サラリーマン作家、いたらマズいの?

蒸し返すようでどうもアレなんだけどね〜。

先日のあの

エントリについたコメントに返信するカタチで、一つエントリを書いてみます。

私はhoboさんが(職業/生活/サラリーマン)作家と例えられた作家さんたちは
冒険をしない、手堅くいく、自分を出すより売れセンを狙う。といった感じかと捕らえました。
(kkrkさんのコメントから抜粋)

えーっと、その通りです。そういう風に書いた方が遥かに分かりやすいですね。

まーその

書いてみての反応ですが「サラリーマン作家」というのは何故か受けが悪いみたいですね。
でも「サラリーマン作家」が実在するかしないかは別として*1・・・、
いちゃいけないんでしょうか?
いたらすっごくマズいですか?
いてもいいんじゃないですか?
当たり前のようにいるんじゃない?
私はそれほど自分で「サラリーマン作家」と感じた作家を好まないというのはエントリに書いた通りですが、業界全体で全くいなかったらそれはそれで多分困ります
世の中のサラリーマンが全員芸術家肌/頑固親父系になって「やりたいと思った事をやりたい時にしかしない!」とか言い出したら困るじゃないですか。それと同じです。

ちなみに

一応「サラリーマン作家」の具体例を挙げておくと、前のエントリのコメント欄にもありましたが、榊一郎氏とかは私はそんな風に感じます。最近の栗本薫氏とかも同じように感じますかね。

あと

繰り返しになりますが、

「特定の仕事をして、それで長期に渡って飯を食べて行くために、意図的に出し惜しみしながら無理せず程よく頑張る」

ってことが出来たら出来たで、それはそれでとてもスゴい事だと思うんですけど・・・どんな仕事だってそうじゃありません?
終身雇用なんて夢のまた夢、より良い職場に転職出来たらしちゃうのが一般的な職種でも当たり前って現代社会において、「才能」とか「素質」という「本人にもどうしようもない『努力を超えた部分』の事を指摘した言葉」が評価の時に容易に使われかねないクリエイティブな業界に「ずっと籍を置く事が出来」て、しかも「そこそこの水準で人を楽しませる」ことは誰にだって出来るって事じゃないと思います
仮にただひたすら金儲けのためだけに作家をやっていて、

「今回は出来がまあまあだけどリライトする時間もないなあ。でもまあ固定のファンもいるし、多分……冊位は売れそうだから原稿はこれで良いや。この話に入れようと思ったあのネタは次回作に入れようっと!」

と思いながら本を書いている作家がいたとして、その作家が実際に儲けているなら見事なもんじゃないですか?

ですので

「サラリーマン作家」(と思える)人種に対しての好き嫌いの差は読者の個人個人にありこそすれ(繰り返しますけど、そういう作家がいるんじゃないかという印象だけでこのエントリは書かれてますし、さらに繰り返しますと私は読んだ後にそういう印象を持つ作家があまり好きでは無いようですが)、見下していると思ったり、貶めていると思ったりする必要は無いと思っとります。うん。
そういうのって言わば「人の生き方の違い」の問題なんだし・・・そもそもそんな所に貴賤は存在しないんじゃないかな? 

そうそう

ウパ日記さんのこのエントリはちょっと違った見方を私にくれました。

本音は隠すよね。
失うものの何も無い感想サイトでさえ周囲に気を配る。
「売れなければならない」作家なら、なおさら周囲に気を配るのは当然。
で、その周囲への気配りが目立つと、サラリーマン作家という印象が強くなってしまう。
(ウパ日記「ラノベ感想家が放つ渾身の一撃を味わいたい」より引用)

確かにそうなりそう。私でも気を使うのだから。
でももし、作家の「売れなければならない」とか「失うものが大きい」という重圧を、たまにでもいいから取り払うことが可能であったら・・・とか妄想する訳です。
いや、そんな簡単な話じゃないというのはよーく分かるというのは元のエントリにも書いた通りです。というか「そんな『売れないと困る』とか『失うものが大きい』現実」を私という一読者は補強している側かも知れないとさえ思います
だから、なんて自分勝手でムチャな欲望だろうと思いつつも妄想してしまう。変な願望を持ってしまう。そういう「枷」がラノベ作家達から取り払われたら・・・と。
そんな現実がもしあったら、ラノベ作家からどんなすっごい一撃が繰り出されるのだろうかと思うと・・・なんだかワクワクしませんか?

だから

私は「サラリーマン作家」がいたら(いると思いますが)、

  • たまには意識的に自分の内面やら本心といった臓物むき出しの作品を出してくれたら嬉しく思うし、
  • その位の事をやってもその後も普通に同じ業界にいられる余裕が業界全体にあれば良いと思うし、
  • 少なくともある程度出版社に貢献してきた作家には、儲け抜きで「作家達の書きたい本」を出すチャンスを与えてやって欲しいし、

と、そういう事なんです。さらに欲を言えば、

  • そんなにキャリアや売り上げがない作家にもそういう機会が沢山あればいいなあ。

という感じ。つまり、

作家が1回2回の冒険をして失敗したら、書くチャンスが奪われちゃうような業界はヤダなあ・・・。

と・・・そういう事です。
ちなみに「儲け抜きで出してみよう!」とかで出版したら大当たりした・・・とか、そういう事もありうるし? そんなん出版しないと分からないもんね。

ただもちろん

私がラノベ好きなので、ライトノベルって呼べそうな文芸分野でそういう本が出てくれたら嬉しいって事なんですけどね。
まあアレです、その結果の創作物を私が読んで「すっげーつまんね〜!」って反応するかも知れないですけど、まあそれはそれ、これはこれですよ。すっごい頑張ってる感じは受けるけど、でも全然好きじゃないぞ! って作家の人とか、いますしね。
私の場合、この人とか・・・好きじゃないんだけどね。もうこれってどうにもならない相性って奴でしょうね。でも本気っぽい。すごいちんちん丸出しで頑張っているっぽいとか感じるんですよね。

今の所

こんな感じに思ってるかなあ・・・?
またムチャな事言ってる? そして変? いや変なのは今に始まった事ではないけど!

*1:先日書いた通り、私は「いる」というスタンスです。証拠のない「印象」ですけどね。