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ピアノソナタ

(音楽)
ぴあのそなた

ピアノによるソナタ。多くは独奏ピアノであるが、2台ピアノや1台4手(連弾)のための曲もある。
ピアノソナタの歴史は鍵盤楽器(チェンバロ)用のソナタを555曲も作ったスカルラッティから本格的に始まったと言える。古典派に至るまでのピアノソナタは鍵盤楽器の愛好者のための小曲という色合いが強く、徐々に複数楽章形式の比較的規模の大きな楽曲へと発展する。この意味ではハイドン、モーツァルトによって一応の完成を見たといえる。しかしベートーヴェンによって形式・音楽表現ともに拡大され、ピアノ愛好者のための音楽から作曲家の理念や自我を表現するための作品へと変貌していく。ベートーヴェンによるピアノソナタの拡大は「ハンマークラヴィーア」まで続き、当時演奏不可能とまで言われたほどの難易度の高さを誇る大曲となった。
ロマン派の時代になると、ベートーヴェンによって極限にまで拡大されたピアノソナタは、もはや作曲家が気軽に作れるジャンルではなくなり、発表される作品数は減少する(もっともこの現象はピアノソナタに限らず、交響曲、室内楽などベートーヴェンが力を入れた全ての分野にわたるのだが)。ショパン、シューマン、ブラームスがそれぞれ3曲、リストに至っては1曲しかピアノソナタを作っていない。モーツァルトの18曲、ベートーヴェンの32曲と比較するとその少なさがよくわかる。なおリストは交響詩の方法論をピアノに適用し、一楽章形式のピアノソナタを作った。「ソナタ=ソナタ形式楽章を含む複数楽章の曲」という前提を覆したこの作品は当時の音楽界に大論争を巻き起こした(現在では一楽章中にソナタ形式・複数楽章的要素を包含した曲と解釈され、リストの作品中でも高い評価を得ていることを付記しておく)。
時代がさらに下り20世紀になると、若い作曲家が自らの能力を示すため、ピアノ1台で表現できるピアノソナタに目をつけ「ピアノソナタ作品1」が増えた。この結果、ピアノソナタ=習作というイメージがつきまとうことになる。しかし、そのような中でもベルクのピアノソナタ作品1、ブーレーズのピアノソナタのような曲が生まれ、またプロコフィエフは継続的に質の高いピアノソナタを発表し続けた。しかし1950年代以降ピアノソナタは古臭いジャンルとみなされるようになり、作品数は急速に減少して衰退の一途を辿ることになる。
1970年代になり、行き過ぎた前衛主義に対する反動からピアノソナタが再評価されつつあるが、発表される作品数は多くない。

主な作曲家

  • スカルラッティ
  • ハイドン
  • クレメンティ
  • モーツァルト
  • ベートーヴェン
  • シューベルト
  • ウェーバー
  • ショパン
  • シューマン
  • リスト
  • ブラームス
  • リヒャルト・シュトラウス
  • スクリャービン
  • ラフマニノフ
  • プロコフィエフ
  • バーバー
  • ヒンデミット
  • ショスタコーヴィチ
  • ベルク
  • ブーレーズ
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