行政実例 

行政実例
行政事務の解釈
(昭和26年9月13日地自行発第277号 各都道府県総務部長宛 行政課長通知)

1 「行政事務」とは、単に行政機関の権限に属する事務のみなら

ず、立法乃至司法機関の権限に属する事務に関するものも

含まれるものと広く解釈する事ができる。

従って、この場合国会職員、裁判所の事務職員等の行う事務は

含まれると解すべきである。

又、単なる労務、純粋の技術、単なる事務の補助等に関する事務は

含まれないものと解される。

2 「行政事務」を担当する者であるかどうかの判別は

次の基準によることが適当である。

(1)文書の立案作製、審査等に関連する事務であること。

(文書の立案作製とは必ずしも自ら作製することを要せず、

広く事務執行上の企画等をも含む。)

(2)或程度その者の責任において事務を処理していること。

3 以上より「行政事務」を担当する者であるかどうかについて

具体的に例示すれば次の通りである。

(1) 地方公務員法付則第21項に規定する単純な労務

雇傭される職員は該当しない。

(2)民生委員についても該当しないものと解すべきである。

(3)消防組織法第11条の規定による消防吏員で2の事務を行う者

は該当するものと解せられるが、同法15条の2の規定による

消防団員は該当しない。

(4)警察法第35条の規定による警察吏員で2の事務を行う者は

該当するものと解せられる。

(5)地方公共団体の議会の議員は該当しない。

(6)選挙管理委員、監査委員、教育委員、農地委員、その他法令

または条例に基づく委員会(いわゆる行政委員会)の委員は

該当するものと解せられる。

(7)地方公共団体の経営する病院の医師で衛生行政に関与しない者

は該当しない。

(8)教育公務員については、一般に該当しないものと解せられるが、
いわゆる教育行政に関与する地位にある者は、すなわち、学長、

校長、教頭、部局長、教育長等は該当するものと解せられる。

教育委員会の事務職員については、1・2により判断されるべきであろう。

(9)地方公共団体の議会の書記は該当するものと解する。

(10)軍人であった者については、一般の兵は該当しないが

いわゆる軍事行政に関係ある者、例えば陸軍省、連隊区司令部、

連隊事務室等に勤務していた者で2の事務を行っていた者等は

該当するものと解することができる。