リーマン切腹 時代は日本の

金融版『駆け込み寺』のサムライ債

 

 信用危機が現在ほど深刻化する以前から、一部の欧米投資銀行は、短期資金に頼る部分を減らし、安定的な長期資金調達を増やす動きを見せており、これは日本でのサムライ債(非居住者による円建て債券)発行増となって現れた。最近では、この動きにドル市場の目詰まり要因が加わり、サムライ債は発行ラッシュとなっている。

 今年これまでに発行された金額は2兆5427億円で、過去最高だった2000年の2兆8567億円に迫る。

 直近では、米シティグループ(C.N: 株価, 企業情報, レポート)による過去最大規模の3150億円のサムライ債をはじめ、豪ウェストパック銀(WBC.AX: 株価, 企業情報, レポート)、オーストラリア・ニュージーランド銀(ANZ.AX: 株価, 企業情報, レポート)、クレディ・スイス・グループなど大手金融機関の発行が相次いでいる。  

 日本の機関投資家個人投資家の間では、国内の低金利に比べて高利回りが得られるサムライ債への需要が高いが、サムライ債発行の常連だったリーマンのサムライ債(発行総額1950億円)が16日にデフォルト(債務不履行)となる見通しとなったことで、銘柄選別が進みそうだ。

 実際、17日になってソシエテ・ジェネラル(SOGN.PA: 株価, 企業情報, レポート)とドイツ銀(DBKGn.DE: 株価, 企業情報, レポート)がサムライ債の起債延期を決めた。    

 時代は日本が基軸通貨になりつつあるのではないか