愛してやまない極個人的造形美

80年代後半から現在に至るまでアルペンスキーウィッチャーの自分としては
スキーブーツというスポーツ用具の形に果てしない美を感じてしまうのだ。
80年代後半、あのインゲマル・ステンマルクが引退し、その後サロモンと契約。
当時のスウェーデンナショナルチームのウエアに白いSX-92Racingを履いていたCM。
サロモンのプロモーションがうまいのは流石だが、
かなり強烈な説得力を持っていたのは間違いない。
リアエントリーのステイタスがピークに達していた時分のことであり、
スキーブーツの多彩さも花開いていた。
フランツ・ハインツァー、マルクス・バスマイヤーのライケル。
川端絵美のサロモンインテグラル。
ペトラ・クロンベルガーのグリーンシェルのダイナフィット。
トーマス・スタンガッシンガーのテクニカ。
ギュンター・マーダーのラング。
デドリック・マルクステンのヤマハR-08。
どれも素晴らしい形とカラーリングを纏っている。

なかでもオレ・クリスチャン・フルセトやパウル・アッコラ、ヨハン・バルナー
、マリオ・レイター、クリスチャン・マイヤー、岡部哲也が愛用していた
[NORDICA GRANDPRIX(ノルディカグランプリ)]、
そのグランプリの造形美の系譜上
(ダブルヒンジ、セクシーにくびれた踵形状、脛正面の第3&4バックルの受け、内側にズレた第1バックル)に位置し、
21世紀のグランプリと言える[GARMONT G-1(ガルモントG-1)]、
第1バックルがリバースで搭載されていたボーヤン・クリジャイ、ロク・ペトロビッチの[ SANMARCO TR(サンマルコトップレーサー)]
そしてルドルフ・ニールリッヒやフランク・ピカール、ミカエル・トリッチャー、トーマス・スタンガッシンガー、トーマス・シコラ、フーベルト・シュトロールツなどが履いていた、
5バックルの我が愛機[KOFLACH KC-737 FORM(コフラックKC-737フォーム)]なんかは別格にカッコいいぞ。
シンプルかつ質実。機能だけでなく、物の形としての魅力。機能美の極みが確実に最高レベルで表現されているのだ。
あー、久しぶりにスキーしてぇーな。