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3000-01-01(Wed)

[] 公開中&これから公開の中華電影(主に東京地区

  • 01/07〜《三人行》(ホワイト・バレット)(杜峰:監督)新宿武蔵野館
  • 01/00《破風》(疾風 スプリンター)(林超賢:監督)新宿武蔵野館
  • 04/00《葉問3》ギャガ・プラス配給
  • 00/00《牯嶺街少年殺人事件》(クーリンチェ少年殺人事件)角川シネマ有楽町
  • 00/00《Skiptrace》(絶地逃亡:成龍、范冰冰 レニー・ハーリン:監督)角川配給
  • 00/00《小孩》(于瑋珊:監督)ココロヲ・動かす・映画社 ◯配給
  • 00/00《同班同學》(レイジー・ヘイジー・クレイジー)(陸以心:監督)ココロヲ・動かす・映画社 ◯配給


hasehase 2015/02/09 08:27 ありがとうございます。

hkclhkcl 2015/02/12 01:01 忙しくて忘れてしまうので、自分の為ですから。

2016-09-07(Wed)

左から三留、近田、手塚、久保田、高木

[][]《星くず兄弟の伝説》

久保田しんご、高木一裕、戸川京子、ISSAY、尾崎紀世彦渡辺和博 手塚眞:監督 1985年


ライブハウスで歌っていたシンゴ(久保田しんご)とカン(高木一裕)に有名芸能事務所からお声がかかる。メジャーになれそうと喜ぶ2人だが、芸能事務所の社長・アトミック南(尾崎紀世彦)は2人セットで「スターダストブラザーズ」として売り出すという。最初は抵抗する2人だが、2週間でスターにしてみせるという南の言葉にスターへの欲望は抑えられず契約することにした。みるみるうちに売れていく2人だったが・・・。


1985年の初見から31年。初見時「なんなんだろうこの映画」と思ったのをよく覚えている。しかし今見ると、むちゃくちゃだけどよく作ったな〜と感心する。近田春夫の作った曲はいい歌もけっこうあって、尾崎紀世彦(こんな映画に出ていることが不思議なのだが)が歌う2曲は曲もいいしとにかくいい声で抜群に上手くて聞き惚れる。戸川京子の歌はまさに歌謡曲で振りも可愛いかった。

カルトムービーと言われているようだが、普通に公開していたと思うので、1980年代は恐ろしいw

なお、今回の上映は35ミリフィルムで手塚眞が保存していたフィルムとのこと。

上映後、近田春夫、手塚眞、久保田しんご、高木一裕、三留まゆみが登壇した。

2016.09.07@テアトル新宿(観ずに死ねるか!傑作音楽シネマ88」出版記念上映会)

■□16年に見た映画一覧□■


2016-09-06(Tue)

《有一個地方只有我們知道》

[][]《有一個地方只有我們知道》(あの場所で君を待ってる)

呉亦凡、王麗坤、熱依扎、張超、徐靜蕾、叢珊、黄立行 徐靜蕾:監督 2015年


金天(王麗坤)は、祖母が亡くなり彼との結婚の夢にやぶれプラハにやってきた。プラハは若い頃祖母が暮らし恋をした街でもある。そこで金天はチェロ奏者の彭澤陽(呉亦凡)に出会った。

ネタバレあり。

過去と現在の物語が交錯しながら、2つの世代の恋愛が語られていく。結末は想像できるし大きな驚きはない。こんな話しはどこかで見たような気もするのだが思い出せない。

この物語の登場人物はみな誰かと「別れ」ている。金天は祖母(実は血は繋がっておらず、父の叔母)と死別、彼と別れ。その祖母は若い時に愛した人と別れ中国に戻っている。祖母の愛した人は、亡くなったと思っていた妻が生きている事を知るが祖母とも別れられないでいる。ところが祖母は妻のある彼との別れを選んでいる。彭澤陽には子供がいるのだが、子供の母とは別れている。彭澤陽の母は夫との別れを受け入れられず精神を病んでいる。

祖母の世代は別れを選択しているが、心の中ではけして別れてはいない。長年その思いだけで生きている。別れを受け入れられない母は、祖母の愛した人の妻の立場とも見える。もし祖母の愛した人が祖母との愛を取れば、妻は彭澤陽の母と同じ立場になったかもしれない。そして金天と彭澤陽は、一度は別れを選択しようとするが最後には自分の気持ちに忠実に生きる道を選ぶ。

何らかの障害があって別れるにしても別れないにしても、結局はどうやって受け入れていくか、そして受け入れたあとどうやって生きていくのかが重要だ。たから別れを受け入れた祖母たちも不幸なのではなく、十分に幸せであったと思いたい。


主役の呉亦凡は韓国で男性グループEXOの一員としてデビューしていて人気らしい(今は脱退)。顔がいまいち好みではなかった。女優は羽田美智子と菅野美穂を足してにで割ったような顔だち。そしてやっぱり一番美味しところを徐靜蕾がもっていく。

2016.09.06@Cinemart新宿

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2016-09-01(Thu)

《シン・ゴジラ》

[][]《シン・ゴジラ

長谷川博己、竹野内豊、石原さとみ、高良健吾、大杉漣、柄本明、余貴美子、市川実日子、國村隼、平泉成、松尾諭 庵野秀明:総監督、樋口真嗣:監督・特技監督


ストーリーは公式サイトなどを参照のこと。

ゴジラは歩いてるだけで人を襲うわけではないし、むやみやたらとビルを壊すわけでもない。ただ歩いているだけ。それでも沢山の人が犠牲になっていると思われるが、具体的なシーンはなく(厳密に言うとあるが、1人1人の死がクローズアップされることはない)、ゴジラの恐怖に逃げ惑う人々を描くのではなく、もっぱら政府がゴジラ(災害)にどのように対応していくのかが描かれている。そこが興味深くて面白い。とってつけたような恋愛やお涙頂戴もなくて、その潔さが気持ちいい。しかしやはり311を連想させる。私はその時日本に居なかったのだが、ちょうどテレビで観ているのと同じ感覚だった。最後の作戦は、東京都の消防車が原発に向かって放水する姿を思い起こさせた。ゴジラのように原発も封じ込められたら良かったのに。。

2016.09.01@立川シネマ・ツー a studio(極上爆音)

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2016-08-11(Thu)

《西遊記之孫悟空三打白骨精》

[][]《西遊記孫悟空三打白骨精》(西遊記 孫悟空 vs 白骨夫人)

郭富城、鞏俐、馮紹峰、小瀋陽、羅仲謙、費翔、陳慧琳 鄭保瑞:監督 2016年 広東語


三蔵法師(馮紹峰)は天竺へ佛教の経典を取りにいく途中、五行山で狂暴な虎に襲われた際、山に封じ込められた孫悟空(郭富城)に偶然出会い、言われるままに封を解いてやることになった。同時に沙悟浄(羅仲謙)、猪八戒(小瀋陽)とも出会うことになる。

4人はある荒ら屋にたどりつく。荒ら屋には老女と2人の娘がいたが、実は白骨夫人(鞏俐)とその手下が取り憑いたものだった。白骨夫人は三蔵法師を食べてしまえば、もう生まれ変わることはなく永遠の命が得られるという。しかし孫悟空の目はその正体を見破り彼らに手をかけてしまう。白骨夫人らは人間の殻をすて逃げ去っていた。しかし三蔵法師、沙悟浄、猪八戒には、孫悟空が村人を殺したとしか思えなかった。

ほどなくして4人は雲海西国にやってきて国王の歓待を受ける。国王は、子供たちが白骨夫人の犠牲になっていると三蔵法師に訴えたのだが。。。。


《西遊記之大鬧天宮》(モンキー・マジック 孫悟空誕生)に続く鄭保瑞が監督する《西遊記》の2作目。孫悟空は前作の甄子丹から郭富城に替わっている。特殊メークと大量のVFは変わらず。小瀋陽は顔が確認できるが、羅仲謙にいったてはまったく誰だか分からなかった。だとしても羅仲謙、出世したものだ。郭富城にはこういう性格付けの役がよく似合う。そして驚くのは鞏俐。こういう映画に出るのも驚くのだが、化粧でいろいろお直ししているにしてもとても美しいのも嬉しい驚き。そしてたぶん仇役は初めてだと思うのだが、それがとてもいい。

前作ではほとんどの舞台が天空で、浮遊感に満ちていたが、今回はなんというか、地面に足がついているのに重力をあまり感じないのは変わらないが、地球上というよりはどこかの惑星で起こっているようで色調も含め荒涼感ともいうべきか無機的な風景が心に残る。その荒涼感は風景に留まらず、人物のキャラクター付けにも感じられて、暖かみの少ないドライなキャラクターになっているように思う。それがとても鄭保瑞っぽいと感じた。

2016.08.11@Cinemart新宿

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2016-08-09(Tue)

《捉妖記》

[][]《捉妖記》(モンスター・ハント)

白百何、井柏然、曾志偉、呉君如、姜武、鍾漢良、金燕玲、湯唯 許誠毅:監督 2015年 普通話


昔々、人間と妖怪は一緒に暮らしていたが人間が妖怪を山奥に追いやってしまっていた。妖怪の世界は混乱を極め、妖怪王が殺されると、身ごもっていた后は妖怪の夫婦(曾志偉・吳君如)に守られ追っ手を逃れ人間界に紛れ込んだ。とある村・永寧村にやってきた3人は、妖怪退治の天師と妖怪王の跡継ぎを亡き者にしようすると追っ手の妖怪に襲われた。力つきる刹那、后は子供を永寧村の村長・天蔭(井柏然)に託した。お腹に妖怪の子を宿した天蔭は、お金になる妖怪の子をなんとか手にしようとする妖怪退治の天師・小嵐(白百何)とともに村を後にした。


以下ネタバレの可能性あり。

2015年中国で24億元を稼いで興行成績1位(金額には水増しがあると言われてはいるが)だったことはある。当初はどうだろうと思った胡巴(フーバ)の造形も、動いているのを見ていると、ぷよぷよして丸っこくてだんだん可愛く思えた。物語も良くできていて予想外に面白く見た。

監督の許誠毅はこれが初監督作品だが、ハリウッド映画シュレック》シリーズにキャラクターデザインやアニメーターとして参加しており、「シュレックの父」と呼ばれている。脚本の袁錦麟は、《雙雄》《新警察故事》《寶貝計劃》《保持通話》《風暴》と犯罪ものを多く手がけているが、今回は子供も楽しめるような物語を書いている。コメディ要素も盛り込まれているし、敵対するものが次第に連帯を感じさらには愛情も感じるようになったり、他人の子(妖怪だが)を連れ旅をしていくうちに本物の親子のような感情が生まれ、最後にはほろりとさせるなど、物語のあちこちに香港映画のスパイスを感じるし、それらのバランスがとてもよく、見ていてすんなりと物語を受け入れられた。ちなみに物語は『聊齋志異』の「宅妖」を元にしているとの事だが、妖怪たちの造形も物語も泥臭くなく、洗練されていたのは、やはりハリウッドで仕事をしてきた監督だからだろう。

キャスティングも良かった。白百何を初めて見たのは《失戀33天》(2012年)。この時は、なんだか垢抜けない感じでパッとしないと思ったが、3年経って顔がしっかりしてた。時々、嫌みのない”神田うの”に見えたが、いきいきとして可愛かった。井柏然も彼で好かった(当初、柯震東と金燕玲の孫と祖母は台湾組でというつもりがあったかもしれないが)。少しコメディ要素のある姜武は、今まで見た中で一番よかった。悪役の鍾漢良もぬめっとしていて、ご多分に漏れず悪役は非常に強いというわかりやすさ。さらに曾志偉と呉君如も妥当。ちょっと登場する湯唯も印象に残る。

ストーリーで面白いと思ったのは、妖怪の子供を託される天蔭は男性なのに妊娠(お腹が大きくなる)するところだ。妊娠といってもいったい何処に子供を宿して何処から生まれるのか(生まれるところは見てのお楽しみ)考えると可笑しい。妖怪の子だから、女性ではなく男性が妊娠するのかもしれないなどと思いながら見ていた。生まれた妖怪の子と生みの母(いや父か)と、妖怪の子で金儲けしようと考える妖怪ハンター(天師)・小嵐の3人が疑似家族となって、妖怪の子を亡き者とする輩を倒していくのだが、生みの母(父)は、登場してきたところで、村人たちから繕い物を押しつけられたり、商売である食べ物屋で料理を作っていたりと女性的役割を与えられているのに対して、小嵐は、武術の腕もたち妖怪ハンターとして稼いでいるという男性的役割を担っていて、このカップルは最初から男女の役割が逆転しているのも興味深い。

香港でも中国大陸でも、ディズニーものやドラえもんなどアメリカ日本映画は上映されているが、大人も子供も見て面白いという華語(中国語)映画はなかなか作られていないように思う。かつて徐克が自身の製作した《倩女幽魂(チャイニーズゴースト・ストーリー)》をアニメ化した《小倩(チャイニーズ・ゴースト・ストーリー スーシン)》(1997年・香港)を作ったり、CGと俳優を合成した《虫不知(バグ・ミー・テンダー 恋と友情の物語)(2005年・香港)なんていうのも作っているし、漫画《風雲》からアニメ《風雲決》(2008年・中国大陸)が出来たりもしたが、子供も楽しめるとは思えないし、クオリティもまだまだだった。もしかしら、子供も大人も鑑賞出来き、クオリティも高い華語映画は、初めて作られたのかもしれない。そういう意味でもこの映画は画期的だし、これからの可能性も感じられた作品だった。シネマートで1日1回の上映はもったいないかぎり。

2016.08.09@Cinemart新宿

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2016-05-09(Mon)

[][]《八月的故事》の版権について

このところ《八月的故事》で検索してこのブログがひかっかている。NHKの朝ドラ「あさが来た」の五代友厚役で人気になったディーン・フジオカのデビュー作ということで、この作品を観たいと思っている人が多いようだ。私は香港在住だった2006年に香港亞洲電影節で20分版《八月的故事》を観ている(id:hkcl:20061002)。また翌2007年に香港國際電影節で60分版を観ようとしてチケットを購入したがキャンセルになってしまうということも経験した(id:hkcl:20070401#p1)。

日本で60分版を観るのはかなり困難だと思われるので、60分版をめぐる当時の新聞記事を訳しておく。因みに20分版は可能かも。

麥婉欣(ヤンヤン・マック)監督、葛民輝(エリック・コット)プロデュースのインディペンデント短編映画《八月的故事》は、香港國際電影節のオファーにより電影節での上映がきまっていた。この映画の版権は香港電台(RTHK)が所有している。香港電台は契約に基づいた22分版の上映を望んでいたが、麥婉欣は別に編集した63分版を上映したいと考えており、双方に行き違いが生じた。その結果、電影節は上映を取り消すことになった。麥婉欣は昨日、葛民輝とともに香港電台は香港映画の発展を阻止していると怒りを露わにした。


監督の麥婉欣は昨年、香港電台のため短編《八月的故事》を監督し、さらに葛民輝にプロデューサーを頼み、この映画と他のインディペンデント映画を集め《少年不識愁滋味》として、昨年の7月から亞洲電視・本港台で放送した。

本来22分の短編だが、麥婉欣は別に63分のディレクターズカットを編集し、東京国際映画祭で上映した。香港國際電影節では本来4月7日と9日の2回上映することになっていたが、最後になって上映は取り消し、払い戻しの手配をした。昨日、麥婉欣と葛民輝は香港商台(Commercial Radio Hong Kong)のインタビューを受け、香港電台がじゃましていると怒った。


「ちょっとした白色恐怖」

麥婉欣は、当初、香港電台は香港映画の為に手伝って欲しいといい、彼女と葛民輝は無報酬で自腹をきって撮影したという。彼女は「総ては香港映画界の為で利益の為ではない。私たちと香港電台Content& Programme Department部門の人は3か月に渡って争っています。彼らは22分版は出すが、さらに他の短編も一緒に上映するようにと言っています。私は63分版を上映したいけれど、彼らは許可してくれない」と話した。今後、香港電台と仕事をするかと問うと、麥婉欣は「私はブラックリストに入っている。ちょっとした白色恐怖だわ」といい、今回の件について香港電台の処理は適切ではないと話した。

葛民輝は「この件は本当にばかばかしい。香港映画の発展に影響するだろう。表面上は新人監督をサポートするといっておいて実際は違う。さらに彼らは廉署(ICAC:企業や政府機関の不正などを取り締まる機関)が版権問題について聞きに行くとか、僕たちを訴えることが出来るとかいうが、まだ訴えられてはいない」と話した。

葛民輝はこの件を経験して新人監督たちに契約や協議には注意が必要だと忠告する。「弁護士に契約の細かいところまでみてもらったほうがいい」と彼は話した。麥婉欣はまた、外国の記者がこの件で香港政府に電話で問い合わせたが、電話を切られてしまったとも話した。


「版権は香港電台に」

香港電台の広報・陳文娟は昨日電話での問い合わせに答えて、《少年不識愁滋味》は外部委託になっており、香港電台が総ての費用を出しています。契約書にははっきりと総ての権利は香港電台にあると書かれています。それは出来上がった作品も使わなかった部分についてもです。麥婉欣が自分で編集した新たな版を東京国際映画祭で上映していますが、これはすでに契約から外れていますし、版権を尊重していません。香港電台は海外での香港の映画監督のイメージに影響があってはいけないと考えて訴えなどを起こしていません。

今回の事については、「私たちは22分版がこの映画の最もよい状態だと思っていますし、喜んでこれを(香港國際電影節に)提供したいと思っています。しかし彼女たちは短すぎるというので、さらに2本の短編を合わせて60分ほどにしてはどうかと提案しました。そうすればより多くのインディペンデントの映画制作者を紹介できます。しかしその後、彼女たちは何も言ってこないのです。私たちは受け身ですから」。陳さんは、私たちは香港のクリエーターを攻撃するつもりはありません。ただお互いに契約を尊重して欲しいと思っています、と話した。2007.4.7「蘋果日報」

香港電台はラジオ局だが、映像製作部門を持っており、優れた作品を数多く作っている。自身では放映できない為、TVBかATV(現在ATVはない)のどちらかのテレビ局で放送することになる。《八月的故事》はATV(亞洲電視)の本港台(香港チャンネル)で放映した。


追記:熱いファンたちの願いが通じたのか、7月29日に日本で《八月の物語》としてDVDが発売されることになったようだ(香港の事なので、お金になると思ったので許可が出たんじゃないかと、うがった見方をしてしまうのは悪い癖・・・)。さらに台湾映画《夏天的尾巴》(id:hkcl:20071006)も《サマーズ・テイル〜夏のしっぽ〜》というタイトルで9月23日にDVDが発売になるようです。←よい映画ですよ!

2016-04-20(Wed)

[]《點五歩》への疑問

《點五歩》のストーリーをネットで読み、予告編を観た時に感じたのは、"沙燕隊はリトルリーグなのに出演者の子供役がずいぶん大きい" "リトルリーグなのに港版《KANO》という紹介は何故? 高校野球?" という違和感だった。昨日の「香港少年野球事情」の項の最後に少し書いたのだが(id:hkcl:20160419)、実は《點五歩》は、本来小学生の話を中・高生に置き換えているのだった。(当初高校生と思ったが、正確な学年は映画を観ないと分からないので、中・高生としておく。昨日のその部分も訂正した)。映画は創られるものだし、映画の為に実際の物語を改変すること自体には問題はなく、出来上がった映画が良ければ、それでいいと思っている。ただ、《點五歩》にはいくつかの疑問や問題があると思われるので、映画を観る前にまとめておきたい。


劇中、沙燕隊(Martins)が対戦する日本人チームは、どうやらバッファローズらしいのだが、沙燕隊もバッファローズも香港少年棒球聯盟(Hong Kong Little League)に現在も存在している。香港少年棒球聯盟は年齢で細かくリーグを分けており、マイナーリーグには7〜11歳、メジャーリーグが9〜12歳、ジュニアリーグが12〜14歳の児童・生徒が参加可能である。そして、沙燕隊もバッファローズもマイナーリーグ所属、つまり小学校低学年なのだ。

監督・脚本の陳志發はTVBで仕事をしており、様々な資料を探すうちに沙燕隊の話を知り、映画化を考えたようだ。《がんばれベアーズ》というアメリカ映画もあるくらいで、小学生でも十分に映画には出来ると思うが、彼は小学校低学年では物語を作ることが難しいと考えたのだろうか。

80年代香港の学校制度では、小学校は6年、その後中學が7年あるが、中學5年時に會考といわれる統一試験があり、あと2年間勉強するかどうか考えなければならない。また大學に行くためにはその2年間勉強しなければならなかった。大學進学率がそれほど高くなく(現在は大學が8校で大學進学率は20%程度、80年代香港には大學が香港大學と中文大學の2校しかなかったので大學進学率はかなり低かった)、中學5年で勉強を終え社会に出て行く生徒がほとんどだった。中學の5年間は大人社会へ入っていく手前の微妙な時期で、それだけでもいくらでも物語が出来きるだろう。物語を豊かにするために小学生を中學生に置き換えたのだろうか。しかし野球ということを考えると、小学校低学年の試合を中・高生の試合に書き換えるのに無理はなかったのか、また沙燕隊はともかく、相手チームの名前も実際にあるチーム名をそのまま使ってしまうことに抵抗はなかったのか、対戦相手だけでも架空の名前であれば、物語が創られたものだと気づくことが可能だ。


対戦相手の日本人チームにも問題がある。香港少年棒球聯盟に所属している日本人の子供たちは、ほとんどが日本人学校の児童・生徒である。海外の日本人学校は義務教育の小・中学校しか設置しておらず(現在は高校のある地域もある)、それは香港も同様である。駐在員の子女の多くは、高校生になる前に日本に帰国してしまう(中学2年で帰国する生徒が多い)ため、中学3年までならなんとかジュニアリーグで活動可能だが、高校生チームの存在はほぼ不可能だし、高校生はリトルリーグではない。


さらに港版《KANO》という紹介もかなり疑問だ。この港版《KANO》(実際には"香港也有了自己的《KANO》=香港にも自分たちの《KANO》があった"と書かれている)という表現は、《點五歩》の公式fbに書かれている。台湾映画《KANO》は、日本統治時代の台湾を舞台に嘉義農林という高校が甲子園に出場する物語で、香港少年棒球聯盟の1リーグの優勝とはその規模が違い過ぎる。だから最初に港版《KANO》という惹句を目にしたとき、ひょっとしてリトルリーグのアジア太平洋大会で香港代表が日本を破ったことがあるのだろか、と考えてしまったのだ。港版《KANO》という表現は、香港でよくある誇張した表現とも取れるが、やはり誇張のしすぎだ。


どのような経緯で、どのような思いで小学生の物語を中・高校生に書き換えることになったのかは監督に直接聞いてみなければ分からない。しかしこれらの疑問や問題は、やはり香港人が野球に詳しくないことの証左ではないか。野球に詳しければ、こういった改変は出来ないように思う。それゆえ映画の出来にも多少の心配がある。しかし詳しくなかったからこそ出来た大胆な改変や、思い切った演出でそんな心配をふっとばすほど、いい映画になっていることを願うばかりだ。

2016-04-19(Tue)

[] 香港少年野球事情

今香港では新人監督・陳志發による《點五歩》という少年野球をテーマにした映画が公開されている。日本ではポピュラーな野球だが香港での認知度はかなり低い。プロリーグがないので、野球を観た事のない人も多く、まして野球をやったことのある人はほんのわずかで、ルールを知っている人も少ない。野球認知度が低いのは、香港がイギリス植民地だったことに関係しているのかもしれない。


《點五歩》に登場する少年野球チーム沙燕隊(英語名:Martins)は、香港少年棒球聯盟(Hong Kong Little League)に所属しているチームだ。映画は1980年代の話で、その当時の詳細は分からないが、在香港時に勤めていた会社が香港少年棒球聯盟に多少関係していたので、2004年から2013年ごろに見聞きした香港少年棒球聯盟のことを中心に香港の少年野球事情を少し記しておこうと思う。


香港では野球に関する組織は、香港少年棒球聯盟(Hong Kong Little League)と香港棒球總會(Hong Kong Baseball Association)の2つがある。香港少年棒球聯盟はアメリカ人や日本人が中心になって1972年に成立、1980年ごろに初の香港人チームが参加したという。今も日本人やアメリカ人が中心になっている。香港棒球總會の成立は1992年で、こちらはもっぱら香港人が中心で、規模も香港少年棒球聯盟より大きくなっており、政府の助成金も出ていると聞いている。


香港少年棒球聯盟は年齢別にマイナー(小学校低学年)、メジャー(小学校高学年)、ジュニア(中学)、シニア(高校以上)に別れており、それぞれがリーグ戦を行って優勝を決めている。年によって少しの違いがあるが、マイナーが12チーム、メジャーが10チーム、ジュニアが6チーム(シニアは参加者なし)で各チームに10人以上の選手が所属し、全28チーム、300人以上の子供たちが参加している。日本人チームは8(マイナー3、メジャー3、ジュニア2)あり、在港の日系企業がスポンサーになりサポートしている。その他にアメリカ人、香港人、韓国人チームがあり、ほとんどは保護者がスポンサーになっている。


香港の学校は9月が新学期のため、リーグは10月から翌年3月を1シーズンとして優勝者を決め、5月にアニュアルバンケットを行って表彰している。選手たちは主に土曜日に練習し、日曜日にリーグ戦を行っている。日本人チームは、主に駐在員の子女(ほとんどいないのだが女子も参加可能)が参加しているため、保護者の帰国もしくは他所への転勤で、シーズン中も選手の入れ替えがある。なかには野球がしたいという子供の希望で父親だけが先に帰国、母親と子供はシーズン終了まで(つまりは学期の終了まで)香港に留まる例もあった。


2013年時点で香港少年棒球聯盟は、沙田の多石と獅子山隧道近くの2か所に専用グラウンドを持っていたが、3リーグがリーグ戦を行うには2か所では足りず、その他は康文署管理のグランドなどを借りて、練習や試合を行っていた。また香港の法律で12歳以下の子供は1人で外を歩かせることができないので、グラウンドまでの移動には日本人チームはバスをチャーターし保護者が一緒に搭乗して引率した。香港人やアメリカ人は保護者が引率して自家用車や公共交通機関をつかってやってきた。グラウンド周辺には自販機もコンビニもないところが多いので、弁当や水分は各自で用意、救急用品なども保護者が持っていった。また各チームの監督、コーチ、リーグ戦の運営や試合の審判、結果のまとめは、保護者がボランティアで行っている。とにかく保護者の積極的なかかわりなしには子供たちがスポーツを楽しむことは出来ない。これは野球に限ったことではなく、サッカーなど他のスポーツでも同様だった。


香港少年棒球聯盟は夏にはアジア太平洋大会に香港代表チームを送っている。このときもスポンサーを募るのだが、やはり香港人には野球の知名度が低いためなかなか集まらず、アメリカ人や日本人の保護者が走り回ることになっていたようだ。アジア太平洋大会で優勝するとアメリカの本大会に行けるが、残念ながら私が香港にいる間には一度もアメリカに行くことはなかった。また前述の香港棒球總會や中国大陸のチームが参加する大会に参戦することもあったので、選手や保護者は1年を通じてかなり忙しく生活していた。


映画《點五歩》の内容をネットで見ると"band5"の生徒となっているので、中學つまり日本で言えば中・高校生の話しである。実は本来の沙燕隊の話は小学生の話しであるが、これを中・高校生に置き換えているようだ。なお香港棒球總會には、小学生、中学生、高校生、大學生、青年、女子、軟式野球のチームも登録されている。

2016-04-03(Sun)

[][] 第35屆香港電影金像奨発表

◎最佳電影

 1.《十年》

 2.《五個小孩的校長》

 3.《智取威虎山》(タイガー・マウンテン〜雪原の死闘〜)

 4.《葉問3》

 5.《踏血尋梅》


◎最佳導演

 1. 關信輝(五個小孩的校長)

 2. 爾冬陞(我是路人甲)

 3. 徐克(智取威虎山)

 4. 葉偉信(葉問3)

 5. 翁子光(踏血尋梅)


◎最佳編劇

 1. 關信輝・張佩瓊(五個小孩的校長)

 2. 爾冬陞(我是路人甲)

 3. 陳心遙・黄修平(哪一天我們會飛)

 4. 劉浩良(衝鋒車)

 5. 翁子光(踏血尋梅)


◎最佳男主角

 1. 劉徳華(失孤)

 2. 張家輝(陀地驅魔人)

 3. 梁家輝(智取威虎山)

 4. 張學友(暗色天堂)

 5. 郭富城(踏血尋梅)


◎最佳女主角

 1. 湯唯(三城記)

 2. 楊千嬅(五個小孩的校長)

 3. 張艾嘉(華麗上班族)(華麗上班族)

 4. 林嘉欣(暗色天堂)

 5. 春夏(踏血尋梅)


◎最佳男配角

 1. 林敏聰(全力扣殺)(全力スマッシュ)

 2. 張繼聰(陀地驅魔人)

 3. 張晉(殺破狼II)

 4. 張晉(葉問3)

 5. 白只(踏血尋梅)


◎最佳女配角

 1. 秦海璐(三城記)

 2. 呉浣儀(五個小孩的校長)

 3. 文詠珊(赤道)(ヘリオス 赤い諜報戦)

 4. 李心潔(念念)(念念)

 5. 金燕玲(踏血尋梅)


◎最佳新演員

 1. 雷琛瑜(死開啲啦)

 2. 蔡思貝(陀地驅魔人)

 3. 蘇麗珊(哪一天我們會飛)

 4. 白只(踏血尋梅)

 5. 春夏(踏血尋梅)


◎最佳攝影 

 1. 王碰(三城記)

 2. 陳楚強(破風)

 3. 蔡榮輝(智取威虎山)

 4. 謝忠道(葉問3)

 5. 杜可風(踏血尋梅)


◎最佳剪接 

 1. 陳祺合・潘雄耀・彭正熙(破風)

 2. David Richardson(殺破狼II)

 3. 于柏楊(智取威虎山)

 4. 張嘉輝(葉問3)

 5. 廖慶松・黄海・翁子光・朱嘉逸(踏血尋梅)


◎最佳美術指導

 1. 葉錦添・張英華(三城記)

 2. 馬光榮(太平輪:驚濤摯愛)

 3. 種田陽平・李健威(捉妖記)(モンスター・ハント)

 4. 易振洲(智取威虎山)

 5. 張叔平・邱偉明(華麗上班族)


◎最佳服裝造型設計 

 1. 葉錦添・馮君孟(三城記)

 2. 陳同勲(太平輪:驚濤摯愛)

 3. 系仲文(捉妖記)

 4. 權裕辰(智取威虎山)

 5. 張叔平・呂風珊(華麗上班族)


◎最佳動作設計 

 1. 成龍・成家班(天将雄師)(ドラゴン・ブレイド

 2. 銭嘉樂(赤道)

 3. 李忠志(殺破狼II)

 4. 元彬(智取威虎山)

 5. 袁和平(葉問3)


◎最佳原創電影音樂 

 1. 岩代太郎(太平輪:驚濤摯愛)

 2. 戴偉(哪一天我們會飛)

 3. 胡偉立(智取威虎山)

 4. 羅大佑・陳輝陽(華麗上班族)

 5. 丁可(踏血尋梅)


◎最佳原創電影歌曲 

 1. 穿越漩渦(太平輪:驚濤摯愛)

   (作曲:羅大佑 填詞:林夕 主唱:羅大佑)

 2. 給王家欣(王家欣)

   (作曲:劉偉恒 填詞:陳詠謙 主唱:黄又南)

 3. 念念(念念)

   (作曲:陳建騏 填詞:黄婷・陳建騏 主唱:劉若英)

 4. 差一點我們會飛(哪一天我們會飛)

   (作曲:戴偉 填詞:陳心遙 主唱:黄淑蔓)

 5. 漆黒的海上(踏血尋梅)

   (作曲:丁可 填詞:丁可 主唱:丁可)


◎最佳音響效果 

 1. 曾景祥・李耀強(陀地驅魔人)

 2. 曾景祥・李耀強・姚俊軒(捉妖記)

 3. 曾景祥・李耀強・姚俊軒(智取威虎山)

 4. David Richardson・杜篤之・呉書瑤(華麗上班族)

 5. 曾景祥・姚俊軒(葉問3)


◎最佳視覺效果 

 1. 伊諾・黎子飛(陀地驅魔人)

 2. Jonson Snell・潘國瑜・湯冰冰(捉妖記)

 3. 金旭(智取威虎山)

 4. 羅偉豪・張展榮(華麗上班族)

 5. 梁偉民・余國亮・林嘉樂(葉問3)


◎最佳新晉導演

 1. 張家輝(陀地驅魔人)

 2. 許誠毅(捉妖記)

 3. 劉浩良(衝鋒車)


◎最佳兩岸華語電影

 1.《山河故人》(山河ノスタルジア

 2.《我的少女時代

 3.《刺客聶隱娘》(黒衣の刺客)

 4.《狼圖騰》(神なるオオカミ)

 5.《推拿》


◎專業精神獎:周永光

◎終身成就獎:李麗華