魍魎の匣


戦後間もない東京。美少女バラバラ殺人事件が世間を騒がせている。私立探偵の榎木津(阿部寛)のもとに人気絶頂で引退した女優・柚木陽子(黒木瞳)に関する依頼が転がり込む。一方、神田の出版社を訪れた小説家・関口(椎名桔平)はバラバラ殺人事件について衝撃的な事実を聞かされる。さらに編集者の敦子(田中麗奈)は「神秘御バコ教」という教団の黒い噂を耳にし調査を始める。やがてこれらの事件はあるひとつ事件へと結びついてゆくのだが…。

『魍魎の匣(もうりょうのはこ)』作品情報 | cinemacafe.net

宇都宮ヒカリ座にて。
12月22日の公開から早2ヶ月弱。公開当初から上映していたハコはほぼすべて上映を終了してしまいましたが、ヒカリ座で再上映してくれたおかげで見る事が出来ました。ストーリーが難解だと聞いていたので構えていましたが、全然そんなことはなくてシンプルな展開だったので非常に分かりやすくて面白かったです。


非常によかったのが、作品の舞台となった時代やその背景をあらわす匂いがとてもよく表現されていた点です。
終戦直後という時代もそうですし、魍魎が居るという設定も自然に納得出来るというか、非常に腑に落ちる映像でした。
蟲師もそうでしたが、現代では居ないと思われているなにかをあたかも存在するように描くのは結構しんどいなと思うので、それがしっかりと感じられたのはとてもよかったです。


そうそう。
帰って来てからネットで調べて知ったのですが、この作品は原作好きからの評判はあまり芳しくないようです。京極夏彦さんのファンはコアな人が多くて見る目が厳しいような気もするのですが、それを差し引いても読まずに見てよかったなと思います。と言うか、本当は買って読もうと思ってたのですが、文庫本で買おうと思ったら分厚いのが上中下巻の計3冊なんだもんなあ...。さすがにあれは手を出す気になれませんでした。
ただ、あの映像の元になった原作がどのようなものなのか非常に興味がわいてきたので、長時間移動用に買っておこうかなという気になっています。

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