スマップオトナ買い
最近のマイブーム。スマップの比較的新しいシングルをゴッソリと買って、聴き漁ってるのだ。
すっかり解散カウントダウンに躍らせてるわよね、全く。
まあ、以前も記事にした通り、元々スマップの曲はキライじゃなかったのだけど、カネにモノいわせた事務所の戦略には決してだまされないわ、と意地で聴かなかった部分が大きいわけでね。実際、今回聴き漁ってみて、改めて良く出来た曲がとても多いナ〜と思ったし。
今回の“オトナ買い”のきっかけは、25周年のベスト盤のインフォがあって、有終の美を飾ってくれるならこれは買ってみようかしら…と楽しみにしていたのに、いざ正式発表された曲目を見てみたら、あら前に買った2枚のベスト盤(『VEST』『SMAP AID』)で充分だわ〜という感じだった上に、自分としては聴きたかった「僕の半分」が入ってないし、これなら別にシングル買っちゃった方が安上がりだわ、なんて思ってね。
でもそこがミステイクで、そこから始まっちゃったの、悪い癖。「僕の半分」をアマゾンでポチっとやったら、横に「さかさまの空」が表示されて。あっ、この曲もイイのよねー、ポチっ、なんて。笑。そんな調子で結局、あれもこれもと計8枚をオトナ買い…。
血迷った独身中年ゲイの無駄遣い?いいえ!思わぬ出費にはなってしまったけれどね、無駄遣いではなかったわ。キッパリ。ちなみに買ったのはこれらの曲。
- 「僕の半分」(2011年11月。斉藤和義による切な系バラード。ちょっと暗めな曲調なので万人受けしなかったみたいね。)
- 「さかさまの空」(2012年4月。ご存知朝ドラ主題歌。改めて聴いてみて、アレンジがオシャレなのにびっくり。)
- 「Moment」(2012年8月。ロンドンオリンピックテーマ曲。カップリング「手を繋ごう」がこれまた名曲。)
- 「Battery/Mistake!」(2013年2月。なんと全編英語に挑戦。USJテーマ曲。クールです。)
- 「YES WE ARE/ココカラ」(2014年4月。人類愛に溢れたミディアムポップス。心が弱っているとき聴くと泣けます。)
- 「Top Of The World」(2014年7月。こちらはクール・スマップ。EDMサウンドで、作曲はギタリスト・MIYAVI。)
- 「華麗なる逆襲/ユーモアしちゃうよ」(2015年2月。どこを切っても林檎ちゃんサウンドと、スマップが見事に融合。)
- 「Otherside/愛が止まるまでは」(2015年9月。タイトル曲は再びMIYAVI作曲の骨太ロック。カップリングはあのゲス乙女・絵音くんの作品。こちらが非常にキャッチーで耳を惹く。)
ああ、スマップ、いいわ。特に晩年(?)の曲は間違いなく…。もう、そう言ってしまってもいいわよね。
まずボーカル。何事もとにかくソツないキムタク(はいはい、巧いのはわかりましたよ…みたいな)を中心に、キムタクにグラニュー糖をまぶしてアイドルチックに仕上げた感じ(何気にこちらも技巧派ボーカル)の吾郎くんに、グループ随一のオトコ声のストレートさが時に驚くほどイイ味を出す慎吾ちゃん。ふんわりとした人柄が歌声にも現れたようなソフトさが魅力の剛くん。そして年を重ねる中で見事そのグニャグニャなヘタウマボーカルを“オンリーワン”にまで昇華させてくれた中居くん。初期中期のスマップのウリが息の合ったユニゾンコーラスだったとすれば、後期からはいつの間に完成された5人それぞれの個性的なソロボーカルをフィーチャーした曲が中心になって、後期スマップはそれでまた魅力が倍増してるのは確かで。
そして作家たち。古くは山崎まさよし、マッキーからデリコに斉藤和義、クボジャー、サカナクション、林檎ちゃんにヒャダインに果てはゲス乙女まで…旬な作家(と新進気鋭の若手たち)から今どき信じられないほど贅沢に曲提供を受けて、後期のその作品群の充実ぶりはまるで、ビートルズの解散までの道程を辿るようで(ちょっとオーバーなのは承知の上でね)。
そして、彼らの曲の魅力は、何故かどの曲にもそこはかと漂う、哀愁。たとえタイトル曲が元気イッパイでも、カップリングではほぼ例外なく泣かせてくれるのね。そう、スマップはカップリング曲も洩れなく素晴らしいというのが、シングルオトナ買いしたからこそ知り得た事実。
尤も、こうしてライトなファン(ということにさせて!)たちが騒ぐほどに渦中の彼らは解散イベントを楽しめていないだろうことは、あの解散謝罪会見を見ただけでも充分わかるわけで、だからこそ、今のうちに音楽面だけでもその足跡をキチンと再評価してあげましょうよ。
これまでに発売したシングルが55枚すべてトップテン入り。連続10位内獲得曲数の歴代1位は勿論スゴイけれど、「世界に一つだけの花」「夜空のムコウ」「らいおんハート」など、音楽が使い捨てられるこの時代に、これからも歌い継がれていくに違いない名曲の数々を残してくれたという、それだけでも、ジャニ系で成功したグループは数あれども、やはり彼らは「別格」だと思うのよね。
歌う時の一人一人のポージング(いわゆるダンスではなくて)の優雅さではピカイチだった彼らが、もう揃って歌う姿を見られなくなるというのは、やっぱり少し、寂しいわね・・・。