運輸多目的衛星新1号(ひまわり6号)の異常について [気象庁]

大丈夫か。

1.「運輸多目的衛星新1号(ひまわり6号)」は、本日21時26分より、通常使用される電波の送受信ができない状態が続いております。
2.緊急用のチャンネル(USB)では電波は捕捉できていることから、何らかの原因により、衛星の異常が発生したと考えられます。
3.予め定められた手順に従い復旧に努めているところ。
4.航空管制機能については、「運輸多目的衛星新2号機(ひまわり7号)」に切り替えて、正常に働いており、運用への影響はありません。
5.気象観測への影響
現在までに欠測した観測は以下のとおり;
11月11日 22時00分(全球画像)
11月11日 22時30分(北半球画像)
11月11日 23時00分(全球画像)
11月11日 23時30分(北半球画像)
現在、「運輸多目的衛星新2号機(ひまわり7号)」による緊急バックアップ観測の準備を行っており、11月12日 午前1時頃観測開始見込み。

ひまわり、一時観測できず 予備機に切り替え [共同]

障害の原因は不明で、同庁気象衛星課は「原因を究明して6号を復旧させ、早急に2機態勢に戻したい」としている。

気象庁によると、6号自体は動いているが、カメラが地球に向いておらず、電波の送受信ができなくなったという。

6、7号は「運輸多目的衛星」として、航空機の管制機能も併せ持つが、管制機能は既に7号に切り替えており、正常に作動。国土交通省航空局は「運用への影響はない」としている。

現在はバックアップの7号に切り替え中。前にもあった姿勢のズレが原因のようですが、今回もソフトウェア系の問題でしょうか? いずれにしても早く復旧すると良いんですが。

ひまわり6号に異常発生=予備の7号に切り替え−気象庁 [時事]

衛星本体の基本機能を維持するための電波送受信はできており、航空局は復旧可能としている。6号は2005年2月にH2Aロケットで打ち上げられた。06年4月にも姿勢制御用のコンピューター異常で今回と同様の事態が発生したが、約20時間で復旧した。

運用を行なっている国交省航空局によると、特に深刻な不具合ではないようです。

JAXAタウンミーティング in 下関に参加しました [天燈茶房 TENDANCAFE]

色々と面白い話があったようです。

天燈茶房亭主のQ:「かぐや」は募集した名前とメッセージを月へ届ける「月に願いを!」キャンペーンを行いました。
僕も「かぐや」に名前とメッセージを乗せてもらいましたが、遠い将来に我々の子孫が月面に眠る「かぐや」を訪ねた時、彼らは僕たちの名前とメッセージを読むことは出来るのでしょうか?
それとも、名前とメッセージを刻んだプレートは「かぐや」もろとも粉砕破壊されて消滅してしまっているのですか?

A:「かぐや」はかなり大きいので、多分機体は月面に残っている。
それに、名前とメッセージを刻んだプレートはわざと壊れにくい部位を選んで機体に取り付けてある。
ちなみに、アメリカの「ルナー・リコネサンス・オービター」に月面の「かぐや」を撮影してくれるようにリクエストしてある。

なんとLROに衝突地点をリクエスト済みだそうです! いつ出てくるか楽しみにしたいですね。

JAXAタウンミーティング 第39回開催報告 [JAXA]

MRJとかH-IIB/HTVとか。

石川:ホンダジェットの場合、いわゆる5〜6人乗りのビジネスジェットとして開発され、しかも純民間企業努力で開発しています。MRJに比べると、開発費のけたがひとけた半くらい違います。ホンダジェットの場合、ある種、企業のリスクと努力で20年近く前からやっています。まだ極秘の状態のとき、研究レベルでのサポートはしましたが、大がかりなサポートは相手側からの要請もありませんし、きちんとした形ではやっていません。
一方、MRJは、ある種、国策プロジェクトと定義されています。これも三菱重工に最初から決めたということではなく、公募したところ、三菱重工富士重工他のチームが応募し決定されたわけです。JAXAは、お金の面よりも、我々がもともと持っていた技術を更に発展させ、あるいは大きいスケールでサポートすることをやっています。
対価という意味では、いろいろと複雑ですが、基本的な考えとしてはもらっていません。しかし、風洞試験をやる場合、基本的には有償で貸しています。すべての作業に対価をもらうことはありません。

石川:つい最近、主翼が複合材料からアルミに戻すという発表がありました。細かいことは三菱さん社内のことですが、私どもにも説明をしていただいたのは、MRJの設計の場合、翼が三次元的に反った空力設計になっていて、それをCFRPで詳細設計していくと、実は余り軽くならないということがわかってきたという説明でした。もちろん、開発費用もCFRPにするとかさみます。幾つかのトレードをした結果、MRJの少なくとも最初のバージョンにおいてはCFRPを諦めることになったと思います。私もCFRPの研究をやっており、ある種残念です。アルミにすると重量増となりますが、最初はもっと重量が増えると思っていましたが、その差が若干しかないということがわかり、そのために相当のコストをかけるのであれば、アルミに戻しましょうという決断であったと聞いています。
もう少し突っ込んだ説明をすると、CFRPの場合、燃費のメリットよりも錆びないことからくる整備コストの低減が大きな採用動機です。錆びないことで生ずる整備費の低下をボーイング787でも売りにしていますが、MRJでは、とりあえず当初の機体はアルミでいくことになりました。
先ほどのライバル機、カナダの会社がMRJと同じエンジンで、主翼CFRPだと言っています。ところが、カナダの関係者が言うところですが、この会社は複合材料技術には弱く、実は今まで三菱重工がこの部分をつくっていたのですが、ライバルには当然供給を停止したので、これは個人の見解ですが、カナダは言っているだけで多分つくれる会社はない状況にあると思います。もちろんライバルそれぞれに優劣はあるのですが、少なくとも現状の設計では、空力抵抗にはライバルと相当な差があるので、先ほどの燃費の優位というのは当分維持されると思っています。
私の希望的な予測としては、将来のもう少し大きくしたバージョンでは、主翼CFRPにまたチャレンジされる可能性もあるかもしれません。すべての旅客機では、将来的には主翼CFRPになっていくという大きな流れがあり、そういう方向になってくると思います。

ホンダジェットには昔にほんのちょっと関わったことがある模様。炭素複合材は追々適用していきたいという希望を持っているそうですが、当面はアルミで競争力を付けていくそうです。

遠藤:H-IIBだけで言うとそのとおりです。しかし、H-IIBの構成要素は H-IIAと共通です。今、H-IIAは既に15機、1回失敗しましたが、このH-IIBは16機目です。そういう意味で言うと、来年くらいまでには20機の実績が出て、残念ながら1回失敗しているので、20分の1の実績が実証できると言えると思います。
競争力ですが、確かに静止打ち上げ能力というと、アリアンロケットは約9トン、今は8.9トンあります。H-IIBは約8トンなので、打ち上げ能力としては小さいです。経済性、国際競争力という観点で言うと、航空機と同じような話をさせてもらいますが、日本とヨーロッパでは仕組みが違います。国で基盤維持のために支えているベースが、アリアンロケットは日本の倍どころではありません。年間でいいますと100億近いお金が投入されています。残念ながらコストで言うと、正確には公表しませんのでわかりませんが、アリアンロケットは日本のH-IIAより高いと思います。しかし、基盤維持のためにヨーロッパが、要は基盤維持でベースを持っているお金がずっと大きいので、結果的にロシアのロケットと競争ができているというのが状況です。したがって、今の日本の仕組みで行くと、競争力は残念ながら落ちます。
ただ、今後、経済が均一になってくれば、私は日本は競争力が出てくると思っているので、長期的に見れば心配はしていません。すぐにはなかなか難しいと思います。

EUは強い後ろ盾があって盤石ですねえ。H-IIAは平均して毎年およそ2機ずつ地道に実績を積み重ねてきてようやく20機に手が届こうとしてますが、ホントよくここまで来たと感じます。1回でも失敗しようものなら最低1年はストップですから… いやまあ何も無くとも1年空いたりしてますけどw せっかく民間に移管されたんで、MHIには強気に行って欲しいですね。