技術経営実践(R&D)

高度技術経営塾の講義メモ(講師:村井氏)

講義の中で重要であると思ったところをメモ。
1.研究テーマの創出
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2.社会状況の変化、スピード

    • 世界人口の増加
    • 日本での少子高齢化
    • 国民総生産の増加
    • インターネットの劇的普及

3.コアコンピタンスについて

4.研究テーマ設定とプロセス
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5.潜在的ニーズはユーザーも気づいていない
ソニーの盛田さんの言葉

消費者は、どんな製品が技術的に可能かを知らないが、われわれはそれを知っている。だからわれわれは、市場調査などにあまり労力を費やさず、新しい製品とその用途についてあらゆる可能性を検討し、消費者とのコミュニケーションを通してそのことを教え、市場を開拓していくことを考える。

6.ヒット商品が生まれた背景
ヒット商品の背景に存在するもの

    • 顧客の側に立つ、顧客の顔が見えている。(企画、開発者は顧客を超えた顧客になている)
    • 差別化された技術と経験価値(夢、人の気持ち、感覚)
    • タイミングが良い
    • 時代のトレンドの中にニーズがある
    • 執念
    • ブランド

7.研究開発のステージゲートプロセス

    • 研究フェーズ

A(コンセプト創出) → B(コンセプト確認・技術課題抽出) → C(課題解決・事業化への初期検討) → 開発フェーズへ(状況の変化による評価、修正、中止)

    • 開発フェーズ

A(事業化・コンセプト化) → B(商品化への課題抽出) → C(課題解決) → D(量産化へ課題解決・最終判断) → 量産試作(量産スケールで確認) → 量産 → 上市
基本的に開発フェーズで中止してはならない。

8.如何にして差別化できる強い技術を見出すか
技術を診るジョバリの窓

存在しない 第3象限-差別化できる技術開発対象- 第4象限-コアコンピタンスになる技術・未知との遭遇・セレンディピティー的発見-
存在する 第1象限-常識レベル- 第2象限-調査し、検討を要するが、差別化技術にはならない-
  認知している 認知していない

9.テーマの選択と集中(評価、軌道修正、中止の処方)

    • 徹底的に広いシーズ探索;本当に強いシーズを取得する
    • フェルターに掛けて研究開発テーマを選択;強い事業を産む

10.IBMのロードマップ

    • GTO-技術動向を洞察
    • GMT-市場動向の将来を見据える
    • GIO-イノベーション動向を探る

IBMの基礎研究所が中心で全社を巻き込み、まとめ、顧客へオープンにして、将来の商品立上げに巻き込むようにし、その結果、将来のコンピュータ市場の方向性が決まる。

11.研究の先に存在する谷
研究 → 死の谷 → 開発 → 死の河 → 事業化 → ダーウィンの海 → 市場