雑感 ホットスポット

最近何かを理解するのに、どのくらいの時間をかければ、(教科書に書いてあることで)どの程度のことが理解できるだろうという目安が立つようになった。人の読める言語でマトモな論理を得て出される結論であれば、理解するのはそんなに難しいことではない。

でも、時間がかかる。理解することは時間との戦いだなぁ。どの分野もキーとなる考えかたとかがあるわけで、それさえ理解してしまえば、大分は細部の技術的な問題になる。

とは、いいつつも、細かいところまで見ないと、事の本質は見えないわけで。些細と思ったことが重要だったりする。

新しいことを勉強するには、人に聞いたりするのが良い勉強法だと思う。
何を今更という感じも否めないが、最近、誰かと一緒に勉強する良さというのを実感する。

てなことで、あっちこっちに顔を出している。東京はそういうことをするのに良い街だなと思う。大学は密集しているし、人と知り合う機会があふれている。

最近、東工大の細谷研の
Geometry of Quantum States: An Introduction to Quantum Entanglement
輪講に参加させてもらってるけど、これがまた勉強になる。

ポール・グレアムのエッセーを読むと、都市の性質が人の才能の方向を決めるようなことが書いてあるが、本当にそうだと思う。あと、何かをやりたければホットスポットに行けとも書いてある。
Essays


ルネッサンスの芸術の殆どがフィレンツェで生まれたように、都市が文化を作る。

3月の時に、ダリアーノのグループと話したときは、圏論をあまり知らないなと感じたけど、最近のメールを見ると、彼らのグループがホットスポットになっていて、ものすごい勢いで研究が進んでるのが分かる。

企業で働いている方の会う機会があるのだけれど、彼らは優秀なのにその才を十分生かされてないような気がする。

日本にはすぐれてる人材はいるのに、ホットスポットを作って相互作用させるという術を知らないのはもったいない。

たぶん、日本がホットスポットを形成するのに成功している分野は、アニメなんだろうと思う。

ウィーンを歩けば(歩いてないけど)、音楽に秀でた人に会うように、ブラジルを歩けば(歩いてないけど)、ロナウジーニョに会うように、東京を歩けば、絵の上手なマンガ家に会う。

ある都市がどの分野でホットスポットになるかは、何をすることがその都市でかっこいいか、ヒーローになるかに依存しているような気がする。

ウィーンでは音楽家が、ブラジルではサッカー選手が、東京ではマンガ家がヒーローなのかもしれない。