介護と死と

今年の3月に、東京都立川市の都営アパートで、
95歳と63歳の母娘が死後約1カ月経過した遺体で見つかりました。
孤立死のニュースは、最近ではそれ程珍しくなくなってしまい、
記憶に留まりにくくなっているかもしれません。

当該都営アパートでは、このことを契機に、
当該アパートの自治会が入居者にアンケートを実施したそうです。

回答した世帯の約5割が「明日は我が身」と受け止め、
「誰とも付き合いがない」世帯が1割以上あったとのこと。
自治会の約8割は65歳以上で、「孤立死」の不安を抱えながら暮らす都市の高齢者の姿が浮かぶという論調の、プレスリリースでした。


以前、静岡のN町で、上記例よりお二人ともご高齢でしたが、
お母様を介護をしていた娘さんが亡くなり、後に認知症のお母様が残った例がありました。

身寄りがなく、財産管理をしてもらえる人もないため、母親には施設に入っていただき、
土地・家屋等の資産は弁護士さんが管理をすることになりました。

結局は、家屋敷を処分して、
そのお金と、債務になる施設費用等の管理を弁護士が行うことになりました。
(通常、弁護士が家庭裁判所の審判にて、相続財産管理人に選任されます)


主のいなくなった家で、私は荷物の整理をしていました。

その残されたものからは、お二人が、さぞかし質素な生活をされていたろうと推測できます。

主の生活を彩っていたであろう大切な身の回りのものは、
主を失って、再び輝くことがないように見えました。

そうした残された荷物をひとつずつ整理していると、何とも言えない気持ちになります。

ご位牌などを引き取ってもらえるか、沓谷のお寺を廻ったりもしました。


リバースモゲージ等、資産を変位させるシステム・手法の必要性を強く思うようになったのは、このことがきっかけでした。





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