シガテラ 6巻/古谷実

シガテラ(6)<完> (ヤンマガKCスペシャル)

シガテラ(6)<完> (ヤンマガKCスペシャル)

最終巻。最終回どうなったんだろってのがずっと気になってたので、やっと読めるぞ、なんてわくわくしながら読みはじめたんだけど、暫くすると「え、この感じで終わりにもってくのか?」って気持ちになってきた。
それは多分村岡さんの登場がいきなりだったからなんだけど、これは多分、荻野くん自信が「南雲さんじゃないと」と気付くのに必要なしかけだったんだろうなとは思う。
「僕は今 南雲さんを幸せにするために生まれて来た男 第一位」という台詞にたどり着いた時の感慨ってのは、たぶん、一昨日かいた「世界ランキング」において、誰もが第1位になれる可能性の1つなんだろうなぁーってのは一昨日は恥ずかしくてかけなかったんだけど、こういう場面を見るとそう思う。
反対に、なんで南雲さんが荻野君を好きなのかってとこに関してはあまり語られないものの、観覧車のシーンなんかでは、なんとなくだけど、そういう分かりやすい人である荻野君に南雲さんは安心するのかななんて思ったりした。
ところで、シガテラという漫画の面白さっていうのは、谷脇と高井にまつわる非日常的な「おそろしさ」と南雲さんとバイクを中心に据えた「平和で幸福な世界」がほんとうに紙一重のところに存在している感覚だったと私は思うんだけど、それだったら、68話で終わっていても、きっと納得出来たと思う。なんでこの、「大人になって、いろいろ変わったけど、結構うまくやってる、つまらない大人になりました」というラストになったのか、古谷さんの意図するとこは解らない。確かに南雲さんと平和に暮らしました、じゃあファンタジーになってしまうのかもしれないけど、そこに結論をださなくてもよかったんじゃないかなという気はした。バイクのことも、ちょっと忘れてたし…。
まあ、私は結局、末永く上手く行く荻野君と南雲さんが見たかっただけなのかもしれない。

シガテラコールドゲームhttp://d.hatena.ne.jp/ichinics/20050224/p1
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