「本と著作権の日」に寄せて

(2008年4月23日12時45分)

今日4月23日は、親しい人に本を送りあう「サン・ジョルディの日」であるとともに、図書の著作権について考える「wikipedia:世界図書・著作権デー」でもあります*1

ご存じのとおり、インターネットに代表される新しい技術の台頭に伴い、著作権を巡る情勢はかつて無いほどめまぐるしく変化しようとしています。そのような中、新しい時代に適した著作権のあり方を考えようとする専門家や文化審議会著作権分科会委員の皆さんに、当協会は深く敬意を表します。同時に、誰もが作品の作り手となり、受け手となりうる今時では、皆が著作権のあり方について考え、意見を出すことが、著作権制度の健全なあり方の上では今後一層重要になってくると考えます。今日の著作権の日を契機に、多くの人が著作権のあり方について考えを巡らせ、発言していくことを当協会では期待します。

その意味では、今日、公正取引委員会日本音楽著作権協会 (JASRAC) に立ち入り検査を行なったというのも、意義深いものがあるのかもしれません。NHKなどの報道によると、公正取引委員会は、JASRACと各放送局などが締結する、音楽事業の収入の一定額を払えばJASRAC管理の音楽を自由に利用できるようにするという「包括利用契約」が、他の著作権管理事業者の参入を妨げたと見ている模様です。仮にこの見方が成り立てば、現在JASRACニコニコ動画と、JRCYouTubeと締結した著作権利用契約も見直しを迫られることになるなど、インターネットを利用したサービスのあり方が変更を余儀なくされる可能性もあります。

どうぞ、下記のニュースも参考に、今日の著作権の日に、著作権についてお考え下さい。

*1:ユネスコ制定。なお、JASRACでは11月18日を「音楽著作権の日」としている。http://www.jasrac.or.jp/recruit/guide/corpdata.html