧めしたいです。むしろこれが大丈夫だった人には「連射王」とかに手を出して欲しいくらいですよっ。……無茶ですかそうですか。
 キャラ的なものの見方でいうと、山田さんの可愛さが際立っています。造形的にというよりは、存在的に可愛い。先にも書いたようにピンボールをしている時やそれに絡む話の時の活き活きしている様はとにかく可愛いです。可愛いです。可愛あlloRo(#kいg可愛いです!
 さておき。
 正直、元どころか後三冊くらい買っても文句無いくらいに堪能しました。ああ、漫画だ。とにかく漫画だ。いい意味も悪い意味も含みもなく、漫画だ。やっぱり、とよ田みのるは漫画を描く人なんだなあ。
 いい漫画でした。