北海道旅行2日目・帯広競馬場へ

8時半過ぎまでぐっすりと寝ていた。窓から外を見ると、うっすらと白い。昨夜、雪が降ったようだ。
いよいよ、ばんえい競馬の観戦に、帯広競馬場へ。足元が悪かったけれど、せっかくなので、微妙な雪かき状況の中、徒歩で競馬場に向かう。
9時40分頃、到着。

開門して間もないみたいだ。張り切って8時半とかに出てこなくてよかったw
入口にそびえ立っているのが、イレネー像らしい。

ちなみに今日はそのイレネー記念がある。BG1となっているが、きっと「ばんえいのG1」という意味なのだろう。
反対側には、専門誌の売店があった。自分が昨日、駅の売店で買った「競馬ブック」のほかに「馬」そして「ばんえい金太郎」の3誌らしい。前2者が500円、金太郎は400円。中央における馬三郎みたいなものか? 記念に買おうかとも思ったが、1誌でさえ見方がわからず持て余している状況なので、そのまま100円を払って入場。

北海道旅行2日目・ばんえい競馬観戦

建物の入口で出走表と、賞金順にランク分けされた馬の一覧表をもらう。いきなり謎のおっちゃんに話しかけられる。
「スープ美味いぞ。そこでもらえる。」
中に入ると、関係者だろうか。紙コップでコンソメっぽいスープを注いで配ってくれた。冷えた体には確かに美味い。ついでにさっきのおっちゃんに、予想の仕方でも聞いときゃよかったか。

中はまだ準備中といった雰囲気。というか、明らかに昭和のニオイがする。南関東以上ですよこれは。

ファンルームやらファミリールームやらあるのだが、明らかに昔は発売所として使用していたところだろう。この窓口がいっぱいになるほどに盛況だったのだろうか。謎の娯楽設備もある。
壁面には、至るところに「雪に願うこと」のポスターが張ってある。どう見てもこれが一番新しい掲示物だ。
何か朝飯代わりに食べようと思ったが、まだ営業していないので、グッズ売りの売店を眺める。何か買おうと思っても、時々、受付のおねーさんがいなくなる。きっと朝は忙しいのだろう。過去レースを見ながら時間をつぶす。
10時を過ぎて、発売が始まったらしい。窓口が2つだけ開いている。とりあえず記念に単勝馬券を購入…馬名の表示が無い(´・ω・`)
改めて新聞を眺め検討を始める。馬場水分が6%を超えるので、軽い馬場なんだなと、このくらいは勉強してきたのだが、どうも過去の成績と予想の印との関係というか、根拠がわからない。今日の予想は、「馬3人7」と言われる騎手の技量(リーディング上位の藤野や坂本、鈴木勝などから入る)と帯広適性(といっても帯広の成績を見るだけ。しかも来年度から使えんしw)、軽馬場適性(5%以上での成績のよいものを拾うだけ)に絞って考えることにした。とりあえず、1R・2Rと2千円ずつ購入。
10時半を過ぎ、馬場と反対側のパドックを覗く。だれもいない・・・。パドックないの?と思っていたら、ようやく出てきた。

全体的にモコモコっとした体型だけど、さすがに迫力がある。排泄行為も豪快。瞬く間にホカホカの小山や水たまりが出来上がり、1キロ単位で発表されている馬体重の意義を思わず考えてしまう…。まだ若駒なせいか、馬っけを出して左右にブラーンブラーンとさせている奴も。

奥の2番、これでも半分ほど収納後・・・参りました、完敗です。
騎乗命令がかかり、騎手が鞍をつけずに直接跨る。そのまま馬場へ入場していくと、いよいよかな、という雰囲気が出てくる。というか、建物の横を通って即、馬場入場なので早い。場内モニターを見ると発売締切まで10分を切っている。そこに表示されたオッズが新聞と比べてもどうも腑に落ちない。念のため友人が買った「馬」と比べてみると…全然印が違うw 
建物を通り抜けて馬場の方に向かう。スタンドには人影は無く、ほとんどが建物の中。

旧トラックコースだろうか、ばんえいコースのかなり近くまで観戦用に開放されており、レースになると、コース前に人が集まるもんだと思ったが、まばらな人影はほとんど観光客っぽい。だってみんな写真取ってるし。
地方競馬というと、締切1分前から長く、発走が予定時刻から結構遅れるというイメージがあるのだが、この雰囲気になじんでしまえば、時刻がどうなっているのか不思議と気にならない。曇の寒空の中、係員のおじさんが、第1障害の後ろ、馬場の真ん中まで歩いてきて、やおら白旗を振り出す。とファンファーレ。そこで振るのかw しかもそのままスタートの合図までこなしてるしw
ゲートが開くと、各馬が一目散にソリを引いて第1障害に向かっていく。中には小走りの馬も。そのままの勢いで、あっさりと乗り越え、第2障害へ。

ここでさすがに各馬の脚色がにぶり、休み始める馬が出てくる。脚を止めては騎手に手綱を引っ張られ、また歩き出す馬もいれば、ゆっくりながらも休まず歩き続ける馬もいる。そんな感じで、高さのある第2障害手前では、各馬横一線に並んで、力をためる。

最後尾の馬が障害前にたどり着いた頃だろうか。1頭の馬が騎手の仕掛けに反応し、太い前脚で力強く障害を登っていく。そのまま一気に駆け上がり、障害をクリア、最後の直線へ。続いて1頭、また1頭と障害に挑む馬たち。

途中で膝をつきながら懸命に登る馬、一気に行けずに坂の途中で再度力をためる馬、騎手のムチにもなかなか一歩を踏み出せない馬・・・。
参った。これは見ていて力が入りますよ。目の前で見たその迫力に圧倒。これでも、斤量600キロ以下、水分6%以上の軽馬場だというのに。また、騎手もすごい。障害を下る時なんて、普通に考えると手綱を引いてバランスを取りたくなっちゃうけど、それじゃ馬が止まっちゃうし。
1Rは、早々と障害をクリアした馬が、そのまま止まることなくゴールに流れ込んだ。勝ち馬はキンサクラ…買ってない。ばんえいでもやっぱり2着3着でハズレ。ワイドや三連複がないので3着を馬券にするには複勝しかないのがつらいなぁ。
障害の勢いが最後の直線に直結するというわけでもないらしく、疲れてしまったのか徐々に脚色が鈍る馬(中には止まって休む馬も)、逆に、小走りでゴールを目指す馬などもいて、油断できない。
2Rもハズレ。ともに馬単で30〜50倍くらいの、中穴っぽい結果。ホントに新聞の予想があてにならんw 3Rは、◎が並んでたぶん大丈夫だろ、と思う馬の複勝を千円購入!勝負だ!
「・・・え〜」
友人の視線が冷たい。いや、こういうのは勢いが大事なのだよワトソン君。
ここでようやく営業を始めた食堂で朝食を取る(12時に限りなく近いけど)。帯広名物豚丼かなとも思ったが、市街でのお楽しみに取っておくことにして、軽くかしわうどんで腹を満たす。うどん自体はうーん…という代物だったが、ここでそれを求めてはいけない。この雰囲気こそが最高の調味料なのだ。
3Rは勝負馬券がようやく的中。1.2倍もついたよ、やったぁ!他の買い目が外れて取りガミだけど!ここでハイテンションにならなきゃ、もう盛り上がれないかもしれないしw
しかし、ここから確かに流れが変わった。続く4Rで軽馬場適性に賭けて流した△2個のみの馬が、2着に頑張る。被った人気との組み合わせでも15倍ついて、少しずつ、ホントにすこーしずつ回収モードに突入。
建物の二階にあがる。映画にも登場していたヒーターがたくさん置かれ、建物の中は暖かい。ベンチはたくさん置かれているし、少しずつ混雑してきた下より、滞在するには楽かもしれない。レースも上から見渡せる。

観客も馬に合わせて移動しているのがお分かりいただけるでしょうか。

一方で、晴れ間が覗かないせいか、なかなか気温が上がらない外。いつしか、地元のおっちゃんたちの流れにのって、レースの時間だけスタンドに出る、という行動が取れるようになった。免許皆伝かなw
さすがにうどんだけでは小腹も空くので、ぽつぽつと飲み食いをする。ザンギといって売られていた鳥の唐揚げ、すっぽんドリンク、スルメ、サッポロクラシックビール…え?体の芯から温めなきゃね。
場内の散策もひととおりこなした。この仔は、お客さんを乗せて場内をぐるぐる回っていた、まさに馬車の馬。

休憩の合間にパチリ。係の人からニンジンをもらって、美味しそうに食べていた。
パドックのそばには「ばんえい記念館」と案内のあるプレハブの建物。中には重賞のレイとか・・・

雪に願うこと」の撮影関連のものなど。

こんな萌え系グッズも・・・失礼。

テレビで流れていたスーパー競馬の中継も終わり、第11R、イレネー記念の発走が迫ってきた。人気は、ほとんど同じ路線を歩んできた3番カネサリュウ、4番シベチャタイガー、5番アローファイターに、外枠9番パンチテンリュウ、10番ミサキスペシャルといったところ。ここは競馬ブックの印も同じような状況(特にカネサリュウは◎が並んでいた)だから、妥当なところなのだろう。680キロという全馬にとって未経験の斤量は気になるが、素直に…シベチャタイガーからw だって、シベチャ(標茶)なんて北海道らしくていいじゃないですか。いちおう予想としては

◎シベチャタイガー
○カネサリュウ
▲ミサキスペシャ
△パンチテンリュウ
△アローファイター

として、上位3頭を馬単まで厚めに購入。
発走時刻となりファンファーレが鳴る。通常のものとは異なり、聞き覚えは無くとも、格上だなと感じる。

レースは人気馬が順当にレースを進め、第2障害を◎が1番手でクリア。熱い展開となったが、次いで障害をクリアした○に直線中程で交わされ、アローファイターの追い上げを振り切っての2着。ごく順当な結果となった。
17時を回って行われた最終レースは、波乱と言っていいレースになった。全く当たらなかったら最終は馬連全通り買おうと思っていたが、仮に実行しても元が取れていた結果(80倍弱)となった。ちなみに馬単はともかくとして、枠連万馬券。9頭立ての8枠、10頭立ての7枠・8枠のように、2頭枠が馬券に絡まない時は、だいたい馬連より枠連の方が高い配当だった。中央競馬でもローカル開催では時折見られるが、少ない売上が配当に響く地方競馬では、「枠連馬連」という概念を捨てなければと思った。もしかしたらこのような概念にとらわれた一見の客が多かったせいで、このようなオッズになったのかもしれないけれど。
今日の結果はマイナス2千円弱(回収93%)。1日堪能し、半分以上のレース(7/12)で的中させた事を考えれば、上出来だろう。最初の1〜2レースでつっ込みすぎたということか。
1階に降りると、兵どもが夢の跡…という感じ。

映画みたいに「お客さーん、そろそろ締めますよ」と言われるまで座っているのも一興だが、なんのメリットも無いので、素直に競馬場を後にする。楽しかったよ、ありがとう、ばんえい競馬。次にいつ来る機会があるかはわからないけど、通年開催になったから、週末に帯広に来れば、いつでも生で見れるよね…。

北海道旅行2日目・慰労会

なんとなくしんどかったので、駅前までタクシーで戻り、そのまま元祖豚丼屋「ぱんちょう」にむかう。18時前で、時間帯がよかったのか、店内は比較的空いていた。お腹が空いていたのと、ご飯の量は変わらないということから、2番目に肉の多い「梅」を頼む。まもなく登場。

当たり前だけど、吉野家とも全然違うし、たまに家で夕食に出てくる物とも違う。やや厚め、個切り、炭焼きで、たれのせいでこってりにも見えるが以外にあっさり。さくっと完食してしまった。これなら複数店舗の食べ比べもできるかも。別料金の汁椀を含め、ちと高めかな。
その後、少し散策し、六花亭本店に立ち寄る。魅惑の別腹要員がたくさんあったが、シュークリーム2種とバターサンドを購入。キャラメルシュークリームは店を出て間もなく消えた。腹ごなしに運動(パチ)をしてお財布をきれいにする。翔子ちゃん@Winkの役立たず…!
20時過ぎて店を後にし、昨日見つけた居酒屋へ。さぁこれから夕食だ。え、さっきの豚丼?昼食に決まってるじゃんw 寒い街中を歩いたので、焼酎のお湯割りで慰労モード。海産物を中心に、食べれそうな分だけ頼む。個々の品々は高めだが、イカソーメンをはじめ、美味い。焼き魚や締めのご飯物、デザートなども押えておくべきだったが、限界なのら〜…。
22時過ぎ、なんとかホテルまで戻り、ベッドの上で記憶が遠のく。
・・・。
・・・。
・・・。
気がつくと、コートのままで0時半。シャワーを使って、サッパリ。洗面所の水がとても冷たくて気持ちよかった。小さい頃の家の水道を思い出す。口に含んでみたが、美味しかったので、ゴクゴクと飲み干した。しばし夜景を眺め、再び眠りに落ちる。