high190です。
国立大学法人を巡る改革状況はめまぐるしく動いていますが、*1 *2特にその中でも議論の対象になっているのが人文社会科学系の学部・大学院の再編についての議論です。
この政策動向を受けて、日本学術会議が「人文・社会科学と大学のゆくえ」と題した公開シンポジウムを開催するそうですので、当ブログでもご紹介したいと思います。
文部科学大臣は去る6月8日、各国立大学法人に対して、「国立大学法人等の組織及び業務全般の見直しについて」の通知を行ないました。そこでは、国立大学法人の組織の見直しにさいして「特に教員養成系学部・大学院、人文社会科学系学部・大学院については、18歳人口の減少や人材需要、教育研究水準の確保、国立大学としての役割等を踏まえた組織見直し計画を策定し、組織の廃止や社会的要請の高い分野への転換に積極的に取り組むよう努めることとする」とされています。このことがわが国における人文・社会科学のゆくえ、さらには国公私立を問わず大学のあり方全般にどのような影響を及ぼすか、また今後、人文・社会科学はいかにあるべきか、どのような役割をはたすべきかについて、緊急に討論を行ないます。
日本学術会議の会員・連携会員、大学関係者のみならず、この問題に関心をお持ちのメディアや市民の皆さまのご参加をお待ちしています。
登壇されるメンバーも非常に豪華ですね。以下が当日のタイムラインです。個人的には本田由紀先生がどのような観点で発言されるのかに関心があります。
- 14:00 趣旨説明
- 14:10 問題提起
- 15:00 全体討論
- 司会 杉田 敦(日本学術会議第一部会員・第一部副部長、法政大学法学部教授)
- 16:50 討論のまとめ
- 17:00 閉会
人文・社会科学系の見直しについては、京都大学総長を始めとして多くの場所で反対意見も出ています。*3これからの社会において、大学の人文・社会科学系の学問がどのような点で貢献していけるのか、議論の内容に注目したいと思います。
*1:国立大学法人等の組織及び業務全般の見直しについて(通知) http://www.mext.go.jp/b_menu/shingi/chousa/koutou/062/gijiroku/__icsFiles/afieldfile/2015/06/16/1358924_3_1.pdf
*2:国立大学経営力戦略 http://www.mext.go.jp/component/a_menu/education/detail/__icsFiles/afieldfile/2015/06/24/1359095_02.pdf
*3:山極壽一・京都大学総長インタビュー 「歴史や文化を科学に結び付け優秀な学生を世界に送り出す」 http://diamond.jp/articles/-/74128