地理的条件で薬も変わる

23日・24日の連休は学会のハシゴをしてきました。23日は漢方治療研究会で「転居先の気象条件を考慮して変更したアレルギー性鼻炎の一例」と題した発表。24日は自律訓練学会にて自律訓練法指導者としての講習を受けてきました。


23日の発表は、長岡市で在住の時にはケイシトウという漢方薬で落ちついていたアレルギー性鼻炎の症状が、新潟に転居したら効果が感じられないというものです。


新潟県人でしたらわかるだろうと思いますが、長岡と新潟では風の強さが違います。強い風が原因で効果が見られなくなったと直感的に感じたのでケイシマオウカクハントウという薬に変更しました。


その変更によって直感通り効果が認められたので、気象庁のデータをもとに考察を加えて発表したのです。医師からは「炎症程度は具体的にどう変化したのかわからない」と指摘を受けましたが、詰めの甘さはあったものの理解してくれる医師もいたので、あれでよかったと思います。


人間は自然の影響・気候の影響・四季の変化などを受けながら生きています。ですから、自然の薬を扱う我々漢方屋も自然の影響を常に念頭において相談に当たる必要があります。


ともすると、そのことを忘れてアレコレ悩むことになるのですが、どの病人も自然界の一員としての人間であり、人生という時間の流れの中での病気だということを忘れてはならないという趣旨だったのです。


毎年5〜6月を中心に、長岡にきてから具合が悪くなったという相談があります。どこから越してきたのか?以前の地域はどのような環境なのか?を確認しながら、情報を取捨選択し適切な薬を選ぶのです。


西洋医学ではあまり話題になりませんが、(以前喘息などで転地療法というのがありました)漢方は病気の一部分だけを見るのではなく、人間全体あるいは地域や時間を考慮に入れながら大きな視点で病気の原因を探しているということをご理解下さい。


そのうえで、自然環境や季節を無視した生活は身体に負担をかけていることを知り、自然体の生活をすることが健康管理に重要だということがわかれば”真の養生”ができることと思います。


漢方薬・心の病・皮膚病・生活習慣病不妊
新潟県長岡市 相談薬局 ひろはし薬局
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