日本のスマートフォン事情

と言う訳で、ACCESSのALP発表を受けてスマートフォンの応援メッセージを昨晩アップしてみた訳ですが、日本でのスマートフォン事情と言うのは現在かなり厳しい状況なのに変わりはありません。
日本の携帯事情は欧米と比較するとやはり特殊で、i-modeに代表されるコンテンツサービスによる収入に頼っている面が多々あります。
具体的には電話機本体を採算割れするくらいの破格値でもいいから台数を売って、その後のコンテンツ使用料で儲けると言うビジネススタイルが確立している訳です。
スマートフォンの特徴の一つは、先ほどの応援メッセージで書いたようなカスタマイズ性ですが、これについても国内の携帯電話では専用のアプリ有償で販売すると言うビジネスが成り立っています。
これをユーザがインターネットから勝手にダウンロードして携帯にインストール出来るようになるだけで、このビジネスモデルの根幹が揺らいでしまう訳です。
さらにスマートフォンのもう一つの大きな特徴は、インターネットとの親和性です。大抵が高機能なフルブラウザが用意されており、携帯からインターネットへと自由にアクセスできる訳です。
今まで天気予報や交通情報などを有料の携帯専用サイトから入手していた情報が、Yahoo!などの大手ポータルの同等サービスを使い無料で入手できるとなれば、ユーザはそちらを使うようになるでしょう。
今の日本の携帯電話キャリアスマートフォンを発売すると言う事は、このような今までのビジネスモデルを覆すだけの影響力がある訳です。
そんな訳で、国内で今まで発売されたスマートフォンは、ボーダフォン702NK702NKII、ドコモのM1000、そしてウィルコムW-ZERO3のみと殆ど実績がありません。
auに至っては、どうもコンテンツサービスの拡充を最優先にしているようで、スマートフォンについては発売の予定すら発表されていませんね。
ドコモについてもスマートフォンはビジネスユーザ向けと言い切っており、今のところ大々的な展開は見込めそうにありません。
ボーダフォンは海外法人の影響もあり、今のところノキアスマートフォン端末を積極的(?)に国内展開しようとしているようですが、FeliCa対応サービスの遅れや秋に導入されるナンバーポータビリティへのシステム対応を考えると、恐らく今のボーダフォンは資金的に辛いのではないかと思っているので、大々的な展開は難しいだろうと思っています。
W-ZERO3が絶好調で、唯一スマートフォン市場で成功を収めているPHSウィルコムも、ユーザ数が携帯電話と比べて一桁違います。ここに従来型の通話端末4機種とスマートフォン1機種を投入しているのですから、ラインナップとしては精一杯と言ったところでしょう。W-ZERO3に続く後継のスマートフォン端末が発売され続ける事を希望するのが関の山なのかもしれません。


でも海外では、特に北米ではスマートフォンは一定の評価と拡大する市場を持っているわけです。
日本の携帯電話は早い時期に高機能化したため、PDAとの機能融合をする事無く独自進化を遂げてしまいました。
確かに当時は最先端の高機能端末だったかもしれません。
でも世界の携帯電話市場でより高機能なスマートフォンが台頭してきた事によって、今や機能的な優位性は完全に失われてしまいました
そして、そんな素晴らしい端末が国内に入ってくる可能性は、上記の通りあまり高いとはいえないのが実情でしょう。
ならば、ユーザ側がもっと「欲しい」と声を上げてもいいのではないかと。

ACCESS社のALP発表で、スマートフォンの役者は揃いつつあります。
今ならまだ間に合います。
だから僕たちが「欲しい」と声を上げるのはなんだと思っているのです。

#出来る事ならば、この声が束となって携帯各社に届く事を…。