土橋臣吾・南田勝也・辻泉編『デジタルメディアの社会学―問題を発見し、可能性を探る』(2011年、北樹出版)

私の執筆が遅れ、刊行が遅れてしまい
共著者のみなさんには多大なご迷惑をおかけいたしました。

土橋臣吾さん、南田勝也さんと一緒に編集させていただき、
木島由晶さん、加島卓さん、永井純一さんといった
新進気鋭のメディア論者たちとご一緒させていただいた著作が
ようやく出ました。


デジタルメディアの社会学―問題を発見し、可能性を探る

デジタルメディアの社会学―問題を発見し、可能性を探る


デジタルメディアについて、
思弁的な議論や、身の回りのルポルタージュ的な記述は
比較的多く目にしますが、
利用者の実態に沿いながら、社会学的に論じた著作は
決して多くないと思います。


気持ち的には、
数年前に、有斐閣さんから
出させていただいた、
以下の著作の続編的な部分もあるのですが・・・

デジタルメディア・トレーニング―情報化時代の社会学的思考法 (有斐閣選書)

デジタルメディア・トレーニング―情報化時代の社会学的思考法 (有斐閣選書)

・・・ただ、「なんとか2」とかいって、
”2”がつくと、駄作になりそうだったので、
コンセプトからまったく新たに練り直した
正々堂々(?)の新作です。



ご関心のある方は、
ぜひご一読いただけますと幸いです。

「分析・鉄道趣味(1)─歴史的変遷に関する一考察」『鉄道ピクトリアル』856、2011年11月号


念願の(!)、鉄道雑誌デビューを果たしました。


現在発売中の、『鉄道ピクトリアル』856号(2011年11月号)のP83〜P88に「分析・鉄道趣味(1)─歴史的変遷に関する一考察」と題しまして、私の博士学位論文のダイジェスト版の記事を掲載させていただきました。


模型こそが(あるいはそれに対するロマンティックな想い入れこそが)、日本社会における鉄道趣味の源流であるという着想に基づきながら、現代までに至る鉄道趣味の歴史的変遷が4段階からなるという仮説的な見取り図を提示しております。


ご関心のある方は、ぜひご一読いただけますと幸いです。
(本業である学術雑誌に論文が載るのと同じかそれ以上にうれしい、とか本当のことを言ってしまっては語弊があるかもしれませんが、同誌は子どもの頃から読んできた雑誌なので、感慨深いものがあります)



記事自体は、前任校の同僚である苅谷寿夫さんとの連名でして、来月はその苅谷さんと一緒に行いました、「鉄道フォーラム・ウェブ・アンケート調査」の結果を中心に記事を掲載していただく予定です。


鉄道フォーラムと言えば、
鉄道ファン、特に情報鉄の方ならば
誰もがご存じの、日本最大の
鉄道ファンのオンラインコミュニティですね。
http://www.railforum.jp/



実は、『鉄道ピクトリアル』誌への掲載の際には
鉄道フォーラムのマネジャー、伊藤博康さんに
大変お世話になりました。
(この場を借りて、改めて伊藤さん、
ならびに、『鉄道ピクトリアル』編集長の今津さん、
そして、調査にご協力いただいた鉄道ファンの皆様方に
改めて深くお礼申しあげます)




なお、このアンケート調査については、

『オンライン・ファンコミュニティの実態に関する研究―鉄道フォーラム・ウェブ・アンケート調査の結果から―』
松山大学総合研究所所報68号、2011)

という報告書に詳細をまとめてありますので、こちらもご関心のある方はぜひ。



最近では、
鉄道趣味の変遷を社会学的に研究しようという
若手研究者の方も増えてきたようです。

そのうちに、日本社会学会の大会で、
「鉄道ファン」部会が成立するかもしれませんね。

比較家族史学会30周年記念公開シンポジウム


教授会で同僚の先生に頼まれたので告知。

2日目のシンポはわが師匠まで登壇するようです。


日時 2011年6月25日(土)・26日(日)
場所 中央大学多摩キャンパス

詳細は↓をクリック
http://wwwsoc.nii.ac.jp/jscfh/2011_53taikai.PDF


26日のシンポは
山田昌弘・山根真理・丸山茂・落合恵美子・宮台真司と豪華メンツがそろい踏みです。


関心のある方はぜひ。

「紀伊國屋書店書評空間 Kinokuniya Booklog」4月の4冊

紀伊國屋書店書評空間 Kinokuniya Booklog」
http://booklog.kinokuniya.co.jp/tsuji/
を更新しました。


2011年4月は以下の4冊です。



『若者のトリセツ』岩間夏樹(生産性出版)
http://booklog.kinokuniya.co.jp/tsuji/archives/2011/04/post_11.html


『中央モノローグ線』小坂俊史(竹書房)
http://booklog.kinokuniya.co.jp/tsuji/archives/2011/04/post_10.html


『鉄道日本文化史考』宇田正(思文閣出版)
http://booklog.kinokuniya.co.jp/tsuji/archives/2011/04/post_9.html


『増補版 時刻表昭和史』宮脇俊三(角川書店
http://booklog.kinokuniya.co.jp/tsuji/archives/2011/04/post_8.html



よろしければ、
これらの著作ともども、ご一読いただければ幸いです。



※一冊目の『若者のトリセツ』は
岩間夏樹さんに献本をいただき、
内容の素晴らしさに、


コメントをお送りします

書評で取り上げさせていただきますね


とお約束してから
思い出すのも憚られるほどの時間が経ってしまいました・・・。


岩間さんごめんなさい、この場を借りてお詫び申し上げます、
とともに献本のお礼を申し上げます。

「本館」は「紀伊國屋書店書評空間 Kinokuniya Booklog」へお引っ越し


久しぶりのブログ更新です。

このブログでも、ごくたま〜にブックレビューを記してきましたが、このたび(というか、約1年前か…汗)「紀伊國屋書店書評空間 Kinokuniya Booklog」様にお誘いをいただき、長文のブックレビューについては、そちらに引っ越すことにしました。

以下がそのURLです。

http://booklog.kinokuniya.co.jp/tsuji/



2011年2月には

定刻発車―日本の鉄道はなぜ世界で最も正確なのか?』三戸 祐子(新潮文庫)
ソラニン浅野いにお(小学館)
『私の居場所はどこにあるの?』藤本由香里(朝日文庫)
『漁師の食卓』魚見吉晴(ポプラ社)

の4冊を


2011年3月には

『事故の鉄道史』佐々木冨泰・網谷りょういち(日本経済評論社)
妄想少女オタク系紺條夏生(双葉社)
『最新調査 日本の“珍々”踏切』伊藤博康(東邦出版)
『ナショナル・アイデンティティの国際比較』田辺俊介(慶應義塾大学出版会)


の4冊を
取り上げさせていただきました。



・・・といっても、献本のお礼やら、もっと個人的な思い付きやらメッセージやらを書きたくなることもあると思うので、こちらも「ブックレビュー別館」として、そのまま残しておこうと思います。




ついで・・・というのも、なんですが、そのほかいろいろとお引っ越しをしました。


すでに昨年度のことですが、2010年4月より中央大学文学部に着任いたしました。
松山大学人文学部在職中には、本当に多くの方のお世話になりました。ありがとうございました。


どうぞ、今後とも引き続きよろしくお願いいたします。


またそれに合わせて、自宅&研究室も引っ越したり、なんだりと、バタバタと移動ばかりしている状況が続いている、昨今です。


落ち着いてきたら、ゆるゆるとこのブログも更新していきたいと思います。

水越伸・東京大学情報学環メルプロジェクト編『メディアリテラシー・ワークショップ』(東京大学出版会) / 難波功士『広告のクロノロジー』(世界思想社) / 岡井崇之編『レッスル・カルチャー』(風塵社) / 工藤保則・寺岡伸悟・宮垣元編『質的調査の方法』(法律文化社)


忙しさにかまけて、いただいた本のご紹介が遅れました。
大変申し訳ありませんでした。

お詫びを添えつつ、ご紹介させていただきます。




見城武秀先生からいただきました。ありがとうございました。

一時期までの「読解能力」が優先されがちだったメディア・リテラシーと比べ、
「体を動かす」メディア・リテラシーの取り組みには
本当に共感を覚えます。

なおかつ、見城先生はそうした「体を動かす」メディア・リテラシー
実践的に取り組むだけでなく、その理論的なベース作りにもご尽力されて
いるところがさすがだと思います。




広告のクロノロジー―マスメディアの世紀を超えて―

広告のクロノロジー―マスメディアの世紀を超えて―

昨年、日本社会学会のシンポジウムでご一緒させていただいた、
難波功士先生からいただきました、ありがとうございました。

既発表原稿を元に、加筆修正を加えられて編まれた一冊であり、
その分、難波さんのご研究の膨大な全体像を俯瞰しつつ把握しようとするときに
一助となってくれそうな一冊ですね。

難波さんといえば、その生産力の高さを
いつも見習わなければと思います。

修士時代に、当時、東大助手でおられた北田暁大さんに
お借りして、コピーさせていただいた難波さんの修士論文
膨大な分量にしばし呆然としたことを思い出します。






研究上のよき友である、岡井崇之さんにいただきました。
ありがとうございました。

この研究対象での、これだけかっちりした研究書は
初めてではないでしょうか、寡聞にして聞き及びませんが。

「好きなことをやっているとき、人はいい顔をしている」
という言葉があるそうですが、
冒頭の編者の岡井さんのご論文は、
本当に筆がのびのびしていて、楽しそうです。







質的調査の方法―都市・文化・メディアの感じ方

質的調査の方法―都市・文化・メディアの感じ方


編者の、工藤保則さん、寺岡伸悟さんに
いただきました。

執筆陣も豪華ですし、
なにより、内容がリアリティがあって
「読ませる」ものになっており、
そのうえで、参考文献なども網羅され、
使い勝手がよく、
非常にバランスの取れたテキストだと思います。

お世辞抜きに、
学生に読ませたくなる/授業で使いたくなる
テキストだと思いました。

ありがとうございました。







ご著書を送ってくださった皆様、
本当にありがとうございました。



本を頂くと、
自分もやらねばなあ・・・という気持ちに
ちょっとだけ火がつくのですが、
それを持続させないと、と思う今日この頃でありました。

長谷正人・奥村隆編『コミュニケーションの社会学』(有斐閣)

今度から、いただいた本をブログで紹介することにしようかと思います。


「デフォルトのコピペ」みたいな返信ばかり差し上げるのも
送ってくださった方に失礼かなとか思い始めまして・・・。




ちなみに、この場合の「業界内でのよくある定番」としては、


「ぜひ授業で使ってみたくなりました」
「学生にも購読を勧めたいと思います」
「卒論指導に使えそうだなと思いました」


あたりがだいたいのベスト3ですね。



↑こんなことを書くと、自分でその「デフォルト」を使えなくなって
自分で自分の首を絞めるようなものですがw。
(また、献本が殺到する鉄人級の大家ともなると、
こうした「デフォルト」が文字通り印刷された葉書を
用意していたりもするようですが・・・)




「ぐうたら」なので、どこまで続けられるかはわかりませんが、
出来る限り、御礼の気持ちもこめて続けようと思います。






コミュニケーションの社会学 (有斐閣アルマ)

コミュニケーションの社会学 (有斐閣アルマ)







でもって、今回、頂戴したのがこちら↑





先日の日本社会学会シンポジウムで、
ご一緒させていただいた長谷正人先生と、
奥村先生が編者をつとめられた


『コミュニケーションの社会学


である。





昨今の、
読み手に媚びた感じの
ありがちなテキストと違って
(やたら、具体的な対象が多いとか、
やたら、ネタが若者っぽいとか・・・
書いていて耳がイタイことばかりだがw)
しっかりと、一本の筋が通っていて、
平易な文体でありながら、
実に読み応えがある一冊。




個人的には、
はじめのほうの章で、
ルーマンやハバーマスといった著名な社会学者たちが
まるで、物語の登場人物のようにでてくるあたりのところが
かなりのお気に入り。

こういう臨場感あふれる設定って、
本当にその人の主張に精通していないと
なかなか出せないですよね。
さすがだなあと思わされました。



自分のような不勉強な研究者が
社会学を学び返すときにも
実に役立ちそうです。

どうもありがとうございました。