肝機能の基準値を考える

梅雨の時期はリウマチの人にとって要注意です。私が関係している何人かのリウマチの人は、この時期痛みが悪化しています。具合を聞きながら漢方薬を調整していますが、やはり体内の水分代謝が影響しているのでしょうね。


昨日はHepatitis Forum 2009 NAGAOKA(長岡肝臓病研究会)に参加してきました。C型慢性肝炎の治療戦略と病診連携について考える〜ALT正常C型肝炎の発癌率と治療の必要性〜と題し大垣市民病院消化器科部長熊田卓先生の講演がありました。


インターフェロンと抗ウィルス薬の組合せによりC型肝炎の治療は以前に比べかなり容易になりました。更に治療成績を上げるよう新たな新薬も開発の途中にあり専門医の間では承認が待たれています。


一方治療効果の指標の一つALT(GPT)の正常値は、医療機関により若干の違いがあり驚きました。しかし熊田先生の話を聞いていくとALTはもともと個人差が大きく、正常値を決めること自体に無理があるようです。


ですから本来健康なときに数回測ったALTを基準にすることが大切なようですが、実際には無理でしょうね。そこで統計的な方法で基準となる値を決定することになります。個体性指数など新たな用語を聞きましたが、現在普通に用いられている検査数値を判断する時に参考にしてみようと思っています。


ALTの正常値は30以下〜50以下と医療機関によりバラバラですがC型肝炎はガン化する病気ですから、経過を追うと30以下(女性では20以下?)が基準となるようです。ただ血小板など他の要素により対処法が異なったりしますから、いくつかの条件次第です。


熊田先生の講演では今まで正常とされてきた人の中にも積極的に治療をする必要のある人が含まれることがわかりました。ただ肝臓専門医以外にはまだまだ普及は難しいようにも思います。私ら漢方家にとってはALTが高いようなら治療内容を確認した上で漢方薬を使ってALTが30以下になるよう努力するだけです。

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