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第2楽章〜一生聴ける#1

第2楽章は「一生聴ける」をテーマに、好きなCDを5枚書いておく。Back to 第1楽章
今日は、ベートーベンの作品を2枚。
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作曲者 ベートーベン ベートーベン
曲名 交響曲第5番 ピアノ協奏曲第5番
指揮者 カルロス・クライバー ヘルベルト・フォン・カラヤン
楽団 ウィーンフィル ベルリンフィル
ソリスト アレクシス・ワイセンベルク
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ベートーベン交響曲第5番
ジャ・ジャ・ジャ・じゃーンだけで通り過ぎてしまうのはもったいない。


ベートーベンは名曲が多いし、特にこの曲は有名だが、クラシックを自分から聴くようになったきっかけの曲なのではずせない。


前にも書いたが、第2楽章が癒し系で、当時持っていたベートーベンに対する硬派なイメージが覆されたことが、「クラシックをもうちょっと色々聴いてみるか」という、まさに「運命の動機」になった。


曲は、全体を通じて“タ・タ・タ・ターン”のリズムが基本となっていて、そのような構成に留意していると、大げさにいえば建造物のように音楽を聴くことができる。


特に、第4楽章の5:33付近で“タータ・タ・タータ・タ・タータ・タ・タータ・タ・タータ・タ・タータ・タ・タータ・タ・タータ・タ・タータ・ター”ってファンファーレみたいになる場面が極み付けだが、ここを間が抜けないように演奏するのは大変難しいと思う。
昔は、ここの部分について、クライバーカラヤン(ベルリンフィル1977収録)3:20付近の両方を友達に聞かせてどっちが良いか尋ねたりしたものだ。


さて、ほとんどの人が「運命」を聴いた事があると思うが、クライバーで聴くと、第1楽章の“ジャジャジャじゃーン♪”が、「早っ」と感じるだろう。
クライバーの「運命」は、テンポが速いから飽きないし、オーケストラの音の位置も判りやすいと思える録音だ。それぞれの音が、まさに“来て欲しい時にくる”演奏だ。
初めに聞いたのがクライバー指揮でなかったら、私のクラシックの扉は開くことがなかったかもしれない。


ちなみにこのCDには、『のだめカンタービレ』で有名になった交響曲第7番も収録されていて、お買い得なんだもン。*1
また、ベートーベンの交響曲のなかでは、第4番が比較的軽快でリズミカルな作品*2。これも、クライバーアーノンクールが良いのではないか。

□memo ベートーベンのジャズ
ベートーベンで、ジャズのようなフレーズを耳にすることが出来る。
それはピアノソナタ第32番の第2楽章に現れる。
“タン・タ・タン・タ・タン・タ・タッタスターンターン・スターンターン”という感じなんだけど、面白い。


また、ヴァイオリンソナタの『クロイツェル』はロックだ。ヘッドホンで大音量で聴いてみれば分かる。


ベートーベンピアノ協奏曲第5番
豪華!ピアノとオーケストラの競演。


『皇帝』と呼ばれるこの曲は、雄大な主題と豪華絢爛なピアノで、まさに黄金のイメージだ。
この曲を聴いて「協奏曲」というジャンルもいいなあと考えて、しばらくはピアノ協奏曲、ヴァイオリン協奏曲などを聴いていた。
協奏曲の魅力は、謳いあげるピアノやヴァイオリンのソロと、オーケストラとの掛け合いだと思っている。
そういう意味では、このピアノ協奏曲第5番には“いかにも”な掛け合いがある。


第1楽章の出だしから、

オーケストラ“ジャーン”
ピアノ“タタラタラタラタラタラ↑タタラタラタラタラタラ↑タタラタラタラタラタラ↑(と昇っていく)”
オーケストラ“ジャーン”
ピアノ“タタラタラタラタラタラ↑タタラタラタラタラタラ↑タタラタラタラタラタラ↑(気合を増して昇っていく)”


という威勢のよいご挨拶から始まり、


第一楽章11:00前後の

“タン・タ・タン・タ・タン・タ・タン・タ・タン”

の掛け合いなど


ピアノとオーケストラとの阿吽の呼吸が見所で、「ピアニストになったならば、いや、ならなくてもそこだけは演奏してみたい」と思ってしまうのだ。


でも、第1楽章だけで20分30秒もあるからココロして聴くんだもン。


ベートーベンにこのような典型的作品を提示されてしまったからには、ベートーベン以降の作曲家は、彼の亜流にならないよう苦労したんじゃないかなと思う。


そのひとつの答えとして傑作だと思っているのは、プロコフィエフの『ピアノ協奏曲第3番』。“アタマの中が耕(たがやさ)れる”ような音楽だ。

*1:交響曲第7番は、リズム感のあるノリの良い曲。アーノンクール盤もいい感じだ。

*2:有名な第3番『英雄』と第5番『運命』にはさまれているので「北欧の2人の巨人に挟まれたギリシャの乙女」とシューマンが評した。