Johannes Brahms (1833-1897 ヨハネス・ブラームス)
作曲家、ピアニスト。1833年ハンブルク生。1897年ヴィーン没。 ベートーヴェンの作風を継承しロマン派の潮流の中核に位置するが、同時に中世以来の古典音楽やスラブ系のリズム感に富んだ民族音楽を研究し、重厚な作風をもって知られる。
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※おことわり。こちらのレビュー公開時点では、リサイタルツアーは継続中です。これからリサイタルをお聴きになるかたで、新鮮な気持ちで本番を迎えたいかたは、どうぞ本レビューをお読みくださるのは千穐楽を迎えて以降にお願いいたします。 www.officeone.co.jpヴァイオリニストの諏訪内晶子さんとピアニストのエフゲニ・ボジャノフさんのデュオリサイタルがKitara大ホールにて開催されました。2023年9月に全国6カ所を回るコンサートツアーの一つで、札幌公演はその初回。プログラムは、ブラームスのヴァイオリン・ソナタ全3曲です。近い日程で魅力的な演奏会が目白押しの中、私はこちらの演奏会を最優先に計…
今度の定期演奏会でやるブラームス交響曲第2番の第4楽章の冒頭付近に印象深いリズムがあります。 冒頭、Pで始まり、消え入るようなデクレッシェンドで、そのまま静かに収まるかと思いきや、スビート(突然)フォルテの音型が静けさを唐突に破ります。 youtu.be その音型の頭が八分休符なのです。ブラームスも、頭が休符で始まるリズムは得意なのですが、他の作曲家でも、見かけるリズムです。 この音型を見る度に思い出すのが、とある古い映像のこと。 指揮者の小沢征爾さんが、まだボストン交響楽団の音楽監督をやっていた頃。タングルウッド音楽祭で、若手の指揮者の指導をしている映像があります。そこで、ウェーバーの魔弾の…
聴いているうちに段々と収拾がつかなくなってきたので、こんな感じで。あまりにもとっ散らかりすぎて、これを文章としてまとめるのが面倒になってきた。…ええ。呑んでますとも。
知らなかった。 9月4日は「く」と「し」だからか。語呂合わせ以外に、別の理由があるかもしれぬ。 ほかにも串カツの日、釧路市民の日・・・? 洒落にもならぬ。 クラシック音楽も他のジャンルと同様、BGMとして聞き流すだけのことが多くなった。TVを付けっぱなしにするよりはいい。 八ヶ岳の編笠岳と権現岳の間に「青年小屋」がある。ここの御主人が音楽好きで、以前泊まった時の翌朝流れていたのが、 ブラームス作曲 交響曲第3番ヘ長調作品90 だった。 秋になると聴きたくなるのがブラームスの音楽で、CDをかけて一足早く季節を先取りしてみた。 (青年小屋 2007年8月16日)
東京に住んでいた頃は、定期的にN響の演奏会に行ってましたが、東京まで小旅行な距離に引越したので、近くのホールでは、プロのオケは偶にしかきてくれず、無難な選曲も多くてなかなか行く機会がありませんでした。たまたまみた、劇場のスケジュールでアマオケの演奏会をやるのを見つけて、生オケ聴きたくてドライブがてら行ってきました。 鎌倉芸術館アマオケも東京に住んでいた時は結構足運んでました。ホールはこちら kamakura-kpac.jpアマオケはこちら www.hakkei-po.yokohama演目は シベリウス フィンランディア ビゼー カルメン組曲 ブラームス 交響曲第2番 目当ては、ブラ2で、フィン…
「いろは」の知り合いの人が、東松山市の比企交響楽団で第1ヴァイオリンをやっています。その関係で比企交響楽団の定期演奏回 のお知らせです。 10月15日(日曜日)に東松山市民文化センターにて、比企交響楽団 第18回 定期演奏回が開催されます。 曲目は、ブラームス作曲「交響曲第3番」、ビゼー作曲「アルルの女」、スメタナ作曲交響詩「わが祖国」より「モルダウ」です。 「いろは」はコロナ禍前に、この交響楽団の定期演奏会で、シューマンの交響曲を聴きました。アマチュアオーケストラならではの溌剌とした新鮮なシューマンを聴かせていただきました。大変快いクラシック音楽の贅沢なひとときを過ごせました。今回の定期演奏…
中国地方のある街から新幹線に乗った。夏の西日が遠慮なくホームに差し込んで目がくらみそうだった。ホームに滑り込んだ車両の中は冷房が効いておりようやく一息ついた。少し遅れて大きな荷物を持った青年が乗ってきた。西洋人だった。彼は偶然にも自分の隣席だった。 コレイイデスカ と語りかけた、その理由は手にしていたお弁当を見て分かった。ここで食べていいか?という事だった。勿論だった。 旅は道連れ世は情け。古い価値観かもしれないがそんな時代の話を僕は大切だと思っている。袖振り合うも多生の縁、そんな風に言われるほど似たような言葉が多いのも、偶然と思える出会いにはある種の必然性がありそれは日本人が大切にしてきた価…
クラシック音楽の演奏、そこには伝統と革新の二派が存在すると思っている。おそらく現存する楽団は大きくその二派に分けることも出来るのではないかと。もちろんその両翼を担う楽団も存在するのだろう。ベルリン・フィルはもちろん確固たる伝統を保っており、また同時に、そこにあぐらをかくことのない演奏家集団としての推進力を持ち続けている楽団ではないかと。そのような当たり前のことを思った理由は、このラトルによるブラームスを再び紐解いたからに他ならない。伝統集団がブラームスを演奏すると言うある意味においてコンサバティヴな行為も、時代によってその意味合いは変わってくるのだろう。ラトルを迎え入れた時期のベルリン・フィル…
色々とあり、色々と行動した、この休みのチルアウトに向けて、馥郁としたブラームスを。自分から動けば何かは動く。動かなければ何も進まない、やってはこない。
6時半まで寝る。昨夜は鍼灸師さんの教えに従って下半身を冷やさないようにいつもの短パンではなくスウェットを履いて寝た。そのせいで大量に寝汗をかく。寝る時間を長く取ったこともあって背中やふくらはぎの痛みがだいぶよくなる。助かった。 朝食後、Hが「仮面ライダーアマゾン」を観ていた。カニ獣人の回。人喰い蟹なるものがでてきて、大量に生きた蟹が集められていた。どうやって集めたのか。アマゾンが泳いで人喰い蟹のいる島にたどり着くシーンの大変さがすごい。 状態が良ければ早起きしてジムに行こうと思っていたが、そもそも起きられなかったため、仕事前に自宅トレ。プッシュアップ4種。背中の痛みがこないのでたぶんベンチとか…
昨日の日記に書き忘れた。昨日の夜は、母は仕事で父は出張だったため一人でのんびりできたんだった。テレビがついていないリビングというのは良いものだ。肉を焼いて食った。 母が頼んでいたらしい6000円くらいの代引きの荷物が突然届いてビビった。立て替えておいた。 今日は2人ともいる。労働終えて挨拶する。晩飯に何を食うかやたら訊いてくる。……何であれ「選択する」っていうのは仕事終わりの精神にはかなりきついのだ。部屋に避難する。 母は大分体調が回復したらしい。発症してから8日経つしな。結局コロナかどうかは不明だ。しかしな、まあ結局、コロナだった場合は、発症してから10日はウイルスが出続けるんですよ、と話を…
National Music 地域社会を意識した音楽のあり方について Date of first publication: 1934 Author: Ralph Vaughan Williams (1872-1958) 初版:1934年 著者:レイフ・ヴォーン・ウィリアムズ(1872~1958) 日本語訳:竹中弘幸(2023年9月27日全面改訂) こちらと併せてご愛読ください onmusic.hatenablog.jp THE MARY FLEXNER LECTURES ON THE HUMANITIES マリー・フレクスナー記念 人文科学講座 II 講座番号 2 These lectures…
26日(火)、調布市グリーンホールへ東京都交響楽団の演奏会を聴きに行った。 調布に行く前に、別件で仙川へ。 野崎りいな先生に教えていただいたアトリエカンナという弦楽器工房に用事があったのだ。 仙川駅から行く途中、桐朋学園を通りかかった。 クァルテット・エクセルシオの先生方はここにおられたんだ。 アトリエカンナ。 持って行った楽器を出し、事前にメールで相談していた用事を済ませて出た。 調布へ移動。 調布駅で下りるのは初めてかもしれない。 少なくとも調布市グリーンホールは初めてだが、駅前に出るともう見えて、すぐわかった。 今回聴きに行った演奏会はこちら。 ●都響・調布シリーズ No.24 日 時 …
10月はバレエ4,オペラ2,演劇1,ダンス1,コンサート1,映画1。さすがに〝芸術の秋〟は先月より少し増えた。 『ドン・キ』は大好きな作品。新国立バレエは同演目を別キャストも見るから多くなる。/新国立オペラのシーズン開幕はダブルビル。プッチーニ《修道女アンジェリカ》は間奏曲しか、ラベル《子どもと魔法》はまったく聴いたことがない。あまりよい印象のない指揮者だけど…。/鈴木優人指揮のBCJ がヘンデル《ジュリオ・チェーザレ》を上演する(オペラシティでもやるが都合で神奈川音楽堂の方)。タイトルロールにカウンターテナーのティム・ミードが配された。楽しみ。昨年 新国立でチェーザレを歌ったキーラントはここ…
こんにちは、ハクです。 毎週「河北新報夕刊」から、 様々な良き音楽を紹介されています。 と、私はそれを毎月まとめて、こちらにて載らさせて頂こうと思います。 "紹介文"も、いい参考文があります。あ~読みたい! ( ´,_ゝ`)プッ それでは、曲の紹介について、 文は「河北新報」文を引用いたします。ご了承ください。 では、ご覧くださいませ。 ◇ ①『野島稔の芸術』 野島稔(ピアノ) 2022年に亡くなり、録音をほとんど残さなかったという日本屈指の演奏家の貴重な3枚組み。1997、99年に大阪のホールで奏でたバッハ「平均律蔵ビア曲集第1巻」や、ベートーベン「ピアノ・ソナタ第2番」などを収めた。仙台…
先だって、BSPで「ハイドンからライヒへ 弦楽四重奏曲の進歩」という題の音楽番組を見た。興味深い内容だったが、先に結論から言うと、ハイドンからライヒへの歩みは果たして「進歩」なのか、私には疑問に思える。 私が聴いた限りでは、弦楽四重奏曲は、最初のハイドンで既に最高クラスの高みに達し、モーツアルトとベートーヴェンで明確に最高の作品が出現した、その後は、その「残響」のようにブラームス、シューマンの各3曲があり、その後は「現代音楽」化して現在に至る、と言うのが基本的な考えである。実際、私が日常的に聴くのはベートーヴェンの第7番以降と、モーツアルトの第14番以降がメインで、他は時々しか聴かない。ベート…
昨日9月25日は、ドミトリ・ショスタコーヴィチ(1906-1975)の誕生日だった。私自身決して好きだとは言えない作曲家で、録音、実演ともにどうも積極的に聴こうという気分になる機会が少ない。それでも、これまでショスタコーヴィチの実演に触れてきて、掴めないながら感動する不思議な感覚に自然となった体験もある作曲家である。 しかしながら、思えばショスタコーヴィチを積極的にと言わずとも、聴く機会はかつてに比べると段違いに増えた。いちばんの理由はアンドリス・ネルソンス(1978-)の指揮するボストン交響楽団で聴いた交響曲第5番が鮮烈な名演に心の底から感動し、最大限の賛辞を贈りたい気持ちになったことで、上…
「ねえ、ぴあかな君だよね。これあげるから書いて渡してね。」 初めて入った高校の教室で、彼女は笑顔で1枚の紙を僕に渡してそう言った。 まだ緊張感の漂う入学式の後の出来事である。 視線を手に移すと、それは可愛いキャラクターが描かれたメモ用紙のような紙だった。 女子とまともに話した事のない僕は、その唐突な出来事に気が動転してしまいすぐに言葉が出てこず、そうしている間に彼女は颯爽と立ち去ってしまった。 僕は、お礼の一言すら言えず、彼女の背中を見て呆然と立ち尽くす事しか出来なかった。 目の前に残る彼女の柔軟剤の匂いが、何も言えなかった僕の不甲斐なさをより一層虚しく引き立てた。 青春ドラマのような書き出し…
【主催者言】 ヴァイオリンとピアノによるライブ。ロマ音楽やMasahiRo作曲BOHEMIAN DANCESなど舞曲の世界をお楽しみください。 【日時】2023.9.23.(土・祝)14:30~ 【会場】横浜上大岡・ひまわりの郷ホール 【出演】 ○Bohemianist MasahiRo(ヴァイオリン)、 〈Profile〉 <ボヘミアニスト マサヒロ>1989年カナダ生まれ。 2009年東京オペラシティリサイタルホールにてデビュー以来活動の場を広げている。 2018年より開始したライブシリーズPrivate Note Liveにて共演のピアニスト斎藤真理恵とは王子ホールやルーテル市ヶ谷ホール…
【注】今回は番外編として「ブログの枕」と「シリーズ現代を聴く」はお休み。 ▼JOLT Showcase Yokohama 2023 【演目】①Augented Hyenas <サウンドアート・アンサンブル>ノイズ・スカベンジャーズ ②The Mother in The Silver Mouth <能声楽家>青木涼子 ③Disruptive Critters <パフォーマー>ジョナサン・ダックワース (ロイヤルメルボルン工科大学准教授) <パフォーマー>ジェイムズ・ハリック(作曲家) ④Strange James <エレキギター、歌>ジェイムズ・ハリック(作曲家) <ライブ・ペインター>中山晃子…
9/22夜の豪雨純黒の悪夢をリアタイしたいという淡い希望は残業の前に消し飛んだが、眠さと疲労をごまかすためにいつもの三倍ほどコーヒーを飲んだため職場では割と元気だった。この時期になると会社に差し入れでシャインマスカットが置かれていることが多くなり、みんな意外と遠慮して余っているので私はその横を通過するたびに(というのは言い過ぎだが)一粒ずつ食べた。これくらいおいしいものを毎日食べられたらとても幸せだろうなと思った。残業の原因は主に文章作成のためだったのだが、或る程度目処がついたため残りは日曜にかけることにして退勤。その途端一気に疲労が襲ってきて死ぬのかも知れないここで死ぬのかもしれないと思った…
「黄金の調和」創作秘話1 2022年末から2023年始にかけて「黄金の調和」吹奏楽版を書くことに集中、ようやく第1稿と言えるものに到達し、制作過程に一段落が付きました。 5番の決定稿のバッサリ感がすごいシベリウス🐰 1番を書き上げるのに20年以上を費やしたブラームス😌 弟子の言うことを聞いて(真に受けて)一度完成した曲を何度も改訂したブルックナー🐰 「リンツ」を3日で書いたモーツァルト😮 「リンツ」のスコアを写譜してみたら3日では終わらなかった😆という三枝成彰 ──念のため。(昔どこかで読んだんですが出典不明…事実とすれば)実際にこういうことをやってのける三枝さんもすごい。彼への敬意ももちろん…
特急列車を降りて人の波に乗って改札を出ると、開放的なデッキの向こうに青空が見えた。背の低い建物が並ぶ、広い空に覆われた街。今日は風が強い。大きく開いた出口から少し冷たい風が吹きつける。髪が顔にあたる。払いのけながらつばの広い帽子を押さえる。駅舎を出ると立ち込める光が瞳に突き刺さる。天気は良すぎるくらいだ。大通りに向かう。青いスーツケースを引きながらしばらく歩くとローカル線の駅に着いた。数駅ほどで降りる。ホームから地上へ上がると、川辺の樹木からウグイスの声が聞こえる。気持ちの良い風が吹く。昨日の雨で増量し濁った川面を辿り視線を挙げると、山の稜線がほのかに光っている。細い道に入り周囲の建物を確かめ…
私の父は音楽家の加納晴毅(せいき)だ。地元の名士の家系に生まれ、祖父は実業家、父親は生物学者だった。幼少期から様々な分野で優れた能力を示すが、とりわけピアノの腕は際立っていた。小学校に上がるとチェロも習い始める。毎日レッスンを受けているにもかかわらず、学校では成績優秀、のみならず気さくで誰とでも打ち解けられた。学校の吹奏クラブでも指揮を担当していた。しかし、そんなのびのびとした子供時代もあっという間に終わりを迎える。ピアノ教師の強い勧めで14歳のときアメリカの音楽院に留学する。かの地では素晴らしい教授陣から教えを受け、国際コンクールで次々と入賞を果たすようになる。そして19歳でのチャイコフスキ…