日々雑感っ(気概だけ…)on Hatena Blog

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連合赤軍という悪夢

hee2008-04-05

若松孝二監督『実録・連合赤軍あさま山荘への道程』をテアトル新宿で見る。
東京では今のところココだけの単館上映。
入りはほぼ満員、次の回は満席、立ち見が出ていたみたい。
3時間10分があっという間。
最近、60年代、70年代を懐古調に、『あの頃は良かった』的な映画が流行っているけど、私の時代感覚としては、「今の方が全然いーじゃん」なのです。
この事件が起きた1971-2年、私はまだ6-7歳で記憶力も定かではないけれど、連日放送された『あさま山荘事件』のことは、うっすらと覚えてる。TV点けるとどのチャンネルもずーっと崖に立つ山小屋映してんだもん。
で、大学に入ってから学生自治をちょっとだけかじってた関係で、この当時の話を知るようになると、あの崖の山小屋の事件の前日譚としての粛清リンチによる12人もの仲間殺しがあったということも知るようになる。この一連の事件を連合赤軍事件という風にいうわけだな。
今回の映画は、ストイックなまでに事実を淡々と描いている。
時代背景から連合赤軍の成立、山岳ベース、粛清、あさま山荘と、事件を追うように。
警察から描いた『「突入せよ!」あさま山荘事件』(2002年・原田眞人監督)はあさま山荘事件を立て篭もりから検挙までを警察側から描いた作品なので連合赤軍の全容とは言いがたいし、なにより連合赤軍側からの視点がすっぽりと抜けている。
若松監督は、『「突入せよ」…』に怒りをもって触発されて今回の映画を作ったそうだが、これは両方を見る方が権力反権力双方の見方が出来てよいと思う。
あと、連合赤軍ものでは、『光の雨』(2001年・高橋伴明監督)があるけど、これは、連合赤軍の話を映画化しようとしている人たちの話で、今の視点で連合赤軍事件を見るという意味で面白い。
連合赤軍ものの映画では、今回のこの映画が一番判りやすい。歴史映画を観ているような感じ。
それでいて、「今の自分は本当に考えて行動しているんだろうか?」という疑問を抱かせる。
当時の彼らを肯定はしない。どんな理由があるにせよ、人を殺すこと=未来を奪うことはなんぴとたりともしてはいけない行為。
いけないことをいけないといえる勇気、間違っていることを間違っていると訴える勇気。
こういうのって意外とわすれてしまってるね。
社会にでると、まるく、まぁーるく収めることが是とされるからね。
でも、一歩間違えば、連合赤軍のような事件が起こることは充分ありえる。
最近の食品偽装の問題にしても、大体の場合「社長に反抗できなかった」ってのが、問題を大きくしてしまった要因。
もっとも、自分の立場が危うくなるような発言するくらいなら黙ってた方がいいって考えるのは普通。
しかしながら、いけないことはいけないっていう気概は常に持っていたいもんです。
気概だけは…ね。

そんなことを考えさせられました。
連合赤軍のこと知ってる人も全く知らない人も、必見。お勧めです。

映画終了後、拍手が挙がっていました。
映画を観て会場が拍手に包まれるって、凄い久しぶりの経験でした。