ハテヘイ6の日記

ハテヘイは日常の出来事を聖書と関連付けて、それを伝えたいと願っています。

米国で数十億ドルの投資後、アフガンの道路は崩壊しつつある

 「荒野で叫ぶ者の声がする。『主の道を用意し、主の通られる道をまっすぐにせよ。すべての谷はうずめられ、すべての山と丘とは低くされ、曲がった所はまっすぐになり、でこぼこ道は平らになる」(ルカ3:4,5)。  
 2014年1月31日のワシントンポストサイトでは、上記の題で記事が寄せられていました。
 ネットの情報によりますと、アフガンは1919年建国、1979年に旧ソ連の侵攻を受け、以後数十年にわたる内戦が続き、国内のインフラ、特に道路はこの戦争とアフガン内部の怠慢もあって、相当に破壊されていました。
 ウイキペデイアによりますと、2001年米国ブッシュ政権9・11同時多発テロで、テロリスト集団とされるアルカイダ創始者指導者ビン・ラディンらを引き渡すよう要求したところ、アフガンのタリバン政府が拒否した為に、2001年10月西洋支援国とアフガン北部同盟は、アフガン戦争を始めました。
 この戦争には物資補給・兵士補給など、道路網の整備が必須だったので、開始以前僅か50マイルほどしかなかった舗装道路を修復し、高速道路も建設する事になり、およそ40億ドルの投入が計画され、実施されて来ました。米国の負担はそのおよそ2分の1ほどになりました。
 タリバン政権の崩壊と、米国の積極的な支援活動により、次第に整備された道路は、貧困化した国の住民にとっては、思わぬ幸運と見えました。
 しかしタリバンによる長引く破壊活動で、米国は次第に当初の意欲を失い、撤退への道を模索し始めました。
 でもアフガン政府にはそれを引き継ぐ力がありません。米当局者の一人は「何もしない、何の維持もない」と嘆くほどでした。2012年以来米国はアフガン政府の道路維持計画に、資金を供給する事を拒否しました。なぜなら米国はアフガン政府が砲弾に抉られた深い穴を修復する為に、請負業者を派遣するとか、高速道の広い範囲を再舗装するといった単純な仕事でさえ、遂行する力への信頼感を失っているからです。
 今西洋支援国による1万マイルもの道路は、酷使で摩滅したものが多く、タリバンによる即席爆発装置(IED)でズタズタになっている箇所もあります。米軍や地元の請負業者が何度も修復しても、元の木阿弥です。国の最も重要な2都市カブールとカンダハルを結ぶ300マイルの高速道では、たくさんの致命的な車の衝突事故も多発しています。過去6ヶ月間にアフガンの一大隊が200ものIEDを第一高速道の12マイルにわたり掘り出しています。それらは不発でしたが、爆発した地域では、その穴は大きく、トラック18台分飲み込めるほどです。到底修復どころではありません。
 たとえ修復作業にかかれたとしても、その作業員たちはタリバンの標的となります。過去10年間にわたり、200人以上の労働者たちが、国の道路網の建設過程で殺されました。
 昨年秋世界銀行が視察団を派遣して道路建設と維持の計画を立ててみましたが、やはりタリバンの標的にされ、挫折しています。
 日々現状は悪化しており、冒頭聖句のように、道を真っ直ぐにするバプテストのヨハネの役割を果たす人がいません。山も丘も谷も、タリバン攻撃で速やかに破壊されてしまいます。
 一方でアフガン農民と手を携えて地道にかんがい事業を行なっている中村哲氏らの活動があります(最近の活動は2月9日の東京新聞で紹介)。近頃用水路(マルワリード)の8割の完成で、農民は「彼らはその剣を鋤に、その槍をかまに打ち直し、国は国に向かって剣を上げず、二度と戦いのことを習わない」(イザヤ2:4)とある如く、真の平和の為の地歩を僅かずつでも固めています。
 米軍はベトナム戦争に何も学んでいません。このままではさらに犠牲者を増やしたまま、屈辱の撤退となるでしょう。軍事大国の驕りの果てです。