ブログ版『ユーリの部屋』

2007年6月から11年半綴ったダイアリーのブログ化です

日本は米国の子会社ではない

というわけで、サイバーペースを使っての国際連絡取引が始まったわけですが、米国では可能なことでも、日本の法律では厳しい手続きが必要なことがあります。
ですから、予め、日本が米国の子会社ではないことを了承していただくためにも(参照:2012年4月1日付「ユーリの部屋」)、2ヶ月のメール交換が必要だったのです。今のところ、どうやら他に代わりのきく候補者がいないようですし、会社組織を立ち上げたのではなく、個人ベースでやっているので、小回りが利く半面、最初の立ち上げが肝心。
早速、今日も一件ありました。個人コレクション用に、と思って好意で送ったつもりの過去の翻訳論文を(http://d.hatena.ne.jp/itunalily/20120401)、大変に「興奮し」て喜ばれたのはいいとしても、それをすぐに、自分のウェブで公開しようとするのです。ただし、日本語の縦文字と横文字の感覚がわからないらしく、PDF版ではなく、ワード版にして送りなおしてくれ、との由。
「ちょっと待った!」をかけました。この件では、私なりに前もって予想がついていたので、主人に聞いてみると、「そりゃ、個人で送るのはいいけど、著作権の問題があるだろう。公開するには手続きがいるな。日本は厳しくなっているよ」とのことで、聞いておいてよかった、と思った次第。文字が特殊な日本語でよかったですねぇ、その分、時間稼ぎができるので。
まずは、国会図書館に電話で問い合わせ、必要な手続きをうかがいました。そして、それを要約して、先方に送っていただきたい書類を整えるよう、メールでお願いしてみました。
それと、先方から学んでおいたことですが、例えば、本当は1週間の旅行で留守にするとしても、私には「10日間、オフィスを空けるよ」と知らせてくるのです。それも最初から予測がついていましたが、実際に、何度かカレンダーで計算してみたところ、やはりそうでした。
その知恵を借用して、というよりも、マレーシアのリサーチで帰国日を一日早めて伝えたりする自分の方法を援用して(参照:2011年1月21日付「ユーリの部屋」)、私の方も、「国会図書館に問い合わせましたが、3週間ほどみておいてください」とさばを読んで返答しました。お電話では、「2週間ぐらいですかね」と言われたのですが、実際、複写の場合も、手元に届くのに2週間を超えていましたから。
それでも、2ヶ月粘ったかいがあって、先方がアシスタントに対して、「ユーリの助言に従って手続きしなさい」と注意書きを添えているのが、うれしかったです。時間をかけただけあって、これで晴れて、信頼していただけたわけです。本当に、私の都合ではなく、社会全体の責任問題と密接にかかわることですからね!
それに、やはり米国人の好みそうな、先手を打ってこちらからイニシアティブを取ることは、かなり有効です。さもしそうに欲しがるのではなく、まずは掛け値なしに相手にギブすること。とにかく、ギブ、ギブ、これが肝要。見返りを求めずに、相手の喜びそうなことを探って、さり気なく....。特に、金品ではなく、情報。しかも、事実に基づく価値ある情報。相手の知らなかった、しかし、相手の最も必要とする情報を。この点、私の限られた経験では、マレーシアやシンガポールよりも、知識階級の米国人は、大変やりやすいですね。原則が共有できるので。

さて、昨日、係累の学的系譜を記しているうちに(参照:2012年4月4日付「ユーリの部屋」)、またもや感じたことがあります。医学部か工学部の専門職だということは(ただし、実家の父は法学部)、私の遺伝傾向としても合点がいくのは、抽象思考ではなく、具体的な地に足をつけた実学志向だということです。それも、何だかよくわからない雲をつかむような「社会的地位」なんかではなくて、とにかく大事なのは自分で食べていけること、それが最優先されるということです。だから、勉強が好きだということと、研究者として大学に残ることは全く別物だ、と繰り返しているのは、その混同がわかっていなくて、高学歴ワーキング・プアなどのような人材が産出されているという現状を痛ましく思っているからなのです(参照:2009年12月23日・2010年7月18日付「ユーリの部屋」)。
そうはいっても、本当に感じたのは、別のことです。それは、(私だって、数学ⅡBの方が、共通一次の数学Ⅰよりも好きで、点数もよかったのだから、もう少し精神面を整えて、担任の言うことに振り回されずにいたならば、薬学部辺りにでも入学して、資格を持ち、経験を積んで、国境なき医師団あたりで働きたかったなあ、ということ。すごくやりがいがあるし、国際的な紛争地に出て行って、困っている人々のお世話をするのみならず、現地の問題点を報告して、世界に公開するなんて、今の私の傾向にも充分合致しているかと思うのです。
それがかなわなかったので、せめて、代わりに活躍されている方々を支援しようと思って、本当にささやかながらも、僅かな金額を毎月、送金させていただいています。

最後に、話は昨晩に戻りますが、英国映画「アラビアのロレンス」を9時から12時45分まで見ました。途中、4分間の休憩がありましたが、初めの方でうつらうつらしてしまった他は、何とか見通せました。多分、繰り返して見ることはないでしょう。よくできた映画だと感じましたし、やはり、アメリカよりも英国の方が、テレビのニュース報道にしても、もっと落ち着いていて丁寧に作られていて、私の好みに合うと思いました。(米国は、何かと喋り過ぎで、うるさいのです。移民社会なので、言葉を尽くして語らなければ、すぐに誤解や中傷が始まるからでしょうか。)
全体としての感想は、(これが、男のロマンをかき立てるんですね)ということと、女性が登場せず、男性ばかりなのが、いかにも独特だという感じがしました。(そういう人間環境なんですね)と。