半坪ビオトープの日記

荒磯魚見根神社


白間津からさらに千倉駅に向うと千倉の市街地に入る手前、惣戸の集落の西外れに荒磯魚見根神社がある。フェニックスが生える南国的な境内の高台の上に社殿が見える。

石段を上り鳥居をくぐると蘇鉄に囲まれた石段の先に赤い社殿が建っている。

荒磯魚見根神社は、白雉年間(650~54)惣戸村の開村以来、惣戸(古くは古津渡)区民の氏神「春日さま」として崇敬篤く「天下太平」「大漁万作」の守護神とされている。宝暦年間(1751~64)に奈良の春日大社を魚見根山に勧請して春日神社として創建したが、寛政4年(1792)に荒磯魚見根神社と改めた。拝殿の向拝虹梁の彫刻は、刻銘が後藤利兵衛橘恒光となっているが、橘恒光は義光を名乗る前の名前と考えられ、後藤義光の作品とされている。しかし、この彫刻の出来は余り芳しくないので、やはり別人ではないかと思う。

隣接地の八雲神社・熊野三社・八幡神社を昭和初期に合祀した。

拝殿内部を覗いてみると、旧拝殿と思われる小さな社殿が見えた。祭神として、天児屋根命を祀る。

裏に続く本殿も、覆屋に覆われているようで、中に旧本殿があるのではないかと思う。

正月2日に執り行われる湯立ては、今に残る珍しい神事とされる。
7月の祭礼では、千葉県の指定無形文化財である惣戸三番叟が奉納される。この三番叟の初演は、江戸時代後期に地方廻りの歌舞伎が民間芸能として祭礼に取り入れられ、村人の娯楽を兼ねた神事舞となったと考えられている。この狛犬は、弘化2年(1845)に作られたもので、肩にかかるふさふさのたてがみが頼もしい。