法華狼の日記

他名義は“ほっけ”等。主な話題は、アニメやネットや歴史認識の感想。ときどき著名人は敬称略。

『スーパーモーニング』の「暴動」報道に、テレビの故障を疑った

警察発表の垂れ流しばかりで、激しく衝突している現場映像以外に大きな新しい情報がなかった。
疑惑に対して、暴行された者が前面に出てこないから暴行していないという警察発表は「一理ある」って、どんな「一理」だろう。それこそ暴行の被害者だからこそ「暴動」と一定の距離を取っているとか、さらに警察から目をつけられないよう周囲から守られているとか、色々な可能性があると思わないのか。
現場の映像や、「首謀者」*1の連行を無音で流すばかりで、暴行されたという人へ接触を試みたりしないで、何が報道なのだろう。

*1:しかし逮捕の理由は許可していない街宣によるもの。

『ドラえもん』恋するジャイアン(後編)/せん水艦で海に行こう

Aパートは「ジャイアンシチュー」をオリジナル展開に入れ込み、有名なカーニバルオチまで映像化。
Bパートは原作にほぼそったアニメ化ながら、全てが次回の長編への前振り。考えてみると原作者自身による短編『のび太の恐竜』の長編化から、原作者没後のアニメオリジナル長編映画まで、『ドラえもん』ではいつものパターンか。新しい秘密道具のアイデアを考えるより、長編キャラクター物を作る方が楽だし、引き延ばしやすいのだろうな。


作画監督は桜井この実で、Bパート数カットのエフェクト以外は作画が低調。原画に巧い人がいるのだろうか。

それぞれ、もう一つのダンス

アニメとしての『涼宮ハルヒの憂鬱』が評される時、よくある反応として『桜蘭高校ホスト部』と意図的に混同するボケがある*1。主人公の名前が「藤岡ハルヒ」であり、ほぼ同時期に放映された人気のある作品だからだ。
五十嵐卓哉監督、榎戸洋司脚本で、演出も物語も悪くない評価だった。基本展開はコメディ調の一話完結青春群像劇。やおい的な描写も多いが、あくまで自覚的に笑いの対象としていたため、とっつきやすい。
制作は作画に定評のあるBONESが担当。作画が半年を通して整って破綻しない上に、時たま入るスターアニメーターが突出したアニメーションを見せる。ブルジョア高校生が趣味半分に学内で風俗ホスト活動をする設定に忌避感さえ出なければ、実に眼福な作品だった。
EDこそ原作者による静止イラストを撮影で処理しただけだが、実はOPで主人公達がダンスを踊っていた。OP以外に印象的な作画が本編第1話に多かったので、存在が埋もれてしまった感がある。ただしOPの作画はいいものの、あくまで人物紹介のために入れ代わり立ち代わりダンスをしており、踊り自体を見せつける作りではない。どちらかといえば、美少女や美男子を太い描線で描くという時代に逆行する絵柄を選択し、結果としてシャープな印象を残したことを特筆するべきだろう。


先日*2に「ハルヒダンス」と比較した『ジャングルはいつもハレのちグゥDX』は、EDだけでなくOPでも気合の入ったダンスが見られる。これもまたED最後の胸毛長老に全てを持っていかれて、埋もれてしまったのかもしれない。他にも水島努監督はよくOPやEDでダンスを演出しているが、山本寛がOPやEDでダンスを見せるのはその影響という説もある。
ちなみにシンエイ動画制作アニメでは他にも現在の『あたしンち*3EDでダンスが見られる。リミテッドアニメらしくデフォルメされた動きの面白さがあって、現実にはまず踊れないものの見てて楽しいEDになっている。

*1:http://b.hatena.ne.jp/entry/http://d.hatena.ne.jp/kurotokage/20080615/1213541293にもある。ギャグの解説は野暮だが、許してほしい。

*2:http://d.hatena.ne.jp/hokke-ookami/20080618/1213827312

*3:水彩画のような背景美術や色指定が面白い。これまた山本寛がコンテ演出をした回がある。